慶應義塾中等部・令和3(2021)年度の過去問解説
慶應義塾中等部2021 国語で扱う設問と復習の使い方
このページでは、令和3年度(2021年度)慶應義塾中等部の国語入試から、選択問題で差がつきやすい2問を取り上げて解説します。
全問解説ではありません。ここでは、心情説明の選択問題と本文一致の選択問題に絞り、答えにたどり着くための本文根拠の見つけ方、選択肢の消し方、家庭で解き直すときの確認方法を整理します。
問題文や選択肢を全文掲載するページではなく、お手元の過去問と照らしながら、どこを根拠に判断するかを確認するための解説です。
お子さんが「2択までは絞れるのに最後で外す」「本文のどこを根拠にすればよいか分からない」「過去問を解き直しても、次に何を直せばよいか見えない」という場合は、答えだけでなく、どの段階で判断がずれたのかを確認することが大切です。
このページで確認できること
- 慶應義塾中等部2021年度国語のうち、選択問題2問の考え方
- 心情説明の選択問題で、背景と出来事をどう整理するか
- 本文一致の選択問題で、消去法をどのように使うか
- 家庭で過去問を解き直すときに、何を記録すればよいか
先に答え合わせの考え方を確認したい場合は、下の設問別解説から読み進めてください。動画で解説の流れを確認したい場合は、続く動画もあわせてご覧ください。
設問ごとの解説を確認した後は、後半のチェックリストと復習方法もあわせて確認してください。過去問を解いた後に何を直せばよいかが見えやすくなります。
慶應義塾中等部2021 国語の解説動画
動画では、令和3年度 慶應義塾中等部の入試より、厳選した問題とその解説の流れを確認できます。本文だけで復習したい場合は、動画の下にある設問別解説から読み進めてください。
過去問演習を「何回繰り返すか」「類題演習とどの順で組むか」まで含めて整理したい方は、解説を読んだ後に過去問演習の全体像はこちらもご確認ください。
大問一:心情説明の選択問題|背景と出来事で整理する
問九:傍線部の説明に当たる選択肢を選ぶ
傍線について説明したものとして、正しい選択肢を答える問題です。
傍線Fの5行後には、次のような内容があります。
- 「デートとかやめてくれよな〜勘弁」
- 「それは〜僕を守るそれだった。」
ここから、背景として「森本のことを好きではないと言ったが、それは本音ではない」ということが分かります。
また、傍線部の直前には、次のような内容があります。
- 「だって、ゴンちゃんは〜最大の自由じゃない」
この部分から、出来事として「人間も犬のように正直になれたらいいねと言った」と整理できます。
背景と出来事を合わせると、中川の言葉が本音ではないことを見抜いている場面だと分かります。選択肢を選ぶときは、この内容に合うものを探します。
他の選択肢を確認するときは、傍線部の近くだけに合うかではなく、「本音ではないことを見抜いている」という背景まで含めて合っているかを見る必要があります。出来事だけを言い換えた選択肢は、正しそうに見えても説明として足りない場合があります。
以上より、選択肢3が答えとなります。
大問二:本文一致の選択問題|消去法で決める
問四:「北里柴三郎」に関する本文一致を選ぶ
「北里柴三郎」について、本文中に書かれている内容と合致するものを選ぶ問題です。
本文中の「そのテルモは〜実は北里柴三郎であった。」という部分から、選択肢3が答えになります。
この問題では、正しそうな選択肢を感覚で選ぶのではなく、消去法で一つずつ確認することが大切です。
本文一致の選択肢は、一部分だけ合っていると正しく見えることがあります。北里柴三郎について問われている場合は、人物名だけで判断せず、「何をした人物として説明されているか」「本文中の説明と範囲が合っているか」まで確認します。
主語・時期・関係するものが少しでも本文とずれていれば、その選択肢は外す候補になります。長い選択肢ほど、短く区切って本文と照合することが大切です。
この2問から分かる慶應中等部国語の注意点
