受験国語(現代文)指導「欺瞞」について~その指導で本当に学力は伸びますか?~

受験国語(現代文)指導における「主張把握」重視の問題点

受験国語や大学受験現代文では、「本文の主張をつかみなさい」と言われることがあります。もちろん、筆者が何を述べたいのかを読む力は大切です。

ただし、入試問題で点につなげるには、主張を読めるだけでは足りません。理由を問われているのか、内容説明を求められているのか、選択肢を本文と照合するのか、記述答案に必要な要素を入れるのかによって、見るべき本文箇所は変わります。

このページでは、「主張把握」を重視する指導の良い点と限界を分けて整理し、受験国語・大学受験現代文で得点につなげるために、どのような解き方を優先すべきかを説明します。

このページで確認できること

  • 「本文の主張をつかむ」指導が有効な場面
  • 主張把握だけでは入試問題に対応しきれない理由
  • 設問から本文根拠を探す考え方
  • 説明問題・理由問題・記述問題で使う本文の見方
  • 読解ラボ東京の現代文指導で重視していること

「本文の主張をつかめ」という指導は本当に正しいのか

受験国語でよく行われる指導への疑問

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「主張をつかめ」という指導は、文章全体の方向性を読むうえでは役立ちます。筆者が何を問題にしているのか、どの立場から述べているのかを読むことは、評論文や説明的文章を理解するうえで重要です。

しかし、入試問題では、筆者の主張そのものを答える問題ばかりが出るわけではありません。理由説明、内容説明、指示語、具体例、対比、記述答案など、設問ごとに求められるものは異なります。

そのため、文章全体の主張を読めていても、設問で問われた箇所に対応する本文根拠を拾えなければ、答えとしては弱くなります。

主張把握が得点力につながるとされる理由

「濃淡」を見抜く力とは何か

そもそも主張とは、筆者が述べたい事柄を支える中心内容を指します。この主張をつかむ訓練を通じて、筆者が特に強調している部分や、文章の中で重みのある箇所を見抜く力が育まれます。

この「濃淡」を見抜く力が身につくと、答えになりそうな箇所が複数ある場合でも、選択肢の中から重要度の高いものを絞り込む判断がしやすくなります。

たとえば、本文中に似た表現がいくつもあるとき、どれが筆者の考えに近いのか、どれが単なる具体例なのかを分けて読むことができます。この意味で、主張把握の訓練は受験国語にも役立ちます。

主張把握が万能ではない理由

難解な文章では、理解の負担が大きくなる

一方で、主張把握だけを重視しすぎると、かえって解答に結びつきにくくなることがあります。中学入試でも大学入試でも、文章そのものが易しすぎると差がつきにくいため、一定の読みづらさを持つ文章が出題されます。

本文の内容を追うだけでも負担が大きい生徒に、最初から「文章全体の主張を正確につかみなさい」と求めると、設問に入る前に疲れてしまうことがあります。

特に国語に苦手意識がある場合、まず必要なのは、文章全体を大きく要約することよりも、問われた内容に対応する本文箇所を探す練習です。

「主張をつかめば解ける」という考え方への疑問

設問と主張は必ずしも直結しない

「主張をつかめば全ての入試問題が解ける」「大学入試につながる力を養うため、中学入試から主張把握を鍛える」といった考え方には、注意が必要です。

なぜなら、全ての設問が主張と直結するケースは多くないからです。設問ごとに、本文のどこを見ればよいかは変わります。

たとえば、傍線部の説明を求められている問題では、筆者の主張全体を答えるのではなく、傍線部と同じ内容を本文中から探す必要があります。理由を問われている問題では、主張よりも、本文中の因果関係を拾うことが必要になります。

選択肢問題では、主張を大きくつかむだけでなく、選択肢の一語一句が本文内容から言えるかどうかを確認しなければなりません。記述問題では、設問が求める要素を、本文根拠に沿って答案に入れる必要があります。

