中学国語の文法事項を一気に整理|品詞・活用・文の成分が分かる基本一覧

中学入試に国語文法は必要なのか?
中学入試では文法問題の出題はごくわずかです。
そのため、文法の学習が後回しになり、国語の読解力がなかなか伸びないというケースが多く見受けられます。
しかし、『中学受験における国語の偏差値をアップさせる方法』でも触れているように、文法をしっかり身につけることで読解力を向上させることができます。 文法は「文章を正しく読み解くための土台」となる重要な要素なのです。
国語文法を「なぜ学ぶのか」「どう進めるのが効率的か」の全体像は、国語文法の意味と勉強法3ステップ【全体像はこちら】で整理しています。
中学受験の国語では、物語文・説明文・随筆文など幅広い文章が出題されます。設問として直接「文法」が前面に出ることは少なくても、文章を正確に追い、設問の根拠を拾い、記述でずれずに答えるためには、文の構造を捉える力が必要です。ところが、文法をほとんど整理しないまま読解だけを続けていると、何となく雰囲気で読む癖がつきやすくなります。雰囲気で読める文章までは対応できても、少し複雑な文章になった瞬間に、主語がずれる、修飾関係を取り違える、指示語の中身を誤る、といったことが起こりやすくなります。
つまり、中学入試において文法は「単独でたくさん点が取れる分野」というより、読解全体の正確さを底上げするための基礎です。算数でいえば計算、理科でいえば用語の意味に近い位置づけで、土台の理解が曖昧なまま応用だけを伸ばすことは難しいです。国語でも同じで、文法が整うと、本文の読み方そのものが安定し、結果として偏差値や正答率に反映されやすくなります。
対策が意外と難しい国語文法
「いつも日本語を話しているのだから、国語文法はできて当然」と思われがちですが、毎日自然に話している言語を改めて論理的に思考することは、実は非常に難易度が高いことです。
文法用語は「連用修飾語」や「連体修飾語」など、なじみのない複雑な用語が多く登場します。外国語ではなく日本語だからこそ、対策が曖昧で苦手意識を持ってしまう受験生が多いのが現状です。
どの言語でも共通して言えることは、「話せること」と「文法を理解できること」は必ずしもイコールではないのです。
たとえば、ふだん日本語を話すときに、「今の文の主語は何か」「この修飾語はどこにかかっているか」「述語はどこで終わっているか」を意識している人はほとんどいません。それでも会話は成り立ちます。しかし、入試問題では、会話のように相手が表情や前後の空気で補ってくれるわけではありません。書かれている言葉だけを根拠にして読まなければならないので、文の組み立てを見抜く力が必要になります。
しかも国語文法は、知識として単語を覚えればすぐ終わるものではありません。用語を知っているだけでは不十分で、実際の文章の中でその関係を見抜けるようになって初めて意味が出ます。「主語」「述語」という言葉を知っていても、文章の中でどこが主語でどこが述語かを取れなければ、読解にはつながりません。そのため、国語文法は暗記科目のように見えて、実はかなり運用的な要素を含んでいます。
関係性から内容がつかめる
例えば、主語と述語は必ずイコールの内容になっています。主語は、「誰が」「何が」を表し、述語は、「どうする」「どんなだ」にあたります。
「【 】はぼくの友達だ」といった場合、【 】=友達となりますが、両者は主語・述語の関係です。
要するに、主語述語の関係から、空欄がどのような内容なのかイメージできるということです。これができるようになると、中学入試に出題されるようなレベルの文章であっても、順を追って答えを導くことができるようになります。
つまり文法が理解できるようになると文章が各段に読みやすくなるのです。
この「関係性から内容をつかむ」という読み方は、空欄補充だけでなく、選択肢問題や記述問題でも大きく役立ちます。たとえば、長い一文の中に修飾語がいくつも入っているとき、どの言葉がどこにかかっているかを見分けられると、本文の意味が急に整理されることがあります。逆にそこが曖昧なままだと、文の前半と後半を別々に受け取ってしまい、読み違いが起こります。
