中学受験国語「理由を答える問題」記述でよくある3つのミスと直し方

中学受験国語の記述問題でよくあるミス

中学受験の国語で「理由を答える問題がうまく書けない」「記述問題でなぜ減点されるのか分からない」と感じている受験生は少なくありません。本文の内容は読めているつもりでも、答案に必要な要素が抜けると、部分点を取り切れないことがあります。

特に多いのが、理由・言い換え・変化に関するミスです。なかでも「理由を答える問題」は、物語文では気持ちを落としやすく、説明文では原因や根拠の整理があいまいになりやすい問題です。

このページでは、理由問題を中心にしながら、記述問題で減点されやすい「理由」「言い換え」「変化」の3パターンについて、よくあるミスの原因家庭で答案を見直すときの考え方を整理して解説します。

このページで分かること
・理由を答える問題で「出来事」と「気持ち」をそろえる考え方
・説明文の理由問題で原因や根拠を整理する見方
・傍線部の「どういうことか」を言い換えとして処理する考え方
・気持ちの変化を「前→きっかけ→後」でまとめる方法
・家庭で直せる答案と、個別に見直した方がよい答案の違い

まず確認したい、記述で減点されやすい3つのミス

記述問題での減点は、必ずしも「本文を読めていない」ことだけが原因ではありません。本文の内容は理解できていても、設問に合わせたまとめ方ができていないと、点数につながりにくくなります。

この記事で扱う主なミスは、次の3つです。

ミスの種類 よくある答案 見直すポイント
理由のミス 出来事だけを書き、気持ちや原因が抜けている なぜそうしたのか、何が原因なのかを文末まで理由としてまとめる
言い換えのミス 傍線部の言葉をそのままくり返している 抽象的な表現を、本文の内容に合わせて具体化する
変化のミス 変化後の気持ちだけを書いている 変化前、きっかけ、変化後の流れをそろえる

どれも内容理解以前の「答案のまとめ方」の問題なので、ポイントさえ分かれば日々の演習や家庭での見直しの中で改善しやすい部分です。

記述問題全体の考え方を先に整理したい場合は、記述力とは何か(全体像はこちら)で、説明記述や心情記述の基本を確認できます。

理由を答える問題の答え方 まず「何の理由か」を確認する

理由問題でよく出る設問文

理由問題では、設問文の聞かれ方を先に確認することが大切です。次のような聞かれ方をされたら、理由を整理して答える問題だと考えます。

  • なぜですか。
  • どうしてですか。
  • その理由を答えなさい。
  • なぜそのように考えたのですか。
  • なぜそのような行動をしたのですか。

ただし、同じ理由問題でも、物語文では登場人物の気持ちが関係しやすく、説明文では原因や根拠を整理することが多くなります。設問文だけでなく、文章の種類もあわせて確認しましょう。

理由問題の基本は「何について・なぜ・文末」

「なぜですか」「どうしてですか」「その理由を答えなさい」と聞かれたときは、まず何についての理由を答えるのかを確認します。

理由を答える問題では、次の順番で考えると答案がまとまりやすくなります。

  1. 何についての理由かを確認する(傍線部の行動・発言・考え)
  2. なぜそうなったのかを本文から探す(出来事、気持ち、原因、根拠など)
  3. 理由として自然な文末にする(「から」「ため」など)

たとえば、行動の理由を聞かれているのに、出来事を並べるだけで文末が理由になっていないと、答案としては弱くなります。最後まで読んだときに「だから、その行動をしたのだ」と分かる形になっているかを確認しましょう。

物語文では「気持ち」が理由になることが多い

入試問題やテキストの物語文では、傍線部の「気持ち」を問う設問が多く出題されます。その一つの代表例が、「理由」を答えさせる記述問題です。

(例)傍線②「泣いた」とあるが、そのときの理由を答えなさい。

このような設問で問われている「理由」は、多くの場合、

  • うれしい気持ちになったから泣いた
  • 悲しい出来事があり、悲しい気持ちになったから泣いた

といったように、登場人物の「気持ち」が理由になっているのが一般的です。

そのため、物語文で理由を答えるときは、出来事だけでなく、登場人物の内面まで答案に入れる必要があります。

説明文では「原因」や「根拠」を整理する

一方で、説明文や論説文の理由問題では、物語文のように気持ちを書くとは限りません。説明文では、筆者の主張や本文中の因果関係をもとに、原因・根拠・背景を整理することが多くなります。

