中学入試の国語では、物語文で登場人物の心情を問う問題が頻出です。しかし、
- 「気持ちの変化がよく分からない」
- 「なんとなく感覚で答えてしまう」
- 「同じ『泣いた』でも、嬉しいのか悲しいのか判断できない」
- 「どのような心情かを聞かれても、答案の書き方が分からない」
といった悩みを抱える受験生・保護者の方も多いのではないでしょうか。
物語文は一見「センス」や「感性」が必要なように見えますが、実は論理的な流れで読み解くことができます。心情問題では、気持ちを当てようとする前に、傍線部の理由を追って、背景と出来事をそろえることが大切です。
- 物語文は、出来事と背景から登場人物の心情を読む。
- 傍線部だけを見て、すぐに気持ちを決めない。
- 行動、会話、表情、場面の変化を本文根拠として使う。
- 記述では、心情語だけでなく理由や背景も入れる。
- 選択肢では、本文にない理由や強すぎる表現を本文と比べる。
このページでは、動画の内容をもとに、
- 物語文とは何か
- 中学受験の物語文でよく出る問題の種類
- 心情をつかむための「背景」と「出来事」の考え方
- 「どのような心情か」と聞かれたときの答え方
- 選択肢問題・記述問題で見るべきこと
- 家庭学習でできる練習方法
を、基本理解 → 心情の読み取り → 答案への入れ方 → 家庭学習の流れで整理して解説します。
物語文とは?説明文との違いと中学受験で問われること

物語文とは、登場人物の行動、会話、出来事、場面の変化を通して、人物の心情や成長を読み取る文章です。
小学生向けに言うと、「だれが、どのような出来事を経験し、その中で気持ちや考え方がどう変わったか」を読む文章です。中学受験では、ただ話の内容を追うだけでなく、本文に書かれた根拠をもとに心情や理由を説明する力が問われます。
説明文では、筆者の主張や理由が比較的はっきり書かれることが多いのに対し、物語文では、気持ちがそのまま書かれないこともあります。そのため、読者は本文中の、
- 登場人物の行動
- 会話や言葉づかい
- 表情や態度
- 場面の変化
- 相手との関係
- 直前・直後の出来事
などを手がかりにして、心情や人物像を考える必要があります。
中学受験の物語文では、主に次のような力が問われます。
| 問われる内容 | 見るべきポイント |
|---|---|
| 心情 | 登場人物がどのような気持ちになったか |
| 理由 | なぜその行動をしたのか、なぜその気持ちになったのか |
| 人物像 | 性格、考え方、他者との関わり方 |
| 場面変化 | 時間、場所、人間関係、空気の変化 |
| 主題 | 物語全体を通して描かれている成長や気づき |
つまり、物語文の解き方では、単に「気持ちを想像する」のではなく、本文に書かれた出来事や描写から、根拠を持って読み取ることが大切です。
物語文でよく出る問題の種類
物語文の問題は、すべてが心情問題というわけではありません。中学入試では、心情問題を中心にしながらも、言い換え問題や理由説明問題も出題されます。
心情を問う問題
「このときの主人公は、どのような気持ちですか。」といった問題です。物語文で特に重要な設問であり、行動や会話、前後の出来事から心情を考えます。
理由を問う問題
「なぜ主人公はそうしたのですか。」という問題です。行動の理由を問われているように見えても、実際にはその行動を起こした心情を答える必要がある場合があります。
人物像を問う問題
「主人公はどのような人物ですか。」という問題です。一つの行動だけで決めるのではなく、物語全体を通して繰り返し見られる性格や考え方を整理します。
場面変化を問う問題
物語文では、時間・場所・人間関係・気持ちが変化します。場面が変わると、登場人物の心情も変わるため、どこで何が変わったのかを押さえることが大切です。
選択肢問題
選択肢問題では、心情が近くても理由が本文とずれていたり、本文にない言い過ぎ表現が含まれていたりします。印象だけで選ばず、本文根拠と照らし合わせる必要があります。
記述問題
記述問題では、心情語だけで終えるのではなく、背景・出来事・心情を必要に応じて入れることが大切です。字数が長い問題ほど、本文根拠を使って具体的に説明する力が求められます。
物語文の基本の解き方|まず傍線部の理由を追う
「どういうこと」=本文中の内容で言い換える
物語文と聞くと、「気持ちの読み取り」が真っ先に思い浮かびますが、その前に押さえるべきなのは、
- 物語文の中にも、言い換え問題や理由説明問題が多く含まれている
