渋谷教育学園渋谷中学校・令和3(2021)年度の過去問解説
渋渋国語で差がつきやすい「心情記述」と「理由選択」を確認する
このページでは、渋谷教育学園渋谷中学校・令和3年度入試(国語)の代表問題を使い、物語文の心情記述と説明文の理由選択を解説します。
本文を読めたつもりでも、答案に入れる要素が抜けたり、選択肢を本文根拠で判断できなかったりすると得点につながりにくくなります。動画を見る前後に、どこを根拠として使うのかを確認していきましょう。
- 心情記述:変化前・きっかけ・変化後を本文から拾う
- 理由選択:傍線部の言い換えと本文根拠を照合する
- 復習:答えだけでなく、答案に使った本文箇所まで見直す

渋渋の国語では、本文の内容をなんとなく追うだけでなく、どの表現を根拠にして、どう答案や選択肢判断につなげるかが重要になります。
今回取り上げる令和3年度入試では、大問一問五で、悟がみなとをどう見ていたか、どの経験を思い出したか、その結果どう変わったかを確認します。大問二問三では、傍線部の理由として本文内容に合う選択肢を選ぶ過程を見ていきます。
- 渋渋国語の過去問を解いた後、復習の仕方を確認したい。
- 心情記述で、答案に何を入れればよいか迷いやすい。
- 説明文の選択肢で、本文に合う理由を選ぶのが苦手。
- 家庭で記述答案を見直すときの観点を知りたい。
過去問演習全体の進め方から確認したい場合は、先に中学受験 国語の過去問演習の全体像を読むと、年度別演習と復習の位置づけが分かりやすくなります。
この年度の問題で確認したい渋渋国語の見方
令和3年度の問題では、物語文で心情の変化を説明する力、説明文で理由を本文根拠から判断する力を確認できます。渋渋志望者が過去問を復習するときは、正解番号や模範解答を覚えるのではなく、同じ読み方を次の年度でも再現できるかを意識することが大切です。
| 問題タイプ | 本文で見るところ | 復習で確認すること |
|---|---|---|
| 物語文の心情記述 | 人物の発言、地の文、回想 | 変化前・きっかけ・変化後が答案に入っているか |
| 説明文の理由選択 | 傍線部の言い換え、直前直後の理由 | 本文にない内容や言い過ぎを選んでいないか |
| 過去問復習 | 解答に使った本文箇所 | 根拠を自分の言葉で説明できるか |
渋谷教育学園渋谷中学校・令和3年度 厳選解説動画
令和3年度 渋谷教育学園渋谷中学校の入試より、本文の読み方と答案化の考え方が見えやすい問題を解説しています。
動画を見る前に、自分の答案で「どの本文表現を根拠にしたか」を一度確認しておくと、解説の中で不足していた内容を見つけやすくなります。特に、心情記述では答案に入れる要素、理由選択では選択肢を消す根拠に注目して見てください。
- 物語文では、悟の考えが変わる前後の表現を確認する。
- 説明文では、傍線部の内容を自分の言葉で言い換えてから解説を見る。
- 動画を見た後は、答案のどこに本文根拠が入っているかを見直す。
大問一 問五:心情の変化ときっかけを説明する問題
大問一問五は、線Aと線Bの間で、みなとの意見に対する悟の考えがどう変化したかを、悟自身の過去の経験を含めて71字以上80字以内で説明させる問題です。
この問題では、いきなり字数に合わせて書き始めるのではなく、答案に入れる内容を分けて確認します。心情変化の問題では、「どう変わったか」だけでなく、なぜ変わったのかまで本文から拾う必要があります。
- 変化前:悟はみなとの考えをどう見ていたか。
- きっかけ:悟自身のどの経験を思い出したか。
- 変化後:悟はみなとの考えをどう受け止めるようになったか。
変化前:みなとをどう見ていたか
まず、悟が変化前にみなとをどう見ていたかを本文から確認します。
「ライツィハーのために神様に祈ってあげるんだ。鳩の神様に」
「鳩の神様?」
ユリカもおれも素っ頓狂な声を上げた。
「うん、鳩の神様」
「そんなのいるはずねえだろう」
このやりとりから、悟は鳩の神様を信じるみなとを馬鹿にしていたと読み取れます。
ここで大切なのは、悟の発言だけを見るのではなく、「ユリカもおれも素っ頓狂な声を上げた」という地の文も合わせて見ることです。人物の気持ちは、会話文だけでなく、反応や描写にも表れます。
きっかけ:悟自身の過去の経験
次に、悟の考えが変わるきっかけになった場面を確認します。
おれも祈ったんだ。猫の神様に~連れていかないでください
チビは天国に~大好きだった父ちゃんに。
ここでは、悟がかつて自分も飼い猫の死に際に猫の神様に祈り、それが通じたことを思い出したと分かります。
