中学受験 国語「説明文」の解き方──読みながら解く手順と時間配分のコツ
【説明文】時間が足りない子は「主張→理由→具体例」を先に掴む
このページのタイトルにある「説明文」について補足します。説明文で時間が足りなくなる子は、読むのが遅いというよりも、
- どこが「言いたいこと(主張)」なのかがつかめず、読みながら迷ってしまう
- 具体例(エピソード)を丁寧に追いすぎて、要点回収が後手に回る
という形で「迷い時間」が増えていることが多いです。まずは、文章全体を「主張→理由→具体例」という骨組みでつかむ意識を持つと、設問に入ってから戻る場所が絞れ、時間が安定しやすくなります。
また、説明文の記述で頻出の「説明せよ(言い換え)」は、設問ごとに探し方の型があります。説明の出し方(イコール探し)の全体像は、中学受験国語|説明文の「説明せよ」はイコール探し(2手法)【全体像はこちら】で整理しています。
説明文の時短チェック:線を引く場所は5つだけ
速読を目指すより、戻る場所を決めるための印を残しておく方が、結果として早く・正確になります。
- 逆接(しかし/だが/ところが など)の後:筆者の方向転換が出やすい
- 結論っぽい言い方(つまり/要するに/大切なのは など):主張候補
- 対比(一方で/それに対して など):比較の軸が出やすい
- 指示語(これ/それ/この など):設問の「それは何?」の根っこ
- 段落の最後:要点が一文にまとまりやすい
この5つだけを意識して線や印を入れ、本文は「理解できる速さ」で読み切る。そうすると、抜き出しや理由説明で本文を行ったり来たりする回数が減って、時間が崩れにくくなります。
説明文の設問処理:迷ったら「何を聞かれているか」を先に固定する
説明文の設問で時間を使いすぎる原因は、「答えを作る」より先に「設問の要求」が固まっていないことです。迷ったら次の順で確認します。
- 問われているものは何か(理由/言い換え/具体例/対比/指示語の内容 など)
- 答えの形は何か(抜き出し/選択/記述)
- 本文のどこに根拠がありそうか(上の5つの印に戻る)
これだけでも「とりあえず本文を探し回る」動きが減り、既に本文で説明している「飛ばす/印で後回し/部分点」の判断がしやすくなります。
すぐ決める:国語(説明文)の時間配分と解く順番(1分)
結論:本文を無理に速く読むのではなく、設問処理で時間配分を整える(飛ばす・部分点を取りにいく)ことで、最後まで解き切る確率が上がります。
| 症状 | まずやること | 目安時間 | ねらい | 注意 |
|---|---|---|---|---|
| 二度読みが多い | 本文は最初に読み切る。スピードは「理解できる速さ」で固定する。 | 本文:一定 | 読み返し前提の読み方をやめ、後半の設問処理に余力を残す。 | 「速く読む」より「理解して読む」。 |
| 設問で止まる | 迷う問題は印をつけて後回し。まず全体を一周して空欄を減らす。 | 各設問:短く | 「一問に時間を吸われる」を防ぎ、得点機会を最大化する。 | 最後に戻る前提で印のルールを決める。 |
| 最後が間に合わない | 大問ごとに標準タイムを決め、超えそうなら「飛ばす」を即断する。 | 大問:配分固定 | 時間感覚(どこまでが自然か)を作り、本番で焦らない。 | 抜き出しは最も時間がかかるので優先的に判断する。 |
| ミスで点が落ちる | 漢字は1問10秒。記述は空欄にせず部分点を取りにいく。 | 漢字:10秒/問 | 「長考→失点」より「次で取り返す」発想に切り替える。 | 記述は文末確認→根拠に線→つなぐ。 |
読むときの優先順位(本文)
- 本文は最初に読み切る(読みながら全問を意識しない)。
- スピードは自分が理解できる速さで一定にする。
- 読み返しを前提にせず、設問処理で時間を調整する。
解くときの優先順位(設問)
- 標準タイム(大問ごとの目安)を持って、超えそうなら即調整する。
- 漢字は1問10秒で区切り、思い出せなければ先へ進む。
- 選択肢は候補に印をつけて後回し(一周後に精査)。
- 抜き出しで像が立たないときは飛ばす判断を優先する。
- 記述は「完璧」より部分点(文末→根拠→整える)を取りにいく。
注意(2つだけ)
- 重要箇所以外の二度読みを習慣にしない(理解できる速さで一回で通す)。
- 設問で粘りすぎない。迷ったら印をつけて飛ばす(あとで戻る)。
このあと本文で、心構え→原因→心構え3つ→読み方と時間配分→飛ばす・部分点→学年別の伸ばし方の順に確認できます。
動画で解説:国語のテストを受けるときの心構え
まずは動画で全体像をつかんでから、以下のポイントを文章で確認していただくと理解が深まります。
国語のテストで点が安定しない原因とは?
