海城中学校〈国語〉過去問解説|記述問題で差がつく読み方と答案のコツ

海城中学校2020年国語の傾向と対策

海城中学校の国語は、文章量・選択肢ともに重厚な構成で、有利に戦うためには読解スピードと記述力の両方が求められます。ここでは、2020年度(令和2年度・第1回)の傾向と、過去問演習で意識すべきポイントを整理します。

海城中学校2020年国語の傾向

大問構成と文章量

海城中学校の国語は、毎年おおむね次のような大問2題構成になっています。

  • 大問1:物語文・小説文から1題
  • 大問2:説明文・論説文から1題

2020年度入試では、

  • 大問1:小説
  • 大問2:論説文

という構成でした。いずれも文章量が多く、選択肢も長文が多いため、最初から最後までだらだら読んでしまうと時間切れになりやすい入試です。

そのため、

  • 段落ごとに内容を整理しながら読む
  • 問いに関係しそうな段落には印を付けておく
  • 読むスピードを意識し、戻り読みを最小限にする

といった工夫が重要になります。

記述問題の出題形式

2020年度の海城中国語では、〜80字の記述問題が2問出題されました。字数だけを見るとハードルが高く感じられますが、

  • 本文のどこが答えの「タネ」になっているかを整理する
  • 設問が要求している要素を過不足なく盛り込む

ことができれば、決して「難しすぎる記述」ではありません。むしろしっかり部分点を取りにいくべき設問です。

記述対策として、日頃から次のような練習を繰り返しておきましょう。

  • 傍線部の前後から、答えの元になる部分に線を引く
  • 必要な要素を箇条書きにしてから、一文にまとめる
  • 「誰が/何を/どうした/なぜ」を意識して整理する

海城中学校・令和2年度(第1回)厳選解説動画

令和2年度 海城中学校(第1回)の入試より、厳選した問題とその解説をお届けします。問題文・設問については、各種WEBサイト等よりご入手いただければ幸いです。

★全問解説バージョンは、
コチラにて随時UPしております。

問題のランク分けについて

動画および解説では、各問題を次の3ランクに分類しています。

  • A:容易に正解できるので、合格するには絶対に落としてはいけない問題
  • B:やや難しめだが、意欲的にチャレンジしてほしい問題
  • C:非常に難しく、合否には影響しにくい「捨て問題」

限られた試験時間の中では、A・Bレベルを確実に取り切る戦略が大切です。自分がどのレベルの問題を落としがちなのか、動画を見ながら客観的に確認してみましょう。

記述問題の基本アプローチ

1.傍線部「=イコール内容」を探す

「〜とはどういうことか」と問われたら、基本は
傍線部とイコールの内容を、本文中から探して言い換える問題です。

【傍線部説明の型】
1. 傍線部を「何について」「どんな状態か」に分解する。
2. 傍線部の前後を中心に、同じ内容・言い換え表現を探す。
3. 見つけた部分をもとに、設問の字数に合わせてまとめ直す。

2.「一部だけイコール」でも解ける場合がある

イコールの内容を考えるとき、傍線部全体とイコールになる表現が見つからないことがあります。そのような場合でも、

  • 傍線部の一部分だけを取り出して、その部分とイコールの内容を明らかにする

ことで、十分に正解にたどり着ける問題も多くあります。

たとえば、

  • 長い比喩表現の一部だけに注目する
  • 「前半」と「後半」にブロック分けして、片方の意味だけ問われていると判断する

といった読み方が有効です。設問が「何を聞いているのか」を見極めたうえで、必要な部分だけを丁寧に言い換える意識を持ちましょう。

まとめ:海城中・国語で意識したい学習ポイント

  • 海城中の国語は大問2題構成(物語+説明/論説)で、文章・選択肢ともに分量が多い。
  • 〜80字級の記述が複数出題されるが、本文から根拠を整理できれば十分に得点源にできる
  • 傍線部の説明問題では、「傍線=イコール内容」を本文から探すという原則を徹底する。
  • 傍線部の一部分だけを明らかにしても解ける問題も多く、設問が何を求めているかの見極めが重要。
  • 過去問演習では、正解・不正解だけでなく、A/B/Cのランクと自分の出来を対応させて分析すると、次の学習方針が立てやすくなる。

これらのポイントを意識しながら過去問や解説動画を活用していけば、海城中学校の国語でも安定して得点できる力が身についていきます。

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