国語を苦手と感じないための学習法

国語が苦手な人の対処法

夏井(中学受験専門 夏井算数塾代表):今回は、国語は苦手だ。苦手で苦手で仕方がない。
苦手過ぎてやばい!という生徒さんにどうやって対処するかという事についてお話をして頂きたいと思います。苦手な生徒さんはやっぱりいますよね?
長島:います。ただ、苦手だからといって放置する訳にもいかないと思います。
対処法というのは、いくつかあります。
よくご提案するのは、必ずしも国語を得意科目にする必要はないという事です。
結局、志望校に合格するというのが一つの目標です。
他教科でカバー出来る範囲の失点に留まれば合格には乗っかるはずですから、合格最低点マイナス10で国語は留めて、算数が得意であればその10は算数で埋められる形を作って、他教科で埋められる範囲になんとか失点幅を狭める戦略はあるのかなと思います。

低学年の場合

夏井:得意なもので点数をたくさん取っておいて、なんとか食い下がる形で入試を乗り切っていくという生徒さんは結構多いと思います。
他方、これがもし6年生の方じゃなくて例えば3年、4年生のいわゆる低学年体の生徒さんだった場合はどういう対処が考えられますか?
長島:基本的に勉強は、出来るから楽しいと思います。
苦手とは言うけれども、でも丸をもらえたらやっぱり嬉しいと思います。
そうであるならば、ご本人様にフィットした教材をチョイスします。
それこそ、当塾のような国語専門塾であればご本人様に合う教材を選定出来ます。
それできちんと丸をもらえるような形で練習していけば、前向きな気持ちを持って国語の学習に取り組めるのかなと思います。

一般的な対処法

夏井:ここからは、一般によく言われている対処法についてのお話をしてもらいたいなと思います。
例えば、文章を読み慣れてないから国語は苦手なんだ、だからお前は文章を読めというアプローチがあります。大変そうだなとは思いますが
そういう事を主張される方も当然いらっしゃいますが、そこら辺はどうですか?
長島:正直、読書量と国語の点数に関しては相関が薄いと思います。
私も日本女子大の入試問題で読んで納得した話なんですが、我々の読書は理解が及ばない所は
読み飛ばしているそうです。
理解が及ぶ所を拾って納得出来たなとか、この筆者には賛成出来ないとかあれこれ言って、理解の及ばない所は読み飛ばしているそうです。それは自分の読書経験を振り返ってもそうだなと思います。
ただ、入試あるいは模試テスト、国語のテストは普段読み飛ばしているであろう所に棒線を付して、そこの解釈を聞いてくると思います。それだけで読書量とテストは相関が薄いなと分かると思います。もちろん読書を積み重ねる事によって読み飛ばす幅が狭まるというのはあるかもしれません。
ですが、それは効果としては非常に薄いと思います。ですので、読書量を増やすというよりは問題をたくさん解いていく方が対策としては有効だと思います。
夏井:そうですね。恐らく嫌々文章を読むって、辛過ぎますもんね。
長島:なので、趣味として興味があるのを読むというのは全然ウェルカムではありますが、
それは国語の勉強の一環としてやるかといったらまた別なのかなと思います。
夏井:とりあえず文章とか読解が出来ないからひたすら漢字だけやるんだ、というアプローチの仕方も多分あると思います。これはどうですか?
長島:最低限の得点元にはなりますから、漢字の勉強は本当に大切だと思います。
例えば100点中漢字が10点だとなったら、一割しかないじゃんと思うかもしれないですが、大体合格ラインは六割ぐらいになる事が多いです。だから60点分の10点と考えたらやっぱりデカイです。
ですので、前提として漢字は大切です。
とはいえ、読解もやれば伸びます。もちろん人によって限界はあると思います。
正直、生徒自身がその限界を考える必要はないと思います。
とにかく出来るだけやって、それで終わったあとにあれこれ言えばいいと思います。
でもそれは人生の終わり際に思えばいい事であって、結局なにが正解かなんて生きている途中では分からないです(笑)
話が広がり過ぎましたが、本人がそういう限界なんて決める必要はないと思います。
ラインはあるのかもしれないですが、きちんと読解は伸びます。
棒線を説明しろと言われたら言い替えの所を探すんだとか、気持ちを考える時は棒線の理由を探すんだとか、そういう方法論はありますから、それをまずはちゃんと知って、それを使いこなす訓練をしていきます。数をこなしていくというのも結構大切です。
多分伸びない理由としては、国語の学習は数をこなすというのが軽視されている傾向が結構多いからだと思います。理屈を知るだけじゃダメで、それを使いこなす訓練が必要です。
量が必要なのにその量をやっていなくて、もうダメだと決めちゃうというシチュエーションもあるようにお見受けします。ですので、是非たくさんやって頂きたいです。