国語のテストで点数が安定しない背景には、次のような原因が重なっていることが多いです。
- 「その場しのぎ」で問題に向かっており、日頃の学習と本番の意識がつながっていない
- 本文の読み方や、問題を解く順番・時間配分の型が決まっていない
- 抜き出し・漢字・選択肢などで、ケアレスミスが多発している
- 学年ごとに必要な「国語の土台作り」が不十分なまま、応用問題に取り組んでいる
「正直、勝負はテスト前からすでに決まっていると思います。」
テストは、あくまでも「普段の学習成果がどれだけ発揮できるか」を確認する場です。入試本番は別にしても、マンスリー・組分け・模試においては、
- 今の自分の実力でどこまでできるかを知る
- 自分の穴(弱点)を見つけて、次の学習につなげる
という意味が非常に大きくなります。
テスト本番で意識したい3つの心構え
① 「気持ちの記述」は日頃から意識しておく
SAPIXのマンスリーや組分けテストなど、多くの模試で頻出なのが「気持ちの記述」です。物語文で理由を問う記述では、最後が「気持ち」で終わるケースが多くなります。
例:
「なぜ泣いたのですか?」
→「うれしかったという気持ちから泣いた」
→「悲しい出来事があったために悲しい気持ちで泣いた」
このように、物語の記述で理由を問われたら、
- 最後は「〜という気持ちだから」でまとめる
という意識が大切です。これは、テスト本番で急につくものではありません。
日頃の学習の段階から「気持ちで締める」ことを意識しておくべきだと思います。
模試は、
- 無理に点数だけを追いかける場ではなく、
- 「また気持ちを書けなかったな」という修正点を発見し、改善していくための場
と考えることが重要です。
② スピードは「自分が理解できる速さ」で
国語のテストは時間との勝負になりがちですが、大切なのは
- 自分が理解できるスピードで読むこと
です。「速く読まなきゃ」とスピードだけを意識してしまうと、
- 内容が頭に入らず、
- 設問を読むときに、該当箇所を何度も読み直す
という、かえって非効率な状態に陥りやすくなります。
国語のテストで時間を短縮するコツは、
- 本文を無理に速く読むことではなく、設問の解き方で時間を調整すること
にあります。本文は「理解できる速さ」で読み、そのうえで後述する「飛ばす」「部分点を狙う」などの戦略で時間配分を整えていきましょう。
③ 模試は「穴を見つけて埋める」ための場ととらえる
模試の目的は、
- 今の自分の実力を正しく知ること
- どこができていないのか、どこを直せばいいのかを把握すること
にあります。
そのため、
- 「今回は自然体で受けてみて、何ができなかったかを確認する」
- 「できなかった部分を一つずつ克服していく」
という発想で臨むことが、最終的な得点力のアップにつながります。
問題の読み方・解く順番・時間配分の基本
① 本文は「最初に読み切ってから」解き始める
国語の長文問題には、以下のような読み方のパターンがあります。
- 本文を読みながら、同時に設問も解いていく
- 本文を最後まで読み切ってから、設問に取りかかる
- 先に設問を読んでから、本文を読む
「基本的には、最初に全部読んでから問題を解いていきましょう」とお話しをします。
その理由は、
- 答えが本文の後ろの方にある問題も多く、読みながら解こうとすると対応できない場面が出る
- 一つの文章に対して、問いが10問前後あることが一般的で、すべての設問を意識しながら読むのは現実的に難しい
からです。
基本方針としては、
- まずは本文を読み切ることに集中する
- 作業的な確認(例:漢字の大問があるかどうかをざっとチェックしておく)程度なら、事前に行ってもよい
という形がおすすめです。
② 大問ごとの「標準タイム」を自分なりに決める
たとえば、SAPIXのマンスリーテストでは、
- 物語文の方が長く、