という点です。
「傍線部はどういうことですか?」
といった設問は説明文で頻出ですが、物語文でも同じように出題されます。この「どういうことか?」は、
「言い換えて説明しなさい」=本文中で同じ内容を表している部分を探しなさい
という意味です。
物語文だからといって、特別な読み方をゼロから考える必要はありません。まずは、
- 「どういうことか?」=本文中から同じ内容を探して言い換える
という読み方を土台にすることが重要です。
心情問題では傍線部の理由を追う
物語文ならではの要素が、登場人物の気持ちの読み取りです。ただし、これも「感性」で解くものではありません。
気持ちを読み取るときは、必ず傍線の理由を追いかける。
この「理由を追う」ことが、後述する背景と出来事の整理につながっていきます。
心情問題の解き方:背景×出来事をそろえる
重要視される「背景」と「出来事」
物語文の心情を考えるとき、よく指導で使われるのが、
背景と出来事をそろえる
という考え方です。
例えば、次のような状況を考えてみましょう。
- 背景:志望校に合格した
- 出来事:泣いた
このときの気持ちは何かと言われれば、
→ 嬉しいと考えるのが自然です。
このように、
- 背景+出来事がそろっていれば、心情は自然と考えられます。
出来事と背景の見つけ方
問題は、
背景と出来事をどうやって自力でそろえるか?
という点です。ここで必要になるのが言葉の整理です。
| 用語 | 意味 | 本文で見る場所 |
|---|---|---|
| 出来事 | 本文中で実際に起きたこと | 傍線部そのもの、または傍線部の前後 |
| 背景 | その出来事の前にある事情や理由 | 直前の会話、過去の出来事、人間関係、場面の状況 |
| 心情 | 背景と出来事から生まれる気持ち | 行動、会話、表情、情景描写、前後の変化 |
先ほどの例に当てはめると、
| 用語 | 内容 |
|---|---|
| 出来事 | 泣いた(傍線部) |
| 背景 | 志望校に合格した(出来事の理由) |
| 心情 | うれしい |
となります。
傍線の理由を追えば、背景と出来事がそろい、気持ちがわかる。
物語文の気持ち読み取りは、
- 感性ではなく、論理
で行うものだという意識が大切です。
背景にはさまざまな種類がある
「背景」と言われても、最初は何を探せばよいか分かりにくいかもしれません。中学受験の物語文では、背景として次のような情報がよく使われます。
| 背景の種類 | 例 | 心情につながるポイント |
|---|---|---|
| 過去の出来事 | 以前に失敗した経験がある | 不安、緊張、悔しさにつながる |
| 努力してきた経緯 | 長い間練習を続けてきた | 達成感、悔しさ、誇らしさにつながる |
| 友人関係 | 友人に認められたいと思っている | 期待、焦り、寂しさにつながる |
| 本人の性格 | 素直に謝れない性格である | 後悔、照れ、強がりにつながる |
| 直前の会話 | 相手の一言に傷ついた | 悲しさ、怒り、戸惑いにつながる |
| 場面の空気 | みんなの前で失敗した | 恥ずかしさ、焦り、悔しさにつながる |
背景は、必ずしも傍線部のすぐ近くにあるとは限りません。少し前の場面や、物語の最初に出てきた人物関係が、後半の心情を考える根拠になることもあります。
同じ「泣いた」でも背景によって心情は変わる
ここからは、背景の重要性をより具体的に確認してみましょう。
たとえば、文中で主人公が「泣いた」と書かれていたとします。このとき、主人公の気持ちは何でしょうか。
多くの生徒に尋ねると、
- 「悲しい!」
という答えが返ってきます。しかし、本当の正解は、
「まだ分からない」
です。なぜなら、背景が分からないからです。
例えば、次のような背景ならどうでしょうか。
- 背景:志望校に合格できた
- 出来事:泣いた
- 心情:うれしい
別の背景なら、次のようにもなります。
- 背景:ライバルよりもテストの点数が低かった
- 出来事:泣いた
- 心情:悔しい
もちろん、背景によっては「悲しい」という心情になることもあります。

この画像のように、同じ「泣いた」という行動でも、その前にある背景が違えば読み取る心情は変わります。だからこそ、
- 同じ出来事でも、背景によっていだく心情はまったく異なる
ということを意識して読む必要があります。物語文では、常に背景を意識しながら読むことが攻略につながります。
心情を読み取るために見る場所
