読解の“処理の順番”がつかめない子のオンライン改善法
本文と設問の往復
読解・記述
中学受験国語の処理の順番|本文→設問→本文で根拠を探す
中学受験国語で手が進みにくい場合、本文の読み方そのものより、本文を読む、設問を分ける、本文へ戻るという動きが曖昧になっていることがあります。本文をただ読み返すのではなく、段落の要点を持ったうえで設問を見て、必要な根拠へ戻ることが大切です。「本文中の言葉を使って」と言われたときも、どこを探し、どの言葉を使うのかを順番に考えます。
このページで分かること
- 中学受験国語で本文と設問をどう行き来するか
- 「本文中の言葉を使って」とは何をすればよいか
- 時間が足りない場合に見直したい読み方
- 選択肢や記述で本文根拠を使う方法
最初に押さえる処理の順番
中学受験国語では、本文を読んだあとに設問へ進み、設問の条件を確認してから本文へ戻ります。最初から選択肢だけを見たり、本文を最初から何度も読み返したりすると、時間が足りなくなりやすくなります。
| 順番 | やること | 見るところ |
|---|---|---|
| 1 | 本文を読み、段落の役割をつかむ | 話題、具体例、対比、筆者の主張 |
| 2 | 設問を読み、何を答えるかを分ける | 理由、内容、心情、筆者の考え、字数条件 |
| 3 | 本文へ戻り、根拠を探す | 傍線部の前後、同じ段落、接続語の後、指示語の直前 |
| 4 | 根拠と選択肢、または記述答案を照らす | 本文と同じ内容か、設問条件を満たしているか |
読解で大切なのは、本文と設問を行き来すること自体ではありません。何を探すために本文へ戻るのかを決めてから戻ることです。
「本文中の言葉を使って」とは何をすればよいか
設問に「本文中の言葉を使って」とある場合、基本的には問題で示された本文の中から、答えに必要な語句や表現を使うという意味です。ただし、本文全体をやみくもに探すのではなく、設問で聞かれている内容に合わせて範囲を絞ります。
「本文中」とは、傍線部の近くだけを指すとは限りません。文章全体が対象になる場合もありますが、実際に探すときは、傍線部の前後、同じ段落、指示語の直前、理由を説明している部分などから確認します。
| 設問の条件 | 考え方 |
|---|---|
| 本文中から抜き出しなさい | 本文にある言葉や一文を、条件に合う形でそのまま抜き出します。語尾や字数条件も確認します。 |
| 本文中の言葉を使って説明しなさい | 本文の語句を材料にしながら、設問に答える形にします。必要な語句を使いますが、全文を丸写しするとは限りません。 |
| 自分の言葉で説明しなさい | 本文根拠を確認したうえで、内容を分かりやすく言い換えます。根拠から離れて自由に書くという意味ではありません。 |
「本文中の言葉を使って」の確認例
本文に「論点が複数あると、賛成と反対の理由が混ざり、何について話しているのか分かりにくくなる」とある場合、理由を説明する記述では、この中の必要な語句を使います。
- よい答え:論点が複数あると、賛成と反対の理由が混ざり、何について話しているのか分かりにくくなるから。
- 弱い答え:話し合いがうまくいかないから。
- 丸写ししすぎた答え:近年、学校の話し合いは増えているが、思いついた意見を順に並べるだけでは、話し合いは深まりにくいから。
本文中の言葉を使う問題では、「本文のどの言葉が答えの材料になるか」を先に決めることが大切です。そのうえで、設問に合う形にします。
本文を読むときは段落の役割を見る
本文を読む段階では、細かい言葉を全部覚える必要はありません。まずは、各段落が文章全体の中でどんな役割を持っているかをつかみます。
- 話題提示:これから何について書くのか
- 具体例:筆者の考えを分かりやすくする例
- 対比:AとBの違いを示す部分
- 理由:主張を支える部分
- 主張:筆者が最も言いたいこと
段落ごとに「ここは具体例」「ここは理由」「ここは主張」と短く言えるだけでも、設問で本文へ戻る場所がかなり絞りやすくなります。
本文を読んだ直後に言えるようにしたいこと
- この文章の話題は何か
- 筆者は何に賛成、または反対しているか
- 具体例は何を説明するために出ているか
