中学受験国語の記述は、文章力よりも「本文の根拠を集めて、順番どおりにまとめる力」で伸びやすい分野です。説明文はイコール関係、物語文は背景+出来事で組み立てる――4つのルールを流れに沿って整理し、字数調整やミスの傾向、家庭学習の進め方までまとめます。

記述の「構成」や字数調整の考え方など、土台となる整理は 記述力とは何か(全体像はこちら) でまとめて確認できます。

このページで分かること(要点まとめ:4つのルール)

  • ルール1:まず本文から答えの材料を拾う(自己流で作文しない)
  • ルール2:説明文は「それ(指示語)→イコール→理由」の順で足してまとめる
  • ルール3:物語文の心情は「背景+出来事+心情」をセットで書く
  • ルール4:この根拠整理は、選択肢・抜き出しなど客観問題にもそのまま効く

記述が苦手でも伸びやすい理由(センスではなく本文根拠)

記述というと「文章が上手い子が有利」「感性が必要」と感じることもありますが、入試で求められやすいのは派手な表現ではありません。本文の中から答えになる部分を見つけ、必要な要素を整理してまとめるタイプの問題が多いからです。

入試国語の記述で不可欠なのは、答えを文中から見つける力です。

ここからは、説明文と物語文の典型パターンを使って、「見つけ方」と「まとめ方」を具体的に確認します。

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記述の基本ルール1 まず本文から答えの材料を拾う

最初に押さえたいのは、記述の基本方針です。迷ったときほど、ここに戻ると整理しやすくなります。

  • 自分の考えで作文しない(本文にない内容を足さない)
  • 本文中から答えの要素を拾う(言い換えは必要最小限)
  • 拾った要素を、問いに合わせて短くつなぐ

「何を書くか分からない」ときは、いきなり書き始めるよりも、先に本文の中で根拠になりそうな一文・一節に印をつける方が、答案が安定しやすくなります。

説明文の記述 イコール関係で組み立てる

説明文の記述は、まず傍線部=イコールの内容を本文から探すのが基本になります。ここが見つかると、記述は一気に作りやすくなります。

進め方 それ(指示語)→イコール→理由の順で足す

例として、次のような設問を想定します。

(例)傍線部③「生物学的にはそれは間違いである」を50~60字で説明せよ。

ステップ1:まず「それ」が指す内容を、直前から特定します。

  • 「それ」=「人間は一人で生まれて一人で死ぬという考え」

ステップ2:傍線部の言い方に合わせて、いったんX(イコールの骨組み)を作ります。

  • X:「人間は一人で生まれて一人で死ぬという考えは、生物学的に間違っている」

ステップ3:字数が足りないときは、本文から理由(Y)か、追加のイコール情報を足します。

「人間の体には、一億以上の生物が住んでいる(Y)」

ステップ4:XにYをつなげると、字数と内容を満たしやすくなります。

  • X:イコールの骨組み(傍線部の内容)
  • Y:本文にある理由・根拠(なぜそう言えるか)

図で整理すると、次のようなイメージです。

説明文記述:それ(指示語)=Xに理由Yを足して完成させるイメージ図

字数が足りないとき/余るときの調整

字数が足りないときは、基本的に次のどちらか(または両方)を本文から探して足します。

  • 自分が書いた内容の理由(Y)
  • 自分が書いた内容とイコールの追加情報(言い換え・言い直し・具体化など)

字数が余るときは、次のチェックが有効です(詳しい流れは後半の「字数指定の調整」でまとめます)。

  • 同じ内容を言い方だけ変えて二重に書いていないか
  • 設問が求めていない周辺情報まで広げすぎていないか
  • 主語・述語が重いときは、「〜ということ」「〜ため」などで短縮できないか

物語文の心情記述 背景+出来事+心情をセットで書く

物語文の心情は、本文に「うれしい」「悲しい」とはっきり書かれていないことも多いです。そのため難しく感じやすいのですが、ここでも中心は本文根拠です。

心情の記述でも、答えを文中から見つける作業が根幹を成します。

心情を考えるときは、次の2つを先に整理すると見通しが立ちやすくなります。

  • 背景:その人物がそれまで置かれていた状況・評価・前提
  • 出来事:何が起きたか(誰がどうしたか/何を言われたか)

例えば、次のような状況を考えます。

  • 背景:少年Aは「悪ガキ」として扱われ、大人たちから常に疑いの目で見られていた。
  • 出来事:主人公の母親だけは先入観を持たずに接してくれた。そのとき少年Aは泣いた。

この流れを踏まえると、心情は「うれしい(安心した)」のように自然にまとまりやすくなります。答案では、背景+出来事+心情をセットで書くのが基本になります。

物語文心情記述:背景+出来事+心情をセットで書くイメージ図

心情語だけで終わらせないチェック

心情記述でよくあるのは、「うれしい」「悲しい」など心情語だけで終わってしまう形です。次のチェックで見直すと、減点を減らしやすくなります。

  • その心情になる背景が一言でも入っているか
  • きっかけになった出来事が入っているか
  • 心情語が、本文の流れと合っているか(飛躍していないか)

記述と客観問題は「同じ力」で解ける

ここまで見てきた「イコールを作る」「背景と出来事を整理する」といった作業は、記述だけの特別な技ではありません。選択肢・抜き出しなどの客観問題でも、ほとんど同じ確認が必要になります。

  • 説明を求められたら「本文のどこがイコールか」を探す
  • 心情を問われたら「背景と出来事」を本文から押さえる

もし記述が止まりやすい場合は、客観問題でも「根拠に戻る」流れが乱れていないかを、いちど点検してみるのも有効です。

字数指定の調整(足りない/余る)

