小論文の書き方をマスターするためにまずは基本的な型を学ぼう

小論文の序論・本論・結論とは|何を書くかと割合を例文で確認する

小論文で最初に決めるのは、きれいな表現ではなく「何について、どちらの立場で、なぜそう考えるか」です。

小論文は、序論・本論・結論の3つに分けて考えると、文章を組み立てやすくなります。

  • 序論:テーマに対する自分の立場を短く示す
  • 本論:理由・根拠・具体例を入れて説明する
  • 結論(まとめ):新しい話を足さず、主張をもう一度はっきり示す

ただし、この3つの役割を覚えただけでは、実際の答案がうまく書けるとは限りません。序論が長くなる、本論の説得力が弱い、結論が単なる繰り返しになるといった問題も起こります。この記事では、基本的な構成に加え、弱い例と直し例を比較しながら、自分の答案のどこを確認すればよいかまで説明します。

「小論文で何を書けばよいか分からない」「書き始めると話が広がりすぎる」「具体例を入れたつもりでも説得力が弱い」。このような悩みがある場合は、文章の表現だけでなく、序論・本論・結論の役割を整理することが大切です。

まずは各部分の割合と短い例文を確認し、その後で、書き出し・理由と具体例のつながり・反対意見の扱い方を見ていきます。最後には、自分で書いた答案を見直すための確認項目も紹介します。

小論文の構成|序論・本論・結論の割合

小論文は、序論・本論・結論の3つで組み立てると読みやすくなります。ここでいう結論は、文章の最後に置く「まとめ」の部分です。

600字から800字程度の小論文であれば、次のような配分を目安にすると、本論が薄くなりにくくなります。

  1. 序論【全体の10~20%】 テーマに対する自分の立場を示します。ここで長く説明しすぎると、本論で理由を書く余裕がなくなります。
  2. 本論【全体の60~80%】 自分の考えを支える理由、具体例、資料の読み取り、反対の考えへの応答を書きます。小論文で最も厚くしたい部分です。
  3. 結論(まとめ)【全体の10~20%】 本論で述べた内容を受けて、自分の主張をもう一度示します。ここで新しい理由や別の話題を足さないことが重要です。

割合だけでは実際の文字数をイメージしにくいため、600字・800字の答案に置き換えてみましょう。

600字・800字の小論文の配分例

構成 割合 600字の場合 800字の場合
序論 15% 90字 120字
本論 70% 420字 560字
結論 15% 90字 120字

これは序論15%・本論70%・結論15%とした一例です。実際には、設問の条件や資料の有無によって必要な説明量が変わります。割合を厳密に守ることよりも、本論で理由や具体例を十分に説明できる配分にすることが大切です。

次の例文では、学校でのスマートフォン使用をテーマに、3つの部分を書き分けています。まずは、それぞれがどのような役割を果たしているかを確認してください。

序論・本論・結論の書き分け例

序論:私は、学校でのスマートフォン使用は、休み時間と緊急時に限って認めるべきだと考える。

本論:理由は、連絡手段としての利点がある一方で、授業中に自由に使えると集中を妨げるおそれがあるからだ。たとえば、災害時には家族との連絡や交通情報の確認に役立つ。しかし、授業中に通知が鳴ったり、学習と関係のない画面を見たりすれば、本人だけでなく周囲にも影響が出る。

結論:したがって、学校でのスマートフォン使用は全面的に認めるのではなく、時間と場面を限って認めることが望ましい。

この例文は、3つの部分の役割を確認するために短くしたものです。600字・800字の答案では、本論に理由や具体例の説明を加え、主張とのつながりをさらに明確にしていきます。

構成を理解したら、次はそれぞれの部分で起こりやすい問題を確認しましょう。

序論|論点を確認して自分の立場を示す

序論を書く前に確認したいのは、「何について答えるのか」です。

たとえば、「学校でスマートフォンの使用を認めるべきか」というテーマなのに、「スマートフォンは便利だ」という話だけで終わると、問いへの答えが弱くなります。

テーマが求めているのは、便利かどうかだけではありません。「学校で」「使用を認めるべきか」という条件に対して、自分の立場を示す必要があります。

小論文を書き始める前に、次の4点を整理しておくと文章がまとまりやすくなります。

  • 何について答えるのか
  • 賛成なのか、反対なのか、条件付きで認めるのか
  • その理由は何か
  • 具体例として何を出せるか

この4点は、序論にすべて書くための項目ではありません。序論では自分の立場を中心に示し、理由や具体例は主に本論で説明します。

完全な賛成・完全な反対だけでなく、「条件付きで賛成」「一部は認めるが制限が必要」といった立場がテーマに合う場合もあります。

弱い例:
スマートフォンは便利なので、学校でも使えるようにしたほうがよいと思います。調べものもできるし、連絡もできるからです。これからの時代には必要だと思います。

直し例:
私は、授業中以外の時間に限って、学校でスマートフォンの使用を認めるべきだと考えます。

直し例では、「認めるべきか」という問いに対して立場をぼかさず、使用を認める条件まで示しています。理由を長く並べる前に、まず何を主張するのかが伝わる書き出しになっています。