説明文では、特に「何がどうなのか」を正確に追うことが重要です。筆者の主張に対して、理由・具体例・対比・補足がどのようについているかを見分けるには、文法的な骨組みを捉える必要があります。主語が変わったことに気づかないまま読むと、「誰の考えなのか」「何について述べているのか」がぶれます。その結果、選択肢では一見正しそうに見えるものを選んでしまいやすくなります。
物語文でも同じです。登場人物の行動や発言を追うとき、主語の切り替わりや心情表現のかかり方が取れれば、「誰が何を感じたのか」が見えやすくなります。逆に、修飾関係が曖昧だと、気持ちの向きや理由を取り違えやすくなります。物語文は感覚で読めるように見えて、実際には細かな文の関係を押さえないと正確に読めないことが多いです。
クリアになる
物語文では全体の内容をクリアに把握できるようになります。情景が浮かびやすくなり、文章だけでなく映像としてのイメージも膨らむので、より登場人物の人物像や何かが起こったときの背景、心情などが見つかりやすくなります。
また、説明文では全体として筆者が述べたいことが理解できるようになります。結論に向けて筆者がなにを伝えたいのかを理論的に理解できるようになるので、選択問題であっても記述問題であっても、問われている事柄に対して答えるべき内容が見つけやすくなります。
「クリアに把握できる」というのは、ただ何となく分かるという意味ではありません。本文の中で、どこが中心で、どこが補足で、どこが理由で、どこが対比なのかが整理されて見える状態です。そうなると、設問に対して本文のどこを見返せばよいかも判断しやすくなります。国語が苦手な場合、本文を何度読み返しても手応えがないことがありますが、その原因の一つは、文と文の関係が整理できていないことにあります。
たとえば説明文で「しかし」「つまり」「たとえば」といった接続表現が出てきたとき、その役割を文法的に整理できると、段落の中で何が中心かが見えやすくなります。また、修飾語が長い文章でも、核になる主語述語を先に抜き出せれば、内容がつかみやすくなります。この読み方ができるようになると、文章の長さや難しさに対する苦手意識も少しずつ薄れていきます。
物語文では、特に情景と心情の関係が見やすくなります。情景描写が単なる背景ではなく、登場人物の気持ちを映していることがありますが、それも文のつながりを追えてはじめて読み取れます。場面転換や視点の動きに気づきやすくなるのも、文法的に文章を追えるようになる利点です。
記述力
文法を理解することは、文章を読むだけでなく、文の記述力にも繋がります。正しい文を書くためには、文法の知識が必要不可欠になります。
近年、記述問題は増加傾向にあり、国語文法の重要性を高めている一つの要因となっています。そのため、「正しい文法で文を書けること」は、入試において大きな強みになります。また、国語だけでなく、理科・社会でも記述問題は増えており、国語文法の対策は、入試全体に影響すると言っても過言ではありません。
記述問題では、「分かっているのに書けない」ということがよく起こります。その原因の一つは、頭の中の内容を文として整える力が不足していることです。主語と述語が対応していない、修飾語の位置がずれている、文末表現がぶれる、必要な要素が抜ける、といった問題があると、内容が合っていても減点されやすくなります。文法が分かると、自分の書いた文を見直す際にも、どこが不安定なのかを確認しやすくなります。
また、記述は国語だけの問題ではありません。理科や社会でも、理由説明や資料の読み取りを書かせる問題が増えています。そこで必要になるのも、結局は「相手に伝わる形で文を書く力」です。文法が整っていないと、内容以前に文が読みにくくなり、採点者に意図が伝わりにくくなります。反対に、文法的に安定した文が書けると、短い記述でも要点が通りやすくなります。
国語文法の学習は、ただ用語を覚えて終わるのではなく、「読むため」と「書くため」の両方に働きます。読解で本文の構造が見えやすくなり、記述で自分の答えを整えやすくなるため、全体として国語の得点を支える土台になります。
