国語の記述答案ビフォーアフター集──NG答案がこう変わる!
読み時間目安:10〜15分
国語の記述答案ビフォーアフター集──NG答案がこう変わる!
「どこを直せば良い答案になるのか分からない」「模範解答と自分の答案の差が見えない」──そんな記述の悩みに対して、このページではNG答案と改善答案を並べて比較します。
抽象的に「もっとていねいに書こう」と言われても、子どもは何を変えればよいか分かりにくいものです。ここでは、本文根拠、問いへの答え方、字数の使い方を見ながら、どこを直すと答案が良くなるのかを具体的に確認します。
- 想定読者:小5〜小6生・保護者
- テーマ:物語文・説明文・「抜き出し+自分の言葉」タイプの記述答案ビフォーアフター
- ゴール:「何を直せば点につながるか」が具体的に分かる状態になること
記述の基本構成や字数調整の考え方など、土台となる整理は 中学受験国語の記述対策|本文根拠と字数調整を確認するページ でも確認できます。
1. 記述力アップにビフォーアフターが効く理由
記述問題を解くとき、多くの子が「どう書けば良いか分からない」という壁にぶつかります。その原因のひとつは、「弱い答案」と「良い答案」の違いが見えていないことです。
よくある行き詰まりパターン

- 「もっとていねいに書こうね」と言われても、何を直せばいいか分からない
- 自分の答案と模範解答が別の文章に見えてしまう
- 添削が返ってきても、その場で読み流して終わってしまう
ビフォーアフターで分かること
- 答案のどこが弱いのかが具体的に分かる
- 本文のどこを使えばいいかが見えやすくなる
- 次に同じタイプの問題が出たときの書き方がイメージしやすくなる
- 家庭でも「どこを直すか」を話し合いやすくなる
このページでは、物語文・説明文・抜き出し+自分の言葉の3タイプで、実際の答案例をもとにビフォーアフターを見ていきます。お子さんの答案と見比べながら読んでみてください。
先に自己採点の考え方を確認したい場合
記述答案の採点では、「本文根拠があるか」「問いに答えているか」「部分点になりそうな要素があるか」を分けて見ることが大切です。家庭で採点するときの見方は、国語記述の自己採点と部分点基準を具体例から確認するページで詳しく扱っています。
2. 例①:物語文の心情説明
まずは、物語文でよく出る登場人物の気持ちを説明する記述です。
本文中で、太一が「ぼくは思わず足をとめた。」とあるが、そのときの太一の気持ちを、本文の内容にもとづいて三十字以内で説明しなさい。
【生徒答案】
友だちのようすがいつもとちがってびっくりしたから。
- 理由が「びっくりしたから」で終わっていて、何に対してかがあいまい
- 本文の具体的なようすが答案に入っていない
- 行動と気持ちのつながりが弱い
【改善例】
顔を青ざめさせ、震える声で助けを求める友だちのようすに、不安と驚きを感じたから。
- 本文の具体表現(顔が青ざめている/震える声)を入れている
- 行動の理由が見えやすい
- 感情を不安と驚きに分けて具体化している
| 比較ポイント | NG答案 | 改善答案 |
|---|---|---|
| 本文根拠 | ほとんど使っていない | 具体描写を2つ入れている |
| 感情の言葉 | 「びっくりした」の一言だけ | 「不安」「驚き」と分けて表現 |
| 行動とのつながり | 行動の理由が弱い | 友だちの異変に気づいた流れがある |
物語文の心情問題では、気持ちの言葉+そう感じた理由(本文根拠)のセットで書けているかを、家庭でもチェックしてみてください。
3. 例②:説明文の理由説明
次は説明文でよく出る、なぜ〜と筆者は言えるのかというタイプの問題です。
筆者は「読書は未来の自分への投資だ」と述べているが、その理由を本文の内容にもとづいて四十字以内で説明しなさい。
【生徒答案】
本を読むことは自分の役に立つから。
- 本文の言葉をほとんど使っておらず、どんなふうに役に立つのかが分からない
- 「投資」という言葉のイメージが答案に反映されていない
- 本文の説明が抜けている
【改善例】
読書で多くの人の経験や考えを取り入れ、将来の選択や判断に生かせる力が身につくから。
- 本文の要点「他人の経験や考えを取り入れる」を押さえている
- 「将来の選択や判断に生かせる」と書くことで、未来への投資とつながっている
- 本文全体のまとめとして読んでも違和感がない
| 比較ポイント | NG答案 | 改善答案 |
|---|---|---|
| 本文のキーワード | ほぼ入っていない | 「経験」「考え」「将来の選択・判断」などを反映 |
| 説明の具体性 | 「役に立つ」だけで抽象的 | 未来のどんな場面で役立つかまで書いている |
| 問いとの対応 | 「投資」のイメージにつながりにくい | 将来への効果を書くことで「投資」を説明している |
説明文の理由説明では、本文のキーワードを拾って、自分の言葉でつなぎ直すことが大切です。まずは本文の中から、理由になりそうな文や言い換え表現に線を引くところから始めてみましょう。
本文の言葉を使って書く練習を続けたい場合
記述では、本文から拾う言葉と、自分で補う言葉の配分が大切です。基本ルールは、国語記述の書き方|本文の言葉で書く基本ルールでも確認できます。
4. 例③:抜き出し+自分の言葉で補うタイプ
難しめの学校でよく出るのが、本文中の言葉を使いながら、自分の考えを書くタイプの問題です。
