渋谷教育学園渋谷中学校・令和3(2021)年度の過去問解説
このページでは、渋谷教育学園渋谷中学校・令和3年度入試(国語)から厳選した問題について、動画とあわせて解説します。
特に、物語文における心情変化のとらえ方と、説明文における「理由を選ぶ」タイプの選択問題の解法に焦点を当てて整理しています。
渋谷教育学園渋谷中学校・令和3年度 厳選解説動画
令和3年度 渋谷教育学園渋谷中学校の入試より、厳選した問題とその解説をお届けします。
動画では、本文のどこを根拠にすべきか、実際の答案レベルまで踏み込んで解説しています。
▶ 解説動画はこちら:
https://youtu.be/01R2BMvKVUc
解説
大問一 問五:心情の変化とそのきっかけを説明する問題
大問一問五は、線Aと線Bの間で、みなとの意見に対する悟の考えがどう変化したかを、悟自身の過去の経験を含めて71字以上80字以内で説明させる問題です。
・心情変化の問題は、必ず
①変化前 → ②変化のきっかけ → ③変化後
の流れで整理する。
・「背景」「出来事」「心情」をセットで押さえると、理由づけのブレがなくなります。
① 変化前:みなとをどう見ていたか
まず、悟が変化前にみなとをどう見ていたかを、本文から確認します。
「ライツィハーのために神様に祈ってあげるんだ。鳩の神様に」
「鳩の神様?」
ユリカもおれも素っ頓狂な声を上げた。
「うん、鳩の神様」
「そんなのいるはずねえだろう」
このやりとりから、
【鳩の神様を信じるみなとを馬鹿にしていた】
という、悟のスタンスが読み取れます。
② 変化のきっかけ:悟自身の過去の経験
次に、悟の考えが変わるきっかけとなった場面を確認します。
おれも祈ったんだ。猫の神様に~連れていかないでください
チビは天国に~大好きだった父ちゃんに。
この回想シーンから、
【かつて自分も飼い猫の死に際に、猫の神様に祈り、それが通じたことを思い出した】
ことが分かります。
みなとの「鳩の神様」に対する悟の見方を変える、大きなきっかけになっています。
③ 変化後:みなとの考えへの賛同
最後に、悟の変化後の様子を見ていきます。
「いるよ、鳩の神様」
気づくとおれは、みなとに向かってつぶやいていた。
この描写から、
【みなとの考えに賛同するようになった】
という心の変化が起きていることが分かります。
④ まとめ方(答案イメージ)
以上をまとめると、解答は次のような内容になります。
「はじめは鳩の神様を信じるみなとを馬鹿にしていたが、かつて自分も飼い猫の死に際に猫の神様に祈り、それが通じたことを思い出し、みなとの考えに賛同するようになった。」
字数条件(71字以上80字以内)に合わせて、表現を微調整しながらこの要素をすべて入れられるかが得点のカギになります。
大問二 問三:説明文で「理由としてふさわしい選択肢」を選ぶ問題
大問二問三は、傍線部に対して「そのように言える理由」として最もふさわしい選択肢を選ぶ問題です。
このタイプでは、傍線部の内容を一度言い換えて整理し、その理由を本文から探すことが重要です。
・「〜と言える理由」と聞かれたら、傍線部の内容=何かをはっきりさせてから、その根拠となる文を探す。
・似た表現(キーワード)が繰り返し出てくる部分を重点的に読む。
① 傍線部の内容を整理する
まず、傍線1・傍線2の直前を確認して、筆者が何を述べているかを整理します。
- 傍線1の直前:
「まず、いま非常な~まず確実にいえることは、これらは…」より、
→ 【インターネットなどは、欲したり待ち望んだりしたものではない】
という内容が分かります。 - 傍線2の直前:
「実はコンピュータ~開発されたものである。」より、
→ 【軍事のために開発されたものである】
という事実が述べられています。
これらを踏まえると、筆者は
「パソコンやインターネットは、そもそも私たちが日常で便利に使うために望んだものではなく、別の目的で開発された」
という趣旨のことを主張していると整理できます。
② 選択肢の検討と正解
上で整理した内容に対応する選択肢を探すと、
選択肢ウ:
「パソコンやインターネットなどは、元々われわれが日常生活の中で利用することを想定したものではなく、他の目的のために開発されたものであるから。」
が、傍線部の理由として最もふさわしいと分かります。
・本文中で同じようなワード(キーワード)が繰り返し出てくる箇所は、設問の根拠になっていることが多い。
・「傍線部の前後」と「同じ語句が繰り返されている部分」を重点的にチェックしながら選択肢を絞り込む。
まとめ:渋渋入試で問われる「心情変化」と「理由選択」の考え方
- 物語文の心情変化は、変化前 → きっかけとなる出来事(過去の経験を含む) → 変化後の流れで丁寧に整理する。
- 人物の気持ちは、セリフ+地の文をセットで読むことで、背景・出来事・心情を立体的にとらえる。
- 説明文の「理由を選ぶ」問題では、まず傍線部の内容を自分の言葉で整理し、その根拠を前後の文から探す。
- 本文中で同じキーワードが繰り返される箇所は、設問と深く結びついている可能性が高いので重点的に読む。
- どちらのタイプの問題でも、「本文のどこを根拠にしているか」を説明できる状態を目指すと、記述力・読解力が安定していく。
動画とあわせて復習しながら、心情変化を追う型・理由選択の型をぜひ身につけていきましょう。型が定着すれば、初見の文章でも落ち着いて解き進められるようになります。