たとえば、説明文で「なぜそう言えるのか」と聞かれた場合は、次のような点を確認します。

  • 直前直後に、原因や根拠を示す文がないか
  • 「なぜなら」「そのため」「つまり」など、理由を示す言葉がないか
  • 筆者が何を根拠にその説明をしているのか

物語文では「出来事+気持ち」、説明文では「原因・根拠+結論」というように、文章の種類によって答案に入れる要素が少し変わります。

悪い例と直し方 出来事だけで終わらせない

理由問題でよくあるのは、本文中の出来事だけを書いて、理由としてのまとまりが弱くなる答案です。

悪い例

友だちが自分のために来てくれた。

直した例

友だちが自分のために来てくれたことを知り、安心してうれしい気持ちになったから。

悪い例では、出来事は書けていますが、「なぜその行動につながったのか」がまだ分かりにくい状態です。直した例では、出来事に加えて気持ちを入れ、文末も「から」で理由としてまとめています。

書き漏れ防止の確認ポイント(気持ち語/行動の背景)

多くの受験生は「理由」と聞くと、「気持ち」は関係ないと思ってしまいがちです。その結果、本来採点のポイントに含まれている「気持ち」の要素を書き漏らしてしまうことがよくあります。

物語文で「理由」を聞かれたら、次の点を必ず確認しましょう。

  • その行動(泣いた・笑った・走り出した など)の背後には、どんな気持ちがあるのか
  • その気持ちが生まれたきっかけとなる出来事は何か
  • 理由の中に、気持ちの言葉(うれしい・悲しい・悔しい など)が入っているか
  • 文末が「から」「ため」など、理由として自然にまとまっているか

設問が「理由を答えなさい」となっていても、物語文では「気持ち」が理由になるという前提を、ぜひ意識しておきましょう。

理由問題で毎回迷う場合

理由問題で「何を書けばよいか」は分かっても、自分の答案にどの要素が足りないのかまでは判断しにくいことがあります。

家庭で見直すときは、国語記述の自己採点方法|部分点と採点基準を家庭の具体例で解説を先に確認すると、答案のどこを見るべきか整理しやすくなります。

傍線部とは? 「どういうことか」は言い換えの合図

理由問題の答案で要素を書けるようになっても、別の設問では「本文の言葉をどう言い換えるか」で減点されることがあります。次に多いミスが、「言い換え」を求められているにもかかわらず、傍線部の言葉をそのまま使ってしまうケースです。

ここでいう「傍線部」とは、問題文や本文中で線が引かれて示されている部分を指します。

本文の言葉をそのまま写すと弱くなりやすい

(例)「あすかの命も自然の恵みの一つ」とはどういうことか。

この「どういうことか」という設問は、「分かりやすく言い換えてください」という意味です。つまり、

  • 「言い換えて」と言われている=他の表現に変えてほしい

ということになります。

ところが実際には、多くの受験生が、

  • 「自然の恵み」という言葉をそのまま答えに書いてしまう

というミスをしてしまいます。

言い換えの作り方(何を指す?どう大切?を具体化)

このような設問では、例えば次のように考えを進めます。

  • 「自然の恵み」とは、どんなものを指しているのか?
  • 「あすかの命」もそれと同じように、どういう意味で大切だと言いたいのか?

