国語の偏差値を上げる方法|語彙・読解・解き方で伸ばす
中学受験の国語で偏差値を上げたいとき、問題量を増やすだけでは成果につながりにくいことがあります。語彙や読解の土台、選択問題・記述問題の答え方、時間配分など、どこで点を落としているのかを分けて見直すことが大切です。
このページでは、中学受験を目指す小学生とその保護者に向けて、国語の偏差値を上げるために確認したい学習ポイントを紹介します。読書はしているのに点数が伸びない、選択肢で迷う、記述が空欄になりやすい、時間内に解き終わらないといった悩みについて、家庭での見直し方も説明します。
なお、語彙や文法、本文を根拠に答える考え方は、中学生の国語学習にも共通する内容です。
国語の偏差値が上がらない原因を先に確認する
国語の偏差値を上げるには、まず「どこで点を落としているのか」を見ることが大切です。同じ点数でも、語彙でつまずいているのか、本文は読めているのに設問で外しているのか、時間配分が合っていないのかによって、家庭で取り組む内容は変わります。
次のような項目に当てはまるものがないか、テストや家庭学習の答案を見ながらチェックしてみましょう。
原因を分けずに問題量だけを増やすと、同じ間違いを繰り返してしまうことがあります。まずは答案を見て、語彙、読解、選択問題、記述、時間配分のどこに課題があるのかを分けて考えましょう。
国語は「センス」や「読書量」だけで決まる科目ではありません。偏差値アップを目指すには、次の3つの要素を意識して学習することが大切です。
- 語彙力(ことばの力)
- 文法・論理(読解の土台)
- テスト本番での解き方・時間の使い方

こうした要素を一つずつ見直すことで、得点につながる学習を進めやすくなります。本文を読めているつもりでも、設問の条件や選択肢の根拠を正しくつかめていないことがあるため、正解数だけでなく、答えを選んだ過程まで振り返りましょう。
偏差値帯別に見直したい国語学習のポイント
国語の学習では、現在の偏差値帯によって優先したい内容が変わります。偏差値だけで判断する必要はありませんが、家庭学習の優先順位を考えるときの目安として確認してみてください。
どの偏差値帯でも共通して大切なのは、「なぜ正解したのか」「なぜ間違えたのか」を説明できるようにすることです。点数だけを見て一喜一憂するのではなく、答案の中身から次に取り組む課題を決めていきましょう。
学年によっても、意識したい内容は少し変わります。小4では語彙や音読、文章内容の理解を大切にし、小5では設問条件、選択肢、記述の基礎を意識します。小6では、過去問や実戦形式の演習を通して、時間配分や答案の精度を高めていくことが重要です。
国語力の土台をつくる:語彙力と文法

語彙力を向上させるための学習方法
文章を読んでいて、分からない漢字や言葉が出てきたときに、そのままにしていませんか?
漢字や言葉の意味が分かっていれば、文章の内容を理解しやすくなります。一方、意味があいまいな言葉を前後から「なんとなく」推測するだけで終わらせると、読解の精度が上がらず、選択問題や記述問題で判断に迷う原因になることがあります。
中学受験本番では、一つひとつの言葉の意味を考えるために多くの時間を使うことはできません。日々の学習で、分からない言葉や読めない漢字を確認しておきましょう。
語彙力は一気に増えるものではなく、地道な積み重ねが必要です。家庭では、次のような方法で学習するとよいでしょう。
- 単語帳やノートを作り、つまずいた語・あいまいな語を集める
- ただひたすら書くのではなく、「パッと見て声に出して意味を言える」状態を目指す
- 通学時間やスキマ時間を活用し、短時間で繰り返しチェックする
語彙ノートを作る場合は、ただ言葉を書き写すだけでなく、次のように「次に使える形」で残しておくと復習しやすくなります。
- 読めなかった漢字
- 意味を説明できなかった語
- 本文中で大事だった語
- 似た意味の言葉や反対の意味の言葉
- 短い例文
言葉の意味を覚えるだけでなく、「どの場面で使われていたか」「本文の内容理解にどう関係していたか」まで確認すると、読解問題でも活用しやすくなります。
語彙は漢字問題だけでなく、物語文の心情理解や説明文の要旨把握にも関わります。短時間で何度も見返し、言葉の意味を自分で説明できる状態を目指しましょう。
文法をマスターして読解力を高める
中学入試で国語の偏差値を上げるには、語彙力に加えて、読解力を向上させることが欠かせません。