字数調整は「言い回しの工夫」よりも、本文の方針に沿って足す場所/削る順番を決めておくと、ブレにくくなります。

足りないときに足す場所(流れ)

  1. 説明文:まず「それ(指示語)」→「イコール(X)」が揃っているか確認する。
  2. 説明文:次に、本文から理由(Y)またはイコールの追加情報(具体例・言い換え)を1つ足す。
  3. 物語文:心情語だけで終わっていないか確認し、本文の背景出来事を1つ補う。
  4. 最後に、設問の聞き方(なぜ/どのように/どういうこと)に合う形で、つなぎ(ため・ので・ということ)を整える。

余るときに削る優先順位(ステップ)

  1. まず重複表現(同じ意味を言い直している部分)を削る。
  2. 次に具体→抽象の順で短縮する(具体が複数あるなら、代表だけ残す)。
  3. その次に修飾(形容・副詞)を整理する(意味が変わらない範囲で短くする)。
  4. 最後に、設問が求めていない周辺情報(話を広げた部分)が混ざっていないかを確認する。

「削ると意味が崩れそう」と感じたら、X(イコール)/Y(理由)や、背景/出来事のどれが核かを先に決めて、核だけは残す方が安全です。

選択肢でも同じミスが起きる(ミスの傾向3つ)

記述で起きるミスは、選択肢問題でも同じ形で起きやすいです。とくに根拠不足/飛躍/言い過ぎの3つは、短時間でも点検できます。

1問10秒でできるチェック

  • 根拠不足:選んだ根拠箇所(1文〜2文)に戻り、「その選択肢の言葉が本文にあるか」を確認する。
  • 飛躍:本文が言っている範囲を超えていないか(別の可能性を消していないか)を確認する。
  • 言い過ぎ:「絶対・必ず・全員・完全に」など強い語がある場合、本文も同じ強さで言い切っているかを確認する。

よくあるミスの傾向(根拠不足・飛躍・言い過ぎ)

記述は「合っていそう」でも減点されることがあります。典型的な傾向を先に知っておくと、見直しがしやすくなります。

  • 根拠不足:本文にある要素が足りず、説明が薄い(XだけでYがない、背景だけ/出来事だけ、など)
  • 飛躍:本文の書きぶり以上に結論を広げてしまう(別の可能性を切り捨てる)
  • 言い過ぎ:「絶対に」「必ず」「全員」など強い断定に寄りすぎる(本文の範囲を超える)

チェック方法としては、次の2つが実用的です。

  • 答案の各部分に対して、「本文のどこが根拠か」を指させるか
  • 強い言い方をしている箇所があれば、「本文はそこまで言っているか」を確認する

家庭学習の回し方(週の練習メニュー/負担軽減のポイント)

家庭学習は、量を増やすよりも「根拠→要素→まとめ」の流れが乱れていないかを点検する方が効果が出やすいことがあります。

1週間の回し方(例:週2〜3回/短時間)

  • 週1回:説明文の記述(「それ→イコール→理由」で要素を2つに分けてから書く)
  • 週1回:物語文の心情(背景+出来事+心情の3点セットが入っているか確認)
  • 週1回:直し(根拠不足/飛躍/言い過ぎに印をつけ、次回の注意点を1行メモ)

無理なく続けるためのポイント

  • 毎回「きれいな文章」を目指すより、要素が落ちていないかを優先する
  • 直しは「どの要素(X/Y、背景/出来事)が不足したか」を重点的に見る(観点を増やしすぎない)
  • 丸写しに寄りすぎると「根拠はあるのに問いに答えていない」形になりやすいので、最後に問いの言葉(なぜ/どういうこと/どのように)に合っているかだけ確認する

要点まとめ(表+箇条書き)

場面 やること(ポイント)
全体 まず本文から材料を拾う(自己流で作文しない)。
説明文 「それ(指示語)→イコール(X)→理由(Y)」の順で足してまとめる。
物語文(心情) 「背景+出来事+心情」をセットで書く。心情語だけで終わらせない。
見直し 根拠不足・飛躍・言い過ぎがないかを点検(本文のどこが根拠か言えるか)。
  • 記述で求められやすいのは「センス」より本文から答えを見つける力
  • 説明文はX(イコール)を作り、足りない分をY(理由・関連情報)で補う。
  • 物語文は背景と出来事を押さえると、心情が本文に沿って書きやすくなる。
  • この流れは、選択肢・抜き出しなどの客観問題にもつながりやすい。

よくある質問(2〜4問)

記述はまず何から始めればいいですか?

まずは本文の中で「答えの材料になりそうな一文・一節」を見つけて印をつけるところから始めるのが基本です。いきなり文章を作り始めるより、根拠が先に決まると答案が安定しやすくなります。

心情語が思いつかないときはどうすればいいですか?

心情語を探す前に、「背景(それまでの状況)」と「出来事(何が起きたか)」を本文から整理してみてください。流れがつながると、心情の候補が絞りやすくなります。

字数が合いません。どう調整すればいいですか?

足りないときは、説明文なら理由(Y)やイコールの追加情報、物語文なら背景・出来事を本文から補うのが基本です。余るときは、重複→削りすぎに注意しつつ具体表現の整理→修飾語の整理、の順で短縮するとまとまりやすくなります。

保護者はどこまで見ればいいですか?

「本文のどこに答えのヒントがあるか」を一緒に確認するところまでで十分なことが多いです。言い回しの添削よりも、根拠(本文)→要素→まとめの流れが乱れていないかを短く点検すると、家庭学習が回りやすくなります。

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家庭学習で「どこが根拠不足なのか分からない」「背景・出来事が見つけられない」といった段階で止まりやすい場合は、答案を見ながら一緒に根拠を特定していく学習も選択肢になります。

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