長文読解のコツをつかんで国語力をあげよう

長文読解のコツを解説するイメージ

長文読解のコツ|接続語・指示語・心情変化を本文から読む

長文読解で大切なのは、文章を速く眺めることではなく、読みが鈍りやすい場所で本文の印を拾うことです。

説明文では接続語と指示語、物語文では出来事と心情の変化を見ます。ここを意識すると、本文の根拠を探しやすくなり、選択肢や記述問題にもつなげやすくなります。

  • 「しかし」の後は、筆者の主張が出やすい
  • 「それ」「このこと」は、前の内容に戻して読む
  • 「いわば」は、前後の抽象的な内容とたとえを対応させて読む
  • 物語文では、気持ちを想像だけで決めず、出来事・発言・行動を見る

長文読解が苦手な生徒は、文章を最初から最後まで読んでいるのに、設問になると根拠が見つからないことがあります。原因は、読んでいないことではなく、読むべき場所を同じ強さで通過してしまうことにあります。

この記事は、次のような悩みがあるご家庭向けです。

  • 本文は読んでいるのに、設問になると根拠を探せない
  • 選択肢を最後の2つまで絞って外してしまう
  • 接続語や指示語を見ているつもりでも、点数につながらない
  • 物語文の心情問題で、自分の感覚に寄った答えを選んでしまう
  • 長文になると、どこを優先して読めばよいか分からなくなる

中学受験国語の長文読解では、本文を読む力だけでなく、「設問に答えるために、どの言葉を根拠にするか」が問われます。この記事では、説明文・物語文・語彙の3つに分けて、長文読解で見落としやすいポイントを確認します。

長文読解で点が安定しない原因は「読む場所の強弱」にある

長文読解が苦手な場合、文章の内容をまったく理解していないとは限りません。むしろ、読んだ内容を何となく覚えているのに、設問で問われたときに本文のどこへ戻ればよいか分からない、というケースが多くあります。

そのようなときは、読書量を増やす前に、本文の中で注目すべき言葉を確認することが大切です。接続語、指示語、否定語、人物の行動、場面の変化などは、設問の根拠につながりやすい部分です。

長文読解でまず確認したいこと

  • 説明文では、筆者の主張・理由・具体例・言い換えを分けて読めているか
  • 物語文では、出来事の前後で人物の心情がどう変わったかを追えているか
  • 選択肢や記述問題で、本文の言葉を根拠にして答えられているか

例文

多くの人は、読書は知識を増やすためのものだと考えている。しかし、読書の価値はそれだけではない。他者の考え方に触れることで、自分のものの見方を広げることもできる。

この文章では、「しかし」の後に筆者が強く言いたい内容が出ています。「知識を増やす」だけでなく、「ものの見方を広げる」ことが大切だと読むと、筆者の主張をつかみやすくなります。

国語力には、読む力、書く力、聞く力、話す力などが含まれます。その中でも長文読解では、本文のどこに注目し、どの言葉を根拠として答えるかが重要です。ここでは、説明文と物語文に分けて、読みが鈍りやすい場面と見方を確認します。

説明文の読み方|接続語と指示語で筆者の主張をつかむ

説明文は、筆者の考えを、理由・具体例・言い換え・比較などで説明する文章です。長い文章になるほど、すべてを同じ調子で読むと、筆者が一番伝えたいことを見落としやすくなります。

説明文で意識したいのは、接続語と指示語です。接続語は文と文の関係を示し、指示語は前に出た内容を受けます。この2つを確認するだけでも、本文の流れを追いやすくなります。学校や塾では「接続詞」と呼ばれることもありますが、読解では細かな名称よりも、前後の内容がどうつながるかを読むことが大切です。

本文の根拠を取り違えたり、設問の根拠が取れない状態が続く場合は、つまずき方を先に整理してから練習量を増やすのが有効です。具体的には文章の根拠が取れない子に共通する3つの弱点も参考にしてください。

