中学受験国語「模試の復習」完全ガイド──偏差値より先に見るべき3つのポイント
1. まず15分で「次に見直す場所」を特定する
国語の模試復習は、すべてを一度に完璧に直そうとすると続きません。最初の15分では、今回の主因を1つだけに絞ります。
15分チェックシート
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復習が長引くと、結局やらなくなりがちです。まずは「次に見直す場所」を短時間ではっきりさせましょう。
| 観点 | チェック項目 | 該当したら次にやること |
|---|---|---|
| 問題文理解 | □ 段落ごとの要点が言えない □ 登場人物の関係が混乱した □ 設問の条件(いつ/誰が/理由)を外した |
本文を読み直し、段落ごとに一言メモを作る。設問の条件には下線を入れる。 |
| 答案の書き方 | □ 根拠は近いのに点が出ない □ 主語・述語がねじれた □ 理由が抜けている |
「要素→並べ替え→一文化」の流れで直す。清書の前に不足要素を1語で追記する。 |
| 知識の穴 | □ 漢字・語句で得点しきれなかった □ 選択肢の語彙が曖昧だった |
確認リストを作り、次回まで短時間で何度も見返す。 |
記述を直す流れ
- 設問条件に下線を引く(誰/何/なぜ/いつ)
- 本文の根拠に戻る
- 要素を箇条書きで並べる
- 短い一文にする
- 主語・述語・接続語だけ見直す
選択肢を直す流れ
- 正解の根拠箇所を本文で特定する
- 各選択肢を句読点で分解する
- 塊ごとに「本文にある/ない」を判定する
- ×の理由を1語で書く(言い過ぎ/因果逆/主語違い 等)
模試だけでなく、普段の宿題や塾教材の取り組み方に原因があることもあります。塾の宿題をこなしているのに国語が伸びにくい場合は、国語が伸びないときの見直し方もあわせてご覧ください。
悩みに合わせて読む場所を選ぶ
全部を順番に読む必要はありません。今いちばん困っていることから確認してください。
偏差値より先に見るべき3つのポイント
偏差値は「結果」を示す指標です。まずは、答案と問題文を見ながら、次に直す場所を具体的に確認しましょう。
① 問題文理解
見るもの:問題文・設問文
- 文章の大まかな流れをつかめていたか
- 設問が何を聞いていたのかを勘違いしていないか
② 答案の書き方
見るもの:子どもの答案・模範解答
- どの情報を抜き出すかの選び方
- 主語・述語・接続語などのまとまり具合
③ 知識の穴
見るもの:漢字・語句・知識問題
- 頻出漢字のとりこぼしはどこか
- 語彙や言い回しの理解不足がどこで出ているか
点数を見たあとにすぐ落ち込むのではなく、「問題文」「答案」「知識」のどこに原因があったかを分けて見ると、次の行動が決めやすくなります。
2. 記述問題の復習:自己採点の具体例
記述問題は、「書きっぱなし」にすると力がつきません。
ここでは、◎/○/△/×を使った自己採点のイメージを、簡単な例でご紹介します。
※ スマートフォンでご覧の方は、表が横にスクロールできます。まずは「自分の答案がどの段階か」のイメージをつかむことを目標にしてください。
◎/○/△/× の基準例
| 記号 | 得点イメージ | 判断の目安 |
|---|---|---|
| ◎ | 満点〜ほぼ満点 | 模範解答と比べて、内容も表現も十分。減点するとしても1点程度。 |
| ○ | 合格点レベル | 必要な要素はそろっているが、言葉の選び方や表現が少し弱い。 |
| △ | 部分点レベル | 大まかな方向性は合っているが、根拠が足りない・大事な言葉が抜けている。 |
| × | 0点〜ごくわずか | 根拠となる部分がまるで違う/設問の条件を外している。 |
模範解答と答案例の見比べ方
「誰の気持ちか」「なぜか」「何を説明するのか」など、設問が求める条件を外していないか確認します。
模範解答が、本文のどの部分をもとにしているかを探します。根拠が離れた場所にある場合もあります。
必要な要素が入っているか、主語・述語が自然につながっているかを確認します。
「気持ち」「理由」「変化」「具体例」など、足せば点につながりそうな言葉を1つ選びます。
自己採点は「厳しさ」を競うものではなく、次回どう書けば◎に近づくかを具体的にする作業です。
「どの言葉を足せばよかったか」「どの部分を根拠にすべきだったか」を、親子で一緒に言葉にしてみてください。
記述の部分点が毎回ぶれる、同じ場面でつまずく、親子で復習すると感情的になってしまう場合は、答案を第三者に見てもらうと原因を整理しやすくなります。答案分析や記述添削を具体的に相談したい場合は、中学受験国語オンライン個別指導もご確認ください。
家庭で続ける場合と、答案を見てもらう場合の目安
模試復習は、家庭で進められる部分も多くあります。ただし、原因の判断が難しい場合は、早めに第三者の視点を入れた方が整理しやすいこともあります。
家庭で続けやすいケース
- 今回の主因を1つに絞れる
- 設問条件の読み落としなど、直す場所が見えている
