大手中学受験塾の国語テキスト比較

普段皆さんが学習されているテキストには、様々な特性・注意すべきポイントがあります。今回は、サピックスの教材、四谷大塚から出ている予習シリーズ、栄光ゼミナール系列から出ている新演習といった塾の代表的なテキストの良いところ・悪いところについての説明をしています。

1.サピックス小学部

サピックスの国語の授業の特徴はA授業とB授業に分かれていて
・A授業:知識(語句・文法)中心の授業
・B授業:読解問題中心の授業
となっています。

B授業(読解問題)のテキストほとんど記述になっていて文章自体は非常に長いのですが、比較的読みやすい文章が出ていて、受験生も理解しやすいため学習も効率的に進めることができ、より効果的なものになるという風に考えています。

また、記述中心ということは難易度の調整をしやすいということでもあります。

例えば、満点に必要な記述に3つの要素があった場合、クラスの状況に
よっては「一要素文はヒントとして与え、その先は生徒さん自身に考えてもらう」といった形で適切にヒントを出すことで、受験生がちゃんと頭を使って受講できるといった形を作れるので難易度の調整がしやすいです。これが、B授業の大きなメリットであろうと考えられます。

ただし記述中心で授業を進めていくと、授業内で添削も進めて行くので1回の授業で扱える問題は4問くらいになります。ただ一般的なサピックス生は1回の授業で4問くらいしか使えないという形になりますので、なかなか数をこなす機会が少ないという、というのがサピックスのテキストのデメリットになります。
質はもちろん大切ですが、量をこなしていかないとせっかく学んだことも身につかないので大きなデメリットと言えるのではないでしょうか。

このことから、サピックスにお通いの方は授業+αで
・授業では使ってないa テキストの読解問題に触れておく
当塾のような国語専門塾を利用して数をこなす機会を作っていく
等の「演習量を上積みする」ような学習法をとることが望ましいと考えられます。

2.予習シリーズ

予習シリーズは解説は非常に詳しいのですが、難問も非常に多いテキストになってます。
もちろん、しっかりテキストの内容を消化することが出来るなら確実な実力アップが見込まれます。
しかし、難易度が高いため多くの受験生は消化不良に陥ります
なので、国語が苦手な場合は本人の実力に合わせた問題を解いた方が自信にも繋がるので取り組む問題を取捨選択することや、別のテキストの問題を用いて練習をしていくことで、効果的な実力アップが望めるでしょう。

3.新演習

栄光ゼミナール系列の会社から出版されている教材です。
難易度としては手ごろなので、予習シリーズなどの難易度の高い教材で生じた消化不良に陥ることは少ないです。
国語の得意な受験生には物足りないところが難点で、上位層の受験生は高難易度のテキストを取り入れて演習を進めることが必要です。
もう一点新演習で気になるところは解答、解説が若干根拠が薄いです。「なぜこれが答えになるか」といった説明が弱い部分があります。

また、予習シリーズ、サピックスの教材どちらも記述の問題には「この部分で3点」「この部分で4点」といったような配点が記されていますが、新演習には配点の記載がないため自己採点するとき大変なところが難点です。

まとめ

「サピックスのテキスト」「予習シリーズ」「新演習」それぞれの塾で使用されているテキストは、それぞれ良いところ悪いところがあります。
不足するところがあるなら、別の教材を使ってフォローすることや、当塾のような国語専門塾で補うなどで、対処することが大切です。

 

出版

国語学習と受験対策のエキスパートからの知識と洞察に基づく貴重なリソースです。この書籍は、大学入試や受験に関連するさまざまなトピックに焦点を当て、国語力の向上から受験戦略までを包括的にカバーしています。

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