中学国語の文法事項を一気に整理|品詞・活用・文の成分が分かる基本一覧

中学受験国語の文法学習を読解と記述につなげるイメージ

国語文法というと、単独の知識問題を解くための分野だと思われがちです。しかし中学受験国語では、文法そのものが大きく問われる場面よりも、文章を正確に読み、設問の根拠を取り、記述で伝わる文を書く場面で重要になります。

物語文で「誰が何を感じたのか」がずれる。説明文で「何について述べているのか」が途中で分かりにくくなる。記述で内容は浮かぶのに文としてまとまらない。こうしたつまずきは、読解演習の量だけでなく、文の組み立てを見抜く力から見直す必要があります。

国語文法を「なぜ学ぶのか」「どう進めるのがよいか」の全体像は、国語文法の意味と勉強法3ステップ【全体像はこちら】で整理しています。

この記事で確認すること

  • 中学入試で国語文法が必要になる理由
  • 主語・述語、修飾語、接続語、指示語が読解に役立つ場面
  • 文法が記述答案の書きやすさに関係する理由
  • 中学受験生が文法学習で優先したい範囲
  • 文法を読解演習と結びつける学び方

中学入試に国語文法は必要なのか?

中学入試では、文法だけを大きく扱う問題は多くありません。そのため、文法の学習が後回しになり、読解問題や記述問題を解きながら何となく済ませてしまうことがあります。

しかし、文法は文章を正しく読み解くための土台です。文の中で「誰が」「何を」「どうした」のかを追う力が弱いと、本文の内容を感覚で受け取りやすくなります。感覚で読める文章までは対応できても、少し複雑な文章になると、主語の取り違え、修飾関係の読み違い、指示語の内容の取り違えが起こりやすくなります。

中学受験の国語では、物語文・説明文・随筆文など、幅広い文章が出題されます。設問として文法が前面に出なくても、文章を正確に追い、根拠を拾い、記述でずれずに答えるためには、文の構造を捉える力が必要です。

つまり、中学入試において文法は「単独で多く得点する分野」というより、読解全体の正確さを支える基礎です。文法が身につくと、本文の読み方そのものが安定し、設問への答え方にも反映されやすくなります。

対策が意外と難しい国語文法

「いつも日本語を話しているのだから、国語文法はできて当然」と思われることがあります。けれども、毎日自然に使っている日本語を、改めて論理的に考えることは簡単ではありません。

文法用語には、「連用修飾語」「連体修飾語」「接続語」「指示語」「品詞」など、ふだんの会話では意識しにくい言葉が多く登場します。日本語だからこそ、学習の優先順位が下がり、苦手意識を持つ受験生も少なくありません。

どの言語でも共通して言えることは、「話せること」と「文法を理解できること」は同じではないという点です。

たとえば、ふだん日本語を話すときに、「今の文の主語は何か」「この修飾語はどこにかかっているか」「述語はどこで終わっているか」を意識している人はほとんどいません。それでも会話は成り立ちます。

一方、入試問題では、会話のように相手の表情や前後の空気で補うことはできません。書かれている言葉だけを根拠にして読む必要があるため、文の組み立てを見抜く力が重要になります。

また、国語文法は用語を覚えれば終わるものではありません。「主語」「述語」という言葉を知っていても、実際の文章の中でどこが主語でどこが述語かを取れなければ、読解にはつながりません。知識を文章の中で使えるようにすることが大切です。

主語と述語が取れると内容がつかみやすくなる

文章を読むうえで、まず重要になるのが主語と述語の関係です。主語は「誰が」「何が」を表し、述語は「どうする」「どんなだ」「何だ」にあたります。

たとえば、「【   】はぼくの友達だ」という文では、【   】に入る内容は「ぼくの友達」と関係しています。このように、主語と述語の関係が分かると、空欄や省略された内容を考えやすくなります。

中学受験の文章では、一文が長く、途中に説明や修飾語が入ることがあります。そのときに、まず主語と述語を見つけられると、文の中心がつかみやすくなります。

つまり、文法が分かると文章が読みやすくなるのです。

この読み方は、空欄補充だけでなく、選択肢問題や記述問題にも役立ちます。長い一文の中に修飾語がいくつも入っているとき、どの言葉がどこにかかっているかを見分けられると、本文の意味が急に見えやすくなることがあります。

反対に、そこが曖昧なままだと、文の前半と後半を別々に受け取ってしまい、読み違いが起こります。

説明文では文の関係を追う力が必要になる

説明文では、「何がどうなのか」を正確に追うことが重要です。筆者の主張に対して、理由・具体例・対比・補足がどのようについているかを見分けるには、文法的な骨組みを捉える必要があります。