序論が長くなってしまう場合は、書き出しに理由や具体例を詰め込みすぎていないか確認しましょう。便利さ、危険性、校則、家庭での使い方など、関連する話題をすべて序論に入れる必要はありません。

自分の序論を確認するポイント

  • 設問で問われていることに直接答えているか
  • 自分の立場が一文で分かるか
  • テーマに含まれる条件を見落としていないか
  • 本論で説明すべき理由や具体例まで書きすぎていないか

序論を読み返しても自分の立場がはっきりしない場合は、文章を長くする前に、設問のどの部分に答えるのかを整理し直してみてください。

本論|理由・根拠・具体例で主張を支える

本論では、序論で示した自分の立場について、読み手が納得できる理由を説明します。自分の感想だけで書くのではなく、理由や具体的な場面を示すことが必要です。

「私はそう思う」「便利だから」と述べるだけでは、なぜその結論になるのかが十分に伝わりません。

重要なのは、理由と具体例を並べるだけでなく、具体例がどの理由を支えているのかを分かるようにすることです。

学校でのスマートフォン使用を例に、主張・理由・具体例の関係を整理してみましょう。

主張・理由・具体例のつながり

主張:
学校でのスマートフォン使用は、休み時間や緊急時に限って認めるべきだ。

理由:
緊急時の連絡手段として役立つ一方で、授業中の自由な使用は学習への集中を妨げるおそれがあるからだ。

具体例:
災害時には家族との連絡や交通情報の確認に使える。しかし、授業中に通知が鳴ったり、学習と関係のない画面を見たりすれば、本人だけでなく周囲にも影響が出る。

主張とのつながり:
緊急時の利点を残しながら学習への影響を抑えるためには、使用できる時間や場面を限定することが必要だ。

このように整理すると、具体例が単なる出来事の紹介ではなく、自分の主張を支える説明として働いていることが分かります。

反対に、スマートフォンの便利な機能をいくつも紹介しても、それが「学校での使用を認めるべきか」という問いにつながっていなければ、本論の説得力は十分に高まりません。

資料が示されている小論文では、資料の数字や説明をそのまま写すのではなく、自分の主張とどう関係するのかを示します。資料を使う目的は、知識を並べることではなく、自分の考えを支えることです。

自分の本論を確認するポイント

  • 序論で示した主張を支える理由になっているか
  • 理由を説明する具体例が入っているか
  • 具体例を読めば、理由の意味が分かるか
  • 具体例を紹介するだけで終わらず、主張との関係を説明しているか
  • 資料を使う場合は、設問の条件に沿って読み取れているか

本論が短くなってしまう場合は、理由の数を増やす前に、すでに書いた理由を具体例で十分に説明できているか確認しましょう。

反対意見に触れるときは自分の主張へ戻す

小論文では、反対の考えに触れると説得力が増す場合があります。

ただし、反対の考えを長く書きすぎると、自分の主張が分かりにくくなります。反対意見は短く取り上げ、そのうえで自分の考えに戻すことが大切です。

反対の考えを入れる例:

たしかに、学校でスマートフォンを認めると、授業中に学習と関係のない使い方をする生徒が出る可能性があります。しかし、その問題は全面禁止でしか解決できないわけではありません。使用できる時間と場所を限り、授業中は預けるなどのルールを設ければ、安全面での利点を残しながら、学習への影響を抑えることができます。

この例では、「たしかに」で反対の考えを認めたあと、「しかし」で自分の主張に戻しています。

反対意見を書く目的は、反対する人の考えを詳しく紹介することではありません。反対の考えを踏まえても、なぜ自分の主張が成り立つのかを説明することです。

ただし、すべての小論文で反対意見を書く必要があるわけではありません。字数や設問条件に応じて、理由や具体例の説明を優先する場合もあります。

反対意見の書き方をもう少し詳しく確認したい場合

「たしかに」「しかし」を使っても、反対意見への答え方がうまくまとまらないことがあります。反対意見をどこまで認め、どのように自分の主張へ戻せばよいかを考えたい場合は、小論文の反論の書き方も参考にしてください。

結論(まとめ)|新しい話題を足さずに主張を示す

結論では、新しい話題を足さず、本論で述べた内容を受けて自分の意見を示します。

たとえば、本論で「災害時の連絡」と「授業中の集中」を扱ったなら、結論でもその内容を受けて書きます。

結論の例:

以上のことから、学校でのスマートフォン使用は、全面的に禁止するのではなく、休み時間や緊急時などに限って認めるべきだと考えます。安全面での利点を活かしつつ、授業中の使用を制限することで、学習環境への影響も抑えられます。

この結論では、序論で示した立場に戻り、本論で説明した安全面と学習面の両方を簡潔にまとめています。

結論は長く書く必要はありません。自分の立場、理由の要点、テーマへの答えが入っていれば十分です。

一方で、序論と同じ一文を繰り返すだけでは、本論で何を説明したのかが伝わりにくくなる場合があります。本論で示した理由を踏まえて主張を言い直すと、文章全体のまとまりが生まれます。