みなとの「鳩の神様」をただの思いつきとして見るのではなく、自分自身の経験と重ねて受け止めるようになったことが重要です。
変化後:みなとの考えへの賛同
最後に、悟の変化後の様子を確認します。
「いるよ、鳩の神様」
気づくとおれは、みなとに向かってつぶやいていた。
この描写から、悟はみなとの考えに賛同するようになったと読み取れます。
「気づくと」という表現からは、悟の中で自然に考えが変わったことも伝わります。つまり、悟はみなとに合わせて言ったのではなく、自分の記憶を思い出した結果、みなとの考えを受け入れたと考えられます。
答案イメージ
以上をまとめると、答案には次の内容を入れることになります。
字数条件があるため、実際の解答では表現を調整します。ただし、変化前・きっかけ・変化後の要素が欠けると、心情変化の説明として弱くなります。
記述答案の作り方を詳しく確認したい場合
心情変化の要素を拾えても、実際の答案文にまとめる段階で言葉が長くなったり、理由が抜けたりすることがあります。記述の組み立て方を確認したい場合は、中学受験国語の記述問題の書き方も参考にしてください。
- 変化前の悟の見方を本文から説明できるか。
- 悟が思い出した経験を答案に入れられているか。
- 変化後の受け止め方を、本文の表現に合わせて書けているか。
家庭で答案を見直すときは、部分点の見方も確認する
記述問題は、模範解答と同じ表現でなくても、必要な要素が入っていれば評価できる場合があります。家庭で復習するときは、中学受験国語の記述問題を自己採点する方法を確認して、どの要素が入っていて、どこが不足しているかを分けて見ると復習しやすくなります。
家庭だけで判断しにくい場合
本文根拠は見つけられているのに答案に入れられない、部分点の判断が難しい、選択肢の消し方が安定しない場合は、解き直しだけでなく答案そのものを確認する必要があります。必要に応じて、記述答案と本文根拠を1対1で確認することもできます。
大問二 問三:理由としてふさわしい選択肢を選ぶ問題
大問二問三は、傍線部に対して「そのように言える理由」として最もふさわしい選択肢を選ぶ問題です。
このタイプでは、先に傍線部の内容を言い換えます。そのうえで、本文中から理由にあたる内容を探します。選択肢を先に見てしまうと、本文にない内容まで正しく見えることがあるため、本文側の根拠を先に確認することが大切です。
- 傍線部は何を言っているのか。
- その理由は本文のどこにあるのか。
- 選択肢が本文の内容を言い換えているか。
傍線部の内容を整理する
まず、傍線1・傍線2の直前を確認して、筆者が何を述べているかを見ます。
- 傍線1の直前:「まず、いま非常な~まず確実にいえることは、これらは…」より、インターネットなどは、欲したり待ち望んだりしたものではないという内容が分かります。
- 傍線2の直前:「実はコンピュータ~開発されたものである。」より、軍事のために開発されたものであるという事実が述べられています。
これらを合わせると、筆者は次のような内容を述べていると考えられます。
選択肢の検討
上で整理した内容に対応する選択肢を探すと、次の選択肢が本文内容に合います。
「パソコンやインターネットなどは、元々われわれが日常生活の中で利用することを想定したものではなく、他の目的のために開発されたものであるから。」
この選択肢は、本文中の「待ち望んだものではない」「軍事のために開発された」という内容を、理由としてまとめています。したがって、傍線部の理由として最もふさわしいと分かります。
- 傍線部の前後を読む。
- 同じような語句や内容が繰り返されている部分を探す。
- 選択肢が本文内容から言える範囲に収まっているか確認する。
選択問題で迷いやすい場合は、選択肢の言葉だけを見るのではなく、本文のどこに対応しているかを説明できるかを確認します。本文にない内容を含む選択肢や、理由としてつながらない選択肢は、正しそうに見えても外す必要があります。
本文根拠で選択肢を判断する力を確認したい場合
選択肢問題で同じような迷いが続く場合、語句の印象で選んでいるのか、本文根拠から判断できているのかを分けて見る必要があります。国語でつまずきやすい原因を整理したい場合は、中学受験で国語が苦手になる理由も参考にしてください。
渋渋国語で問われる読み方
渋谷教育学園渋谷中学校の国語では、本文の内容をなんとなく追うだけではなく、どこを根拠にそう読めるのかを説明できることが大切です。
- 物語文では、人物の発言だけでなく、回想や地の文も合わせて読む。
- 心情変化では、変化前・きっかけ・変化後を分けて拾う。