接続語・接続詞を意識して、文と文の関係を読む

説明文を読む際に重要なのは、接続語に注目することです。接続語は、次にどのような内容が来るのかを知らせる目印になります。

  • 逆接・・・「しかし」「けれども」「だが」など。その後に筆者の主張や大切な内容が出やすくなります。
  • 言い換え・・・「つまり」「すなわち」「このように」など。前の内容を分かりやすくまとめる働きがあります。
  • 例示・・・「例えば」「いわば」など。抽象的な内容を具体的に示したり、たとえで説明したりする働きがあります。
  • 理由・・・「だから」「なぜなら」など。主張と理由の関係を示します。

「いわば」が出てきたときの読み方

「いわば」は、前に出た抽象的な内容を、たとえや別の表現で分かりやすく示すときに使われます。

たとえば、「経験は、いわば自分だけの教科書である」という文では、「経験」と「自分だけの教科書」が対応しています。経験から学ぶことが、自分にとっての学習材料になるという意味です。

「いわば」を見つけたら、その後のたとえだけを読むのではなく、前の抽象的な内容とどう対応しているかを確認しましょう。

確認例

自然を守るためには、森林を増やすことが大切だ。しかし、木を植えるだけでは十分ではない。そこにすむ生き物や土の状態まで考える必要がある。

この場合、「しかし」の後に筆者の注意点が出ています。「森林を増やせばよい」だけでなく、「生き物や土の状態まで考える必要がある」と読むことが大切です。

文章が複雑で長い場合でも、接続語に注意を払いながら読むことで、筆者の主張を見失いにくくなります。読み飛ばしが多い場合は、接続語・指示語・否定語の見方を先に練習すると改善しやすくなります。具体的な進め方は読み飛ばし対策|接続語・指示語・否定語の読み方をご覧ください。

指示語の内容を前の文に戻して確認する

説明文では指示語がよく使われます。指示語とは、同じ内容を繰り返さずに受ける言葉です。「それ」「これ」「このこと」「そのような考え」などが出てきたときは、何を指しているのかを前の文から探します。

指示語をそのまま読み流すと、文章の意味があいまいになります。長文読解の練習では、指示語の部分に前の内容を入れて読み直し、意味が合うか確認することが大切です。

確認例

人は失敗から多くのことを学ぶ。うまくいかなかった理由を考え、次に生かすことができるからだ。このことは、学習にも当てはまる。

ここでの「このこと」は、「失敗から理由を考え、次に生かせること」を指します。指示語を具体的な内容に置き換えると、文章のつながりが見えやすくなります。

設問形式別の使い方

  • 選択肢問題では、接続語の前後関係や指示語の内容と合わない選択肢を外しやすくなります。
  • 記述問題では、指示語が受けている内容や、理由を示す文を本文から拾いやすくなります。
  • 抜き出し問題では、設問と同じ内容を別の言葉で表している部分を探しやすくなります。

物語文の読み方|心情は出来事・発言・行動から考える

物語文では、主人公の心情に関する問題がよく出題されます。心情を読むときに大切なのは、何となく気持ちを想像することではなく、本文に書かれた背景、出来事、発言、行動をもとに考えることです。

たとえば、「悲しい」と直接書かれていなくても、主人公が黙った、目をそらした、返事をしなかった、といった行動から気持ちを読む場合があります。反対に、読者自身ならこう思うはずだと考えてしまうと、本文から離れた答えになりやすくなります。

確認例

太郎は、友人から渡された手紙をしばらく見つめていた。やがて小さく息を吐き、何も言わずにかばんの奥へしまった。

この場面では、太郎の気持ちは直接書かれていません。しかし、「しばらく見つめていた」「小さく息を吐いた」「何も言わずにしまった」という行動から、すぐに受け入れられない気持ちや、言葉にしにくい感情が読み取れます。

物語文では、主人公の心情と自分の感情を分けて読むことが必要です。自分ならどう思うかではなく、本文の人物が、どの出来事の後に、どのような行動をしたのかを見ます。心情問題では、答えの根拠が本文の前後にあることが多いため、行動や発言を丁寧に確認しましょう。

設問形式別の使い方

  • 選択肢問題では、本文に書かれていない気持ちや、出来事の順番と合わない説明を外しやすくなります。
  • 理由説明の問題では、心情そのものだけでなく、その気持ちになる前の出来事・発言・行動を確認します。
  • 抜き出し問題では、気持ちを直接表す言葉だけでなく、人物の行動や表情が書かれた部分も候補になります。