特に、接続語の役割を理解していると、段落の中で話がどう進んでいるのかを追いやすくなります。

  • 「しかし」なら、前の内容と逆の方向に話が進む
  • 「つまり」なら、前の内容をまとめ直す
  • 「たとえば」なら、前の内容を具体例で示す
  • 「なぜなら」なら、理由の説明に入る

こうした言葉の役割を押さえて読むと、本文の中心と補足が区別しやすくなります。選択肢問題で一見正しそうな答えに引っ張られにくくなるのも、文の関係を追えるようになる利点です。

また、説明文では主語が途中で変わることがあります。主語の変化に気づかないまま読むと、「誰の考えなのか」「何について述べているのか」がずれます。主語・述語・接続語を確認しながら読むことは、説明文の読解に直結します。

物語文では人物の行動と心情を読み取りやすくなる

物語文でも、文法の理解は役立ちます。登場人物の行動や発言を追うとき、主語の切り替わりや心情表現のかかり方が分かると、「誰が何を感じたのか」が見えやすくなります。

物語文は感覚で読めるように見えることがあります。しかし実際には、人物の行動、会話、情景描写、心情表現が細かく結びついています。文の関係を押さえないまま読むと、気持ちの向きや理由を取り違えやすくなります。

たとえば、情景描写が単なる背景ではなく、登場人物の気持ちを映していることがあります。その関係を読み取るには、前後の文がどのようにつながっているかを見る必要があります。

場面が変わったこと、視点が動いたこと、人物の気持ちが変化したことに気づきやすくなるのも、文法的に文章を追えるようになる利点です。

修飾語が分かると長い文が読みやすくなる

中学受験の文章では、一文が長くなることがあります。その原因の一つが修飾語です。修飾語は、ほかの言葉を詳しく説明する言葉です。

たとえば、「赤い花」「静かに歩く」「昨日読んだ本」のように、どの言葉がどの言葉を詳しくしているかを見ることで、文の意味がはっきりします。

修飾語が長くなると、文の中心が見えにくくなります。そのときは、まず主語と述語を取り、次に修飾語がどこにかかっているかを確認します。すると、長い文でも内容を分けて読みやすくなります。

修飾語の理解は、記述にも関係します。自分で文を書くとき、修飾語の位置が分かりにくいと、何を説明しているのかが伝わりにくくなります。読み手に伝わる文を書くためにも、修飾関係の理解は大切です。

指示語を正しく取ると根拠が見つけやすくなる

「これ」「それ」「このような」「そうした」などの指示語は、国語の読解でよく問われる重要な言葉です。指示語は、前に出てきた内容を受けることが多く、本文の根拠を探す手がかりになります。

指示語の中身を正しく取るには、直前の言葉だけでなく、文全体や段落の流れを見る必要があります。指示語が何を受けているかを丁寧に確認すると、設問の答えに近づきやすくなります。

特に説明文では、指示語が筆者の主張や理由をまとめて受けていることがあります。物語文では、人物の行動や気持ちを受けていることもあります。

指示語を何となく流して読むと、本文の中心を見落とすことがあります。反対に、指示語の内容を正しく取れるようになると、文章全体のつながりが分かりやすくなります。

文法は記述力にもつながる

文法を理解することは、文章を読むだけでなく、記述答案を書く力にもつながります。正しい文を書くためには、文法の知識が必要です。

記述問題では、「内容は分かっているのに書けない」ということがよく起こります。その原因の一つは、頭の中の内容を文としてまとめる力が不足していることです。

主語と述語が対応していない。修飾語の位置が分かりにくい。文末表現がそろわない。必要な内容が抜ける。こうした問題があると、内容の方向が合っていても、採点者に伝わりにくくなります。

文法が分かると、自分の書いた文を見直すときにも役立ちます。「この文の主語は何か」「述語までつながっているか」「どの言葉がどこにかかっているか」を確認できるため、記述答案をより伝わりやすい形に直しやすくなります。

また、記述は国語だけの問題ではありません。理科や社会でも、理由説明や資料の読み取りを書かせる問題があります。そこで必要になるのも、相手に伝わる形で文を書く力です。