- 次回までにやることを親子で決められる
- 復習後に、似た問題で少し改善が見える
答案を見てもらうと整理しやすいケース
- 記述の部分点をどう見ればよいか毎回迷う
- 同じタイプのつまずきが続いている
- 親子で復習すると話し合いが重くなる
- 読めていないのか、書けていないのか判断しづらい
模試の問題用紙、答案、解答解説、どの問題で迷ったかのメモがあると、答案分析や記述添削の相談がしやすくなります。具体的な指導内容を確認したい場合は、中学受験国語オンライン個別指導をご覧ください。
模試の考え方を整理したい場合は「模試の目的」、家庭での進め方を整えたい場合は「5ステップ」「30分配分」「復習ノート」を確認してください。
3. 模試の目的を整理する──「判定」だけを見ると失敗する
まず確認したいのは、模試の本来の目的です。
多くのご家庭では、「偏差値」「志望校判定」ばかりに目が行きがちですが、模試は本来、現在地を知り、今後の学習を微調整するためのテストです。
「判定だけ模試」でよくある例
- 結果が返ってきたら偏差値と判定だけを見る
- 点数が悪いと、答案をじっくり見ずに片づけてしまう
- 次の模試まで、いつも通りの勉強に戻ってしまう
「学習につながる模試」の例
- 点数より先に「どこをどう間違えたか」を確認する
- 復習を通じて「文章の読み方」「答案の書き方」を見直す
- 次の模試までに変える行動を、具体的に言葉にする
お子さまの前で、結果表の偏差値ばかりを話題にするのは避けましょう。
「どの問題が惜しかったかな?」「この記述、あと一歩だったね」など、答案に目を向ける声かけから始めていただくと、復習の質が上がります。
4. 国語の模試復習・5ステップ
ここでは、国語の模試を「もう一度授業としてやり直す」イメージで復習するための、5つのステップをご紹介します。
この5ステップは、先ほどの「①問題文理解」「②答案の書き方」「③知識の穴」の3ポイントを順番にチェックできるように組んであります。
保護者と一緒に
お子さん自身の読み物としてもOK
すべてを一気にやる必要はありません。「今日はステップ①だけ」など、分けて進めるイメージで大丈夫です。
ステップ① 問題文をもう一度「ゆっくり」読む
本番では時間に追われて読み飛ばしてしまった箇所があるかもしれません。復習では、制限時間を外して、最初から最後まで丁寧に読み直すことが第一歩です。
- 段落ごとに「何が書いてあるか」を一言でメモする
- 登場人物の気持ちや、筆者の主張が変わるところに線を引く
ステップ② 解説で設問意図を確認する
解説は「正解を書いてある紙」ではなく、出題者の考えを教えてくれるメモだと考えましょう。
- この設問は「どこを根拠に答えさせたい」のか
- 「どういう言葉でまとめてほしい」のか
ステップ③ 自分の答案とのギャップを具体的に探す
模範解答と自分の答案を並べて、違いを「言葉」で説明できるようにすることが大切です。
- 抜き出す場所が違うのか
- 同じ場所でも、言葉の選び方・まとめ方が違うのか
ステップ④ 記述・選択肢の「つまずき方」の傾向整理
1回の模試でも、いくつかの問題を並べて見ると、似たような「つまずき方のクセ」が見えてきます。
- 「根拠は近いのに、言葉が足りない」タイプ
- 「設問の条件を読み落としている」タイプ
- 「選択肢の消し方が甘い」タイプ など
ステップ⑤ 語句・漢字の穴を一気に埋める
最後に、語句・漢字・知識問題は「確認したい語句・漢字を1枚のリストにまとめる」ことがおすすめです。
- 模試1回ごとに「語句・漢字確認リスト」を1枚作る
- 次の模試まで、そのリストを何度も見返す
答案とのズレを見つけたら、次は「本文のどの言葉を使って、どう一文にするか」を練習します。詳しくは、国語記述の書き方をご覧ください。自己採点のブレが気になる場合は、国語記述の自己採点方法も参考になります。
平日2〜3日に分けて、「今日は問題文の読み直しだけ」「今日は記述だけ」と分割して進めると、続けやすくなります。
5. 30分で終える模試復習の時間配分
復習は「長くやる」より、短時間で要点を拾って次回までの動きに落とす方が続けやすくなります。
| 時間 | やること | 見るポイント |
|---|---|---|
| 0〜8分 | 本文を読み直し(段落一言メモ) | 流れ/転換点/主張(または心情)の変化 |
| 8〜18分 | 設問の条件を確認 → 根拠箇所を特定 | 誰/何/理由/範囲(直前直後) |
| 18〜28分 | 記述・選択の「つまずき方」を1語で記録 | 要素不足/条件外し/本文語が薄い 等 |
| 28〜30分 | 次回までに変える行動を1つだけ決める | 「いつ/何を/何分」まで決める |
復習時間の使い方だけでなく、テスト中の解き順や飛ばす判断も見直す必要があります。詳しくは、国語テスト本番の時間不足対策をご覧ください。読むスピードそのものが課題の場合は、国語の解くスピードを上げる考え方も参考になります。
6. どこから復習するか(優先順位)
時間が限られるときは、次の順で着手すると点に戻りやすいです。
