小学生の読解力を高める方法|根拠を言える読み方へ
小学生の読解力は「本文を使って説明する力」で伸びます

小学生の読解力を高めるには、たくさん読むことに加えて、本文のどこをもとにして答えたのかを言葉にする練習が大切です。選択肢を雰囲気で選ぶ、記述が感想になってしまう、説明を求められると答えにくいという場合は、読み方そのものを少し変える必要があります。
読解力とは、文章に書かれた内容を理解し、出来事の理由や言葉同士の関係、登場人物の気持ち、筆者の考えなどを読み取る力です。文章を深く読むとは、ただ最後まで読むことではなく、本文の言葉を根拠にして「なぜそう考えられるのか」を説明できるようになることです。
読解力は、センスだけで決まるものではありません。本文の言葉を見つける、短く言い換える、設問に合わせて答えるという流れをくり返すことで伸ばしていけます。「言い換え」とは、本文の意味を変えずに、自分の言葉で短く表すことです。最初から長い要約や記述に取り組む必要はありません。
この記事では、小学生の国語読解について、家庭でできる声かけ、短い練習の進め方、語彙の増やし方、受験国語につなげる考え方をまとめます。学年が上がるほど文章量が増え、「読めるのに時間が足りない」「何度も読み返してしまう」といった悩みも出やすくなります。長文が終わらない原因と時間配分・設問処理の工夫は、中学受験国語|文章理解に時間がかかる・長文が終わらない原因と時短術【全体像はこちら】にまとめています。
読解力を支える基本

小学生の段階でまず大切にしたいのは、次の2つです。
- 根拠:本文の「どの一文」「どの言葉」で判断したか
- 言い換え:その一文を、自分の言葉で短く表すこと
家庭で使える質問例
家庭で読解練習をするときは、正解をすぐ教えるよりも、本文へ戻る質問を使うと効果的です。親が解説しすぎるより、子ども自身が本文の言葉を探す時間を作ることが大切です。
質問例①:本文の場所を聞く
声かけ:そう思ったのは、本文のどこ?一文だけ選んでみよう。
目的:感覚で選ぶ状態から、本文を使って考える状態へ変える。
質問例②:短く言い換える
声かけ:その一文を短く言うと、どういうこと?
目的:本文の言葉を、自分で扱える言葉に変える。
質問例③:つなぎ言葉で説明する
声かけ:「だから」「たとえば」「つまり」のどれかを使って説明してみよう。
目的:理由や関係を言葉にする練習にする。
短時間でできる「根拠→言い換え」練習
文章は長くなくて構いません。短い本文と1問だけでも、読み方の練習はできます。大切なのは、問題数を増やすことより、本文のどこを使ったかを残すことです。
練習の流れ
- 短い文章を読む
- 問題を1問解く
- 答えのもとになる一文を本文から選ぶ
- その一文を短く言い換える
- 設問に合う答えになっているか確認する
家庭で見るポイント
- 本文の言葉を使って説明できているか
- 感想だけで終わっていないか
- 一文を短くまとめられているか
- 設問で聞かれていることに答えているか
学年によって、声かけの難しさを少し変えてもよいでしょう。低学年では音読後に「どこに書いてあった?」と確認することから始め、中学年では本文の一文を短く言い換える練習へ進みます。高学年では、理由・心情・筆者の主張などを、設問に合わせて説明することを意識します。学年だけで判断せず、子どもが無理なく取り組める段階から始めることが大切です。
家庭学習でよく起こるずれ
ずれ①:いきなり要約させる
要約は小学生にとって難度が高い作業です。最初は、1問につき根拠の一文を選ぶ練習から始めると取り組みやすくなります。
ずれ②:説明が感想で終わる
「かわいそう」「すごい」だけでは答案になりにくいです。そう感じた理由を、本文の言葉に戻して確認します。
ずれ③:語彙だけ増やして終わる
語彙は必要ですが、言葉を知っているだけでは読解答案にはなりません。知った言葉を、本文の説明や言い換えで使う練習が必要です。
ずれ④:解説を読んで終わる
解説を読んで分かった気がしても、次に同じように読めるとは限りません。最後に、自分の言葉で短い説明を残すことが大切です。
FAQ(小学生の読解力)
音読はやった方がいいですか?
音読は有効です。ただし、目的は上手に読むことだけではありません。主語と述語、文の終わり、会話文の区切りを意識して読めているかを確認します。音読後に、答えの根拠になる一文を選ぶところまで行うと、読解練習につながります。
記述が感想になってしまう場合はどうすればよいですか?
最初は、本文の一文を言い換える練習から始めます。感想が出てきたら、「それは本文のどこから分かる?」と聞き、根拠の一文を選ばせます。その後で、設問に合う答えに直していくと、記述答案に近づきます。
学年が上がるほど時間が足りないのはなぜですか?
文章量が増えるだけでなく、設問で問われる内容も複雑になります。根拠を探す視点が弱いと、全文を何度も読み返しやすくなります。時間が厳しい場合は、まず短い文章で根拠→言い換えを練習し、長文の読み方は時間配分・時短術の整理で確認すると進めやすくなります。
どの教材を選べばいいですか?
