中学受験の国語で頻出する「傍線部問題」。説明文では、「傍線部とはどういうことか」「傍線部の理由を説明しなさい」といった設問がよく出されます。

ここでは、傍線部とは何かを最初に確認したうえで、理由問題・言い換え問題・長い傍線部の解き方、本文から根拠を探して答案にまとめる方法まで順番に解説します。

傍線部とは?読み方は「ぼうせんぶ」

傍線部(ぼうせんぶ)とは、問題文の中で線が引かれている部分のことです。国語の問題では、この傍線部について、理由・意味・言い換え・心情・根拠などが問われます。

たとえば、説明文では次のような聞かれ方があります。

  • 傍線部について、なぜそう言えるのですか。
  • 傍線部は、どういうことですか。
  • 傍線部の内容を本文中の言葉を使って説明しなさい。
  • 傍線部の「それ」は何を指していますか。

大切なのは、傍線部そのものだけを見て答えを作らないことです。傍線部を手がかりにして、前後の文章や、同じ内容が言い換えられている箇所、理由や具体例が書かれている箇所から根拠を探します。

説明文では、筆者の考えを理由・具体例・言い換えなどを使って説明するため、こうした関係を理解できているかを確かめる傍線部問題がよく出されます。

設問の聞かれ方 まず探すもの
なぜですか 傍線部が成り立つ理由や根拠を探します。
どういうことですか 傍線部と同じ意味になる言い換えや説明を探します。
何を指しますか 指示語が指している具体的な内容を確認します。
どのようなことですか 抽象的な内容を具体化している説明や具体例を探します。
筆者はなぜそう考えるのですか 筆者の主張を支えている理由や根拠を確認します。

説明文の基本的な解き方3つ

説明文の基本的な解き方を整理したイメージ

説明文の設問はさまざまですが、まず押さえておきたい代表的な3つのパターンがあります。

① 傍線部の「理由」を答える問題

最も頻出なのが、「傍線部の理由を説明しなさい」というタイプの問題です。

  • まず「なぜそうなのか?」と考えて理由を探す
  • 見つからなければ、傍線部と同じ内容が書かれている場所を探す
  • その部分について書かれている理由を確認する

傍線部と内容が同じであれば、その内容が成り立つ理由も手がかりになります。そこで、傍線部とイコールになる内容を本文から探し、その箇所の理由を確認していきます。

理由問題の簡単な例

傍線部「人間は言葉によって世界を整理している」とあるが、それはなぜですか。

この場合は、まず「言葉によって世界を整理している」と同じ内容が本文中にないかを探します。たとえば、本文に「言葉があるから、物事を区別して考えられる」と書かれていれば、それが理由を考える手がかりになります。

答えを作るときは、「言葉があることで、物事を区別して考えられるから」のように、本文の内容を理由の形にまとめます。

② 傍線部を「説明=言い換え」する問題

「傍線部はどういうことですか。」という設問では、傍線部と同じ意味になる内容を説明します。

ここでのポイントは、説明とは、イコールの内容を作ることです。

例えば、

  • 「成長とはどういうことですか?」
  • →「できなかったことが、できるようになること」

この二つは、同じ内容を別の言葉で表しているため、イコール関係にあります。説明文でも同じように、本文の中から傍線部と同じ意味になる部分を探し、その内容を答えとしてまとめます。

言い換え問題の簡単な例

傍線部「それは便利さの裏返しでもある」とはどういうことですか。

この場合は、まず「それ」が何を指しているのかを確認します。そのうえで、「便利になった一方で、失われたものがある」といった対比関係が本文中にないかを探します。

言い換え問題では、難しい表現をやさしくするだけでなく、本文中の対応箇所を使って意味を補うことが大切です。

③ 長い傍線部をブロックに分ける問題

傍線部が長く、一気に意味をつかみにくい場合は、意味のかたまりごとに分解して整理する方法が有効です。

  • 前半・中盤・後半などに分ける
  • それぞれの部分とイコールになる内容を本文から探す
  • 最後に、それらをつなぎ合わせて一つの説明にする

この分解→対応→再構成の流れを、ここでは「ブロック分け」と呼びます。

長い傍線部の簡単な例

傍線部「私たちは便利な道具に頼ることで、かえって自分で考える機会を減らしている」を説明しなさい。

このような長い傍線部は、次のように分けると読みやすくなります。

  • 私たちは
  • 便利な道具に頼ることで
  • 自分で考える機会を減らしている

主語・原因・結果に分けることで、「誰が」「何によって」「どうなっているのか」が整理しやすくなります。

「説明文の解き方は実際にはもっとたくさんありますが、まずはこの三つが『代表選手』です。この三つが使えるようになるだけで、説明文の記述問題に対しての精度が一気に上がります。」