- その傾向は毎回大きく変わるわけではない
という特徴があります。
「毎回物語の段階で30分経っているのが自然かな、とか、残りの時間で説明文をやって間に合うのであれば、それが標準タイムという事になります。」
このように、
- 「物語文に○分、説明文に○分」など、大問ごとの目安時間(標準タイム)を自分なりに決めておく
- 模試を何度か受けながら、その配分が自分に合っているかを調整する
ことが大切です。
こうした時間感覚を身につけておくと、
- 入試直前の過去問演習
- 本番の入試
でも、落ち着いて時間配分をコントロールできる力につながっていきます。
③ 分からない問題は一旦「飛ばす」勇気を持つ
【漢字】1問10秒を目安にする
漢字1問にかけてよい時間の目安は、
- 1問あたり約10秒
です。漢字は、
- 長く考えても分からないことが多い
- 「勉強したのに一瞬出てこない」だけなら、後からふと閃くこともある
ため、
- 思い出せない・分からないと感じたら、長考せずにすぐ次へ進む
- 後半で時間が余ったら、もう一度見直す
というスタンスが有効です。
【選択肢】候補に印をつけて後で精査する
選択肢問題でも、少し考えても決めきれないときは、
- 可能性のある番号に印をつけておき、
- 一通り解き終わってから改めて精査する
という流れを徹底しましょう。最後に見直すことを忘れないよう、印をつける位置やルールを自分なりに決めておくと安心です。
【抜き出し】最も時間がかかる問題は「飛ばす」判断が重要
国語の問題の中で、最も時間がかかりやすいのが抜き出し問題です。
- 設問を読み、答えのイメージを持つ
- 本文の中から該当箇所を探す
- 字数制限・文末表現を意識しながら、適切な箇所を選ぶ
という手順を踏む必要があり、意外に時間を消費します。
このため、
- 答えのイメージがパッと浮かばない抜き出し問題は、いったん飛ばす
- 本文全体を読み切っていれば、読み返さなくても解ける問題が後半にある場合も少なくない
ということを意識しておきましょう。
1問に時間をかけて空欄を作るよりも、全ての問題にいったん答えを書いた方が、最終的な正答率は上がることが多い
この「飛ばす勇気」が、全体としての得点力を上げるカギになります。
④ 記述問題は「部分点」を狙いにいく
記述問題には、他の問題にはない「部分点」が存在します。完全解答を目指すことも大切ですが、現実的な戦略としては、
- 部分点を積み上げていく意識
が非常に重要です。
具体的な手順としては、
- まず、記述の文末が何になるのかを確認し、メモするか印をつける
- 本文の中から、答えの根拠になりそうな部分に線を引く
- 線を引いた部分をつなげ、指定された文末になるように整える
たとえ字数が少々足りなくても、
- 答えの核心に少しでも触れられていれば、部分点がもらえる可能性が高い
記述問題の1問で取れる部分点は、他の小問1つ分に相当することも多くあります。完全解答を目指しつつも、
- 「分からないから空欄」のままにしない
- 書けるところまで書いて、部分点を取りにいく
という姿勢が大切です。
⑤ ケアレスミスとの付き合い方を決めておく
国語におけるケアレスミスとしては、
- 抜き出し問題で、本文と同じ表記で書かなかった(カタカナ→ひらがな、ひらがな→漢字 など)
- 誤字・脱字・送り仮名のミス
といったものがあります。
これらはもちろん減らしていきたいところですが、
「正直、ケアレスミスを完全になくすのは難しい。もしかしたら年齢と共に修正されていくものという気はします。」
という側面もあります。実際、大学入試レベルでは、こうした指導を細かく行うことはほとんどありません。
そこで中学受験の段階では、発想を切り替えて、
「もし10点分ケアレスミスをするのであれば、その10点を失うことは受け入れて、別のところで10点上乗せできる子になろう」
という提案をすることがあります。