- 対比されているものは何と何か
時間が足りない子はどこで時間を使いすぎているか
国語で時間が足りない場合、単に読むスピードだけが原因とは限りません。本文を覚えようとして読み込みすぎたり、設問を分ける前に根拠探しを始めたりすると、必要以上に時間を使いやすくなります。
| 時間がかかりやすい動き | 見直したいこと |
|---|---|
| 本文を全部覚えようとしている | 細部を覚えるより、段落の役割と筆者の主張をつかみます。 |
| 設問を読まずに本文へ戻っている | 理由、内容、心情など、何を探すかを決めてから戻ります。 |
| 選択肢を何度も読み比べている | 選択肢だけで考え続けず、本文根拠と設問条件に戻って比べます。 |
| 記述を書きながら考えている | 先に材料を集め、順番を決めてから文章にします。 |
すべてを速く読むより、戻る場所を狭める方が時間短縮につながりやすくなります。長文全体の時間配分も課題になっている場合は、国語の長文読解と時間配分の全体像も参考になります。
設問を読むときは条件を分ける
設問を見たら、すぐ本文を探しに行く前に、何を答える問題なのかを短く言い直します。設問タイプによって、本文へ戻る場所も変わります。
| 設問の言葉 | 見ること | 戻りやすい場所 |
|---|---|---|
| なぜですか | 理由を探す | 傍線部の前後、直前の出来事、理由を示す文 |
| どういうことですか | 内容を言い換える | 指示語、抽象語、同じ内容を説明した文 |
| どんな気持ちですか | 出来事と心情の変化を確認する | 行動、会話、表情、前後の気持ちの変化 |
| 本文中の言葉を使って | 本文の語句を材料にする | 設問に合う語句がある段落、傍線部の近く、説明部分 |
| 字数指定 | 必要な要素を選ぶ | 答えに必要な材料がそろう範囲 |
設問処理で大切なのは、「何となく理由っぽいところを探す」のではなく、理由なのか、内容説明なのか、心情なのかを分けてから本文へ戻ることです。
本文へ戻るときは探す範囲を絞る
設問を確認したら、本文へ戻ります。ただし、本文の最初から読み返すのではなく、根拠がありそうな範囲を絞って戻ります。
理由説明で戻る場所
- 傍線部の前後を見る
- 直前の出来事や説明を確認する
- 「なぜなら」「だから」「そのため」など理由を示す接続語に注目する
内容説明で戻る場所
- 指示語がある場合は、直前の文や段落へ戻る
- 抽象的な言葉は、具体的に説明している部分を探す
- 同じ内容を別の言葉で言い換えている文を確認する
心情説明で戻る場所
- 気持ちが変わるきっかけになった出来事を見る
- 行動、会話、表情から気持ちを考える
- 前の気持ちと後の気持ちの変化を比べる
物語文の心情問題で戻る例
たとえば、登場人物が「うつむいた」と書かれているだけで、すぐに「悲しい」と決めるのは危険です。その前に何が起きたのか、会話で何を言われたのか、その後にどんな行動をしたのかを確認します。
- 出来事:友だちに自分の考えを否定された
- 行動:うつむいて、しばらく返事をしなかった
- 確認すること:悲しさだけでなく、くやしさや不安があるか
主題把握や抜き出しで戻る場所
- 筆者の考えを聞かれている場合は、文章の後半やまとめの段落を見る
- 対比がある場合は、対比の後に出てくる主張を確認する
- 抜き出し問題では、設問条件と同じ意味になる一文や語句を探す
本文へ戻る目的は、何度も読み返すことではありません。設問に必要な根拠を探し、選択肢や記述答案と照らすことです。
選択肢は本文の根拠と照らして比べる
選択肢問題では、先に選択肢の印象だけで選ぶと、本文の内容から離れやすくなります。選択肢を見る前に、本文のどこを根拠にするかを押さえておくことが重要です。
- 本文に書いてある内容と同じか
- 言い過ぎていないか
- 一部だけ合っていて、全体では違っていないか
- 主語や対象がずれていないか
- 設問で聞かれている内容に答えているか
特に、中学受験国語では「一部は合っているが、問われていることと違う」選択肢がよく出ます。本文の根拠と設問条件の両方に合うかを確認します。
選択肢が最後の二つになったときの比べ方
