麻布中学校・令和3(2021)年度の過去問解説
麻布中学校・令和3年度厳選解説動画
令和3年度 麻布中学校の入試より厳選した問題とその解説をお届けします。
解説
■大問一 問六
傍線7「彼の叫びが自分の叫びであるような気もした」の説明を求められている問題です。
傍線7とイコールの内容を考える際、一文を前半の「彼の叫び」、後半の「自分の叫びであるような気もした」という2つに分けて考えます。
前半と後半、それぞれとイコールの内容を考えて、それをまとめることで傍線7とイコールの内容であると言えます。
このように、文章を分けてそれぞれの内容を考えるアプローチのことを『ブロック分け』といいます。
【前半】「彼の叫び」
傍線7の前「少年は、やっとガゼルに対して…学校には行きたくない」より、『ガゼルへの、北海道に行きたい・学校には行きたくないという言葉』
【後半】「自分の叫びであるような気もした」
少年の言葉に共感した ということであるととらえることができます。
となるので、前半部分・後半部分とイコールの内容をあわせて、
『少年のガゼルに対する、北海道に行きたい・学校に行きたくないという言葉に共感した』と解答すればよいでしょう。
このように、入試の国語は答えにあたる文章を本文中から見つける、というテクニックを知り、それを使いこなす訓練をしていくことが大切です。
■大問一 問十
少年の思いと女性の思いの違いについて答える問題です。
そうすることで違いが浮き彫りになります。
【少年の思い】
傍線12「行きたければ行ってくれ」
ガゼルが行きたいなら行ってよ。という、ガゼルのことを大切に思う気持ちが読み取れます。
そのため少年の思いは、『ガゼルの幸せを心から願っている』と表すことができます。
【女性の思い】
傍線13「自分はガゼルをよそへ行かせないために活動している」
傍線9の前「ガゼルはこの町の~いるべきよ」、「女性の~ぼんやり思った」から分かるように、私の手の届くところにガゼルはいて欲しい、ガゼル第一ではなく、自分第一での考えであるということが読み取れます。
そのため、女性の思いは、『自分の満足のために活動している』ということになります。
説明を求められたときにイコールの内容を考えるということは、説明文の問題でよく使うアプローチですが、物語文でも活用していくことができます。