心情語が本文に直接書かれていない場合でも、手がかりは本文中にあります。特に、次の場所を確認すると、登場人物の気持ちを考えやすくなります。
行動を見る
泣く、黙る、走り出す、目をそらす、動きをやめるなどの行動には、心情が表れます。ただし、行動だけで決めず、必ず背景と組み合わせて考えます。
会話を見る
会話文では、何を言ったかだけでなく、言い方や直前の相手の発言も重要です。強がっている言葉、遠慮している言葉、素直になれない言葉などは、心情を考える手がかりになります。
表情や態度を見る
「顔を赤らめた」「うつむいた」「目を輝かせた」などの表情や態度は、心情に近い情報です。ただし、表情だけでなく、その前に何があったかを確認します。
情景描写を見る
雨、夕焼け、静かな教室、にぎやかな町などの情景描写は、登場人物の気持ちや場面の空気と関係していることがあります。情景描写が出てきたら、人物の心情と結びついていないか考えます。
前後の出来事を見る
傍線部だけを見ると、心情を決めつけてしまいやすくなります。傍線部の前に何があり、後でどう変化したかを見ることで、気持ちの流れが分かりやすくなります。
相手との関係を見る
同じ言葉でも、相手が親なのか、友人なのか、ライバルなのかによって意味が変わります。人物関係を押さえると、なぜその反応をしたのかが見えやすくなります。
心情語の選び方と答案への入れ方
心情語は背景と合わせて選ぶ
心情問題では、「うれしい」「悲しい」だけでなく、場面に合う言葉を選ぶ必要があります。次の表のように、背景と合わせて考えると心情語を選びやすくなります。
| 心情語 | 使いやすい場面 |
|---|---|
| うれしい | 願っていたことが実現した、相手に認められた |
| 悔しい | 努力したのに失敗した、相手に負けた |
| 悲しい | 大切なものを失った、相手との関係が悪くなった |
| 不安 | この先どうなるか分からない、自信がない |
| 安心 | 心配していたことが解決した |
| 恥ずかしい | 人前で失敗した、自分の本音を見られた |
| 申し訳ない | 相手に迷惑をかけた、自分の行動を反省している |
| 誇らしい | 努力の結果を認められた、自分の成長を感じた |
| 寂しい | 相手と離れる、以前の関係に戻れない |
| 戸惑う | 予想外の出来事が起きた、相手の反応が分からない |
| 期待する | よい結果や新しい展開を待っている |
| 後悔する | 自分の言動を振り返り、別の行動をすればよかったと感じている |
心情語を選ぶときは、言葉だけを暗記するのではなく、どの背景からその気持ちが生まれたのかを本文で確認しましょう。
心情語だけで答えると浅くなることがある
「どのような気持ちですか」と聞かれたとき、短い解答欄であれば「うれしい気持ち」「悔しい気持ち」のように心情語だけで足りる場合もあります。
しかし、記述問題では、心情語だけで終えると答案が浅くなることがあります。なぜなら、本文の根拠や、その気持ちになった理由が入っていないからです。
特に字数がある問題では、次の順に考えると答案を作りやすくなります。
- 背景:その前にどのような事情があったか
- 出来事:何が起きたのか、何をしたのか
- 心情:その結果、どのような気持ちになったのか
短い例題で確認する
次のような短い場面で考えてみましょう。
太郎は、放課後に何日も残って合唱の練習を続けてきた。けれども本番では、いちばん大事なところで声が裏返ってしまった。発表が終わると、太郎は拍手の中で下を向き、くちびるをかんだ。
設問:このときの太郎は、どのような気持ちですか。
| 整理する要素 | 本文から分かること |
|---|---|
| 背景 | 何日も残って合唱の練習を続けてきた |
| 出来事 | 本番で大事なところの声が裏返った |
| 心情 | 悔しい、情けない、残念 |
このとき、答案を比べると次のようになります。
| 答案 | 評価 | 理由 |
|---|---|---|
| 悔しい気持ち。 | 浅い答案 | 心情語はあるが、なぜ悔しいのかが分からない |
| 何日も練習してきたのに本番で失敗し、自分の力を出し切れず悔しく思う気持ち。 | よい答案 | 背景、出来事、心情がそろっている |
このように、記述答案では心情語だけで終えず、本文中の背景や出来事を入れることで、根拠のある答えになります。
設問文別に答え方を変える
物語文では、設問文によって答案に入れる内容が少し変わります。次のように整理しておくと、何を書けばよいか判断しやすくなります。