動画で復習したい方はこちら

ここまでの考え方を動画でも確認できます。本文で「傍線部とは何か」「どこを探すのか」を押さえてから見ると、内容を整理しやすくなります。

傍線部の読み方|設問の聞かれ方を先に確認する

傍線部問題では、すぐに本文を探し始めるのではなく、設問が何を聞いているのかを先に確認します。

「なぜですか」と聞かれているなら理由を、「どういうことですか」と聞かれているなら同じ意味になる説明を探します。指示語なら何を指しているか、内容説明なら抽象的な表現を具体化している箇所を確認します。

最初からテクニックを当てはめようとするより、まずは設問の言葉に素直に答えることが基本です。それでも答えが見つからない場合に、傍線部とイコールになる内容を探したり、長い傍線部をブロックに分けたりします。

説明文で線を引くべき場所

説明文を読むときは、何となく大事そうなところではなく、設問の答えにつながりやすい言葉に注目すると根拠を探しやすくなります。

目印になる言葉 役割と使い方
つまり、すなわち、言い換えると、要するに 言い換えの目印です。傍線部の意味説明に使えることがあります。
なぜなら、というのも、その理由は 理由の目印です。理由問題の根拠を探すときに注目します。
しかし、一方で 対比の目印です。筆者の主張や話の転換点を確認します。
たとえば 具体例の目印です。抽象的な内容を理解する助けになります。
重要なのは、大切なのは、必要なのは、問題なのは 筆者の主張や結論の目印として確認します。

ただし、目印になる言葉があれば、その直後だけを見れば必ず答えになるわけではありません。傍線部と同じ内容がどこで説明されているかも合わせて確認しましょう。

文章から探す?自分で言い換える?の優先順位

説明文の記述では、本文中の表現を使って答えられる場合と、自分の言葉で補って言い換える必要がある場合があります。

「自分で言い換えればいいのか、文章から探せばいいのか、それはどうやって見極めるんですか?」という質問をよくいただきます。

受験生は、まず次の順番を意識してみてください。

  1. まずは文章の中から答えに使える内容を探す
  2. それでも見つからなければ、必要な部分だけ自分の言葉で補う

基本戦略は、「まず本文から探す → 必要なら自分で言い換える」です。

傍線部問題で答えを作るときの書き方

本文中から根拠を見つけても、そのまま書き写すだけでは答案として不自然になることがあります。設問の聞かれ方に合わせて答えの形を整えることが大切です。

理由問題は「〜から。」でまとめる

「なぜですか」と聞かれたら、答えは理由の形にします。文末は基本的に「〜から。」でまとめると、何を答えているのかが明確になります。

たとえば、「なぜ人間は言葉によって世界を整理していると言えるのですか」と聞かれた場合は、「言葉があることで、物事を区別して考えられるから。」のようにまとめます。

言い換え問題は「〜ということ。」でまとめる

「どういうことですか」と聞かれたら、傍線部と同じ意味になる内容を説明します。文末は「〜ということ。」の形にすると、意味説明としてまとまりやすくなります。

傍線部の言葉をそのまま繰り返すだけでは説明にならないことがあるため、本文中の根拠を使いながら、足りない内容を補います。

指示語問題は具体的な内容に置き換える

「それ」「このこと」「そうした考え」などが問われた場合は、指示語を具体的な内容に置き換えます。指示語を残したままにせず、本文中の何を指しているのかが分かる形にしましょう。

本文にない自分の考えを足しすぎない

説明文の記述で求められているのは、基本的に本文に書かれている内容を、設問に合う形で整理することです。自分の意見や感想を加えすぎないようにします。

根拠は見つかるのに、答案で点につながりにくい場合

本文の根拠を探せても、「どの言葉を使うか」「どこまで書くか」を決めにくい場合は、根拠探しと答案作成を分けて確認すると整理しやすくなります。

根拠を使って記述答案にまとめる方法を確認する

説明文が分からないときの読み方

物語文に比べて、説明文はテーマも語彙も難しく、文章全体がうまくつかめない状態になってしまうことがあります。

そんなときに有効なのが、「視野を狭くする」という発想です。

「視野を狭くする」とは、場所ではなく「考える内容」を絞ること

多くの入試問題では、学校側がすでに設問によって考える内容を限定してくれています。

  • 文章全体を一度に理解しようとせず、今の設問が聞いていることに集中する
  • 「この傍線部の理由を答えなさい」とあれば、まずその理由だけを探す
  • ヒントが近くにあることも多いが、必ずしも傍線部付近だけとは限らない