もちろん、たくさんの文章に触れることは大切です。しかし、文章量を増やすだけでは読解力の向上につながりにくいこともあります。
特に意識したいのは、次の3点です。
- 主語・述語の関係を正しくつかむ
- 指示語(これ・それ・あれ・どれ等)が何を指しているかをはっきりさせる
- 接続語(しかし・だから・ところが等)で文と文の関係を意識する
これらを意識することで、難しい文章でも筋道を追い、本文を根拠に答えを考えやすくなります。
家庭学習では、問題を解いたあとに次のようなチェックを入れると、読解の土台を固めやすくなります。
- 一文が長い文章では、まず述語を見つけて「何がどうしたのか」を確認する
- 「それ」「このこと」などの指示語が出てきたら、何を指すのか本文に線を引く
- 「しかし」の後には、前の内容との対比や筆者の大事な考えがないか押さえる
- 「つまり」の後には、前の内容をまとめた表現がないか押さえる
こうしたチェックを続けることで、文章をなんとなく読むのではなく、文と文の関係を追いながら読む習慣がつきます。
主語・述語や品詞など、文法が読解にどう関わるのかを詳しく確認したい場合は、国語の文法を学ぶ意味と読解へのつながりも参考にしてください。
入試本番で得点力を上げる解き方のポイント
選択問題を取りきる力をつける
特に選択問題が多く出題される難関校では、次のような問題が出されることがあります。
- 一見どれも正しそうに見える紛らわしい選択肢が多い
- 大まかな消去法だけでは判断しにくく、本文の根拠と細かく照らし合わせる必要がある問題もある
なんとなくで選ぶのではなく、「なぜその選択肢を選んだのか」を、本文の根拠とともに説明できる状態を目指しましょう。
本文のどの部分が根拠なのか、線を引きながら解いたり、あとで説明できるようにしたりすると、答えの判断を見直しやすくなります。
選択肢を見る前に、本文中の根拠を先に確認する意識も大切です。選択肢の表現に引っ張られず、本文に書かれている内容から答えを選ぶ練習を積みましょう。
選択問題では、選択肢全体を一度に判断しようとすると、答えを選びにくくなることがあります。次のような観点で、本文と選択肢を細かく照らし合わせましょう。
- 本文に書かれていない内容が混ざっていないか
- 前半は正しくても、後半の理由や心情がずれていないか
- 「必ず」「すべて」「まったく」など、強すぎる表現になっていないか
- 登場人物の気持ちと、その理由が本文の流れに合っているか
二択まで絞ってから間違える場合は、選択肢の一部だけを見て判断していることがあります。正しそうな言葉に引っ張られず、選択肢の前半と後半を分けて、本文の根拠と合っているか確認しましょう。
物語文の選択肢で二択まで絞ったあとに判断に時間がかかる場合は、物語文の選択問題で根拠を見つける考え方も確認してみてください。
自分が問題を解くスピードを理解する
国語では、次のようなことが起こりがちです。
- 長文を読むのに時間がかかり、見直しができない
- そもそも最後の問題まで解き終わらない
家庭学習や過去問演習では、時間を計りながら解く練習も取り入れましょう。
- 時間を意識せずゆっくり解いた場合の正答率
- 本番と同じ制限時間を意識して解いた場合の正答率
この2つを比べることで、「時間内でどれだけ得点できるか」を把握しやすくなります。
また、時間を計るときは、全体の制限時間だけでなく、どこに時間がかかったのかも振り返りましょう。本文を読む時間が長いのか、選択肢で迷う時間が長いのか、記述を書くところで時間がかかっているのかによって、改善すべきポイントは変わります。
目標は、制限時間内に解き切り、見直しまで終えられるペースに慣れていくことです。
読むのに時間がかかる、最後の設問までたどり着けないという場合は、国語の問題を時間内に解くための読み方と練習方法もあわせて確認すると、課題を分けやすくなります。
もったいないミスを減らす
国語では、内容理解ができていても、次のようなもったいないミスが起きがちです。
- 漢字の書き間違い・とめ・はね・はらいの不備
- 記述の文末が、設問で指定された形になっていない
- 抜き出し問題で、一文字多い・一文字足りない
特に、集中力が切れていたり、いつもと違う環境で問題を解いたりすると、こうしたミスは増えることがあります。
もったいないミスを減らすには、日々の学習から確認する習慣をつけることが大切です。