最後の二択で判断に時間がかかる場合は、選択肢全体の印象ではなく、本文の根拠と違う言葉を探します。次のような選択肢は誤りになりやすいです。
- 本文にない理由を足している
- 一部は合っているが、問われている理由と違う
- 本文より強く言いすぎている
- 主語や対象が本文とずれている
- 心情語だけ合っているが、きっかけが違う
選択肢比較のミニ例
本文に「論点が複数あると、賛成と反対の理由が混ざり、何について話しているのか分かりにくくなる」とある場合、理由として合う選択肢を比べます。
- A:話し合いの回数が少なく、意見を出す時間が足りないから。
本文にない理由が加わっています。 - B:論点が複数あると、賛成と反対の理由が混ざり、何について話しているのか分かりにくくなるから。
本文根拠と設問条件の両方に合っています。 - C:思いついた意見を順に並べることが、必ず悪い結果につながるから。
本文より強く言いすぎています。
記述は材料を集めてから書く
記述問題では、本文を見つけた瞬間に書き始めると、必要な材料が不足しやすくなります。先に材料を集め、並べてから文章にします。
| 段階 | やること |
|---|---|
| 材料集め | 本文から答えに使う語句や内容を抜き出す。 |
| 並べる | 理由、出来事、心情など、答えに必要な順に置く。 |
| 文章にする | 字数に合わせて、主語や文末を補いながら書く。 |
| 見直す | 設問に答えているか、本文根拠が入っているかを確認する。 |
説明記述なら「何のことか」と「なぜそう言えるか」、心情記述なら「背景」「出来事」「気持ち」を先に集めます。いきなりきれいな文章にしようとせず、材料の確認を先に行う方が安定します。
記述で材料を集める例
- 設問:筆者が論点を一つに絞ることが大切だと考えるのはなぜですか。
- 材料1:論点が複数あると
- 材料2:賛成と反対の理由が混ざり
- 材料3:何について話しているのか分かりにくくなる
- 答案例:論点が複数あると、賛成と反対の理由が混ざり、何について話しているのか分かりにくくなるから。
ミニ練習:本文→設問→本文を試す
練習用本文
近年、学校の話し合いは増えている。しかし、思いついた意見を順に並べるだけでは、話し合いは深まりにくい。大切なのは、最初に論点を一つに絞ることだ。論点が複数あると、賛成と反対の理由が混ざり、何について話しているのか分かりにくくなる。
設問
筆者が「話し合いは深まりにくい」と述べているのはなぜですか。本文中の言葉を使って説明しなさい。
- 問われていること:話し合いが深まりにくい理由
- 条件:本文中の言葉を使う
- 戻る場所:「論点が複数あると」以降
- 使う材料:「賛成と反対の理由が混ざり」「何について話しているのか分かりにくくなる」
答案例を確認する
論点が複数あると、賛成と反対の理由が混ざり、何について話しているのか分かりにくくなるから。
この練習では、本文全体を何度も読み返すのではなく、設問で聞かれていることを分けてから、必要な根拠へ戻っています。これが本文→設問→本文の基本です。
家庭で確認できること
家庭では、国語の内容をすべて教え込むより、処理の順番を守れているかを確認する方が取り組みやすくなります。
| 声かけ | 見ること |
|---|---|
| この段落は何の役割? | 具体例、理由、主張などを短く言えるか。 |
| この設問は何を聞いている? | 理由、内容、心情などを分けられるか。 |
| 根拠は本文のどこ? | 選択肢や記述の前に、本文の根拠へ戻れているか。 |
| 本文中の言葉はどれ? | 答えに使う語句を本文から選べているか。 |
| 書く前に材料はそろった? | 記述で本文の要素を集めてから書けているか。 |
復習で残すメモの例
- 設問タイプ:理由、内容、心情、抜き出し、記述など
- 戻った場所:傍線部の前後、同じ段落、文章後半など
- 使った本文の言葉:答えの材料になった語句
- 最後に残った選択肢:どの言葉が本文と違ったか
- 記述で足りなかった材料:理由、出来事、心情、主語など
正解を教えるより、「今は本文を見る段階か、設問を分ける段階か、根拠を照らす段階か」を確認する方が、家庭学習では続けやすくなります。