大切なのは、「どこを見るか?」だけでなく、「何について考えるのか?」をシンプルにすることです。

文章全体が難しくても、「今はこの傍線部の理由だけを探せばよい」と考える内容を絞ることで、必要な情報を探しやすくなります。

入試レベルの説明文で使う発展的な考え方

中学受験国語の説明文を読む小学生のイメージ

基本の「理由を探す」「言い換えを探す」「長い傍線部を分ける」に慣れてきたら、複数のイコール関係をつなげて考える方法も使えるようにしていきましょう。

受験の説明文では、「〇〇を説明せよ」=「〇〇とイコールになる内容を答えよ」と考えることができます。

例えば、

  • 「『優秀』という言葉を説明せよ」
  • →「優れているということ」

両者は同じ意味なので、「優秀」=「優れているということ」と考えられます。

三段論法でイコールをつなぐ

ここで使えるのが、三段論法です。名前は難しく見えますが、ここでは同じ意味のものを順番につなぐ方法だと考えてください。

例えば、本文に次のような記述があったとします。

  • 12行目:「Xとは〇〇である。」
  • 20行目:「XはYという意味だ。」

ここから、

  • 〇〇=X
  • X=Y

と考えることができます。Xが共通しているので、

〇〇=X、X=Y よって 〇〇=Y

という関係が成り立ちます。

つまり、傍線部と直接イコールになる表現が見つからなくても、途中にあるイコール関係をつなぐことで、答えに必要な内容を見つけられる場合があるということです。

長い傍線部ではブロック分けと組み合わせる

長い傍線部では、先ほど説明したブロック分けと組み合わせます。傍線部を意味のかたまりごとに分け、それぞれについてイコールになる内容を探してから、一文に戻します。

実際の入試で出題された、次のような長い傍線部を考えてみましょう。

傍線部⑴「そういう日本が、いま、新たな半身だけの巨人に追い抜かれようとしている」を説明せよ。

この場合も、

  • 「そういう日本が」
  • 「いま、新たな半身だけの巨人に」
  • 「追い抜かれようとしている」

のように分け、それぞれについて本文中の対応箇所を探します。

本文から「そういう日本」が「GDPが右肩下がりの日本」、「新たな半身だけの巨人」が「中国」、「追い抜かれようとしている」が「抜かれつつある」と確認できれば、それらをつないで説明を作ります。

「GDPが右肩下がりの日本が、いま、中国に抜かれつつある」

基本編で確認したブロック分けに、イコール関係をつなぐ考え方を加えることで、長く抽象的な傍線部も整理しやすくなります。

説明文の理由を文中から見つける重要性

長文説明文で考え方を整理するための解答テクニック

傍線部問題で確認したい3つの間違い

  • 傍線部の近くだけを探す:根拠は別の段落で言い換えられている場合もあります。
  • 自分の意見や感想を書く:本文の内容をもとに、設問に合う形で答えます。
  • 長い傍線部を一気に理解しようとする:意味のかたまりに分け、一つずつ本文と対応させます。

FAQ|傍線部について最後に確認したいこと

傍線部の答えは何行くらい前後にありますか?

傍線部の近くにあることもありますが、必ず何行以内と決まっているわけではありません。まず近くを確認し、見つからない場合は同じ内容や言い換えが出てくる場所まで範囲を広げて探します。

傍線部を説明するとき、本文の言葉をそのまま使ってもよいですか?

使ってよい場合が多いです。ただし、傍線部と同じ言葉を繰り返すだけでは説明にならないことがあります。本文中の根拠を使いながら、設問に合う形でまとめることが大切です。

まとめ:説明文の傍線部問題を解くときのポイント

  • 傍線部(ぼうせんぶ)とは、問題文で線が引かれている部分のこと
  • 設問が何を聞いているかを先に確認し、理由・言い換え・指示語など探すものを決める
  • 理由問題では、傍線部と同じ内容を探し、その理由を確認する
  • 言い換え問題では、傍線部とイコールになる内容を本文から探す
  • 長い傍線部は意味のかたまりに分け、対応する内容を探して再構成する
  • まず本文から根拠を探し、必要な場合だけ自分の言葉で補う
  • 文章全体が難しい場合でも、今の設問で考える内容を絞る

説明文が苦手なお子さまでも、「イコールを探す」「理由を探す」「分けて考える」という軸を持っておくと、初めて読む文章でも設問ごとに考える内容を整理しやすくなります。

まずは一つの問題で、傍線部と本文中の根拠がどのように対応しているかを確認するところから繰り返してみてください。

次に読むページ|今の困りごとから選ぶ

ここまで読んだ後は、今のお子さまが困っているところに合わせて、次に確認する内容を選んでください。

今の困りごと 次に確認する内容
本文の根拠は見つかるが、記述答案にまとめにくい 根拠を記述答案にまとめる方法を確認する
家庭で丸つけしても、なぜ減点されたのか分かりにくい 記述答案の自己採点方法を確認する
理由問題や「説明せよ」で、本文のどこを使えばよいか判断しにくい 説明せよの解き方とイコール探しを確認する
説明文だけでなく、国語全体に苦手意識がある 国語が苦手な理由と学習法を確認する
予習シリーズ国語の復習方法を家庭で確認したい 予習シリーズ国語の復習サイクルを確認する

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