- 配点が大きい記述(部分点が出る可能性が高い)
- 2択で外した選択(根拠の取り方を直すと再発が減る)
- 語句・漢字(リスト化して短時間で回せる)
「2択で外した」を復習に変えるメモ
- 正解の根拠箇所(段落)をメモ
- 迷った選択肢の違いを1語で書く(言い過ぎ/因果逆/主語違い 等)
同じ場面でつまずくときは、本人の努力不足ではなく、読み方や答案の作り方が合っていないことがあります。家庭だけで判断しづらい場合は、相談の目安も参考にしてください。
7. 復習ノートは「1枚」にまとめる
ノートを作り込むほど続きません。模試1回につき1枚だけ残すと回りやすくなります。
左側:今回の主因
- 主因:問題文理解/答案の書き方/知識の穴(どれか1つ)
- つまずきの名前(1語):要素不足/条件外し/本文語が薄い 等
- 該当問題:大問○の問○
右側:次回までの行動(1つ)
- いつ:火・木の夜
- 何を:記述1問
- 何分:10分
- やること:根拠→要素→一文化(ここまで)
8. 保護者の声かけ(答案に目を向ける)
模試後は、点数の話から入るとお子さまが身構えてしまうことがあります。まずは、答案を一緒に見る言葉に置き換えてみましょう。
| 避けたい言い方 | 置き換え例 |
|---|---|
| 偏差値どうだった? | 今回、惜しかった問題を2つだけ見よう |
| 次は頑張ろう | 次回までに変えるのは1つにしよう。どれが効きそう? |
| なんで間違えたの | この設問、条件は何だった?一緒に確認しよう |
9. 「次の模試までに何を変えるか」を決める方法
良い復習の最後には、必ず「次にどう活かすか」という一歩が入ります。
ここでは、曖昧な反省で終わらせないために、行動レベルの目標に落とし込む方法をまとめます。
「反省」から「行動」に変える例
下の表では、ありがちな「反省の言葉」を、今日から実行できる行動レベルの目標に言い換えています。
| ありがちな反省の言葉 | 行動レベルの目標にした例 |
|---|---|
| 「本文をよく読まなかった」 | → 毎日、物語文を1題解くときに、段落ごとの要約を一言でメモする練習をする。 |
| 「記述がうまく書けなかった」 | → 週3回、塾のテキストの記述問題を1問だけ選び、模範解答の言い回しを写して覚える。 |
| 「漢字で得点しきれなかった」 | → 模試で間違えた漢字をノート1ページにまとめ、寝る前に3回ずつ声に出して書く。 |
簡単な1週間プランの例
模試から次の模試までの期間があまり長くない場合は、「1週間でできること」にしぼって計画を立てると、実行率が上がります。
※ すべてこなす必要はありません。今回の主因に関係するものだけ選んでください。
| 曜日 | 取り組むこと |
|---|---|
| 月 | 模試の答案を見直し、今回の主因を1つ決める。 |
| 火 | 物語文の記述問題を1問選び、模範解答を写して音読する。 |
| 水 | 説明文の設問を2問選び、「何を聞いているか」を言葉で説明する練習をする。 |
| 木 | 模試の漢字・語句確認リストを見直し、ノートに3回ずつ練習する。 |
| 金 | 似たタイプの記述問題を塾テキストから1問解いてみる。 |
| 土・日 | 1週間の振り返り。「一番良くなったところ」「次に直したいところ」を親子で話す。 |
予習シリーズを使っているご家庭は、予習シリーズ国語の復習サイクルも参考になります。模試の反省を、普段の教材学習へつなげやすくなります。
計画表を作るときは、「できなかったら全部NG」ではなく、「半分できれば合格」など、少しゆるめの合格ラインを一緒に決めておくと、続けやすくなります。
10. やりがちなNG復習
最後に、「頑張っているのに力になりにくい復習」の例を確認しておきましょう。
ここで挙げるNGを避けるだけでも、模試の復習効果は変わります。
解説を眺めるだけ
解説冊子をざっと読むだけでは、自分の答案とのズレが見えてきません。
- 必ず答案を横に置いて照らし合わせる
- 「どの言葉の差で点が分かれたか」をチェックする
全文を読み直して満足してしまう
問題文を読み返すこと自体は良いのですが、設問とのつながりを見ないまま終わってしまうと、得点につながりません。
- 「この設問の根拠はどこ?」を必ず確認する
- 線を引いた箇所と設問をセットで見直す
「次こそ頑張ろう」で終わるだけ
気合いは大切ですが、行動に落とし込まれていない反省は、次の模試で同じ結果を生みがちです。
- 「何を」「いつ」「どれくらい」やるかまで決める
- 親子で1週間ごとの小さな目標を共有する
「読んでいるつもり」「宿題はやっているつもり」でも、国語が伸びにくい原因が別にあることがあります。詳しくは、国語が苦手な理由と学習法をご覧ください。
国語の模試は、読み方と書き方を鍛えるための教材として使えます。
偏差値を見る前に、このページの15分チェックと3つのポイントを思い出しながら、答案と問題文に向き合ってみてください。
よくある質問
模試の復習で最初に見るべきものは何ですか?