自分の結論を確認するポイント

  • 序論で示した立場と矛盾していないか
  • 本論で説明した理由を踏まえているか
  • 最後になって新しい理由や話題を追加していないか
  • 読み手が文章全体の主張を確認できるか

最後に飾った表現を入れるよりも、読み手が「何を主張した文章だったか」を確認できる形にすることが大切です。

小論文の書き方のまとめ|自分の答案を確認する

小論文を書くときは、まずテーマに対して自分が何を主張するのかを明らかにします。

そのうえで、序論では立場を示し、本論では理由・根拠・具体例を入れ、結論では新しい話を足さずに主張を示します。

ただし、構成を覚えていても、自分の答案でその役割を果たせているかどうかは別の問題です。

書き終えたら、次の項目を使って答案を確認してみましょう。

小論文を書き終えたあとの確認項目

  1. 問いに答えているか
    設問で聞かれていることに対して、自分の立場を明確に示しているか確認します。
  2. 序論が長くなりすぎていないか
    書き出しで話題を広げすぎず、本論に説明する余地を残しているか確認します。
  3. 理由が主張につながっているか
    本論の理由を読んだときに、なぜその主張になるのかが分かるか確認します。
  4. 具体例が理由を支えているか
    具体例を紹介するだけで終わらず、主張との関係まで説明できているか確認します。
  5. 反対意見を扱う場合、自分の主張に戻れているか
    反対の考えを長く紹介するだけになっていないか確認します。
  6. 結論で新しい話題を追加していないか
    本論で述べた内容を踏まえ、最初に示した立場と一貫した結論になっているか確認します。

すべてを一度に直そうとする必要はありません。まずは、自分の答案で最も弱いと感じる部分を一つ選び、書き直してみましょう。

「何を書けばよいか分からない」と感じるときほど、表現を飾るよりも、問いへの答え、理由、具体例の関係を確認することが重要です。

また、小論文と一般的な国語の記述問題では、求められる答案の性質が異なります。小論文では自分の主張を理由や根拠で支えますが、国語の記述問題では、設問に応じて本文の内容を根拠に答えることが中心になります。

国語の記述答案について、設問条件や必要な要素が入っているかを自分で点検したい場合は、記述模試の自己採点方法|国語の部分点と採点基準を確認するコツも参考になります。

小論文は、読解力と表現力の両方が必要です。課題文を読み、問いに答え、理由と具体例で支える練習を積み重ねることで、答案は少しずつ変わっていきます。

一方で、自分では理由を書いたつもりでも、読み手には主張とのつながりが伝わっていないことがあります。設問条件を満たしているか、資料の読み取りが適切かといった点も、自分だけでは判断しにくい場合があります。

当塾での小論文指導について

当塾では、受験国語対策を生徒一人ひとりに合わせて行っています。

小論文についても、志望校の出題傾向、課題文の読み取り、資料の扱い、答案の書き方に合わせて指導しています。

小論文は、書く前の考え方と、書いた後の見直しで大きく変わります。

たとえば、次のような場合は、構成を覚えるだけでなく、実際に書いた答案を確認することが重要です。

  • 序論で自分の立場を示しているつもりでも、設問への答えが弱くなっている
  • 本論に理由は書いているが、説明が短く、説得力が不足している
  • 具体例を入れても、その例が主張を支えているか判断できない
  • 課題文や資料を読んでも、答案にどの情報を使えばよいか分からない
  • 書き直しても、前の答案から何が改善されたのか分かりにくい

答案に赤を入れるだけでは、次の答案が変わりにくいことがあります。

読解ラボ東京では、課題文の読み取り、論点の選び方、根拠と具体例の置き方、最後のまとめ方まで確認し、答案を作る前の考え方から見直します。

この記事で紹介した確認項目は、自分で答案を見直す際の出発点になります。一方で、理由の妥当性や具体例の適切さ、設問条件への対応などは、実際の答案をもとに確認する必要があります。

大学受験の小論文まで見据える場合

小論文は、序論・本論・結論の構成を覚えるだけでなく、課題文の読み取りや資料の扱い、設問条件への答え方まで考える必要があります。

特に、構成は理解できていても、実際の答案で理由や具体例をどう使えばよいか分からない場合は、課題文の読み取りから答案作成までを一緒に確認する学習が考えられます。

現代文と小論文をあわせて学びたい場合は、国語専門塾の大学受験オンライン個別|現代文小論文を1対1指導で、課題文読解から答案作成までの学び方を確認できます。

自分の答案で何が不足しているのか、どのような指導が必要なのかを考える際の参考にしてください。

なお、大学受験向けの個別指導以外も含めて講座を比較したい場合は、読解ラボ東京開講講座一覧|目的別に選ぶ国語講座案内をご覧ください。

塾全体の指導方針や講座について確認したい場合は、国語専門塾オンライン|中学受験大学受験の1対1個別指導案内から確認できます。

指導指針

国語力向上と受験成功を重視し、効果的な学習法を提供することに焦点を当てています。独自のアプローチと専門知識に基づき、受験生の国語力を伸ばし、自信を持たせることを目指しています。