教材選びの前に、家庭での使い方を確認することが大切です。短文でも長文でも、1問ごとに根拠の一文を選び、短い言い換えを残す練習ができれば、教材を読解練習に生かしやすくなります。難しすぎる教材よりも、本文に戻って説明できる教材を選ぶ方が続けやすいです。
- 答え合わせだけで終わり、根拠の一文が残っていない
- 本文の言葉を写すだけで、短い言い換えがない
- 「なぜできないの?」という聞き方が増えている
- 読む量は多いが、説明する時間が少ない
読書を読解練習につなげるには、読んだ後の一言が大切
小学生の読解力を育てるうえで、文章を読む習慣を作り、さまざまなジャンルの文章に触れることは大切です。物語文では登場人物の気持ちや行動の理由を考え、説明文では筆者の主張や文章の要点をつかむなど、文章の種類によって異なる読み方を経験できます。
ただし、読む量だけを増やしても、すぐに読解問題が解けるようになるとは限りません。読書を読解練習につなげるには、読んだ後に「どの場面が大事だったか」「人物の気持ちはどの言葉から分かるか」「筆者は何を伝えたいのか」と質問し、本文の言葉を根拠に短く説明する時間を作ることが大切です。
読書の感想を自由に話すことも大切ですが、読解問題では、感想と本文から読み取れることを分けて考える必要があります。毎回長く説明させるのではなく、一つの場面や一文について話すだけでも構いません。
国語を苦手と感じている場合は、無理に難しい文章を読ませるより、取り組みやすい文章から始めることも大切です。家庭での学習の進め方については、国語を苦手と感じないための学習法も参考にしてください。
語彙力は覚えるだけでなく、本文の言い換えで使う
文章の内容を正しく読み取るには、語彙力も欠かせません。知らない言葉が多いと、前後の文から意味を推測する負担が大きくなります。読んでいる途中で何度も引っかかるため、内容理解にも時間がかかります。
語彙力を伸ばすには、知らない語句をそのままにしないことが大切です。辞書で意味を調べるだけでなく、短い例文を作ったり、似た意味の言葉に言い換えたりすると、文章の中でその言葉を理解しやすくなります。
たとえば、本文に「ためらう」という言葉が出てきたら、「すぐに行動できず、迷っていること」と短く説明してみます。そのうえで、登場人物が何をためらっているのか、本文のどの言葉から分かるのかを確認します。
このように、言葉の意味を知ることと、その言葉を使って本文を説明することを組み合わせると、語彙の学習を読解につなげやすくなります。
また、漢字の読み書きも読解力に関係します。漢字を見て意味が分かるようになると、文章を読むときの負担を減らしやすくなります。当塾の漢字演習道場でも、漢字の成り立ちや意味を確認しながら学習を進めています。
読むだけで終わらせず、設問に合わせて答える練習へつなげる
読解力を高めるには、文章を読むインプットと、読み取った内容を説明するアウトプットの両方が大切です。文章の内容が分かったつもりでも、設問に答えようとすると言葉が出てこないことがあります。
たとえば、登場人物の気持ちが何となく分かっていても、「なぜそのような気持ちになったのですか」と聞かれた場合には、その理由を本文から読み取る必要があります。
読解問題では、次の3つを意識してみましょう。
- 設問を確認する:理由、気持ち、内容、筆者の考えなど、何を聞かれているかを確かめる。
- 本文の根拠を探す:答えにつながる言葉や一文を見つける。
- 答えを整える:本文の意味を変えずに言い換え、設問に合う形で説明する。
特に記述問題では、本文の言葉をそのまま写すだけでは、設問に十分答えられない場合があります。反対に、自分の考えを自由に書きすぎると、本文から離れた感想になってしまいます。本文の根拠を残しながら、聞かれたことに答えることが大切です。
家庭では短い文章と1問から始め、本文を使って説明できるようになったら、少しずつ長い文章や複雑な設問にも取り組んでいきましょう。
当塾の読解演習道場では、さまざまな文章の問題演習を通して、問題を解くための考え方を養い、本文の根拠をもとに答える練習を重ねています。
中学受験を控えた小学6年生の読解学習
中学受験を間近に控えた小学6年生は、他の教科の学習時間も増え、国語に割く勉強時間が確保しにくくなることがあります。解説を読んでも内容が分からない、記述の直し方が分からない、選択肢の最後の二択で外しやすいといった不安も出やすい時期です。
中学受験の国語も、感覚だけで解くのではなく、本文の読み方、根拠の探し方、設問への答え方を身につけながら取り組む科目です。この時期は問題数を増やすだけでなく、どこで読み違えたのか、どの根拠を見落としたのか、設問に合う答えになっていたかを確認することが大切です。
たとえば、選択肢問題で二択まで絞れた場合は、それぞれの選択肢が本文のどの部分と一致しているかを比べます。記述問題では、模範解答を写すだけで終わらせず、自分の答案に足りなかった根拠や説明を確認します。
こうした受験国語への向き合い方については、読解ラボ東京の考える受験国語対策でも紹介しています。
受験に向けて問題演習と解法の学習を進めたい場合は、得点力養成講座も選択肢の一つです。自分で答えを見つける力や、文章に合わせて考える力を養い、授業で取り扱った内容はポータルサイトで復習できます。オンラインでの受講にも対応しており、通塾の移動時間を抑えながら学習を進められます。
まとめ|小学生の読解力は本文の根拠を説明する習慣から
小学生の読解力を伸ばすために大切なのは、文章をたくさん読むことだけではありません。本文のどこに書かれているかを確かめ、その意味を短く言い換え、聞かれたことに合わせて説明する習慣を作ることです。
読書や音読で文章に親しみ、語彙や漢字の知識を増やすことも、読解を支える大切な学習です。それらを本文の理解や説明につなげることで、読み方を少しずつ身につけていけます。
家庭では、最初から長い文章や難しい記述に取り組む必要はありません。「そう思ったのは本文のどこ?」「短く言うとどういうこと?」という声かけから始めてみましょう。本文を使って説明する経験を重ねることが、国語の読解問題や、その後の学習にもつながります。