最初に見るのは、偏差値ではなく答案と問題文です。特に、得点につながりにくかった問題について「問題文理解」「答案の書き方」「知識の穴」のどれが主因だったかを1つ選ぶと、次にやることが決めやすくなります。
偏差値が下がったとき、親は何を見ればよいですか?
まずは結果表だけで判断せず、答案の中にある惜しかった問題を見てください。「根拠は合っていたが言葉が足りない」「設問条件を外した」など、次に直せる点を探す方が、次回の学習につながります。
模試の復習はいつやるのがベスト?
理想は当日〜翌日に「15分チェック」だけ先にやり、記述の書き直しは週内に回収します。遅れるほど「何が起きたか」の記憶が薄くなります。
全部の問題を復習できません
全部やらなくて大丈夫です。まずは配点が大きい記述、2択で外した選択肢、語句漢字の順に絞ります。「広く薄く」より「狭く深く」の方が次回に効きます。
記述の自己採点がブレます
点数よりも、要素がそろっているかで判定します。「心情+理由」「説明+具体化」など、設問が求める要素を先にチェックしてから◎○△×を付けるとブレが減ります。さらに詳しくは、国語記述の自己採点方法をご覧ください。
選択肢がいつも2択で外れます
2択で迷うのは、選択肢を分解していないケースが多いです。句読点で区切り、部分ごとに本文一致を判定すると決めやすくなります。
復習しても次の模試で同じ場面でつまずきます
復習が「理解」で終わっていて、やり直しの流れになっていない可能性があります。次回までに変える行動は1つに絞り、「いつ/どれを/何分」を決めて同じ条件で繰り返します。
家庭だけで復習を続けるのが難しい場合はどうすればよいですか?
答案のどこを見ればよいか分からない場合は、第三者に答案を見てもらうと原因を整理しやすくなります。オンラインでの学習を検討している場合は、国語オンライン指導の考え方も参考になります。答案分析や記述添削を具体的に相談したい場合は、ページ下部の家庭だけでは不安な方へ、または中学受験国語オンライン個別指導をご覧ください。
このページの「3行まとめ」
- 偏差値より先に、次に見直す場所を3つの観点(問題文・答案・知識)で見える化する。
- 模試1回を、5ステップで「もう一度授業」に変えることで、読み方と書き方の両方を鍛えられる。
- 反省は必ず、1週間で実行できる行動に落とし込んで次の模試につなげる。
今日できる1アクション: 最新の模試1回分だけでかまいません。
15分チェックで主因を1つ決めるところからスタートしてみてください。
次に読むページ・相談先を選ぶ
このページ内で模試復習の流れを確認したら、次は「家庭で深める」か「答案を見てもらう」かを選ぶと迷いにくくなります。
記述を深める
答案分析や記述添削を相談したい
家庭で試しても同じ場面でつまずく、部分点の判断が難しい、親子で復習が続きにくい場合は、指導ページを確認してください。
「家庭だけでは不安…」という方へ
ここまでの復習法を実行していただくだけでも、模試の活かし方は変わります。ただ、答案の分析や記述の添削を、家庭だけで続けるのは大変という声も少なくありません。
当塾では、模試の答案を一緒に振り返り、次の模試までに何を変えるかを具体的な1週間プランに落とし込む個別指導も行っています。
「うちの子の場合はどう復習したらいい?」「記述のどこを直せば得点につながるのか見てほしい」とお悩みの方は、以下のページをご覧ください。
読解ラボ東京の指導全体を確認したい方は、トップページもご覧ください。