今回取り上げた2問は、どちらも「本文に書かれていることを根拠にして選ぶ」問題です。ただし、同じ選択問題でも見方は少し異なります。
- 心情説明では、傍線部の近くだけでなく、人物関係や本音と建前を確認する
- 本文一致では、選択肢を細かく区切り、本文とのズレを探す
- どちらの問題でも、雰囲気ではなく本文の根拠に戻って判断する
慶應中等部の国語では、本文を読めているつもりでも、選択肢の細かい表現で答えがずれることがあります。特に、最後の2択で外す場合は、本文の理解そのものよりも、選択肢との照合の仕方に課題が残っていることがあります。
次の章では、選択問題でよく起こるミスと見直し方を整理します。
慶應中等部の国語|選択問題で答えがずれる原因と見直し方
選択問題で答えが合わないときは、本文がまったく読めていないのではなく、選択肢との照合が粗くなっていることがあります。特に次のような原因に注意しましょう。
- 根拠を1か所に絞れず、雰囲気で選ぶ
- 選択肢の一部が合っているだけで、全体一致と勘違いする
- 心情問題で、出来事は追えているのに背景(本音・建前・関係性)が抜ける
- 本文一致で「言い過ぎ」「条件の抜け」「主語のズレ」を見逃す
特に、最後の2択で外す場合は、知識不足よりも「選択肢の細部を本文と照合する力」が課題になっていることがあります。
つまずき方と確認するポイント
2択までは絞れる
主語・条件・範囲のどこが本文とずれているかを見る。
心情問題で外す
出来事だけでなく、背景や本音と建前まで戻る。
本文一致で外す
選択肢を短く区切り、本文と合わない部分を探す。
解き直しても安定しない
設問タイプごとに、外した原因を記録する。
心情説明の選択問題|背景・出来事・反応でそろえる
心情は感想ではなく、本文上の要素をそろえると安定します。傍線部だけを見て判断するのではなく、次の3点を順番に確認しましょう。
- 出来事:何が起きたか(直前直後の事実)
- 背景:関係性/本音と建前/前提(本文の前の段落も含む)
- 反応:言葉・行動・表情(傍線直後に出やすい)
この3点がそろった時点で、選択肢は「それっぽさ」ではなく本文との一致で落とせます。
今回の問九でも、出来事だけを見ると判断が浅くなります。中川の言葉の背景まで戻ることで、選択肢の差を見分けやすくなります。
物語文の心情問題で判断がぶれやすい場合は、物語文の読み方を整理するページも参考になります。登場人物の本音・建前・関係性をどう見るかを、過去問演習の前に整理しやすくなります。
本文一致の選択問題|消去法チェックリスト
本文一致問題では、正しい選択肢を一気に探そうとすると、細かなズレに気づきにくくなります。まずは、選択肢の中に本文と合わない部分がないかを確認します。
- 言い過ぎ:常に/必ず/すべて/唯一 などの強い断定がないか
- 抜け:条件・例外・限定(〜の場合に限り)が落ちていないか
- ズレ:主語・対象・範囲(誰について/どの範囲の話)が変わっていないか
問四のような本文一致問題では、選択肢を短く区切って確認することが重要です。長い選択肢を一文のまま読んでしまうと、一部が合っているだけで正解に見えてしまうことがあります。
過去問全体の進め方や、本文一致・記述・語句などをどの順で復習するかを決めたい場合は、過去問演習の全体像はこちらで確認できます。
家庭での復習|慶應中等部の選択問題を外した原因を絞る
解き直しは「もう一回読む」だけだと伸びません。間違えた問題について、次の4行だけ書けば十分です。
① 設問タイプ:(心情説明/本文一致)
② 根拠位置:(段落・行・「この文」)
③ 外した理由:(言い過ぎ/抜け/ズレ/背景不足 のどれか)
④ 次に確認すること:(根拠を1か所に絞る/選択肢を区切って差分で消す 等)
大切なのは、間違えた問題を「読めなかった」で終わらせないことです。心情問題で外したのか、本文一致で外したのか、選択肢のどの部分でズレたのかを分けると、次の過去問演習で直すポイントが見えてきます。
