書き散らしになる子の論理整理トレーニング
記述
論理整理
書き散らしを防ぐ|番号を振って順序を整理する論理整理トレーニング
記述が散らかる子は、文章力そのものよりも、順序・因果・視点の整理でつまずいていることがあります。答案に使う材料を短く分け、書く順に番号を振ってから文章にする方法が役立ちます。
このページでは、記述全体の書き方ではなく、書き始める前に材料の順番を決める練習を紹介します。物語文では番号メモと答案の比較を、説明文では筆者の考えを整理する番号メモの例を示し、家庭で確認できるポイントも説明します。
本文順と答案順の違い
番号メモと答案の対応
家庭での確認方法
- 答えが二回出る/話が戻る
- 理由と結果がつながらない
- 筆者と登場人物の視点が混ざる
- 材料は拾えているのに点にならない
思いついた順ではなく、答案に書く順を決める
番号を振って順序を整理するとは何か
記述で「番号を振る」とは、本文全体に番号をつけることではありません。答案に使う材料を短く抜き出し、設問に答えやすい順番へ並べ替えることです。
本文の大事な箇所に印をつけ、設問の条件に合う材料を選びます。その材料を「答え」「理由」「出来事」「気持ち」「本文根拠」などに分け、実際に答案へ書く順番に番号を振ります。
一方、「誰の視点か」「設問条件を満たしているか」は、番号を振る材料とは別の確認項目です。
| 区分 | 確認する内容 | メモの例 |
|---|---|---|
| 答案に書く材料 | 理由・出来事・気持ち・答えなど、答案に必要な要素を選び、書く順に番号を振る |
|
| 視点の確認 | 誰の気持ちや考えを書くのかを確認する | 視点:主人公 |
| 条件の確認 | 設問で問われた内容や字数条件を満たしているかを確認する | 理由を答えているか |
本文順と答案順は同じとは限らない
本文では出来事、反応、気持ち、理由の順に書かれていても、答案では設問に答えるために並べ替える場合があります。
- 理由を問う問題:理由と答えの関係が伝わる順にする
- 物語文:出来事と気持ちの変化をつなげる
- 説明文:筆者の主張と理由、必要な具体例を整理する
番号は何個くらい振るか
番号が増えすぎると答案も長くなりやすいため、字数と設問条件に合わせて材料を絞ります。
- 40〜60字:要素は2個程度が目安
- 80〜100字:要素は3個程度が目安
- 5個以上ある場合:重なる内容をまとめる
- 迷った場合:設問条件に直接合う材料を優先する
必要な要素数は問題によって異なります。字数だけで決めるものではありません。
順序を決めた後、本文の言葉をどこまで使うか、どう言い換えるかを確認したい場合は、国語記述の書き方|本文の言葉で書く基本ルールも参考になります。
材料は拾えても、関係が整理されていない
記述が書き散らしになる原因
書き散らしになる答案では、本文から必要な材料を拾えていても、材料同士の関係を整理しないまま書き始めていることがあります。
例えば「主人公がそう考えた理由」を問われているのに、出来事の説明を長く書いてから気持ちに戻ると、必要な材料が入っていても、理由と答えのつながりが見えにくくなります。
| ズレ | よくある状態 | 直し方 |
|---|---|---|
| 順序 | 答えが二回出る/話が戻る/理由が散る | 材料を分け、答案に書く順番を決める |
| 因果 | 理由と結果がつながらない | 理由と結果を線で結び、「だから」でつながるか確認する |
| 視点 | 筆者と登場人物が混ざる/一般論が入る | 誰の見方を書くのかを確認し、必要なら主語を補う |
文章表現を細かく直す前に、まずどの材料がどの答えにつながるのかを確認します。
文章を書く前に答案の流れを作る
記述答案で順序を整理する進め方
本文と設問の条件を確認し、答案に必要な材料を集めたら、文章にする前に番号メモを作ります。本文を先に読む場合も、設問を先に確認する場合も、番号を振る段階では設問条件と本文材料の両方を確認しておくことが大切です。
| 段階 | やること | 確認すること |
|---|---|---|
| 本文・設問の確認 | 設問条件を押さえ、本文から必要な材料を集める | 問われている内容と材料が合っているか |
| 番号メモ | 材料同士の関係を確認し、答案に書く順に番号を振る | 順序・因果・視点にズレがないか |
| 文章化 | 番号の順に材料をつなぎ、答案にする | 主語・述語と設問条件、字数が合っているか |