国語文法の学習は、ただ用語を覚えて終わるものではなく、読むための力と書くための力の両方に関係する学習です。

中学受験で優先したい文法事項

中学受験で国語文法を学ぶとき、学校文法を細部まで深く追いかける必要はありません。読解と記述に関係しやすい範囲を優先して確認することが大切です。

文法事項 読解・記述で役立つ場面
主語・述語 誰が何をしたのか、何がどうなのかを正確に追う
修飾語 長い文の中で、どの言葉がどこにかかるかを見分ける
接続語 理由・逆接・具体例・まとめなど、文と文の関係を読む
指示語 「これ」「それ」などが受ける内容を本文から探す
品詞の基本 言葉の働きを知り、文の組み立てを理解する
文末表現 記述答案で、聞かれている内容に合う文末にする

これらが身についていると、文章を何となく読むのではなく、根拠をもって読めるようになります。

一方で、用語を難しい順に覚えていく必要はありません。まずは文章の中で役に立つところから確認する方が、受験にはつながりやすくなります。

たとえば、いきなり細かな分類に入るより、「この文の主語はどこか」「この言葉は何にかかっているか」「この接続語のあとで話はどう動くか」を考える練習の方が、読解に直結します。

文法学習を読解に結びつける方法

国語文法の学習では、用語の暗記だけで終わらせないことが大切です。短い文や実際の文章の中で、学んだことを確認していきます。

主語と述語を学んだら、問題集や本文の中から実際に主語と述語を抜き出してみます。修飾語を学んだら、どの語がどこにかかるかを確認します。接続語を学んだら、接続語の前後で話がどう変わるかを考えます。

このように、知識と読解を結びつけながら進めると、理解が定着しやすくなります。

苦手意識が強い場合ほど、最初から難しい文章に入る必要はありません。短い文で文の中心を取る練習をし、少しずつ文章量を増やしていく方が、読解につながりやすくなります。

読解問題の復習時にも、「なぜここをそう読んだのか」を文法の観点から振り返ると、学習の質が上がります。正解した問題でも、主語・述語、修飾語、接続語、指示語を確認すると、本文の読み方がより明確になります。

当塾での取り組み

当塾では、受験国語対策に特化した授業を行っています。文法については、文法速習講座で文法事項を確認し、読解力の向上につなげていきます。

また、完全1対1の個別指導では、生徒一人ひとりの苦手や目的に合わせて授業を進めます。

国語の苦手は、生徒によって現れ方が違います。選択肢の判断が揺れやすいのか、記述がまとまりにくいのか、本文の内容自体が頭に入りにくいのかによって、必要な対策は変わります。

文法の学習も同じです。用語の知識が足りないのか、文章の中で使えていないのか、記述に結びついていないのかを見分けながら進める必要があります。個別指導では、その生徒がどこで手が進みにくくなっているかを確認しながら、読解と文法をつなげて指導していきます。

当塾では、オンラインでも教室と同様の授業が受講可能です。通塾の必要がなく、学習し慣れた環境で国語の勉強に取り組めます。

よくある質問

中学受験で国語文法はどのくらい必要ですか?

文法だけを深く学ぶ必要はありませんが、主語・述語、修飾語、接続語、指示語など、読解と記述に関係する範囲は重要です。本文を正確に読み、根拠を取るための基礎になります。

文法が苦手な場合、何から始めればよいですか?

まずは主語と述語を見つける練習から始めるのがおすすめです。短い文で文の中心を取れるようにしてから、修飾語、接続語、指示語へ広げると読解につなげやすくなります。

品詞は細かく覚える必要がありますか?

細かな分類をすべて先に覚えるより、文章の中で言葉がどのように働いているかを確認することが大切です。読解や記述に使う範囲から押さえると学習しやすくなります。

文法を学ぶと記述問題にも効果がありますか?

あります。主語と述語の対応、修飾語の位置、文末表現などが安定すると、記述答案が読みやすくなります。内容を分かりやすく伝えるためにも文法は大切です。

読解演習と文法学習は別々に進めるべきですか?

完全に分けるより、読解問題の復習時に文法の観点を入れると効果的です。本文の主語・述語、接続語、指示語、修飾関係を確認すると、読み方の改善につながります。

まとめ

中学入試では、文法だけが大きく出題されるとは限りません。しかし、文章を正確に読み、設問の根拠を取り、記述で伝わる文を書くためには、文法の理解が必要です。

主語・述語が分かると文の中心が見えやすくなります。修飾語が分かると長い文を読みやすくなります。接続語や指示語が分かると、文と文、段落と段落のつながりが追いやすくなります。

文法は、単独の一単元というより、国語全体を支える基礎として考える方が実態に近いです。読解が安定しない、選択肢の二択で迷いやすい、記述の減点が減りにくいという場合は、読解演習の量だけでなく、文法の理解も見直す価値があります。

文章を正しく読むための力を固めることが、結果として中学受験国語の得点力につながっていきます。

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