受験国語(現代文)指導「欺瞞」について~その指導で本当に学力は伸びますか?~

受験国語(現代文)指導「欺瞞」について~その指導で本当に学力は伸びますか?~

受験国語でよく行われる「本文の主張をつかめ」という指導は本当に正しいのでしょうか。

そもそも主張とは、筆者が述べたい事柄の根拠を一言で要約したものを指します。
この主張をつかむ訓練を通じて、筆者が特に強調する根拠や主張、すなわち「濃淡」を見抜く力が育まれます。
この「濃淡」を見抜く力が身につくと、答えになりそうな箇所が複数ある場合でも、選択肢の中から重要度の高いものを絞り込む判断が可能になります。以上より、「濃淡」を見抜く力は得点力の向上に資すると考えます。
しかし、それが有効な場面は限られており、入試突破の絶対条件ではありません
中学入試でも大学入試でも、易しく理解できる文章ではテストにならないため、難解な文章が出題されます。理解自体に負荷がかかるうえ、さらに「濃淡」を見抜く訓練まで求めることは、国語に苦手意識を抱く生徒を増やす要因になりかねません。
「主張をつかめば全ての入試問題が解ける」「大学入試につながる力を養うため中学入試から主張把握を鍛える」といった見解には疑念があります。なぜなら、全ての設問が主張と直結するケースは極めて稀であり、主張を捉えなくても解き方に着目すれば全問に対応可能だからです。
例えば、説明を求められた場合はイコール関係の内容を答えれば処理できます。求める要素が複数なら、ブロック分けを行い、それぞれのイコールとなる内容を対応させて組み合わせれば答えになります。
このように、主張を押さえずとも、解き方に焦点を当てれば解答に到達できます
なお、当塾で開講中のハイレベル現代文~既存の現代文教育に対するアンチテーゼ~(オンライン)でも、安定した得点力を養うため、徹底して解き方の型にフォーカスした授業を行っています。

 

講座案内:ハイレベル現代文~既存の現代文教育に対するアンチテーゼ~【大学受験】

本講座では、あくまでも受験指導の場であることを踏まえ、答えの出し方に特化した解説をご提供いたします。