豊島岡女子学園中学校・令和3(2021)年度の過去問解説
豊島岡女子学園中学校・令和3年度 国語 厳選解説
このページでは、豊島岡女子学園中学校・令和3年度入試の国語から、重要な2問を取り上げて解説します。
実際の入試問題を題材に、
- 「説明せよ」と問われたときの記述の組み立て方
- 心情が絡む文を、選択肢の中から正しく言い換えたものを選ぶコツ
を整理していきます。豊島岡女子を志望する受験生はもちろん、他校志望の方にとっても、本文から根拠を拾って答案を作る練習として役立つ内容です。
豊島岡女子学園中学校・令和3年度 厳選解説動画
詳しい板書や解説の流れを動画で確認したい方は、以下のYouTube動画もあわせてご覧ください。
大問一・問八 「学び」とは何かを説明する記述問題
設問の確認
筆者は「学び」をどのようなものと考えているか、五十字以内で説明せよ。
ここでまず押さえたいのは、
という基本方針です。今回は、本文中の「学び」を X とおき、
- X = どのような営みか
- そのとき、誰が主役として描かれているのか
を本文から探していきます。
本文から「イコールの内容」を探す
傍線5の直後に、学びについての重要な説明があります。
- 「学びには2人の参加者が~『受信者』です。」という記述より、
学びには「送信するもの」と「受信するもの」が必要であり、受信するものが主役であることがわかります。
ただし、国語の記述では、
- 比喩表現・たとえをそのまま書くと、意味が曖昧な答案になりやすい
ため、一般的な表現に言い換える必要があります。
この文章では、
- 送信するもの …… 教える側
- 受信するもの …… 学ぶ側
と読み替えられます。したがって、まずは
X = 主役である学ぶ者と教える者の双方が必要な営み
という骨組みができます。

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字数調整:具体例を加える
このままだと五十字にやや足りないので、本文の具体例を足して字数を調整します。
- 「自分がこの世界で~私たちは学ぶのです。」という部分より、
学ぶ者が、自分はかけがえのない存在だと確認するためのもの
という意味が読み取れます。
したがって、まとめると、
学びとは、主役である学ぶ者と教える者の双方が関わる営みであり、学ぶ者が自分はかけがえのない存在だと確認するための行為である。
といった形で、
- ①「学び」の構造(教える者+学ぶ者)
- ②「学び」の目的(自分がかけがえのない存在だと確認する)
の二本柱を押さえた答案を作ることができます。
この問題から学べる「説明記述」のコツ
- 説明を求められたら、傍線やキーワード =(イコール) 本文中の言い換えを探す。
- 比喩やたとえは、そのままでは曖昧なので、一般的な表現(教える側・学ぶ側など)に直す。
- 字数が足りないときは、本文中の具体例や目的を一つだけ足して字数調整する。
大問二・問四 心情を含む文を説明した選択肢を選ぶ問題
設問の確認
傍線②「中村を~腹が立ったりした」の説明として最も適当なものを、選択肢の中から一つ選べ。
ここでも基本は同じで、
- 傍線②とイコールの内容を本文から探し、その内容に最も近い選択肢を選ぶ
という考え方を用います。
「ブロック分け」で内容を整理する
一文の中にいくつかの要素が入り混じっているときは、
を使うと整理しやすくなります。
傍線②は、
- 前半:「中村を見ているとドキドキするけど、ちょっと泣きたくなって」
- 後半:「そんな自分に腹が立ったりした」
の2つのブロックに分けられます。
前半・後半それぞれの意味を言い換える
ブロックごとに、本文の意味を整理していきます。
- 前半:「中村を見ているとドキドキするけど、ちょっと泣きたくなって」
→ 中村のことが好きで、感情が大きく揺れている。 - 後半:「そんな自分に腹が立ったりした」
→ 中村が好きで動揺してしまう自分自身にいらだちを感じている。
つまり、この傍線②全体の内容は、
- 中村を好きになって感情が大きく揺れ動いている一方で、
- その感情を制御できない自分に腹が立っている
という二重の心情だと整理できます。
選択肢との対応づけ
あとは、この整理した内容と同じ意味を持つ選択肢を探します。
オ:「中村を好きになって以来、感情が制御できなくなり心がかき乱されている」
という選択肢は、
- 「中村を好きになって以来」= 中村への好意
- 「感情が制御できなくなり心がかき乱されている」= 動揺している自分/制御できない自分へのいらだち
を含んでおり、傍線②とイコールの内容になっているため、正解はオとなります。
この問題から学べる「選択肢問題」のコツ
- 傍線部が一文で長いときは、前半・後半にブロック分けして整理する。
- ブロックごとに「何を言っているか」を日本語で言い直し、意味のかたまりとして理解する。
- 選択肢は、本文の内容と「意味が一致しているか」という観点で見極める。
まとめ:豊島岡女子・令和3年度から学ぶ記述&選択問題攻略のポイント
令和3年度・豊島岡女子学園中学校の2問を振り返ると、記述問題・選択問題のどちらも、
- 本文のどの部分が「イコールの内容」になっているかを探し出す力
- 一文の中身を、論理的に分解して整理する力(ブロック分け)
が鍵になっていることが分かります。
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今回のポイントおさらい
- 「説明せよ」と問われたら、傍線やキーワード =(イコール) 本文中の説明を探す。
- 比喩やたとえは、教える側・学ぶ側などの一般的な言い方に言い換える。
- 字数が足りないときは、本文の具体例や目的を一つだけ加えて字数調整をする。
- 感情が絡んだ文は、前半・後半にブロック分けし、それぞれの意味を言い換える。
- 選択肢は、本文の内容と「意味が一致しているか」という観点で見極める。
こうした読み方・考え方を意識して過去問演習やテキストに取り組めば、記述問題・選択問題の両方で安定した得点力を身につけることができます。豊島岡女子を目指す方も、その他の難関校を志望する方も、ぜひ今回のポイントを自分の解き方に取り入れてみてください。