そのうえで、

  • 「あすかの命も、自然が与えてくれた大切なものだということ」
  • 「あすかの命も、他の自然の恵みと同じように大事にしなければならないということ」

などといった形で、傍線部を自分の言葉で言い換える必要があります。

  • 「言い換えを求められたら、別の表現に直す」という点を、意識しておくことが大切です。

本文の言葉をどう使うかで迷う場合

言い換え問題では、本文の言葉をまったく使ってはいけないわけではありません。ただし、傍線部の抽象的な表現をそのまま写すだけでは、説明になりにくいことがあります。

本文の言葉を使いながら答案を作る基本ルールは、国語記述の書き方|本文の言葉を使う基本ルールを例文付きで確認で詳しく確認できます。

気持ちの変化の書き方 前→きっかけ→後でまとめる

変化後だけだと「変化」が伝わりにくい

理由や言い換えと並んで、物語文の記述で減点されやすいのが「気持ちの変化」を問う問題です。変化を問う設問では、多くの受験生が、変化後の気持ちだけを書いてしまうという減点パターンにはまりがちです。

例えば、次のような変化があったとします。

「相手のことがはじめは嫌いだったが、その後意外な魅力を知り、好きになっていった。」

この場合、もし答案に

  • 「相手のことが好きになりました。」

変化後の気持ちしか書いていなければ、「本当に変化したのかどうか」が答案から伝わりません

3要素(前・きっかけ・後)が入っているかを確認

変化をきちんと表現するためには、

  • 前はどうだったのか(例:「前は相手のことが嫌いだった」)
  • その気持ちが変わるきっかけは何だったのか
  • その結果、どのような気持ちになったのか(変化後)

という「変化前 → きっかけ → 変化後」の流れを押さえる必要があります。

たとえば、

  • 「はじめは相手のことが嫌いだったが、~という出来事をきっかけにその人の意外な良さを知り、次第に好きになっていったから。」

というように、3要素をまとめて書くことで、「気持ちの変化」が答案に表現されていると評価されやすくなります。

変化を問われた場合は、答案の中に必ず、

  • ① 変化前の気持ち
  • ② 変化のきっかけ
  • ③ 変化後の気持ち

の3要素が入っているかどうかをチェックする習慣をつけましょう。

記述だけでなく読解全体で迷う場合

理由・言い換え・変化のどれか一つだけでなく、文章全体の内容をつかむ段階でつまずいている場合は、記述の書き方だけを練習しても改善しにくいことがあります。

読解そのものに不安がある場合は、国語が苦手な理由|読めない子への克服ステップ|中学受験生向けもあわせて確認してみてください。

記述の見直しチェックリスト(理由/言い換え/変化)

書いたあとに「どこを直せば点が上がりやすいか」が分からないときは、まず次のチェックをしてみてください。本文で説明した3つのポイントを、見直し用にまとめました。

理由を答える問題のチェック

  • 傍線部の行動や発言について、なぜそうしたのかを答えているか
  • 物語文の場合、行動の背景にある気持ちを書いているか
  • 説明文の場合、原因や根拠を本文から整理しているか
  • 気持ちや原因だけでなく、それが生まれた出来事や根拠も入っているか
  • 文末が「から」「ため」など、理由として自然にまとまっているか

「どういうことか」問題のチェック

  • 傍線部の言葉をそのままくり返すだけになっていないか
  • 「これ」「そのようなこと」などの指示語が何を指すかを具体化しているか
  • 抽象的な言葉を、本文の内容に合わせて分かりやすく言い換えているか
  • 答えが、設問で聞かれている部分の説明になっているか

気持ちの変化を答える問題のチェック

  • 変化前の気持ちを書いているか
  • 気持ちが変わるきっかけとなった出来事を書いているか
  • 変化後の気持ちを書いているか
  • 「前→きっかけ→後」の流れが一文または数文でつながっているか

よくあるミスと直し方

問題タイプ よくあるミス 直すときの見方
理由を答える問題 出来事だけを書き、気持ちや原因を書いていない 行動の背景にある気持ち、または説明文中の原因・根拠まで入れる
どういうことか問題 傍線部の言葉をそのまま写している 抽象的な表現を具体的な内容に言い換える
気持ちの変化 変化後の気持ちだけを書いている 変化前・きっかけ・変化後の3点をそろえる
答案全体 本文の内容は合っているが、設問への答えになっていない 設問が「理由」「内容説明」「変化」のどれを聞いているかを確認する