課題別に確認したいページ
本文と設問の往復は、選択肢・抜き出し・記述のすべてに関わります。今の課題に合わせて、次に確認する内容を選ぶと復習しやすくなります。
| 今の状態 | 確認するとよいページ |
|---|---|
| 本文と設問の往復を1対1で確認したい | 中学受験国語のオンライン完全1対1個別指導 |
| 読解と記述を同じ本文で扱いたい | 中学受験国語の完全1対1個別指導 |
| 記述の材料集めを確認したい | 中学受験国語の記述対策と本文根拠の使い方 |
| 家庭学習で復習の進め方を見たい | 予習シリーズ国語の使い方と復習の進め方 |
個別指導で確認しやすいこと
国語は、正解か不正解かだけを見ても原因が分かりにくい教科です。1対1で確認する場合は、本文と設問を共有しながら、どの段階で処理が曖昧になっているかを見ていきます。
- 段落ごとの要点を言えているか
- 設問条件を読んでから本文へ戻れているか
- 根拠の範囲を決めているか
- 選択肢を本文と照らしているか
- 記述を書く前に材料を集めているか
どの順番で考えたかを確認すると、本文の読み方と設問への向かい方がつながりやすくなります。
よくある質問
「本文中の言葉を使って」とは、本文をそのまま写すことですか?
必ず全文を丸写しするという意味ではありません。答えに必要な語句や表現を本文から選び、設問に答える形にします。抜き出し問題の場合は、本文の言葉をそのまま抜き出す必要があります。
傍線部の前後だけを見れば答えは見つかりますか?
傍線部の前後は最初に確認したい場所ですが、それだけで必ず答えが見つかるとは限りません。同じ段落、指示語の直前、理由を説明している部分、文章後半の主張なども設問に応じて確認します。
選択肢を先に読むのはよくないですか?
選択肢を先に読むと、本文の根拠よりも印象の強い言葉に引っ張られることがあります。先に設問内容を分け、本文の根拠を押さえてから選択肢を見る方が安全です。
時間が足りない場合、本文と設問のどちらを先に練習すべきですか?
まずは設問を分けてから本文へ戻る練習を優先すると取り組みやすくなります。本文を速く読む練習だけでなく、何を探すかを決めて戻る練習をすると、読み返しの時間を減らしやすくなります。
選択肢が最後の二つで判断しにくい場合、どこを見ればよいですか?
本文根拠と違う言葉がないかを確認します。本文にない理由を足していないか、言いすぎていないか、主語や対象がずれていないか、設問で聞かれている内容に答えているかを一つずつ比べます。
記述で手が進まない場合は何を見ればよいですか?
文章力だけの問題ではないことが多いです。まず本文から材料を拾えているか、理由や心情の根拠がそろっているかを確認します。その後で文章にします。
物語文の心情問題でも同じ流れで解けますか?
基本の流れは同じです。本文を読み、設問で心情を聞かれていることを確認し、出来事、行動、会話、表情、前後の気持ちの変化へ戻って根拠を探します。
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家庭での国語学習の回し方を見たい場合は、予習シリーズ国語の使い方と復習の進め方も確認できます。
まとめ
中学受験国語の処理の順番は、本文を読む、設問を分ける、本文へ戻る、根拠と答えを照らす、という流れで考えます。
- 本文では、段落の役割を短くつかむ
- 設問では、何を答える問題かを分ける
- 「本文中の言葉を使って」は、必要な語句を本文から選ぶ
- 本文へ戻るときは、根拠の範囲を絞る
- 選択肢は、本文の根拠と照らして比べる
- 記述は、材料を集めてから文章にする
本文を何度も読み返すより、何を探すために本文へ戻るのかを決めることが大切です。処理の順番が見えるようになると、選択肢、抜き出し、記述のいずれでも根拠を探しやすくなります。
本文と設問の往復がうまくいかない場合は、読む途中の動きを見直す必要があります。
読解ラボ東京の個別指導では、本文の読み方、設問の分け方、記述の材料集めまで確認しながら進めます。
正解だけでなく、どの順番で考えたかまで見たい場合は、体験授業・入塾相談をご確認ください。