主張に依存しない現代文の解き方

設問から本文根拠を探す考え方

説明を求められた場合は、傍線部と同じ内容になる箇所を本文中から探します。理由を求められた場合は、傍線部の前後や同じ内容の周辺から、なぜそう言えるのかを探します。

求める内容が複数ある場合は、本文中の対応箇所を分け、それぞれを組み合わせて答えにします。このように、文章全体の主張だけでなく、設問ごとの要求に合わせて本文を使うことが重要です。

設問ごとに見るべきもの

  • 説明問題:傍線部と同じ内容を本文から探す
  • 理由問題:なぜそう言えるのかを示す因果関係を見る
  • 指示語問題:前後から指している内容を確認する
  • 具体例問題:何の例として出ているのかを見る
  • 対比問題:何と何が対立しているのかを見る
  • 記述問題:設問が求める内容を本文根拠に沿って入れる

主張把握は文章全体を読むうえで有効ですが、設問を解く場面では、設問が何を求めているのかを先に見なければなりません。国語の得点力は、文章を味わう力だけでなく、問われたことに対して本文から答える力によって支えられます。

中学受験国語と大学受験現代文で共通すること

中学受験国語と大学受験現代文では、文章の難度や記述量は異なります。しかし、設問に対して本文根拠を使うという点は共通しています。

  • 傍線部の内容を説明するなら、同じ内容や言い換えを探す
  • 理由を聞かれたら、原因・背景・きっかけを探す
  • 選択肢問題では、本文から言えるかどうかを照合する
  • 記述問題では、必要な要素を本文から拾って答案にする

文章全体の主張をつかむ力は大切ですが、それだけで答案は完成しません。設問ごとに「何を聞かれているか」を見て、本文のどこを使うかを考える必要があります。

大学受験現代文における対策の考え方

志望校の出題内容に応じた優先順位

大学受験の現代文については、志望校の出題内容に応じて、必要な解き方が変わります。

私立大学では、選択肢処理、本文との照合、本文中の言い換えの見抜き方が重要になります。一方、国公立大学の二次試験では、記述答案として本文内容をどうまとめるかが重要になります。

必要に応じて、私立大学への現代文【動画】国公立大学への現代文【動画】もあわせて確認しておくと、対策の優先順位を考えやすくなります。

読解ラボ東京の現代文指導

解き方にフォーカスした指導方針

なお、当塾で開講中のハイレベル現代文~既存の現代文教育に対するアンチテーゼ~(オンライン)でも、安定した得点力を養うため、徹底して解き方にフォーカスした授業を行っています。

文章全体の主張を読むことを否定するわけではありません。ただし、受験で点を取るためには、設問を読み、本文根拠を探し、選択肢や記述答案に落とし込む訓練が欠かせません。

現代文が苦手な生徒ほど、「なんとなく読めた」「主張は分かった」で終わらせず、設問ごとに何をすれば答えになるのかを確認することが大切です。

読解ラボ東京で重視していること

  • 本文を読むだけでなく、設問ごとに使う本文箇所を確認する
  • 選択肢を雰囲気で選ばず、本文と照合する
  • 記述答案では、必要な要素を本文から拾って入れる
  • 中学受験国語と大学受験現代文の違いを踏まえて対策する

まとめ:主張把握は大切だが、設問ごとの本文根拠が必要

  • 主張把握は、文章全体の方向性を読むうえで役立つ。
  • ただし、全ての設問が主張と直結するわけではない。
  • 説明問題では、傍線部と同じ内容を本文から探す。
  • 理由問題では、本文中の因果関係を見る。
  • 選択肢問題では、本文内容から言えるかどうかを照合する。
  • 記述問題では、設問が求める要素を本文根拠に沿って入れる。

受験国語・現代文では、「主張をつかむ」ことと「設問に答える」ことを分けて考える必要があります。文章全体の理解を大切にしながらも、実際の解答では、問われた内容に合わせて本文根拠を使うことが重要です。

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