具体的には、
- 普通の受験生なら「捨て問」と考えるような、難しい記述問題にも果敢にアタックする
- ケアレスミスで失った点を、難問で取り返せる受験生を目指す
というスタンスです。もちろんミスを減らす努力は必要ですが、「0か100か」ではなく、全体の得点でプラスを作る考え方を持っておきましょう。
学年別:国語の得点力を上げるための勉強のポイント
テスト本番での解き方だけでなく、学年に応じた日頃の学習が、国語の得点力を左右します。
4年生:読解力の土台をつくる1年
4年生は、中学受験の勉強が本格的にスタートする時期です。この1年は、受験に向けた土台作りの期間ととらえましょう。
- 漢字学習をコツコツ積み上げる
→ 受験生は、4年生のうちに5年生で習う漢字をすべて覚えてしまうのが理想です。 - 活字に毎日触れる習慣をつくる
→ 新聞・本などを通じて、毎日活字に触れることが、国語への抵抗感を下げます。 - 毎日3,000字程度の文章を読む
→ 長めの文章に慣れ、「概要をつかむ」「文章を客観的にとらえる」感覚を身につけていきましょう。
4年生のうちに、漢字と読解力の基礎固めをしておくことで、5年生以降の伸びが大きく変わります。
5年生:他教科が忙しくても国語を止めない
5年生になると、算数など他の科目の難易度が一気に上がり、勉強時間の多くを割かざるを得なくなります。しかし、だからといって国語の学習を止めてしまうのは危険です。
- 小学校で習う全ての漢字を5年生のうちに
→ 5年生のうちに小学校で習う漢字、6年生までに習う全ての漢字を覚えることを目標にしましょう。 - 記述問題に積極的に取り組む
→ 抜き出しだけでなく、自分の言葉で要点をまとめる記述も増えてきます。文章を読んで、必要な言葉や要点を正しい日本語で表現する力を鍛えましょう。
他教科に時間を取られがちな時期だからこそ、「毎日少しでも国語に触れる」ことを意識することが大切です。
6年生:幅広い文章と時事問題への対応力をつける
6年生では、
- 幅広いジャンルの文章に触れること
- 比喩表現や詩などを、文章全体を通して理解すること
が求められます。
夏を過ぎるといよいよ過去問対策が本格的に始まります。志望校の過去問を通じて、
- 文章量・出題形式・時間配分の感覚
- 記述・選択・抜き出しなど、設問形式ごとの対処法
を確認し、安定した得点力を身につけていきましょう。
また、6年生の記述問題では、時事問題がテーマになることも少なくありません。
- ニュース番組を見る
- 新聞を読む
- 時事問題集に取り組む
などを通じて、社会の流れを把握しておくことが大切です。
まとめ:国語のテストは「時間配分」と「日々の積み重ね」がカギ
- 国語のテストは、時間配分が合否を左右する重要なポイント。
- 本文は最初に読み切り、問題は飛ばす・戻るを上手に使いながら全問にいったん答えることを目指す。
- 漢字は1問10秒を目安に長考しすぎない。選択肢は候補に印をつけ、最後に精査する。
- 抜き出し問題は時間がかかるため、イメージが浮かばないものは一旦飛ばす判断が大切。
- 記述問題は、部分点を積み上げる意識を持ち、「空欄をなくす」ことを大事にする。
- ケアレスミスは完全にはなくせない前提で、難しめの問題にチャレンジして点を上乗せする戦略を取り入れる。
- 4年生は漢字と読解の土台作り、5年生は国語を止めないこと、6年生は幅広い文章・時事への対応力を意識する。
国語は、勉強してすぐに成績が急上昇する科目ではありません。しかし、毎日の学習とテスト本番の解き方を結びつけていくことで、着実に点数は安定していきます。
まずは、全問解き切り、そのあとで空欄を減らしていくことを目標にしながら、日々の演習で時間配分や解き方を身につけていきましょう。
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