武蔵中学 国語の勉強法|2021年過去問から見る合格答案の書き方
武蔵中の国語は、本文を読んで内容を理解するだけでは得点につながりにくい入試です。特に記述問題では、設問が求めている要素を見抜き、本文の根拠を拾い、一文の答案にまとめる力が問われます。
2021年度の大問一では、理由と具体例を一文でまとめる問題、味覚と嗅覚を比較して説明する問題が出題されています。どちらも、本文中の表現をただ抜き出すだけではなく、設問に合う形へ言い換えてまとめる必要があります。
本記事では、武蔵中2021年国語(大問一)を素材に、次の流れで答案作成を確認します。
- 設問が何を求めているかを読む
- 本文から必要な根拠を拾う
- 理由・具体例・比較の要素を分けて考える
- 答案として一文にまとめる
過去問を解いてみたものの、理由と具体例が分かれてしまう、比較はできているのに答案が設問要求からずれる、本文のどこを使えばよいかが毎回変わる、という場合は、このページで確認していきましょう。
このページで扱う範囲

本記事では、2021年度の大問一から、特に差がつきやすい設問を取り上げます。中心になるのは次の2点です。
- 理由説明:理由と具体例を本文から拾い、一文の答案にまとめる
- 比較説明:味覚と嗅覚をそれぞれ整理し、違いを本文に沿って文章化する
動画と本文を行き来しながら、「設問要求→本文根拠→答案作成」の流れを確認できるようにしています。
過去問演習の進め方や、他校も含めた国語過去問の扱い方を整理したい場合は、中学受験国語過去問の全体像はこちらもあわせてご覧ください。
家庭学習で答案がまとまりにくい場合

ご家庭の過去問演習で「本文は読めているように見えるが、答案に必要な要素がそろわない」と感じる場合は、答案の作り方を一緒に確認していく方法もあります。
武蔵中学校 国語対策|2021年度大問一で確認すること
令和3年度 武蔵中学校の国語を題材に、理由説明と比較説明の記述で、本文根拠をどう答案にまとめるかを整理します。
武蔵中の記述では、本文中の言葉をただ長く写すだけでは、設問に合う答案になりにくいことがあります。設問が求めている内容を見て、必要な根拠を選び、言い換えてまとめることが大切です。
| 問題 | 設問で見ること | 答案で確認すること |
|---|---|---|
| 理由説明 | 何についての理由か、具体例は必要か | 理由と具体例が一文の中でつながっているか |
| 比較説明 | 何と何を比べるのか | 味覚と嗅覚の違いが本文に沿っているか |
| 共通 | 本文のどの表現を使うか | 設問の言葉に合わせて言い換えられているか |
武蔵中学校の国語で点が伸びにくい場面
過去問演習で次のような状態が出ている場合、本文の読み取りだけでなく、答案にまとめる段階を確認する必要があります。
- 理由と具体例が分かれてしまい、一文答案にならない
- 比較はできても、最後の説明までつながらない
- 本文のどこを根拠にするかが毎回変わる
- 本文中の表現を拾えても、設問に合う形に言い換えられない
- 答えに必要な要素は分かっているのに、答案が長くなりすぎる
特に、武蔵中のように記述量がある学校では、本文を読む力と答案にする力を分けて確認することが必要です。
武蔵中学校 国語2021年度 解説動画
令和3年度 武蔵中学校の入試問題から、厳選した問題とその解説をお届けします。動画では、本記事の内容をベースにしながら、実際の答案のまとめ方まで解説しています。
答えそのものだけでなく、設問を読んだ時点で何を拾うべきか、本文のどの表現を使うか、拾った内容をどう一文につなげるかに注目してください。
武蔵中学校 国語の記述対策|理由と具体例を一文でまとめる
大問一 問二:設問が求める要素を見る
大問一問二は、「水洗式だと~つまらない」に対して、谷崎があげる具体例を挙げて説明する問題です。
この設問では、次の2点を答案に入れる必要があります。
- なぜ「つまらない」と考えるのかという理由
- 谷崎が挙げている具体例
設問を読んだ段階で、何についての理由を書くのか、どの具体例を入れるのかを先に確認します。本文を読んでから何となくまとめるのではなく、設問の条件に合わせて必要な要素を拾います。