文法学習はどこまでやればよいのか
ここで気になるのが、「中学受験でそこまで文法を深くやる必要があるのか」という点です。結論から言えば、学校文法を細部まで網羅する必要はありませんが、読解と記述に直結する範囲はしっかり押さえる必要があります。
具体的には、主語・述語、修飾語と被修飾語、指示語の受ける内容、接続語の役割、文と文のつながり、品詞の基本的な見分けなどは、読解の土台として非常に重要です。これらが整っていると、文章を「何となく」ではなく、「根拠をもって」読めるようになります。
一方で、用語を難しい順に覚えていく必要はありません。まずは文章の中で役に立つ所から整理していく方が効率的です。たとえば、いきなり細かな分類に進むより、「この文の主語はどこか」「この言葉は何にかかっているか」「この接続語のあとで話はどう動くか」を考える練習の方が、受験には直結しやすいです。
どう進めると効率がよいか
国語文法の学習を効率よく進めるには、用語の暗記だけで終わらせず、短い文や実際の文章の中で確認することが大切です。たとえば、主語述語を学んだら、問題集や本文の中から実際に主語と述語を抜き出してみる。修飾語を学んだら、どの語がどこにかかるか線を引いてみる。そのように、知識と読解をつなげながら進めると、理解が定着しやすくなります。
また、苦手意識が強い場合ほど、最初から難問に入らない方がよいです。基本的な文の構造を取る練習を繰り返し、少しずつ文章量を増やしていく方が、結果的に早く安定します。文法は短期間で急に伸びるというより、読むたびに確認して積み重ねていく分野です。読解の復習時にも、「なぜここをそう読んだのか」を文法の観点から振り返ると、学習の質が上がります。
当塾での取り組み
当塾では受験国語対策に徹底した授業を行っております。文法については、文法速習講座で、文法事項をマスターすることで、読解力を高めていきます。また、完全1対1の個別指導でひとりひとりの苦手克服、様々なニーズに合わせた授業を進めてまいります。
また当塾では、オンラインでも教室と同様の授業が受講可能です。オンラインの授業では、通塾の必要がなく、学習し慣れた環境でより集中して国語の勉強をすることができます。
国語の苦手は、一人ひとり現れ方が違います。選択肢で迷いやすいのか、記述がまとまらないのか、本文の内容自体が頭に入ってこないのかによって、必要な対策は変わります。文法の学習も同じで、用語暗記が足りないのか、本文の中で使えていないのか、記述に結びついていないのかを見分けながら進める必要があります。個別指導では、その生徒がどこで止まっているかを切り分けながら、読解と文法をつなげて指導していきます。
まとめ
このように、文法をきちんと学ぶことで文章への理解をより深めることができるようになります。つまり、文法をマスターすることは、国語の読解力向上にもつながるのです。中学受験における国語の読解力を高めるには、文法の学習が必要不可欠であると言っても過言ではないということです。加えて、近年増加傾向にある記述問題にも、文法対策は必須と言えます。中学入試を乗り越え、合格をつかむために文法をマスターして国語の読解力と記述力を高めていきましょう。
中学入試では、表面上の設問数だけを見ると、文法の優先順位は低く見えるかもしれません。しかし実際には、文法が分かることで本文の読み方が変わり、設問への向き合い方が変わり、記述の書き方まで変わります。文法は単独の一単元というより、国語全体を支える基礎として考えた方が実態に近いです。
読解が安定しない、選択肢の二択で負けやすい、記述の減点がなかなか減らない、という場合は、読解演習の量だけでなく、文法の土台が十分かどうかも見直す価値があります。文章を正しく読むための力を整えることが、結果として合格に必要な得点力につながっていきます。
文法の基礎が整うと、本文の読み方と記述の精度は着実に安定していきます。
読解で根拠が取りにくい、記述で文がまとまりにくいという場合は、演習量だけでなく文法の土台から見直すことが有効です。
文法・読解・記述を切り離さずに整えていくことで、国語全体の得点力を上げやすくなります。