本文中の「小さなちがいを見のがさない目」という言葉を使って、あなたが普段の生活の中で大切だと思うことを四十字以内で書きなさい。
【生徒答案】
小さなちがいを見のがさない目をもつことが大切だと思う。
- 指示通りに言葉を使ってはいるが、自分の考えがどこにも書かれていない
- 本文をそのまま言い換えただけで、内容がほとんど増えていない
- なぜ大切だと思うのかが欠けている
【改善例】
小さなちがいを見のがさない目で友だちの変化に気づき、困っているときに声をかけたいから。
- 指定の言葉を使いながら、具体的な場面を示している
- 「声をかけたい」という自分の行動が書かれている
- 「〜から」で理由まで一文にまとめている
このタイプのポイント(家庭での声かけ例)
- ① まず指定された言葉を必ず使う
- ② つぎに「いつ・どこで・だれに」のように、具体的な場面を足す
- ③ 最後に「〜から」「〜ため」に続けて、自分なりの理由や行動を入れる
5. 家庭で回せる答案の直し方テンプレと練習
ビフォーアフターを見て終わりにしないために、家庭では同じ流れで答案を直す練習を入れると効果が出やすくなります。
家庭で回す答案直し
- 問いの種類を決める(心情/理由/まとめ/条件つき など)
- 本文で使う根拠語を2つ○で囲む
- 答えるべき要素を2〜3個に分けてメモする
- 1文で書き切る(だから/ため/ので を選ぶ)
- 最後に下のチェック表で見直す
書けない状態を減らすルール
- 分からなくなったら本文の言葉を先に入れる
- 「気持ち/理由」は1語で終わらせない
- 40字なら要素は2つまでにする
- 「それ」「これ」「こと」だけで逃げず、指す内容を具体化する
記述の組み立て例
① 心情(理由つき)
(気持ち)+(本文の根拠)ため/から。
例:不安になった+声が震えていたため。
② 理由説明(筆者の主張)
(理由A)ことで(効果)ので、(主張)と言えるから。
例:経験を取り入れることで判断に生かせるので、投資と言えるから。
③ 抜き出し+自分の言葉
(指定語句)を大切にし、(具体場面)で(自分の行動)したいから。
例:小さなちがいを見のがさない目で、友だちの変化に気づき声をかけたいから。
NG答案が生まれるチェック表
直すときは、どれに当たるかを先に決めると改善しやすくなります。
| タイプ | よくある状態 | 直し方 |
|---|---|---|
| 根拠不足 | 本文の具体語が入っていない/一般論になる | 本文から2語拾って入れる |
| 要素不足 | 気持ちだけ、理由だけで終わる | 問いのパターンに合わせて要素を2つに分けて書く |
| 問いとのズレ | 理由を聞かれているのに感想を書く など | 冒頭で問いの種類を決め、だから/ため などの接続を選ぶ |
| 抽象表現 | 「すごい」「大変」「役に立つ」だけ | 何がどうなのかを本文語で具体化する |
| 日本語不安定 | 主語・述語がねじれる/文が長い | 1文で言い切り、要素は2つまでに絞る |
記述対策を単元として確認したい場合
本文根拠、字数調整、理由説明、心情説明などをまとめて確認したい場合は、中学受験国語の記述対策|本文根拠と字数調整の確認ページをご覧ください。
よくある質問(FAQ)
添削で「説明不足」と言われるが、何を足せばいい?
模範解答と自分の答案が別物に見えて直せない
字数が足りない/余るときはどう調整する?
6. 家庭で使える採点表の作り方
塾の採点だけにたよらず、家庭でも採点表を使うと、子どもが自分で答案を見直す習慣がつきます。ここでは、◎/○/△/×の4段階でチェックする例を紹介します。
| 評価 | 基準 | チェック観点の例 |
|---|---|---|
| ◎ | ほぼ模範解答レベル | ・本文の根拠がはっきり入っている ・問いにずれなく答えている ・字数をうまく使い、具体的かつ読みやすい |
| ○ | あと一歩で満点 | ・大きなずれはないが、根拠や具体例が少ない ・感情の言葉や理由がやや弱い ・もう一語足すと、より伝わる答案になりそう |
| △ | 方向性は合っている | ・問いの意図はおおむねつかめているが、本文とのつながりが弱い ・抽象的な表現が多く、何がどうだからがはっきりしない ・ビフォーアフターのビフォー側に近い |
| × | 書き直しが必要 | ・本文と関係のない話になっている ・問いの種類を取り違えている ・主語・述語がつながっておらず、日本語として読みにくい |
家庭での使い方の一例
- まず子どもが自分で◎〜×をつける
- そのあと保護者が同じ基準で採点してみる
- 違いが出たときは、どの言葉を根拠にしたかを話し合う
声かけのポイント
- いきなり「×」と言わず、まず良かったところを1つ指摘する
- 「どこを直すと◎に近づきそう?」と、子ども自身に考えさせる
- 点数よりも、ビフォーアフターの変化を一緒に確認する
7. 読解ラボのオンライン指導での扱い
受験国語専門 読解ラボ東京のオンライン指導では、ここで紹介したようなビフォーアフター形式の添削を、実際の過去問や模試の答案を使って行っています。
- 一人ひとりの答案からその子の書き方の傾向を見抜き、改善すべきポイントを言語化
- その場で改善答案を一緒に作りながら、考え方のプロセスを解説
- 家庭学習でも使える採点表を共有し、保護者とも情報をつなぐ
「うちの子の答案だと、どこを直せばいいの?」と具体的に知りたい方は、下のページから関連する指導内容をご覧ください。