「つまらない」理由を本文から整理する
本文では、次のような説明がなされています。
- 「かつて風雅な人は~谷崎は惜しみ憂いていたのです。」
ここから読み取れる内容を分けると、次のようになります。
- 風雅な人は、微妙な匂いの違いに気づいていた
- その違いから、多彩な文化の風合いを感じ取っていた
- 水洗式で清潔さだけを追求すると、匂いが画一化される
- 匂いの差異が消えることで、文化的な味わいも失われる
つまり、「つまらない」と感じる理由は、風雅な人が楽しんできた微細な匂いの違いが、清潔さと画一化によって失われるからだと整理できます。
谷崎があげる具体例を押さえる
次に、谷崎が実際にあげている具体例を確認します。
- 「便所の匂には一種なつかしい~と云う親しみが湧く」
ここから、実家の便所の匂いに、なつかしさや親しみを抱くという具体例が取り出せます。
大切なのは、単に「便所の匂い」と書くのではなく、匂いが記憶や感情と結びついていることまで答案に入れることです。そこまで書くことで、具体例が理由説明を支える形になります。
答案としてまとめる
本文から拾った要素を、いったん分けて確認します。
- 具体例:故郷の便所の匂いに、一種なつかしい甘い思い出が伴い、実家の便所でなつかしさや親しみを抱く。
- 理由:風雅な人は微細な匂いの差異に気づき、そこから多彩な文化の風合いを感じ取っていたが、水洗式では清潔さだけを目指して匂いが画一化され、その微細な匂いが消えてしまう。
これらを一つの文にまとめると、次のような答案になります。
「故郷の便所の匂いに一種なつかしい甘い思い出が伴うように、風雅な人は微細な匂いの差異に気づき、そこに多彩な文化の風合いを感じ取るものなのに、水洗式では清潔だけを目指して匂いを画一化してしまうので、その微細な匂いが消えてしまい、つまらなくなるから。」
この答案では、具体例と理由が一文の中でつながっています。理由だけ、具体例だけにならないように、両方を入れてまとめることが重要です。
理由説明では、「理由」と「具体例」を別々に拾ったあと、最後に一文でつなげます。本文の表現をそのまま並べるのではなく、設問に合う言葉へ言い換えることが大切です。
武蔵中学校 国語の勉強法|味覚と嗅覚を比較して説明する
大問一 問四:比較問題で見るべきポイント
大問一問四は、「つまり嗅覚は~なのです」とあるが、なぜそのように言えるのかを、このあとに続く味覚との比較を用いて説明する問題です。
比較問題では、一方だけを説明しても答案として不足しやすくなります。まず味覚側を整理し、次に嗅覚側を整理し、最後に両者の差を文章にします。
まず「味覚」側の特徴を整理します。それと対比する形で「嗅覚」側の特徴をまとめ、最後に「機械技術に適合しにくい」という説明へつなげます。
味覚:機械技術に適合しやすい感覚
味覚については、空欄Aの直前に、次の表現があります。
- 「味ならば~それらを数値化して譜面を作ることができました。」
ここから、次の点が分かります。
- 味覚は六つの要素に分解できる
- それらの要素は数値化できる
- 数値化できるため、体系化しやすい
このように、要素に分解し数値に置き換えられる感覚は、機械技術に乗せやすい感覚だと考えられます。
嗅覚:機械技術に適合しにくい感覚
次に、嗅覚について本文を確認します。
- 空欄Aの3行前:「楽譜のように体系化できないのは、香りには基本臭がないからである。」
- 空欄Aの2行後:「『甘い』香りに感じられるという~それらの強度を数値化することができない」
これらから、次の特徴が読み取れます。
- 香りには基本臭が存在しない
- 味覚のように明確に分解・体系化できない
- 香りをグループ分けしようとしても、分類がゆるい括りになってしまう
- 強度を正確に数値化することも難しい
つまり嗅覚は、味覚と違って要素分解・体系化・数値化が難しい感覚であり、そのため機械技術に適合しにくいと説明できます。
味覚と嗅覚を表で比べる
| 感覚 | 本文から分かる特徴 | 機械技術との関係 |
|---|---|---|
| 味覚 | 六つの要素に分けられ、数値化して体系化できる。 | 機械技術に適合しやすい。 |