家庭で答案を見直す場合

チェックリストを使っても「どこまで書けていれば部分点になるのか」が分かりにくい場合は、採点基準の見方を確認しておくと復習しやすくなります。

家庭での見直し方は、国語記述の自己採点方法|部分点と採点基準を家庭の具体例で解説で詳しく確認できます。

自力で直せる場合と、答案を見てもらった方がよい場合

記述問題は、チェックポイントが分かるだけで直しやすくなる場合があります。一方で、毎回同じような減点が続く場合は、本人や家庭だけでは原因を見つけにくいこともあります。

このページでは、理由・言い換え・変化の答案を実際に見直したい場合の主な案内先として、中学受験国語オンライン個別指導を紹介しています。完全1対1個別指導のページは、指導形式や全体像を確認したい場合の補足案内として位置づけています。

状態 見直し方 次に確認したいこと
書く要素は分かるが、文末や表現が不自然になる 答案の書き方を確認する 本文の言葉を使う基本ルールを確認する
部分点になるかどうかを家庭で判断しにくい 採点基準に照らして見直す 自己採点方法を確認する
理由・言い換え・変化のどこで減点されているか分からない 答案全体の組み立てを確認する オンライン個別指導で答案を見直す

家庭で直す場合は、まず「何を聞かれているか」「必要な要素が入っているか」「文末が設問に合っているか」を確認しましょう。それでも同じ減点が続く場合は、本文の読み取り方と答案の組み立て方を分けて見直すことが大切です。

よくある質問

理由を答える問題では、必ず気持ちを書いた方がよいですか?

物語文では、行動や発言の背景に気持ちが関係していることが多いため、気持ちを書き落とさないように確認する必要があります。ただし、説明文などでは、気持ちではなく原因や根拠を整理する問題もあります。まずは設問が何を理由として求めているかを見分けることが大切です。

説明文の理由問題では、何を書けばよいですか?

説明文では、登場人物の気持ちではなく、本文中の原因・根拠・背景を整理することが多くなります。直前直後の文だけでなく、筆者の主張を支えている説明や具体例にも注目しましょう。

理由を答える問題の文末は、どうまとめればよいですか?

基本的には「から」「ため」など、理由として自然に終わる形にします。ただし、設問の聞かれ方によっては「こと」「ため」などの形が合う場合もあります。大切なのは、最後まで読んだときに「なぜそう言えるのか」「なぜそうしたのか」が分かることです。

傍線部の言葉は、答案で使ってはいけませんか?

本文の言葉を使ってはいけないわけではありません。ただし、「どういうことか」と聞かれている場合、傍線部の言葉をそのままくり返すだけでは説明になりにくいことがあります。本文の内容をもとに、何を指しているのか、どういう意味なのかを具体的に言い換えることが大切です。

気持ちの変化は、どこから書けばよいですか?

まず変化前の気持ちを書き、次にその気持ちが変わるきっかけ、最後に変化後の気持ちを書くと整理しやすくなります。変化後だけを書くと、どのように変わったのかが答案から伝わりにくくなります。

上のFAQで「自分の答案にも当てはまりそう」と感じた場合は、次のまとめで3つのポイントを確認したうえで、必要に応じて関連ページも参考にしてください。

まとめ 3つのポイントで答案を改善していく

・物語文で「理由」を問われる問題では、行動の背景にある「気持ち」を答える必要があることを意識する。
・説明文で「理由」を問われる問題では、本文中の原因・根拠・背景を整理する。
・傍線部の言い換えを求められたら、本文の言葉をそのまま使わず、別の表現に直すことを心がける。
・「気持ちの変化」を問われる問題では、「変化前の気持ち ⇒ きっかけ ⇒ 変化後の気持ち」の流れで答案をまとめる。

いずれも、少し意識を変えるだけで答案を改善しやすいポイントです。日々の演習の中で、

  • 設問が「何を答えさせたいのか」
  • 自分の答案がその意図に合っているか
  • 必要な要素が抜けていないか
  • 家庭で直せるミスなのか、答案全体を見直す必要があるのか

を確認しながら取り組むことで、記述問題での減点を少しずつ減らしていくことができます。

今日からの学習では、まず「理由」「言い換え」「変化」のどこで減点されているのかを分けて確認してみてください。

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