家庭で原因を分けにくい場合は、まず「どの設問タイプで外したか」を分けてください。心情説明で背景を拾えないのか、本文一致で選択肢のズレを見落としているのかが分かると、次に読むページや相談すべき内容も決めやすくなります。
過去問演習の進め方全体を見直したい場合は、過去問演習の全体像はこちらで、演習回数や類題演習との組み合わせも確認できます。
つまずき方別|次に確認したいページ
このページで扱った内容をもとに、次に確認するテーマはつまずき方によって変わります。読むページを増やすよりも、今のお子さんの課題に近いものを1つ選んで確認すると整理しやすくなります。
迷う場合の優先順
- 過去問の直し方を整理したい場合:過去問演習の全体像
- 物語文の心情でぶれる場合:物語文の読み方を整理するページ
- 家庭で原因を分けにくい場合:中学受験国語オンライン個別指導
学習方法を自分で整理したい場合
まずは自宅で復習方法を整えたい場合は、過去問の直し方や物語文の読み方から確認すると、次の演習で見るポイントを決めやすくなります。
- 過去問演習の進め方を決めたい場合:過去問演習の全体像を確認し、過去問を解いた後の直し方まで決めておくと復習しやすくなります。
- 物語文の心情で判断がぶれる場合:物語文の読み方を整理するページを確認すると、登場人物の本音・建前・関係性の見方を整理しやすくなります。
記述問題や家庭学習の見直しも確認したい場合
- 記述問題にも不安がある場合:国語記述の書き方や国語記述の自己採点方法を確認すると、本文の根拠を使って説明する練習につながります。
- 家庭学習全体で原因を分けにくい場合:国語学習の見直し方を整理するページを確認すると、家庭での復習内容を整理できます。
解き方を個別に確認したい場合
「2択で外す原因が毎回違う」「本文根拠を探す場所を自分では判断しにくい」「家庭で解き直しても、直すポイントが分からない」という場合は、個別に答案や解き方を確認する方法もあります。
まず確認したいページ
オンラインで答案や解き方を確認したい場合は、中学受験国語オンライン個別指導をご確認ください。
講座全体や完全1対1の指導も確認したい場合
- 講座全体を確認したい場合:読解ラボ東京講座一覧
- 完全1対1の指導を確認したい場合:中学受験国語の完全1対1個別指導
よくある質問
2択まで絞れるのに外します
最後の2択は差が小さいので、主語・条件・範囲のどれが変わっているかを1項目ずつ照合してください。「ズレ」か「抜け」が出た方を落とせます。
心情問題で本文のどこを見ればいいか分かりません
傍線の直前直後だけで決めず、背景(前提)を探すために「その前の段落」まで戻します。出来事・背景・反応の3点がそろうと判断が安定します。
動画を見なくても復習できますか
本文だけでも、設問ごとの根拠の見方と選択肢の消し方を確認できます。時間がある場合は、動画で解説の流れを確認してから、本文のチェックリストで復習すると整理しやすくなります。
過去問を解き直しても答えが安定しません
間違えた問題をまとめて復習するだけでなく、心情説明・本文一致・記述など、設問タイプごとに原因を分けてください。どのタイプで答えがずれやすいかが分かると、次に練習する内容を決めやすくなります。
慶應中等部の国語対策では、過去問を解くだけでなく、「なぜその選択肢を選んだのか」「どこで本文とのズレに気づけなかったのか」を確認することが大切です。
特に、2択で外す、心情説明で背景を拾えない、本文一致で選択肢の一部だけを見て選んでしまう、といったつまずきは、解答だけを見ても原因が残りやすい部分です。
個別指導では、本文のどこを根拠にしたのか、選択肢のどの表現で判断がずれたのか、次の過去問演習で何を意識すればよいかを一緒に整理できます。家庭で復習しても原因が絞りにくい場合や、選択問題・記述問題の解き方を確認したい場合は、オンライン個別指導のページをご覧ください。まず講座全体を確認したい場合は、講座一覧から確認できます。