| 設問文 | 答案に入れたい内容 |
|---|---|
| どのような気持ちですか | 心情を中心に、必要に応じて背景や出来事を添える |
| なぜそうしたのですか | 行動の理由と、そのもとになった心情を答える |
| その理由を説明しなさい | 出来事だけでなく、人物がどう感じたかまで入れる |
| どう変わりましたか | 前の心情と後の心情を比べて、変化を説明する |
| どのような人物ですか | 複数の行動や会話から、性格や考え方を説明する |
理由を問う問題では「心情=理由」になることもある
物語文では、
- 「なぜ〜したのですか。」
- 「そのときの理由を答えなさい。」
といった理由を問う問題もよく出題されます。
先ほどの「泣いた」という出来事の場合、その理由は何でしょうか。
- 悲しかったから泣いた
- うれしかったから泣いた
- 悔しかったから泣いた
というように、何かしらの心情が直接「理由」になっていることが多くあります。
つまり、
- 理由を問う問題でも、心情を正しく押さえていないと対処できない
ということです。したがって、物語文では、
- 心情をつかむことが大きなポイント
になります。
答案の組み立てを覚えておく
心情問題の記述では、次のような組み立てを意識すると書きやすくなります。
- 「〜という背景があり、〜したため、〜と感じた気持ち。」
- 「〜にもかかわらず、〜になったので、〜と思う気持ち。」
- 「〜したことで、〜に気づき、〜と感じた気持ち。」
ただし、決まった形に無理に合わせる必要はありません。大切なのは、本文根拠を使って、その心情になる流れを説明することです。
選択肢問題で間違えやすいポイント
物語文の選択肢問題では、「なんとなく合っていそう」と感じる選択肢が出てきます。しかし、心情が近く見えても、本文とずれていれば正解にはなりません。
心情は近いが、理由が本文と違う
たとえば、本文では「努力してきたのに失敗した悔しさ」が中心なのに、選択肢に「友人に裏切られて悲しんでいる」と書かれていれば、心情の方向が近く見えても理由が違います。
本文にない気持ちが足されている
「相手を責めている」「自分だけが正しいと思っている」など、本文にはそこまで書かれていない強い表現が入ることがあります。選択肢の一部だけで判断せず、最後まで本文と比べましょう。
言い過ぎ表現を本文と比べる
「完全に」「まったく」「必ず」「一度も」などの表現は、本文の内容より強く言い過ぎている場合があります。物語文では、登場人物の気持ちが複雑なことも多いため、極端な表現は本文根拠と照らし合わせます。
感覚ではなく根拠で読む必要がある理由
物語文の授業や問題集の中には、
- 「読んでいればこの気持ちでしょう」
- 「なんとなくこう感じるよね」
といった感覚に頼る説明もあります。
しかし、入試では初めて読む文章をその場で解くため、「なんとなく」で正解できるとは限りません。次の文章でも同じように使える読み方にするには、本文のどこを見て、どう考えるかをはっきりさせる必要があります。
大人は経験値があるので、細かく説明しなくても物語文を読めることがあります。けれども、受験生はまだ経験値が十分ではないため、本文根拠をもとに考える流れが必要です。
大人の読解力をそのまま子どもに当てはめるのは違う。
だからこそ、物語文では、
- 傍線部だけで判断しない
- 行動だけで心情を決めない
- 本文にない想像を入れない
- 背景と出来事をそろえてから心情を考える
という読み方を身につけることが大切です。
中学入試 物語文攻略の実践ポイント(試験でやること)

ここまでの内容を踏まえたうえで、物語文を解く際の実践的なポイントを整理します。画像のように、物語文では本文全体の流れを見ながら、背景と出来事をつなげて考えることが大切です。
① 読み始めたら、登場人物と場面を確認する
物語文では、最初に登場人物、場所、時間、人物関係を確認します。誰と誰の関係なのか、どの場面から始まっているのかが分からないまま読むと、後半の心情変化を見落としやすくなります。
- 誰が出てきたか
- どこで起きている場面か
- 人物同士はどのような関係か
- 最初の時点で、主人公はどのような状態か
② 傍線部の「理由」を追いかける
- 気持ちを問われたら、まず傍線の理由を探す。
- 理由をたどることで、出来事と背景が整理される。
傍線部だけを見て答えると、心情を決めつけやすくなります。傍線部の前にどのような出来事があったか、人物が何を見たり聞いたりしたのかを確認します。