| 嗅覚 | 基本臭がなく、体系化や数値化が難しい。 | 機械技術に適合しにくい。 |
答案の骨組みを作る
味覚と嗅覚を対比させると、答案には次の要素が必要になります。
- 味覚は、六つの要素に分けられる
- 味覚は、数値化して体系化できる
- 嗅覚は、基本臭が存在しない
- 嗅覚は、体系化や数値化が難しい
- そのため、嗅覚は機械技術に適合しにくい
これらをつなげると、次のような答案になります。
「味覚は六つの要素に分け、それらを数値化して体系化できるので機械技術に適合しやすいが、香りには基本臭が存在せず体系化できないうえ、グループ分けをしてもゆるい括りにしかならず、その強度も数値化できないため、嗅覚は機械技術に適合しにくい感覚だから。」
この答案では、設問の要求である「味覚との比較」を使いながら、嗅覚が機械技術に適合しにくい理由を説明しています。
武蔵中学校 国語の過去問の使い方
武蔵中の過去問を復習するときは、正解・不正解だけで終わらせず、答案に必要な要素がそろっていたかを確認します。
- 設問を読んだ段階で、理由・具体例・比較など、何を書かなければならないのかを確認する。
- 理由説明では、本文の中から理由を支える表現を拾う。
- 具体例を問われたら、本文中のエピソードをそのまま長く写すのではなく、設問の言葉に合わせて要約する。
- 比較の問題では、AとBをそれぞれ箇条書きで整理してから、差がどこにあるかを文章化する。
- どの問題でも、本文中のどの表現を根拠にしたのかを自分で説明できるようにする。
動画とあわせて復習しながら、理由と具体例のセットで説明する力と、二つの事柄を比較してまとめる力を身につけていきましょう。これらは武蔵中だけでなく、他校の入試問題にも通用する記述力になります。
武蔵中学校の国語記述で意識したいこと
武蔵中の国語では、長く書けばよいわけではありません。本文の根拠を使いながら、設問が求める要素を過不足なく入れる必要があります。
- 理由説明:理由だけでなく、必要に応じて具体例も入れる
- 比較説明:二つの対象をそれぞれ整理してから差を書く
- 本文根拠:設問要求に合う場所から拾う
- 答案作成:拾った要素を一文として自然につなぐ
特に、理由説明と比較説明は、本文の読み取りだけでなく、答案のまとめ方で差が出ます。過去問を使うときは、本文を読めたかどうかに加えて、答案に必要な要素が入っているかまで確認しましょう。
よくある確認事項
理由と具体例をどう一文にすればよいですか?
まず理由と具体例を別々に書き出します。その後、「〜のように」「〜ため」などを使って、具体例が理由を支える形になるように一文へつなげます。
比較問題では、先に何をすればよいですか?
比べる二つの対象を分けて整理します。今回であれば、味覚の特徴と嗅覚の特徴をそれぞれ書き出し、その差を最後に文章化します。
答案が長くなりすぎる場合はどうしますか?
本文の表現をすべて入れようとせず、設問に必要な要素だけを残します。理由、具体例、比較のどれを問われているかを先に確認すると、削る部分を判断しやすくなります。
まとめ|武蔵中2021年国語から見える記述対策
- 理由説明は、理由と具体例を分けたままにせず、一文でつなげる。
- 比較説明は、二つの対象をそれぞれ整理してから差を文章化する。
- 本文根拠は、設問要求に合う場所から拾う。
- 過去問では、本文根拠と答案作成の流れを毎回確認する。
- 答案例を見るだけでなく、自分の答案に何が足りなかったかを振り返る。
武蔵中の記述問題では、本文根拠を答案にまとめる練習が重要です。理由説明や比較説明で必要な要素が足りないと、本文を読めていても得点につながりにくくなります。
過去問を解いた後は、正誤だけで終わらせず、本文根拠と答案のまとめ方まで見直すことが大切です。
武蔵中の記述問題を、本文根拠から答案まで確認したい方へ
読解ラボ東京では、中学受験国語の記述問題について、本文の読み取り、根拠の拾い方、答案のまとめ方まで完全1対1で確認しています。
武蔵中をはじめ、記述量の多い学校の過去問で答案が安定しない場合は、現在の答案をもとに、どこを直すべきかを具体的に確認できます。


