国語のテストを受けるときの3つの「心構え」

テストを受けるときの心構え

夏井(中学受験専門 夏井算数塾代表):今回は非常にざっくりしたテーマですが、
国語の問題を解く時の心構えという事についてお話をしたいと思います。
どういう気持ちで問題に望めばいいですか?
長島:勝負は、正直テストの前から決まっていると思います。多くのテストで気持ちの記述が出てきます。それはSAPIXのマンスリーでも、組み分けでもそうだと思います。
例えば物語文で理由を聞かれた場合、最後が気持ちになるケースが多いです。
なんで泣いたんですか?と聞かれて、嬉しいから泣いたんだとか、悲しい事があって泣いたんだとか、嬉しいや悲しいとかそういう気持ちが理由になるという場合がほとんどです。
例えば物語の記述で理由を聞かれたら、最後は気持ちで終わって、なんとかな気持ちだから、と終わらせます。そういうのはテストを受ける時に意識するより、普段の学習から意識していくべき事だと思います。
なので、普段の学習の成果がどれくらい発揮出来るのか、がテストだと思います。
もちろん入試は別ですが、模試においてはそういう穴の発見というのに一つの意義があると思います。模試の場合はそこまで意識せず受けて、また気持ちを書けなかったという修正点があればそれを適宜直していくという事になります。無理にいい点数を取ろうとするよりは、普段通りに受けて、穴、まだ出来ていない所を埋めていくというのが大切だと思います。

問題を解いてく順番

夏井:ちょっと心構えとは話が違うのかもしれませんが、問題を解く時のステップの踏み方という話でいうと、例えば本文から読む人と、本文を読みながら設問を同時に解いていくという人と、本文を読み切ってから設問に一から取り掛かる人と、設問を読んでから本文読む人と、色んなパターンがある気がします。そこら辺はどうですか?
長島:基本的には、最初に全部読んでから問題を解いていきましょうとお話しをします。
読むのと解くのを同時進行にやる方もいらっしゃるとの話でしたが、後ろの方に答えがあるというシチュエーションもあります。その場合うまくいかなくなってしまいます。
なので、まずは読み切ってからだと思います。
テストの文章は中々難しいですし、一つの文章に対して問いも大体10個くらいあるのが一般的なので10個、問の事を認識しながら文章を読むのは土台無理な話だと思います。
ですから、まずは読む事に集中します。
もちろん漢字の問題が出る事をチェックして、漢字の所は丸つけておこうくらいの事はやってもいいと思いますが、そういう作業的な所を除けば、基本的にはまず読んでから問題を解いていくという形がいいと思います。

時間配分について

夏井:ありがとうございます。他に、例えば問題の時間配分はどう考えたらいいですか?
長島:SAPIXのマンスリーであれば、物語文の方が長いという場合が多いと思います。
その傾向はそんなに毎月変わる訳ではないです。
ですから、毎回物語の段階で30分経っているのが自然かなとか、残りの時間で説明文をやって間に合うのであればそれが標準タイムという事になります。
だからある程度目星を立てて大問を処理していく、という訓練になるといいのかなという感じはします。うまく自分に合うやり方を何回か受ける中で調整していく、そういう訓練を進めていければ入試が近づいて過去問演習をする時にも必要な力になると思います。
夏井:心構えというかという話が続くんですが、例えば算数という科目でいうとケアレスミスに注意しようという話があったりします。
見直しも当然必要になるという話に繋がっていく訳ですが、国語でいうケアレスミスはどんなものがありますか?
長島:抜き出しの問題ですが、抜き出しの場合本文の表記をそのまま書かなきゃいけないですから、カタカナをひらがなにしたり、ひらがなを漢字で書いてしまったりとかそういうミスがあります。
多分今の話はケアレスミスをどうしようかって所に繋がっていく訳ですが、正直難しいです。
もしかしたら年齢と共に修正されていくものという気はします。
大学入試でそういう指導する事はほとんどないです。
ただ、目先の中学受験を考えた時に私がよく提案するのは、10点分ケアレスミスをするのであれば、もうその10点失うのは受け入れて、10点分他の所で上乗せ出来る子になろうぜという提案をします。
特にそういうケアレスミスで悩む方は普通の受験生であれば捨て問と言って、記述のこの要素はさすがに取れないよね?という所もあります。
でもケアレスミスをしちゃうのであれば、その分も果敢にアタックしてケアレスミスを上乗せ出来るような受験生になって欲しいです。そういうふうに思っております。
夏井:ありがとうございます。

国語のテストを受けるときの3つの心構え

国語のテストは時間が足りずに全問解けないという声を多く耳にします。国語のテストの時間配分はどうしたら良いのでしょうか。その心構えとテストの点数を上げて安定させるコツをつかんで解き方をマスターしていきましょう。

