開成中学校・令和3(2021)年度の過去問解説

開成中学校・令和3年度厳選解説動画

 

令和3年度 開成中学校の入試より厳選した問題とその解説をお届けします。

解説

■大問一 問三

心情をつかむためには、背景と出来事に注目して考えていきます。

・傍線③A「『ちょっとカッコ悪いなァ』と言って、笑ってみせた」
傍線Aの前より、
【背景】穴のあいたズックを縫ってもらってうれしい
【出来事】『ちょっとカッコ悪いなァ』と言って、笑ってみせた
→照れ隠しでカッコ悪いと言っている
と読み取ることができるため、傍線Aにおける拓也の心情は、
『ズックの穴をぬってもらい、うれしくなったが、それを素直に言うのは恥ずかしい』であると分かります。

・傍線③B「言わなければよかった」
「なんもカッコ悪いことがあるもんか~母親の言葉のおわりがかすかにふるえているようだった」より、
【背景】カッコ悪いと言った
【出来事】母親が泣きかけてしまっている
と読み取ることができるため、傍線Bにおける拓也の心情は、
『母を傷つけたと思い、後悔した』であると分かります。

■大問二 問二

傍線1「定置網にはまり~嫉妬している」に対して説明を求められている問題です。

この文章を「定置網にはまり」、「うさぎ跳びをしながら」、「出る杭に嫉妬している」という3つに分け、それぞれがどういうことか考えるという『ブロック分け』という手法を用いていきます。

ブロック分けをしたそれぞれの内容を考えて、それをあわせることで傍線部の内容となります。

【定置網にはまり】
・傍線の直前の文章
「もちろん、成功している~といった漠然とした理由で定置網にはまり」より、
「有名だからという理由で就職する」

・傍線1の前
「永田氏はかつて~仲間を見てきたのであろう」より、
「みんなが有名だからという理由で就職しているから自分も同じようにそうしている」と読み取ることができます。

上記をあわせると、
「定置網にはまり」=「周りに合わせて、有名な会社に就職する」ということになります。

【うさぎ跳びをしながら】
※どのような文章かの説明を問われたとき、同じ言葉が用いられている部分はよく注意して読むようにしましょう。
・傍線の前
「体に悪い~考えずに意味のない努力をさせがちだ。」より、
「うさぎ跳びをしながら」=「意味のない努力をしながら」であると分かります。

【出る杭に嫉妬している】
・傍線1の3行前あたり
「成功して莫大な~かなったりするようなこともない。」より、
「出る杭に嫉妬している」=「成功した人に嫉妬している」となります。

3つの要素をあわせて、
「周りに合わせて、有名な会社に就職し、意味のない努力をしながら成功した人に嫉妬している。」と答えることができます。

開成中学校は難関中学校ではありますが、国語の問題は答えになる部分が文章中にあるため、それを探していくということが大切です。

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