- 解き終わったら、設問条件(〜こと。/〜から。)と字数・抜き出し範囲を確認する
- ミスをしたら、ノートに「ミスの種類」を具体的にメモし、同じ間違いを繰り返していないか確認する
こうした習慣を日頃から身につけておくことが、入試本番での取りこぼしを減らすことにつながります。
記述は本文の根拠を押さえて空欄を減らす
中学受験の記述問題では、満点の答案を書くことが難しい場合もあります。一方、学校や問題の採点基準によっては、解答に必要な要素が一部含まれていることで部分点が認められる場合があります。
ただし、字数が不足していても必ず加点されるわけではなく、日本語表現や設問条件の満たし方によって評価が変わることもあります。
そのため、単に何かを書くのではなく、本文の根拠を確認し、設問で聞かれている内容に沿って答えることが大切です。
記述問題では、理由を聞かれているのか、気持ちを聞かれているのか、内容を説明する問題なのかによって、入れるべき要素が変わります。
- 理由を聞かれたら、きっかけや原因を本文から探す
- 心情を聞かれたら、気持ちだけでなく、その気持ちになった理由も添える
- 説明文では、本文中の大事なキーワードを使って答える
- 字数が足りない場合は、設問に必要な理由や具体的な内容が不足していないか確認する
たとえば、登場人物の気持ちに関する理由を聞かれた問題では、設問に応じて「どのようなできごとがあり、その結果どう感じたのか」まで確認します。心情を聞かれた問題でも、「悲しい」「うれしい」などの気持ちだけで終わらせず、なぜそう感じたのかを本文の内容と結び付けて書きましょう。
説明文の記述では、自分の言葉だけでまとめようとするよりも、本文中のキーワードを使うことが大切です。筆者の主張、理由、具体例の関係を見ながら、設問に合う形で短くまとめる練習をしましょう。
最初から満点の答案を目指す必要はありません。まずは本文中の根拠を使って、短くてもよいので設問に答える練習を積み重ね、空欄を減らしていきましょう。
問題を解いたあとには、次のような振り返りを行いましょう。
- 解説を読み、どこまで合っていたのか・どこでずれていたのかを確認する
- 先生に質問し、なぜ答えまでたどり着けなかったのかを言葉にする
中学受験では、1点・2点が合否を分けることもあります。空欄を減らすことを意識しながら、本文の根拠と設問条件に合う答案を書く力を少しずつ高めていきましょう。
記述問題で何を書けばよいか判断しにくい場合は、国語の記述問題で答え方を確認する方法を確認してみてください。
また、解説を読んでも自分の答案のどこがずれているのか分かりにくい場合は、記述答案を組み立てるときの考え方を見直すと、復習のポイントがつかみやすくなります。
家庭学習で実践したい国語の復習方法
国語の偏差値を上げるためには、問題を解いて丸付けをするだけで終わらせず、間違えた原因を確認することが大切です。
家庭学習では、語彙、読解、選択問題、記述、時間配分のうち、同じ種類のミスを繰り返しているところがないか確認しましょう。毎回すべてを完璧に直そうとするのではなく、優先して見直す課題を一つずつ決めることが大切です。
復習するときは、次の順番で見返すと課題をつかみやすくなります。
- 本文中のどこを根拠にすべきだったか確認する
- 設問で何を聞かれていたかを確認する
- 自分の答えが、本文や設問条件とどこでずれていたか確認する
- 次に同じ形式の問題が出たときの解き方を一言でメモする
たとえば、選択問題で間違えた場合は、正解の選択肢だけを見るのではなく、自分が選んだ選択肢のどこが本文と合っていなかったのかを確認します。
記述問題で点が取れなかった場合は、本文中のキーワード、理由、心情、文末表現のうち、何が不足していたのかを見直しましょう。
語彙や漢字が課題なら、意味を説明できなかった言葉をノートに残して繰り返し確認します。読解でつまずいている場合は、主語述語、指示語、接続語を押さえ、文章の流れを説明できるか確認しましょう。時間配分が課題なら、どの段階に時間がかかったのかを記録しておくことが役立ちます。
復習の目的は、同じ問題の答えを覚えることではなく、次に似た問題が出たときに自分で判断できるようにすることです。「なぜ間違えたのか」「次はどう解くのか」を具体的にすることが、家庭学習を得点力の向上につなげるポイントです。
国語の偏差値アップに関するよくある質問
国語の偏差値は短期間で上がりますか?
