桜蔭中学校・2020(令和2)年度【解説動画】

桜蔭中学校 国語2020の全体像(50分・文章量多め)


大問一が論説文、大問二が小説の読解の2題構成です。試験時間が50分に対して文章量が多いため、スピーディに読み、考えるポイントを見極めながら解き進める力が求められます。また、漢字や文法などの知識問題も出題されるため、総合的な国語力が必要です。

桜蔭中学校の国語は、ただ文章を読めるだけでは対応しにくい入試です。読む速さ、設問の意図をつかむ力、本文中の根拠を言葉としてまとめる力、そのすべてが求められます。しかも、時間に余裕があるタイプの試験ではないため、「じっくり考えれば分かる」を本番で得点に変えるには、ふだんから処理の順序を組み立てておく必要があります。

特に50分という制限の中で、論説文と小説の両方を扱う以上、どちらか一方に時間をかけすぎると全体の時間配分に影響します。本文を最初から最後まで細部まで読み込もうとすると間に合わなくなりやすく、逆に急ぎすぎると設問に必要な根拠を見落とします。そのため、桜蔭では「速く読む」こと自体よりも、どこを丁寧に見て、どこをつなげて理解するかの判断が重要です。

また、論説文と小説では、問われ方は違って見えても、本文根拠を押さえて記述するという点では共通しています。論説文では筆者の考えの筋道、小説では人物の心情や関係性の変化を追う必要がありますが、どちらも「本文の中にある根拠を拾い、設問に合う形にまとめる」ことができなければ得点になりません。桜蔭の国語は、知識・読解・記述がそれぞれ独立しているのではなく、互いに支え合って成立している試験だと考えた方が実態に近いです。

桜蔭の記述対策(2020):字数指定なしで何を書くかを判断する


桜蔭中学校の記述問題は、字数指定がない形式が出題されやすいのが特徴で、2020年は字数指定のない記述が6問出題されています。解答欄を確認しながら、書くべき内容を過不足なくまとめる感覚を身につけることが重要です。

字数指定がある記述であれば、ある程度「このくらいの要素数が必要だろう」と見当をつけやすいですが、字数指定がない記述はそうはいきません。短く終えすぎれば必要な要素が抜けやすくなり、反対に書きすぎると焦点がぼやけやすくなります。したがって、桜蔭の記述では、解答欄の大きさを見ながら「何を中心に」「どこまで書くか」を判断する力が必要になります。

ここで大切なのは、最初からきれいな文章を書こうとしすぎないことです。まず設問が何を聞いているかをはっきりさせ、本文のどの部分が答えに当たるのかを押さえ、そのあとで必要な要素を整理してから文にする方が安定します。字数指定がない問題ほど、書き始める前の整理が得点に直結します。

また、字数指定がないということは、採点側が「必要なことが書けているか」をより見ているということでもあります。表現を飾ることより、設問に対して必要な中身を落とさずに入れることが大切です。桜蔭では、解答欄のサイズ感と設問の聞き方を合わせて見て、求められている情報量を判断する練習が欠かせません。

傍線部説明は「イコール」に当たる内容を本文から拾う

・傍線部の説明を求められているときは、傍線部と同じ内容を本文中から言い換えて答えます。

傍線部説明では、傍線部を自分の感想で言い換えるのではなく、本文中にある同内容の箇所を探して組み直す意識が必要です。ここでいう「イコールに当たる内容」とは、傍線部が指している中身、言い換えればどういうことか、を本文根拠に基づいて置き換えたものです。特に桜蔭のような学校では、雰囲気で近いことを書くのではなく、本文との対応関係が見えているかが大きく問われます。

たとえば、抽象的な表現や比喩的な表現に傍線が引かれていた場合も、そのまま感覚で説明するのではなく、その表現が本文のどの事情・どの認識・どの変化を受けて出てきたのかをたどる必要があります。説明問題は、本文の読みが曖昧だとすぐにずれます。逆に、本文の構造が見えていれば、傍線部の前後や対応箇所から必要な内容を拾いやすくなります。

このタイプの問題では、「傍線部の直前だけ」「傍線部の直後だけ」を見て終わらないことも大切です。ときには段落をまたいで説明の材料が散らばっていることもあり、前提となる事情と結論となる認識の両方を入れないと答えが薄くなることがあります。傍線部説明は、局所的な読みに見えて、実際には本文全体の流れを押さえる力が必要です。

字数が足りないときは本文中の理由を加える

・説明部分を書いて字数が足りないときは、本文に書かれている理由を加えて文章量を調整します。

ここでいう「理由を加える」というのは、ただ何かを付け足して長くするという意味ではありません。説明の中心となる内容を書いたうえで、「なぜそう言えるのか」「どういう事情があるのか」という本文中の理由を補うことで、答案の厚みを出すということです。これは桜蔭の記述で非常に有効な考え方です。

記述が短くなりすぎる受験生は、答えの中心部分だけを書いて終えてしまうことが多いです。しかし採点する側から見ると、その結論に至る本文根拠まで含まれていた方が、理解の確かさが伝わりやすくなります。反対に、理由ばかり長く書いて中心の結論が抜けるのもよくありません。まずは説明の核を書き、足りないときに理由を足す。この順序を習慣化しておくと、字数指定なしの問題でもまとめやすくなります。