スピード

文章を読むスピードは自分が理解できるスピードで読むようにします。はやく読むことだけを意識してしまうと、文章がきちんと頭に入らずに、設問を読むときにまた該当箇所を読み直すということが発生してしまうからです。もちろん、はやく読めたうえで理解できるに越したことはありませんが、問題を解くスピードをはやめるためのコツは、本文を読むスピードをただはやめようとするのではなく、設問の解き方で時間を調整することが必要です。

分からない問題は飛ばす

【漢字】 漢字1問に対する標準スピードは1問10秒です。漢字や知識問題には時間をかけずに、思い出せない・わからない漢字は考え込まずに次の問題に進みましょう。勉強をしたのにも関わらず忘れているだけであれば、後で思い出せる可能性もあります。漢字は長考しても分からない場合が多いので、次の問題に進みましょう。

【選択肢】選択肢の問題は、少し考えてもわからない場合は、可能性がある番号に印をつけて後ほど精査します。最後まで問題を解き進めていったときに精査することを忘れないように注意しましょう。

【抜き出し】国語の問題で一番時間がかかってしまうのは抜き出し問題です。設問を読み、答えをイメージしてその後で本文から該当する部分を見つけ出さなくてはなりません。字数制限や文末を意識しながら該当箇所を探すことは意外と時間がかかるため、答えがパッと思い浮かばない場合は飛ばしましょう。

国語の問題は、文章を全部読んでいれば、読み返さなくても答えを出すことができる問題が後半にあることも少なくありません。1問に対してじっくり時間をかけて空欄を作ってしまうよりも、全てに答えを書いたほうが正答率は上がります

記述問題は部分点を狙う

記述問題は他の問題とちがい、部分点というものが存在します。記述問題のコツとしては、部分点を狙っていきましょう。まず、記述の文末が何なのかを読んだら、それをメモするか印をつけます。本文の中から探す問題であれば、該当する箇所に線をひき、それをつなげていきます。たとえ字数が足りていなかったとしても、答えに少しでも触れられていたら部分点がもらえるかもしれません。記述問題を完全解答できなくても、部分点が取れれば、他の問題の1問分くらいの点数は取ることができます。

中学入試では、本番で自分の力をすべて発揮できたかが重要です。国語は長文を読まなければならず、問題を解く時間が短いため、時間配分が大きなカギを握っています。まずは全問解き切り、そのあとで空欄をなくしていけるように努力することが大切です。

テストの時に時間配分を意識しただけでは、なかなか定着はしません。国語は勉強しても急に成績が上がるという科目ではありませんので、日々国語の勉強を続けて安定した得点がとれるようになっていきましょう。

4年生

4年生から中学受験の勉強が始まります。4年生は受験に向けての土台作りとなる1年です。まずは漢字をしっかりコツコツ勉強していきましょう。また、受験生は4年生のうちに5年生で習う漢字は全て覚えてしまいましょう漢字は読解力を磨くためのカギとなります。この時点で国語が苦手だと感じる場合は、新聞を読んだりして毎日活字に触れる習慣を身につけられるようにしましょう。さらに、毎日3000字程度の文章を読むことで、概要をつかみ、文章を客観的にとらえられるようになります。4年生のうちに読解力の基礎固めをしましょう。

5年生

5年生になると、算数など他の科目が急に難易度があがります。他の科目に主な勉強時間をあてることになるかとは思いますが、だからと言って国語の学習を疎かにしないようにしましょう。漢字は5年生のうちに小学校で習う漢字、6年生までに習う全ての漢字を覚えましょう。記述問題は抜き出しだけではなく、難易度が上がります。5年生になると、文章を読んで必要な言葉や要点を正しい日本語で伝えられるようになる必要があります。しっかりと対策していくためにも、記述問題に積極的に取り組みましょう。

6年生

6年生では幅広い文章に触れるということを意識しましょう。比喩表現や文章、詩を文章全体を通じて理解できるようになる必要があります。6年生になり夏を越えるといよいよ過去問対策が始まります。志望校合格目指して国語の安定した得点がとれるよう、問題の解き方をマスターしましょう。また、記述問題では時事問題がテーマになることが多くあります。時事問題に対応できるよう、ニュースをみたり、新聞を読んだり時事問題集を解くなど、社会の流れを把握しておきましょう。

 

当塾では、解法徹底研究と記述徹底演習を繰り返し行うことで、時間配分を考えながら問題を解き、安定した得点力を養っていく、教室型の得点力養成講座、オンライン型の得点力養成講座オンラインを開講しております。
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