詩を学習する意義
――今回ですが、詩を学習する意義という事です。
まず一点ですが、入試問題で詩って出るんですか?
長島:あんまり出ないです。
毎年コンスタントに出すなっていう印象があるのが青山学院です。
そして男子校の最難関でありますが、筑駒です。
筑駒は2年か3年に1回出るか出ないかです。
筑駒の場合、詩以外は結構解き易いです。
他方、詩は結構難しいです。
だから詩が出るか出ないかという所で筑駒自体の顔というか、結構変わってくるな、
という印象はありますが、ざっくりほぼほぼ出ないと捉えていいと思います。
――なるほど。とは言え出題される学校も一部にはあるという所ですよね?
長島:そうですね。なので、塾でも授業では詩を扱っていく事になるとは思います。
――じゃあ先に、読解問題として詩が出題された際に
注意すべき点等ありましたらお聞かせ下さい。
長島:これも学習する意義とほぼ直結しますが、詩の読み取りというのは
ほぼほぼ比喩の読み取りという事になります。
この比喩は何を表しているのか、というのをちゃんと読み取っていく。
その比喩の巧みさというのが詩の面白さであると思いますし、
だからこそ出題者側もこの比喩は何を表わしているのか、というのを問うてきます。
なので、比喩の読み取りというのがポイントになります。
じゃあどうすれば比喩を読み取れるのか、という所だと思いますが、
比喩はイコール関係です。
例えば、優しい女性の事を女神と例える時があります。
女神様は多分優しいです。
だから優しいという点で、その女性と女神様はイコールです。
要は、共通点がないと例えの関係にはなりませんから、
そして共通点があるという事はその点でイコールになっているという事です。
なので、比喩は結局イコールの内容の読み取りです。
それがちゃんと見抜けるかというのをテストでは問われています。
このまま詩を学習する意義にいってしまいたいんですが、
説明文はこことここがイコールだよな、と見抜く力が求められます。
つまり、本質的には説明文の得点力というのと、比喩の読み取りの力というのは直結します。
なので、恐らくご家庭の詩に対する思いってこうだと思います。
我が子はどうせ受験で詩を使わないのに、なんで塾で詩の勉強をしなきゃいけないのか、
というのが多くのご家庭の思いだと思います。
それに対する返答は、説明文の力にも繋がるから詩の勉強を是非やっておいて欲しい
という事になります。
――どうせ入試問題に出ないんだ、という事を考えずに
これはこれでトレーニングの意義は当然あるという事ですね。
長島:おっしゃる通りです。
だから今申した通り、説明文の訓練に実はなっているという事です。
ついでに言うと、物語文もそうです。
物語文の全部が全部気持ちを読み取るという問題ではありません。
説明文的に、この傍線はイコールこうだよな、と考えなきゃいけない問題は物語文でも出るんです。
なので、詩で養う比喩を読み取る力、それは物語でも説明文にも繋がるので、
詩自体の勉強をするというよりは、全般的な国語の力を高める為に詩の授業がある、
そう捉えて頂きたいと思います。
記述の問題で、物語文でも説明文でもそうです。
傍線の中に比喩表現があるというシチュエーションもあります。
国語の記述では比喩をそのまま使ってしまうと、
内容にあやふやさがあるという事で点数をもらえないんです。
なので、比喩表現はちゃんと直さなきゃいけないというルールがあります。
そこの記述の得点力というのにもやっぱり詩の学習が繋がっていくんだろうと思っております。
――意外と大事なんですね。
長島:本当に大切です。結構私しっかり詩はやりたいと思っています。
――だから低学年の頃から詩っていう単元がちゃんと存在してるのはそういう意図なんですかね?
長島:それはあると思います。
言葉自体の面白さに触れられるというのも多分意図としてあるとは思いますが、
やっぱり低学年の教材でも比喩の読み取りは出てきますから、そういう意図はあると思います。
――最後ですが、私自身が学生であった頃、詩を読んで傍線がしてあって
この時の気持ち等々みたいな問題が出ました。分かるか!ってずっと思っていたんですが…
そういう小学生に対して一言お願いします。
長島:説明文の力にも繋がるから詩の勉強した方がいいよ、という事を申していたつもりです。
逆に言えば、説明文の力が高まってくると、詩に対する対応力も上がってくると思います。
そこら辺が繋がっていると思って物語の中でも説明文的な問題も出ますし、
全部繋がっていますから、変な話例えば物語文だけ得意というのであれば、
物語文を突き詰めるという形でもいいと思います。
その結果、説明文とか詩の対応力も上がっていくと思いますので、
得意な分野から頑張ってみませんか?