また、理由を足すときは、本文の言葉をそのまま貼りつけるだけでなく、設問に合うように主語や述語を調整する必要があります。桜蔭では、本文から拾うだけでは不十分で、それを解答として成立する形に言い換える力が問われます。つまり、読む力だけでなく、まとめる力も同時に必要になります。

桜蔭の過去問(国語):演習の進め方と順序

過去問演習を「何回取り組むか」「どの順序で扱うか」まで含めた全体像は、過去問演習の全体像はこちらで整理しています。

桜蔭の過去問演習では、単に年度をこなすことが目的ではありません。最初の段階では、時間内に全体を回し切る感覚をつかむこと、次の段階では、記述でどの設問を取りにいくかの判断を固めること、さらにその先では、答案の質を上げることが目的になります。毎回同じやり方で解くだけでは、演習の効果が薄くなりやすいです。

また、過去問は「解いて終わり」にしないことが非常に重要です。特に桜蔭の国語では、正解した問題よりも、記述で何が足りなかったか、どこで本文根拠を取り違えたかを振り返る方が価値があります。選択肢問題でも、なぜ正解が正しく、他の選択肢がずれるのかを確認しないと、次の年度で同じ形のミスを繰り返しやすくなります。

演習の順序としては、まず時間を気にしながら全体を解き、そのあとで記述問題を中心に検討し、最後に知識問題や処理系の問題で確実に取る部分を整理していく流れが有効です。桜蔭では、全部を完璧に取るというより、取りたい問題を確実に押さえ、難しい問題で大きく時間を使いすぎないことが大切です。その意味でも、過去問演習は「解けるかどうか」だけでなく、「どう配点感覚を持つか」を育てる場でもあります。

桜蔭中学校 国語2020 過去問解説動画(要点抽出)

動画の位置づけと問題文について

令和2年度 桜蔭中学校の入試問題から、要点となる設問と解説を扱っています。問題文・設問については、各種WEBサイト等よりご入手ください。★全問解説版は こちら にて随時公開しています。

この動画は、すべての設問を漫然となぞるためのものではなく、桜蔭の国語で特に差がつきやすいポイントを抽出して確認するためのものです。つまり、「この年度のどこに桜蔭らしさが出ているか」「どういう読み方が必要か」を押さえるために活用すると効果的です。過去問は量を解くだけでなく、学校ごとの出し方をつかむことが重要なので、要点を絞った解説には意味があります。

また、動画で解説を見たあとに、必ず自分でも本文に戻って根拠を確認することが大切です。解説を聞いて分かった気になっても、自分一人で同じ判断ができなければ本番では使えません。どの段落のどの表現が答えに関わっていたのか、なぜその要素を入れる必要があったのかを、自分の手で追い直すことで初めて力になります。

A/B/C分類:取り組みの優先度を整理する

解説では各問題を次の3つに分けて整理しています。

A:得点源として確実に押さえたい問題
B:やや難しいが、理解しておきたい問題
C:難度が高く、合否への影響が小さい問題
優先度を意識しながら活用してください。

この分類は、問題の難しさを示すだけではなく、演習や復習の優先順位を決めるためのものでもあります。桜蔭のように難度の高い学校では、「全部を同じ熱量で追う」よりも、「何を確実に取るか」を明確にした方が得点は安定します。特に国語では、難問に時間をかけすぎて取りやすい問題を落とすことが大きな減点につながります。

A問題は、桜蔭受験生としては確実に得点したい問題です。本文の基本的な流れが追えていれば対応できるものや、知識として落としたくないものがここに入ります。B問題は、差がつきやすいが、きちんと訓練すれば届く問題です。ここをどこまで拾えるかで、合格可能性が変わってきます。C問題は、難度が高く、本文理解や設問処理の負荷も大きいため、深追いしすぎない判断も必要です。

この見方を身につけておくと、本番でも「今どの問題に時間を使うべきか」が見えやすくなります。すべての問題を同じように見てしまうと、難問に引きずられて全体の時間配分が乱れやすくなります。過去問演習の段階から、優先度の感覚を持って取り組むことが、桜蔭の国語では特に重要です。

2020年の国語は、読みの速さだけでなく、記述の中身を取捨選択する力、そして難度差のある問題を見分ける力まで含めて問われる回でした。だからこそ、この年度を通して学ぶべきなのは、単発の正解不正解だけではありません。どの問題で時間がかかったのか、どの記述で要素が不足したのか、どこで本文の対応関係を見誤ったのかを具体的に振り返ることが、次の年度や本番につながります。

桜蔭の国語対策では、読む力・書く力・選ぶ力を同時に鍛える必要があります。50分という時間の中で、文章量の多い二題を処理し、知識問題にも対応し、字数指定なしの記述をまとめるためには、日々の学習をばらばらに進めないことが大切です。論説文と小説、知識と読解、本文理解と記述を切り離さず、「本文根拠をもとに必要な内容を答えとしてまとめる」という一点でつなげていくことが、桜蔭中学校 国語2020の対策でも、他年度への応用でも重要になってきます。

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