小論文の書き方
今回は小論文の書き方を解説していきます。なお、今回の記事で紹介する書き方は慶応大学やAO入試・医学部などにも通用する、普遍的な小論文の書き方です。
普遍的な小論文の書き方マニュアル
小論文の勉強はそこまで大変ではありません。夏くらいから、他教科の息抜き程度に勉強しておくと、ほかの受験生に大きく差をつけることができるでしょう。大変ではないと言っても、直前になって焦るようでは手遅れになってしまうので、夏くらいから始めるのがベストです。
さて、なぜ小論文の勉強は大変ではないと言えるのでしょうか。それは、書き方のマニュアルさえ身につければ簡単に書けるようになるからです。
マニュアルとは、
「論点→譲歩→論破→結論」の流れでまとめる
というものです。
そもそも、小論文は論文の一種です。そして、論文とは論点のある文章です。では論点とはなんでしょうか。イエス・ノーで答えられるテーマのことです。
小論文も論文の一種である以上、論点がなければ小論文として認められません。ですから、まず論点を提示して、自分が書いているものは論文なのだとアピールする必要があります。
論点を示したら、次に譲歩をします。自分がイエスの立場ならノーの立場の意見を、自分がノーの立場であればイエスの立場の意見を書くということです。いきなり自分の意見を書いてはいけません。いったん譲歩して反対意見を取り上げる。そしてそれを潰しつつ自分の意見を展開していくのです。そうすることで、自説の説得力が高まります。また、譲歩によって視野の広さも採点者に伝えられます。
譲歩で反対意見を取り上げたら、それを潰さなければなりません。上述の通りです。これを論破と呼びます。論破をしたら、最後に自分の意見を結論としてまとめる。これで答案の完成です。
より具体的な話に入りましょう。下に例題を設けました。上記のマニュアルに基づいて答案を作成していきます。
例題
大学において、すべてを英語で行う講義が増えてきている。その風潮に対するあなたの考えを600字以内でまとめなさい。
論点
まずは論点を示さなければならないのでした。論点とは、イエス・ノーで答えられるテーマでしたね。今回の問題ならば「授業のすべてを英語で行うという風潮は正しいのか」でよいでしょう。ちなみに、課題文を読んだうえで小論文を書く場合も多くありますが、その場合も「課題文では~と主張されていた。その主張は正しいのか」とすれば解決です。論点はこのように「~は正しいのか」という形で形成していくとラクですね。
譲歩
次に譲歩です。今回は世間の流れに反対してみましょう。そうなると、譲歩では「すべての授業を英語で行うのは正しい」と述べることになります。なぜ正しいのでしょうか。いまの世界はグローバル化されています。グローバル化された世界では、世界共通語である英語が必須です。すべての授業を英語でするのならば英語力は高まりますから、そうする風潮は正しいということになります。これらの内容をまとめれば譲歩の完成です。
論破
それでは論破です。グローバル化の世は英語力がすべてなのでしょうか。仮に英語がペラペラであっても、教養や知識がない人、実力が不足している人は通用しません。むしろ、ゴローバルになったからこそ実力や知識を高める必要が増しているのです。そうしなければ、外国の人に相手にされないでしょう。そして、英語で教育されるよりも日本語で教育された方が実力や知識をつけられるはずです。母国語で受ける教育の方がより効果的だからです。
そうなると、日本語で授業をした方がよいということになりますね。この内容をまとめれば論破の出来上がりです。
結論
最後に結論として「授業のすべてを英語で行うのはよいことであるという風潮はおかしいと思う」とまとめてあげれば答案の完成です。
いかがでしたか。このようなマニュアルに基づけば、比較的簡単に論理的で説得力のある文章が書けるようになります。もちろん慣れも必要ですから、夏の間に四問くらいこのマニュアルに従って小論文の問題を解いてみるといいでしょう。土台をしっかり固められると思います。また、解いたら信頼できる先生に見てもらうようにしていただきたいですね。譲歩の内容がおざなりになっていないか、きちんと論破できているかを客観的にチェックしてもらうことも大切です。
当塾の取り組み
先ほど、信頼できる先生に答案を見てもらうとよい、と書きました。しかし、そのような方がいないというケースもあるでしょう。その場合は、私が主宰する「読解ラボ東京」にご連絡ください。当塾では、1対1の個別指導を開講しており、小論文対策も行っております。教室型の授業の他に、同様の授業をオンラインでも開講しているため、全国どこからでもご受講いただけます。当塾のオンライン授業の詳細についてはコチラをご覧ください。実力にあった問題を選定し、有効な添削・解説を提供いたします。医学部受験をされる方はもちろん、慶応大学や首都大学東京(東京都立大学)を受験される方、看護系志望の方、AO入試を利用される方など、入試で小論文を使われる方のお問い合わせをお待ちしております。