③ 出来事と背景を整理してから心情を決める
- 出来事=傍線そのもの、またはその理由。
- 背景=出来事の前にある事情や理由。
- 出来事と背景がそろった状態で、うれしい/悔しい/悲しい/不安/安心/恥ずかしいなどの心情を決める。
心情語を選ぶときは、似ている言葉の違いにも目を向けます。たとえば、「悲しい」と「悔しい」は似て見えることがありますが、努力したのに結果が出なかった場合は「悔しい」の方が合うことがあります。
④ 選択肢では本文にない内容を消す
選択肢問題では、正しそうな言葉が入っていても、本文にない理由や強すぎる表現が含まれている場合があります。選択肢を選ぶときは、次の点を本文と比べましょう。
- 心情は本文と合っているか
- その心情になった理由も本文と合っているか
- 本文にない人物評価や決めつけが入っていないか
- 一部だけでなく、選択肢全体が正しいか
⑤ 記述では背景・出来事・心情の不足を確認する
記述答案を書いたあとには、次の3点を見直します。
- 背景が入っているか
- 出来事が入っているか
- 心情が分かる言葉が入っているか
すべてを必ず入れる必要はありませんが、字数がある問題で心情語だけになっている場合は、答案が浅くなっている可能性があります。
物語文が苦手な子によくある間違い
「泣いた=悲しい」のように決めつける
行動だけを見て心情を決めると、背景による違いを見落とします。「泣いた」「黙った」「笑った」などの行動は、必ず前後の出来事と一緒に考えます。
傍線部の前後だけで答えてしまう
傍線部のすぐ近くに根拠があることもありますが、少し前の会話や、物語の前半に出てきた人物関係が根拠になることもあります。近くを見るだけでなく、必要に応じて前の場面まで戻りましょう。
心情語だけで答案を終える
「悔しい気持ち」「悲しい気持ち」だけでは、なぜそう思ったのかが伝わりません。記述問題では、背景や出来事を入れられないか確認します。
選択肢を印象で選ぶ
「なんとなく合っている」と感じる選択肢ほど、本文とのずれを見落としやすくなります。本文にない理由、強すぎる表現、人物の気持ちとずれた説明がないかを確認しましょう。
本文ではなく自分の経験で考える
物語文では、自分ならどう思うかではなく、本文中の登場人物ならどう思うかを考えます。自分の経験に引っ張られず、本文の言葉を根拠にしましょう。
家庭でできる物語文の練習方法
物語文が苦手な場合は、問題をたくさん解くだけではなく、解いた後の見直し方を変えることが大切です。家庭学習では、次のような練習をすると、心情問題の考え方が定着しやすくなります。
背景と出来事をノートに分ける
傍線部ごとに、ノートへ次のように書き出します。
| 確認すること | 書く内容 |
|---|---|
| 傍線部 | 問われている行動や言葉 |
| 出来事 | 実際に起きたこと |
| 背景 | その前にある事情や理由 |
| 心情 | そこから考えられる気持ち |
| 本文根拠 | そう考えた根拠になる言葉 |
心情語を一言で書く
まずは「うれしい」「悔しい」「悲しい」「不安」「安心」「恥ずかしい」「申し訳ない」など、一言で心情を表します。そのあとで、なぜその気持ちになるのかを本文根拠とつなげます。
親が丸つけするときは根拠を聞く
保護者の方が見直すときは、答えが合っているかだけでなく、
- 「本文のどこからそう考えたの?」
- 「その前に何があった?」
- 「その気持ちになる理由は何?」
と確認すると、根拠をもとに考える練習になります。
問題集の解説を読むときの確認点
解説を読むときは、正解の心情語だけを見るのではなく、解説がどの本文箇所を根拠にしているかを確認します。自分の答案に不足していたのが、背景なのか、出来事なのか、心情語なのかを分けて考えると、次の問題に生かしやすくなります。
まとめ:物語文は「感性」ではなく「流れ」で解く
物語文というと、
- 「感性が問われる」
- 「センスがないと解けない」
というイメージを持たれがちですが、本文で見てきた通り、実際には論理的な流れで攻略できる科目です。
- 物語文は、登場人物の行動、会話、出来事、場面の変化から心情や成長を読み取る文章。
- 物語文にも言い換え問題や理由説明問題が多く、本文根拠を使う力が必要。
- 心情読み取りでは、傍線部の理由を追いかけ、出来事と背景をセットで整理することがカギ。
- 同じ「泣いた」という出来事でも、背景によって「うれしい」「悔しい」「悲しい」など心情は変わる。