番号メモは、長い文章を下書きするものではありません。必要な材料を短く並べ、文章の流れを決めるために使います。
番号メモを実際に使ってみる
家庭でできる論理整理トレーニング
家庭で練習するときは、完成した文章だけでなく、書く前のメモを確認します。視点と因果を確かめ、答案に書く材料だけに番号を振ります。
誰の視点か
主語:〔 〕
理由A → 結果(答え)
理由B → 結果(答え)
- 理由となる出来事
- そのときの相手の反応
- 主人公の気持ち
これは理由を問う問題の一例です。設問で問われている行動を繰り返すのではなく、その理由となる材料を答案に書く順番で整理します。
練習1:理由を問う記述で番号を振る例
主人公が友人に謝ろうと思ったのはなぜですか。
- 約束を守れなかった
- 友人が一人で片づけをしていた
- 友人は怒らずに笑っていた
- 主人公は申し訳なく感じた
- 友人が笑っていた
- 約束を守れなかった
- 申し訳なく感じた
- 友人が一人で片づけをしていた
- 約束を守れず、友人が一人で片づけをしていた
- 友人が怒らずに笑っていた
- 主人公は申し訳なく感じた
友人は怒らずに笑っていたし、主人公は約束を守れなくて、友人が一人で片づけていて、申し訳なく感じたから。
約束を守れず、友人が一人で片づけをしていたうえ、友人が怒らずに笑っていたため、申し訳なく感じたから。
理由を問う記述では、設問に含まれる行動をそのまま繰り返す必要はありません。ここでは、理由となる材料を整理し、「なぜそう思ったのか」が伝わる答案にしています。
練習2:筆者の考えをまとめる記述で番号を振る例
筆者のいう本当の優しさとは何ですか。
- 相手をただ慰めることではない
- 相手のためになることを考える
- 必要なら厳しい言葉も伝える
- 相手の成長につながる
- 答え:相手のためになる行動を選ぶこと
- 対比:ただ慰めるだけではない
- 補足:必要なら厳しい言葉も伝える
- 理由:相手の成長につながる
- 何を答える問題か分かっている
- 答案に必要な材料を選べている
- 番号と実際に書く順番が合っている
- 理由と結果がつながっている
- 筆者・主人公などの視点が混ざっていない
- 設問条件と字数を確認している
「何を答える問題?」→「理由はどれ?」→「その理由から答えにつながる?」→「誰の視点で書く?」のように、完成答案を細かく直す前に、書く途中の判断へ戻すと確認しやすくなります。
よくある質問(番号メモの練習で困ったとき)
番号を振るのに時間がかかる場合はどうすればよいですか。
番号を振っても答案が長くなったり、字数が合わなかったりします。
接続語がうまく使えません。
番号メモで分けた要素が実際に答案へ入ったかを確認したい場合は、国語記述の自己採点と部分点基準を家庭で具体例から確認する方法が参考になります。
完成答案だけでは見えない途中の判断を見る
家庭で確認しても書き散らしが続く場合
番号メモを作っても、毎回同じように話が戻る、理由と結果がずれる、視点が混ざる場合があります。
その場合は、完成した答案だけでなく、本文から材料を選び、順番を決め、文章にするまでのどの段階で判断がずれているかを確認する方法があります。
- 設問条件をどう読んだか
- どの本文材料を選んだか
- どの順番で並べたか
- どこで視点が変わったか
- 理由と結果の関係を確認する
- 答案に書く順番を決める
- 視点をそろえる
- 短い文から答案へつなげる
- 家庭で確認しても同じつまずきが繰り返される
- 材料は拾えるのに答案になると散らかる
- 添削された答案は直せても、次の問題で再発する
- 過去問の記述点が安定しない
オンラインの完全1対1個別指導では、本文から材料を拾うところから答案にするまでを確認し、順序・因果・視点の整理を見直すことができます。
完全1対1の指導内容を広く確認したい場合は、中学受験国語の1対1個別指導も参考になります。
まとめ|番号メモは「文章を書く前」の整理に使う
書き散らしになる答案では、材料が不足しているのではなく、材料の順序・因果・視点が整理されないまま文章化されていることがあります。
番号メモでは、本文から拾った材料を短く分け、実際に答案へ書く順番に番号を振ります。視点や設問条件は別に確認し、番号の順に文章化することがポイントです。
まずは家庭で、番号メモと完成答案の順番が一致しているかを確認してみてください。順序を整理できるようになったら、本文語句の使い方や自己採点へ進むと、記述対策をつなげやすくなります。