- 説明文では、傍線部の内容を言い換えてから理由を探す。
- 選択問題では、本文内容に合わない言い過ぎや本文と合わない説明を避ける。
特に、物語文の記述では「気持ち」だけを書くのではなく、なぜそう変わったのかまで入れる必要があります。説明文の選択問題では、選択肢の言葉が本文と似ていても、理由としてつながっているかを確認することが大切です。
この読み方は、渋渋の過去問だけでなく、他校の物語文や説明文でも使います。過去問を解いた後は、正誤だけでなく「自分はどの本文表現を使って判断したのか」を残しておくと、次の演習で同じ読み方を再現しやすくなります。
家庭で復習するときの確認方法
過去問解説を見たあと、同じ問題をもう一度見直すときは、答えそのものよりも、本文の使い方を確認します。
- 物語文:人物の変化前・きっかけ・変化後を本文に線を引いて確認する。
- 記述:答案に必要な内容がすべて入っているかを見直す。
- 説明文:傍線部の内容を短く言い換えてから、理由となる本文箇所を見る。
- 選択肢:本文にない内容、言い過ぎ、理由としてつながらない内容を外す。
正解した問題でも、本文根拠を説明できない場合は、次の類題で同じ読み方を再現しにくくなります。復習では、なぜその答えになるのかを言葉で説明できるかまで確認しましょう。
- 記述答案の作り方:中学受験国語の記述問題の書き方
- 家庭での採点・見直し:中学受験国語の記述問題を自己採点する方法
- 過去問演習の進め方:中学受験 国語の過去問演習の全体像
渋渋対策につなげるときの見方
このページで扱った心情記述と理由選択は、渋渋国語の過去問を復習するときに特に確認したい分野です。ただし、1年度分の問題だけで判断するのではなく、複数年度の過去問を通して、同じようなつまずきが出ていないかを見ることが大切です。
- 心情変化で、変化前と変化後のどちらかしか書けていない。
- きっかけとなる出来事や回想を答案に入れられていない。
- 選択肢問題で、本文にない内容を含む選択肢を選んでしまう。
- 家庭で採点するときに、どこまで部分点として見ればよいか判断しにくい。
このような状態が続く場合は、答え合わせだけでなく、本文の読み方・根拠の拾い方・答案表現を一つずつ確認する必要があります。
よくある質問
渋渋国語の過去問は、解いた後に何を復習すればよいですか。
正解したかどうかだけでなく、本文のどこを根拠にしたかを確認します。物語文では心情変化の前後ときっかけ、説明文では傍線部の言い換えと理由になる本文箇所を見直すと、次の演習につながりやすくなります。
心情記述で点が伸びないときは、何を見直せばよいですか。
まず、答案に「変化前」「きっかけ」「変化後」が入っているかを確認します。気持ちだけを書いていて、なぜそう変わったのかが抜けている場合は、本文中の出来事や回想を根拠として入れる練習が必要です。
理由選択問題で迷うときは、どう解けばよいですか。
選択肢を先に細かく比べる前に、傍線部の内容を短く言い換え、本文中の理由にあたる部分を探します。そのうえで、選択肢が本文内容の範囲に収まっているか、言い過ぎや本文にない内容がないかを確認します。
家庭で記述答案を採点するときの注意点はありますか。
模範解答と同じ表現かどうかだけで見るのではなく、必要な要素が入っているかを分けて確認します。本文根拠、理由、変化後の受け止め方などを要素ごとに見ると、どこを直せばよいかが分かりやすくなります。
まとめ:心情変化と理由選択の考え方
- 物語文の心情変化は、変化前 → きっかけとなる出来事 → 変化後の順に内容を拾う。
- 人物の気持ちは、セリフ+地の文+回想を合わせて読む。
- 説明文の理由選択では、まず傍線部の内容を自分の言葉で言い換える。
- 理由は、傍線部の前後や、同じ内容が繰り返される部分から探す。
- どちらの問題でも、本文のどこを根拠にしているかを説明できる状態を目指す。
動画とあわせて復習しながら、心情変化の読み方と理由選択の考え方を確認していきましょう。渋渋に限らず、初見の文章でも使える読み方として身につけておくと、過去問演習の質が上がります。
渋渋国語の復習は、本文根拠と答案表現をセットで確認することが大切です
心情記述も選択問題も、本文のどこをもとに判断したのかが曖昧なままだと、復習しても同じ読み方を繰り返しやすくなります。
まずは、記述の作り方・自己採点・過去問演習の進め方を確認してください。そのうえで、家庭では判断しにくい答案や本文根拠の取り方がある場合は、1対1で確認する方法もあります。
自分で復習を進めたい方


