灘中学校・2020(令和2)年度(2日目)【解説動画】

本記事では、灘中学校2020年(令和2年度)入試・2日目国語について、出題傾向厳選問題の解説を整理してご紹介します。
特に、記述問題が多い灘中の国語では、「何を問われているか」を正確に読み取り、背景・出来事・気持ちを整理して答案をまとめる力が重要です。
動画とあわせて、灘中対策・難関中学対策にご活用ください。

灘中学校2020年(2日目)国語の出題傾向

3題構成とジャンル

灘中学校2020年(2日目)の国語は、次の3題構成でした。

  • 大問1:随筆
  • 大問2:物語文(4年ぶりの出題)
  • 大問3:詩

2020年度入試では、4年ぶりに物語文が出題された点が特徴的です。
随筆・物語文・詩と、幅広いジャンルからの出題となりました。

記述中心の出題と求められる力

全体としては、記述問題が中心の構成となっています。
そのため、次のような力が強く求められます。

  • 設問が「何を問うているのか」を正確に読み取る力
  • 本文中から必要な情報を整理する力
  • それらを踏まえて、筋の通った日本語で答案をまとめる力

単に文章を読むだけでなく、「設問に応じて、どの情報を使い、どうまとめるか」という解答作成のスキルが合否を分けると言えるでしょう。

灘中学校・令和2年度(2日目)厳選解説動画

令和2年度 灘中学校(2日目)の入試問題より、厳選した問題とその解説を動画でご紹介しています。

問題文・設問については、各種WEBサイト等よりご入手ください。
★全問解説Ver.は、コチラにて随時UPしております。

問題の難易度ランク(A・B・C)について

動画および解説では、各問題を次の3つに分類しています。

  • A:容易に正解できるので、合格するには落としてはいけない問題
  • B:少し難しめだが、意欲的に取り組んでほしい問題
  • C:非常に難しいため、合否には影響しにくい捨て問題

どの問題を確実に取り、どこで勝負するかを考えるうえで、得点戦略の目安としてご活用ください。

理由問題の基本:「背景・出来事・気持ち」で整理する

灘中をはじめとする難関中学の国語では、理由を問う問題が頻出です。
その際に役立つのが、本文を「背景」「出来事」「気持ち」の3つに整理して読む方法です。

  • 背景:その場面の状況・前提となる出来事
  • 出来事:直前・直後に起きた具体的な行動・発言
  • 気持ち:背景と出来事から読み取れる登場人物の感情

「〇〇した理由を答えなさい」という問題では、
この3つを整理し、最終的に「気持ち」や「目的」を日本語としてまとめることがポイントになります。

以下では、実際の設問解説を通して、この読み方を確認していきます。

大問別・設問解説

大問二 問一:「ホッとした」の理由

設問では、物語文中の「ホッとした」という心情について、その理由が問われています。

背景・出来事・気持ちの整理

  • 【背景】母の瞳から、父への憎しみを感じ取っていた。
  • 【出来事】その母の表情が、元の笑顔に戻った。
  • 【気持ち】「あ、母はもう大丈夫だ」と安心した状態。

これらを踏まえると、
【母の瞳に父への憎しみを感じたが、表情が笑顔に戻り、安心したから】
という内容が理由として導けます。

オーソドックスな理由問題で、直前に答えとなる箇所もあるため、確実に正解しておきたいAランクの問題です。

大問三 問一:詩の「…」が表す内容

ここでは、詩中の傍線部「…」が何を表しているかが問われています。

背景・出来事・気持ちの整理

  • 【背景】夫が「台風が過ぎたようだ」と言った。
  • 【出来事】それに対して、話し手は黙っている。

この「黙っている」という行動は、
じっと耳を澄ませ、台風が本当に過ぎたかどうか確かめようとしている
という状態を表していると読み取れます。

したがって、答えとしては、
【じっと耳を澄ませることで、台風が過ぎたかどうか確かめている】
といった内容をまとめればよいことが分かります。

背景・出来事を整理する習慣が身についていれば、落としたくないレベルの問題です。

大問三 問二:「ひくいこえ」を出した理由

詩中の「ひくいこえ」を出したことについて、その理由を問う問題です。

背景・出来事・気持ちの整理

  • 【背景】幼い我が子が眠っている。
  • 【出来事】話し手は声を低くして話している。
  • 【気持ち】幼い我が子を起こしたくない、眠りを妨げたくない。

以上から、
【幼い我が子を起こしたくなかったから】
という内容が、理由として適切だと分かります。

問一と同様、背景・出来事・気持ちを整理する読み方が身についていれば、正解できる問題です。

まとめ:灘中2020国語(2日目)対策のポイント

  • 2020年(2日目)の国語は、随筆・物語文・詩の3題構成で、4年ぶりに物語文が登場。
  • 全体として記述問題が中心であり、設問の意図を正確に読み取り、本文から必要な情報を整理して答案をまとめる力が求められる。
  • 理由を問う問題では、本文を「背景」「出来事」「気持ち」の3つに整理して読むのが有効。
  • 「ホッとした」「ひくいこえ」などの心情・行動の理由は、その前後の描写から冷静に組み立てることで解答につながる。
  • 詩の問題でも、黙っている・耳を澄ませているなどの行動を手掛かりに、登場人物の意図や状況を具体的に言葉にする練習が必要。
  • 動画解説では、問題をA・B・Cの3ランクに分けており、どこを確実に取るべきか・どこで勝負するかの戦略立てに役立つ。

灘中レベルの問題であっても、「背景・出来事・気持ち」を整理する読み方と、設問で何を問われているかを正確に掴む習慣が身につけば、確実に得点できる問題は少なくありません。
ぜひ、動画とあわせて繰り返し演習し、灘中をはじめとする難関中学の国語対策にお役立てください。

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