語彙力は必要?

夏井:漢字以外にも、例えば語彙力を増やすというものがあります。
例えば英語だと、まず英単語を学習します。そして英文法を学習して、最終的にそこそこの長い文章でも読めるようになるという段階を踏んでいく事になると思います。
多分国語でも同じような話で、まずこの言葉の意味が分からないというのが多過ぎると結構大変だよねというので、語彙を鍛えようというアプローチをされる方もいらっしゃると思います。
長島:もちろん最低限必要なラインというのはあります。
ただそれに関しては、さっき漢字だけやるという話が出ましたが、漢字の学習は非常に大切だと思っています。その漢字自体がどういう意味を持っているのかというのを知って頂ければ、そのあと知らない熟語、漢字だけで成り立っている言葉を熟語と言いますが、初めて見る熟語が出てきたとしても漢字の意味合いを知っていれば意味を予想する事が出来ます。そうやって漢字の勉強にちゃんと取り組んでいけば、ある程度語彙力というのはカバー出来ると思います。
ただ、問題の解き方とかは最低ラインが必要と申しましたが、それをクリアしたら問題も解けるようになるのかといったらそれはまた別です。
ですから、解き方のアプローチも別途学習して頂きたいと思います。
ただ語彙に関しては、気持ちを表す言葉をちゃんと勉強させなきゃいけないという声を聞きます。
ですが、私自身はそんなに特段そこを意識する必要はないとは思います。
嬉しいとか恥ずかしいというのは入試問題でも各シチュエーションありますが、それは12年生きていたらご存じでしょうという気持ち言葉が7、8割だと思います。
じゃその2、3割を勉強しなきゃいけないんじゃないか?という話になってくると思います。
例えば、代表選手は「後ろめたい」ですかね。
ただ、それは塾側も分かっていますから、普通は耳慣れないけれども受験でよく使うという
気持ち言葉は、もう授業の中で繰り返し言う事になります。
大体授業の現場に出ていると、例えば「後ろめたい」とか普段使わない言葉は子どもたちは言いたくなります。なので、全然関係ないシチュエーションで後ろめたいとかとりあえず言ってみるというくらいには定番ワードは授業の中で繰り返しやりますから、殊更に気持ちを表す言葉を身に付けようと意識する必要は薄いかなと考えております。

国語を苦手と感じないための学習法

国語は教科の中でも苦手と感じるかそうでないかの差が大きく、勉強してもすぐに結果として現れるわけではないため、より苦手意識を持ちやすい教科です。また、理系で文系科目が苦手という場合や、国語だけ苦手というパターンも多いのではないでしょうか。しかし、国語は勉強の方法を工夫することで苦手を克服することができます。理系であれ文系であれ、国語は必須科目です。苦手意識を持たずに取り掛かれるようになりましょう。

会話を増やす

身近な大人、つまり親との会話を増やすことで、自分の気持ち・考えを伝える力や語彙力を日常的に養えます。会話が増えると、さまざまな言葉を覚えて正しく使い、順序立てて話す「会話力」を自然と鍛えることができるのです。さらに、言葉の使い方を意識すること、具体的な言葉で物事が表現できるようになれば、国語に対する苦手意識を感じることはないでしょう。