語彙力や読解力の土台は、短期間で一気に身につくものではありません。一方で、設問条件の確認、抜き出しミスの見直し、時間配分、記述の空欄対策などは、比較的早く変化が見えやすい場合があります。まずは答案を見て、早く直せる部分と、積み重ねが必要な部分を分けて考えることが大切です。
読書をしているのに国語の成績が上がらないのはなぜですか?
読書量があることは大切ですが、読書と入試問題を解く力は同じではありません。中学受験の国語では、設問で何を聞かれているか、本文のどこを根拠にするか、選択肢をどう比べるかを練習する必要があります。読んで分かる力に加えて、答え方の練習も必要です。
国語の課題別に、次に確認したいページ
ここまで読んで、特に気になる課題がある場合は、次に確認するページを絞ると学習を見直しやすくなります。お子さまの状況に近い項目から確認してみてください。
家庭学習だけで原因が見えにくい場合は
語彙、読解、選択肢、記述、時間配分のどこでつまずいているかは、答案を見ないと判断しにくいことがあります。特に、本文は読めているのに選択肢で外す、記述の内容が解答例とずれる、時間内に解き終わらないという場合は、解き方の確認が必要です。
次のような状態が続く場合は、家庭学習だけで原因を見つけるのが難しいことがあります。
- 本文の内容は分かっているように見えるのに、選択肢で外すことが多い
- 記述の答えを書いても、解答例と内容がずれやすい
- 家庭で復習しても、同じ種類の間違いを繰り返している
- 時間内に解き終わらない原因が、読む速さなのか解き方なのか分かりにくい
- 保護者が解説しても、本人が納得しにくい
オンラインで国語の学習を個別に見直したい場合は、中学受験国語オンライン個別指導をご覧ください。対面で直接答案を見ながら1対1の指導を検討したい場合は、中学受験国語の1対1個別指導も確認できます。
読解ラボ全体の講座やサービスをまず確認したい場合は、読解ラボのトップページからご覧いただけます。
まとめ:日々の積み重ねで国語の偏差値をアップさせよう
- 国語の偏差値を上げるには、まずどこで点を落としているのかを確認する。
- 語彙力は、分からない漢字や言葉をそのままにせず、単語帳やスキマ時間を活用して少しずつ増やす。
- 読解力を高めるには、主語述語・指示語・接続語を意識し、文章の関係を正しくつかむ。
- 選択問題では、「なぜその選択肢なのか」を本文の根拠とともに説明できるようにする。
- 自分の解くスピードを把握し、時間内に解き切り、見直しまで終えられるペースを身につける。
- もったいないミスを減らすために、設問条件・字数・表記を確認する習慣をつける。
- 記述問題は、本文の根拠と設問条件に沿って答え、空欄を減らすことから始める。
- 復習では、本文の根拠、設問条件、自分の答えのずれを確認し、次の解き方につなげる。
中学受験の国語の偏差値アップに「近道」はありませんが、お子さまがつまずいている原因に合わせて学習を見直し、日々の積み重ねを続けることで、得点力の向上を目指せます。
まずは直近の答案から、優先して改善したい課題を一つ見つけてみましょう。小さな見直しを積み重ねながら、志望校合格に向けて国語の力を育てていくことが大切です。


