豊島岡女子学園中の国語 過去問分析と対策──記述・文章量に強くなる勉強法
豊島岡女子学園中学校の国語は、論説文と物語文の二題構成で長文読解の比重が高く、記述(~30字/~80字)が得点差になりやすいタイプです。
読めているのに点が伸びないときは、内容理解よりも「傍線部の直前直後の根拠の取り方」「心情の整理(背景→出来事→心情)」「記述の字数内でのまとめ方」が定まっていないケースが目立ちます。
過去問演習を「何回」「どの順番」で回すかの全体像は、過去問演習の全体像はこちらで整理しています。
取り組みの優先順位は、①根拠を置く場所(傍線部の前後)を特定する → ②心情は背景と出来事をセットで言い換える → ③記述は「条件→根拠→まとめ」の順で字数に収める、の順に組み立てると安定します。
時間配分で失敗しないための考え方(読み切るより「根拠を拾う」)
文章量が極端に多いタイプではない一方で、設問が要求する根拠を外すと記述も選択も連鎖して乱れます。国語での取りこぼしを減らすには、通読の完成度よりも「必要な場所を正確に読む」比率を上げる方が再現性が高くなります。
- 傍線部問題は、傍線部そのものより直前直後の説明・具体化・言い換えを優先して拾う
- 物語の心情は、気持ち単体ではなく背景(何が起きたか)→出来事(反応)→心情の順で整理する
- 迷った設問を抱えたまま長時間留まらず、「根拠が見える設問」から得点を確保して戻る
本文を読み返す回数が増えるほど時間は減ります。根拠が置ける設問から処理し、最後に「根拠が薄い設問」をまとめて再確認する流れにすると、得点ロスが大きくなりにくいです。
記述(~30字/~80字)で点を落とさない「パターン」
字数指定の記述は、内容が分かっていても「条件の抜け」「根拠の不足」「言い換えが弱い」で点が削られます。家庭学習では、答案の上手さよりも、毎回同じプロセスで書けているかを優先して仕上げる方が伸びやすくなります。
- 設問の条件(誰の、何について、どの範囲で)を先にメモする
- 根拠は、本文の言葉をそのまま貼るのではなく、一段言い換えてから入れる
- まとめ文は、主語が飛ばないように「だれが/なにを/どう」だけは残す
80字の記述ほど「要素を入れたつもり」になりやすいので、書いた後に条件が満たせているか(問われた対象・範囲・理由や心情の根拠)を一度だけ点検する習慣が効果的です。
過去問の回し方(自宅でやるなら「解き直し」が本体)
学校別対策は、解く回数そのものよりも「直しの精度」で差がつきます。特に記述は、正解・不正解の判定よりも「なぜその根拠が必要だったか」を言える状態にする方が次の年度でも使えます。
- 初回:時間を意識して解き、根拠が置けた問題/置けなかった問題を分けて印を付ける
- 直し:傍線部の直前直後に戻り、本文の言い換えで説明を書き直す
- 再提出:記述は同じ設問をもう一度書き、条件→根拠→まとめの流れが再現できるか確認する
直前期のチェック(答案が安定する確認項目)
- 傍線部問題で「直前直後」を必ず確認する癖がついているか
- 心情を「背景→出来事→心情」の順で説明できるか
- 記述で条件(対象・範囲・理由)が抜けていないかを点検できるか
学校別対策は、新しい技を増やすより「同じプロセスで解ける」を増やした方が伸びが安定します。標準的な問題を落とさない形に固めるだけでも合格点に近づきやすくなります。
豊島岡女子学園中学校・令和2年度(第1回)厳選解説動画
令和2年度 豊島岡女子学園中学校(第1回)の入試より厳選した問題とその解説をお届けします。
問題文・設問については、各種WEBサイト等よりご入手頂ければ幸いです。
★全問解説Ver.はコチラにて随時UPしております。
なお、解説では各問題を
A:容易に正解できるので、合格するには落としてはいけない問題
B:少し難しめの問題だが、意欲的に取り組んでほしい問題
C:非常に難しいので、合格不合格のラインには影響しない捨て問題
に分類しています。参考にして頂ければ幸いです。
解説
大問一 問五
・傍線部分の説明と合致しないものを答える問題です。そのため、傍線③とイコールにならないものはどれか考えていきます。
・傍線③の行あたまから
聞くことの難しさは相手の言葉を聞く以前に自分の言葉を聞いてしまっているということにあります。自己内コミュニケーションです。
とあるため、
傍線③=相手の言葉ではなく自分の言葉を聞いている状態
と分かるため、当てはまらない選択肢として、アの【自己内コミュニケーション人間関係を良好にしていく社会生活上の知恵である】という答えが正解となります。
大問二 問七
・傍線⑦における正也の様子(X)とイコールなのは何か問われている問題です。
・直前を見てみると
東京に行かない理由を述べているため、自分が東京に行かないことを納得しようとしていることがわかります。
よって、エの【今のくだらない争いを収めるために一生懸命な自分が東京に行くべきではない理由をこじつけている。】が正解となります。
大問二 問八
・心情を問われている問題です。
気持ちを聞かれている問題は背景・出来事と整理して読み進めていきます。
・傍線部直前
「はい。全国大会には三年生の先輩で~県外や他の作品の話を先輩たちとできることを期待していました」より
【背景】正也に、作品の話をしたかったと言われた
【出来事】顔をゆがめて、俯いた
【心情】作品に向き合うという大切なことを忘れていた→恥ずかしい
であると分かります。よって
【正也の作品の話をしたかったと言われたことで、本当に大切な、自分たちの作品と純粋に向き合うことを忘れていたことに気づかされたたため、恥ずかしいという気持ち。】が答えとなります。
「知識があれば読める」という誤解が、志望校合格を遠ざけます。
論理性なき感覚的な読みが定着してしまうと、記述での大幅な減点を防げず、最終的な合計点に跳ね返る致命的な損失を招きます。
得点が頭打ちになる原因は、一重に判断軸が確立されていないことにあります。