読む

国語の苦手を克服するには、文章を読む、ということが必要です。読書をすれば、登場人物の気持ちを想像したり、筆者の主張を理解したりと自然と読む力を養うことができます。しかし、国語を苦手と感じてしまう特徴として、読書が苦手、本を読みたがらないことが多いです。その場合は、短時間で読み取りの練習をして、まずは活字に触れる習慣をつけることが大切です。また、親が読み聞かせをして、まずは本に興味を持たせることも有効です。

読み聞かせをする場合は、親が選んだ本を買い与えるのではなく、本人が興味を持った本を読み聞かせることが重要です。そして、親がその本について興味をもち、いくつか質問をすることで、会話力の向上が見込めます。

文章をイメージする

国語を苦手と感じる場合、文章として読めているつもりでもただ読んでいるだけで言葉として理解していないということがあります。文章を読むときは黙読ではなく音読をするようにしましょう。その理由は、目だけで読むより、音読すると耳で聞くこともできるので、視覚と聴覚から情報を得ることができるからです。そして情景や文章の内容を絵で描いてみましょう。文字を読んでイメージする力が乏しいがゆえに国語に対する苦手意識を持っている場合があります。絵で描くことに慣れると絵に表さなくても頭の中でイメージができるようになります。文章をイメージする力を養うことが大切です。

漢字を覚える

国語の文章を読んだとき、特に国語だけ苦手だと感じている場合は、分からない漢字があるだけで、内容を理解できないと思ってしまい、それが苦手意識に繋がっていることがあります。分からない漢字が出てきたときは前後から意味を推測してみましょう。そして推測した後でそれが正しいか否かを調べて覚えるようにしましょう。それが自然とできるようになる頃にはほとんど苦手意識はなくなっています。
漢字はコツコツと勉強して繰り返し学習し定着させるようにしましょう。漢字は中学受験だけでなく、高校受験、大学受験でも必要なため、日々の小さな積み重ねがとても大切です。漢字が分かるだけでなく、漢字が持つ意味やその漢字を使う熟語も同時に覚えると語彙力が増えます。語彙力が増えると文章が読みやすくなり、読解力を高めることができるので、そのための第一歩として漢字の学習を日々行うようにしましょう。

解き方をマスターする

「どういうことですか。」という問いに対しては、「~ということ。」、「理由を述べなさい」という問いに対しては「~から。」、など答えの文末が決まっているはきちんと従いましょう。字数指定、字数制限、抜き出しの場合などそれぞれ提示された条件にきちんと合った答え方をしなければなりません。設問で問われている内容に対する答え方を意識して問題に取り組むだけで国語の成績アップに繋がるケースがあります。必ず意識するようにしましょう。

本文の内容を答える

「あなたの意見を述べなさい。」と問われない限り、国語の問題は文章に書かれている内容を答えます。基本的に読み手がその文章を読んで感じたことは関係がないので、それと本文の内容を一緒に考えないようにしましょう。また、選択問題であっても記述問題であっても、なぜそう答えたのか根拠を言えるようになると、国語が苦手どころか読解力が定着している証拠になります。本文の内容に沿った答えを書き、根拠も提示できるようになると苦手が克服できたと言えるでしょう。

記述はとにかく何か書く

記述問題は、国語を苦手と感じている場合、何も書かずに白紙・空欄にしてしまうということがあります。とにかく何か書く・空欄を作らないようにしましょう。記述問題は完璧に答えることができなかったとしても、部分点があります。本文の内容を答えることを意識し、解き方をマスターすれば記述のコツもつかめるようになり、部分点をしっかりとっていくことができます。国語が苦手だと感じていても、まずは何か書くという意識を持って取り組みましょう。

読解力・記述力は急に身につくものではなく、繰り返し、毎日の習慣でだんだんと身についていきます。まずは話すこと・簡単な文章に触れることを繰り返していけば、国語を苦手と感じることはなくなるでしょう。中学受験・高校受験・大学受験、どの受験でも同じことが言えます。

自宅で行っていただきたいことと並行して、当塾では、たくさんの問題を解いていくうえで正しい方法論を習得する、読解演習道場という講座と、漢字を覚えながら正確な思考回路を学ぶための読解演習講座を開講しております。

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