- 理由を問う問題では、心情そのものが理由になっているケースが多く、気持ちを押さえていないと対処できない。
- 記述問題では、心情語だけで終えず、背景・出来事・心情を必要に応じて入れる。
- 選択肢問題では、本文にない理由や言い過ぎ表現を消す。
- 「なんとなく読む」方法では再現しにくく、受験生には読み進め方と考え方の流れが必要。
物語文が苦手な場合は、まず「感性の問題」と片付けず、
- 傍線部の理由をきちんと追う
- 出来事と背景をノートなどに書き出して整理する
- そのうえで心情を一言で表す練習をする
- 記述では、なぜその心情になるのかを本文根拠で説明する
といった進め方の練習から始めてみてください。
論理的な読み方が身についてくると、物語文は「なんとなく読むもの」から「流れを踏めば得点に結びつく分野」へと変わっていきます。日々の演習の中で、ぜひ意識的に取り組んでみましょう。
それでも、家庭学習で背景は拾えても理由のつなぎ方が合わない/心情語は出るのに記述が浅い/設問ごとに根拠の扱いが安定しないなら、本文の理解と答案の作り方を切り分けずに見直す段階です。
よくある質問
物語文の心情問題は、感性で解くものですか?
感性だけで解くものではありません。傍線部の理由を追い、背景と出来事をそろえたうえで心情を考えると、答えの根拠が本文中に見えやすくなります。
「泣いた」と書かれていたら、悲しいと考えてよいですか?
すぐに悲しいと決めるのは危険です。志望校に合格して泣いたなら「うれしい」、悔しい出来事があって泣いたなら「悔しい」など、背景によって心情は変わります。
物語文でも説明文のような解き方は必要ですか?
必要です。物語文にも「傍線部はどういうことですか」といった言い換え問題は出ます。まず本文の言葉を使って説明する力があり、そのうえで心情問題に進むと考えると整理しやすくなります。
物語文では、どこから読み始めればよいですか?
本文の最初から順に読み、登場人物、場面、出来事の変化を意識します。傍線部だけを見て答えると背景を見落としやすいため、前後の流れを確認することが大切です。
心情語が本文に書かれていないときはどうすればよいですか?
行動、会話、表情、情景描写、前後の出来事から考えます。ただし、自分の想像で決めるのではなく、本文のどの言葉を根拠にしているかを確認しましょう。
「どのような気持ちですか」と聞かれたら、心情語だけで答えてよいですか?
短い解答欄であれば心情語だけで足りることもあります。ただし、記述問題では、背景や理由を添えた方がよい場合が多いです。設問条件と字数を見て、必要な要素を判断しましょう。
物語文の選択肢問題で二択まで残って間違えるのはなぜですか?
心情は近くても理由が本文と違う、本文にない言い過ぎ表現がある、選択肢の一部だけを見て判断している、といった原因が考えられます。選択肢全体が本文と合っているかを確認することが大切です。
物語文が苦手な子は、説明文の勉強も必要ですか?
必要です。言い換え、理由説明、本文根拠の確認は、説明文でも物語文でも共通します。説明文の基本が身につくと、物語文の記述答案にも役立ちます。
家庭学習では何を練習すればよいですか?
傍線部、出来事、背景、心情、本文根拠、自分の答案で不足した要素を書き出す練習が効果的です。正解を写すだけでなく、自分の答案に何が足りなかったかを確認することが大切です。
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この記事で「背景と出来事をそろえる」考え方を確認したら、次はつまずいている内容に合わせて読み進めると、物語文の学習を続けやすくなります。まずは関連記事で考え方を整理し、家庭で判断しにくい場合は個別に答案を見直す流れがおすすめです。
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個別に答案を見直したい場合
関連記事を読んでも、実際の答案で理由・背景・心情の入れ方が安定しない場合は、答案をもとに確認する方が進めやすくなります。
読解ラボ東京のオンライン個別指導では、物語文の読み方と答案の作り方を、手元・答案を見ながら確認できます。
物語文の答案が安定しない場合は、答案の作り方まで確認することが大切です。
理由・背景・心情のどこかが不足した答案をくり返すと、合計点が伸びにくくなります。
原因は、設問ごとに何を根拠として書くかの判断がまだ十分ではないことにあります。
