武蔵中学校・令和3(2021)年度の過去問解説

武蔵中学校・令和3年度厳選解説動画

 

令和3年度 武蔵中学校の入試より厳選した問題とその解説をお届けします。

解説

■大問一問二

「水洗式だと~つまらない」に対して谷崎があげる具体例を挙げて説明せよという問題です。

設問を見たときに、つまらないことに対する理由と、谷崎があげた具体例の2つを述べなければならないということがまず分かります。

・清潔だとつまらない
「かつて風雅な人は~谷崎は惜しみ憂いていたのです。」
画一化してしまうと差異がなくなってしまうためにまらなくなってしまうということを述べています。
そのため、つまらない理由は、
『風雅な人は微細な匂いの差異に気づき、そこから多彩な文化の風合いを感じ取っていたのに、その匂いが画一化してしまうから』であると分かります。

・谷崎があげる具体例
「便所の匂には一種なつかしい~と云う親しみが湧く」このように谷崎は…」より、具体例は、
『実家の便所でなつかしさや親しみを抱く』であると分かります。

これらの2つをあわせて、答えは、
『故郷の便所の匂いに一種なつかしい甘い思い出が伴うように、風雅な人は微細な匂いの差異に気づき、そこに多彩な文化の風合いを感じ取るものなのに、水洗式では清潔だけを目指して画一化してしまうので、微細な匂いが消えてしまうから。』となります。

■大問一問四

「つまり嗅覚は~なのです」とあるが、なぜそのように言えるのか。このあとに続く味覚と比較して説明せよという問題です。

まずは味覚について考え、それに対して嗅覚はどうなのかという手順で考えながら、なぜ機械技術に適合しにくいのかを考えていきます。

【味覚】空欄Aの直前
「味ならば~それらを数値化して譜面を作ることができました。」より、
『六つの要素に分け、それらを数値化できる』
数値化ができれば機械技術に適合しやすいということが分かります。

次に、嗅覚が機械技術に適合しない理由を考えていきましょう。
【嗅覚】
・空欄Aの3行前
楽譜のように体系化できないのは、香りには基本臭がないからである
・空欄Aの2行あと
「甘い」香りに感じられるという~それらの強度を数値化することができない
より、
『香りには基本臭が存在しないため体系化できないし、グループ分けしようとしてもゆるい括りになり、強度を数値化できないから』であると分かります。

すべてをあわせて、
『味覚は六つの要素に分け、それらを数値化できるが、香りには基本臭が存在しないため体系化できないし、グループ分けしようとしてもゆるい括りになり、強度を数値化できないから。』が答えになります。

設問を読んで、まずは、こういう内容を考えようということをはっきりさせましょう。そしてその次に文章中から答えを探していくという手順で答えを導いていきましょう。

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