国語の記述力を伸ばすために知っておくべき2つの秘訣
――今回は【国語の記述問題が得意になるために知っておいてほしい2つのこと】というテーマでお話を伺います。まず1つ目は?
長島:
1つ目は、国語の記述は「自分の言葉で作文する」場面がほとんどないということです。
もちろん、物語文で気持ちを答える記述は少し事情が違います。
物語文では気持ちを本文に直接書くと味わいがなくなるため、気持ちの言葉そのものは明示されません。そのため、気持ちは自分で言葉にする必要があります。
ですが、その気持ちに至るまでの根拠は本文中の言葉を引用することで十分です。
説明文ならなおさらで、ほとんど本文の言葉を引っ張ってきて組み立てるだけです。
✔ 記述=本文の言葉を引用して組み合わせる
❌ 記述=自分の言葉で書き換える
なので、最初から「うまい言い換えをしよう」としなくて構いません。
基本方針は、本文から答えを持ってくることです。
――引用して書くとしても、「必要な要素が2つ、3つあるときにどうまとめればいいのか分からない」という生徒もいます。こうした場合、どのように練習すればよいでしょうか?
長島:
ポイントは2つです。
✅ ❶ イコールの関係は「という」で結ぶ
記述を書いていると、
A と B が同じ内容(=イコール)
になることがあります。この場合は、
A という B
とつなげれば OK です。
✅ ❷ 理由を加えるときは「から/ので/ため」を使う
字数を増やしたいときや、理由を加える必要があるときは、
〜から/〜ので/〜ため
などの接続語でつなぎます。
✔ イコール →「という」
✔ 理由 →「から/ので/ため」
これだけで一気に整理されます。
――なるほど。他に意識すべき点はありますか?
長島:
メインとなる答えは最後に置く。
気持ちを問われているなら「気持ち」がメインですし、
傍線部の内容を聞かれているなら「言い換え」がメインです。
そのメインの答えに、
-
イコールの内容
-
理由の情報
を前に足していくイメージです。

読解ラボ東京の『完全1対1の個別指導』:点数の安定は解き方の習得から始まります!
―― 一点目は「自分で作文しようとせず、本文から要素を拾う」でした。では、二つ目は何でしょうか?
長島:
二つ目は、先ほどの話と矛盾するようですが、例外的に “言い換え” が必要になるケースがあるということです。
ただし、ここは本当に例外です。
国語が苦手なお子さんは、ここから先は知らなくても構いません。
本文を言い換えなければならないケースはありますが、体感では20要素に1つ程度です。
つまり、それができなくても合否にはほとんど影響しません。
しかし、最難関校を狙う/国語を武器にしたいという生徒には、この力も必要です。
✅ 本文をそのまま使ってはいけないケースは2つだけ
① 比喩表現のとき
比喩は意味が曖昧なので、解答にそのまま引用できません。
一般的な表現に直して答える必要があります。
② 具体的すぎる内容のとき(=抽象化が必要)
具体的すぎる例は、そのまま書くと採点でツッコミが入ります。
◎ 例文
「カレーそばを食べた。ご飯と漬物を食べた。」
この体験を説明しなさい、という記述問題がありました。
❌「カレーそばを食べた」と書く
→「じゃあ卵かけご飯は違うの?」と突っ込まれる可能性あり
具体的な内容は、まとめて抽象化します。
✅「普通の食事」
✅「質素な食事」
のように、広くくくれる表現へ変えるということです。
✔ 比喩 → 一般的な表現へ
✔ 具体例 → 抽象化してまとめる
正直な話、私としては国語が苦手な生徒はこの考えを知らなくていいと思っています。
なぜなら、
ほとんどの記述は「本文を引用すれば解ける」からです。
抽象化や比喩の言い換えを知ると、
逆に 直すべきでないところまで直そうとしてしまう リスクがあります。
でも、現実としては塾や他の先生から必ず教わることになります。
そのため、誤った理解になる前に、正しい知識として説明しているというのが本音です。
★まとめ
✅ 基本は「本文を引用する」
✅ 例外は「比喩」と「具体的すぎる内容(抽象化)」の2つだけ

読解ラボ東京の『オンライン個別指導』:オンライン指導なら通塾時間は0分!