語彙の読み方|知らない言葉は前後の文から意味の方向を考える

語彙力を高めることも重要です。説明文には抽象的な言葉が多く出てきます。語彙が不足していると、文の意味は追えていても、筆者の主張を正しくつかみにくくなります。

ただし、知らない言葉が出るたびに本文全体が読めなくなるわけではありません。前後の文から、よい意味か悪い意味か、原因なのか結果なのか、具体例なのかまとめなのかを考えることができます。

語彙を読むときの例

彼の説明は抽象的で、聞き手には伝わりにくかった。そこで、身近な例を挙げて話し直した。

「抽象的」という語の意味がはっきり分からなくても、「身近な例を挙げて話し直した」とあるため、具体性が不足していたことが分かります。このように、知らない語は前後の文から意味の方向を考えます。

新しい語に出会ったら、意味を調べるだけでなく、短い例文と一緒に覚えると読解に使いやすくなります。語彙力は、漢字や言葉の暗記だけでなく、文章の中で意味を判断する力にもつながります。

設問での使い方

  • 語句の意味を問う問題では、辞書的な意味だけでなく、本文中でどのような意味で使われているかを確認します。
  • 抽象語が出てきたときは、その後の具体例や言い換えを読むことで、筆者の主張をつかみやすくなります。
  • 記述問題では、本文中の重要な語句を使うことで、答えが本文の内容から離れにくくなります。

家庭で練習しても点につながらないときに確認したいこと

接続語や指示語を意識して読んでいても、点数につながらない場合があります。そのときは、本文を読めていないのではなく、「読み方」と「答え方」がずれている可能性があります。

個別に確認したいケース

  • 本人が「なんとなくこれだと思った」と答え、本文の根拠を説明できない
  • 接続語や指示語に線を引いていても、設問の答えに使えていない
  • 物語文の心情を、自分の感覚で選んでしまう
  • 記述問題で、本文の言葉を使って答えを組み立てられない

このような場合は、演習量を増やすだけでなく、どの文を根拠にして、どのように答えへつなげるかを確認することが大切です。特に記述問題では、本文の言葉をそのまま写すだけではなく、設問で聞かれている内容に合わせて、根拠を整理する必要があります。

長文読解の悩み別に、次に確認したいページ

長文読解のつまずきは、生徒によって原因が異なります。この記事の内容を読んで、特に当てはまる悩みがある場合は、次のページも参考にしてください。

当塾での取り組み|本文の根拠に戻って答える練習を行います

当塾では、個別指導を通じて生徒一人ひとりに合わせた授業を提供しています。長文読解では、文章をただ読むだけでなく、接続語、指示語、心情変化、設問の聞かれ方を本文に戻って確認する練習を行います。

授業では、本文のどこに注目したのか、なぜその選択肢を選んだのか、記述でどの言葉を使うのかを確認します。答えが合っているかだけでなく、本文の根拠に戻って説明できるかを見ることで、読み方と答え方のずれを整えていきます。

国語対策から読解、記述、漢字の学習まで、生徒の課題に合わせて内容を調整します。また、オンライン授業も用意されており、通塾の必要がないため、どこからでも学習が可能です。

指導方針や対応学年、オンライン個別指導の全体像は、国語専門塾のオンライン個別指導|読解力・記述を1対1で強化【全体像はこちら】でご確認いただけます。

まとめ|長文読解は本文の印を根拠にして読む

長文読解のコツは、文章全体を何となく読むことではなく、接続語、指示語、心情の変化、語彙の意味を本文の中で確認することです。説明文では筆者の主張と理由を追い、物語文では出来事と人物の行動から心情を読み取ります。

大切なのは、読んだ内容を感覚で答えるのではなく、「本文のどの言葉を根拠にしたのか」を説明できるようにすることです。選択肢問題でも記述問題でも、本文に戻って根拠を確認する習慣が、長文読解の安定につながります。

長文読解における時間配分に悩んでいる場合は、長文読解でよく起こる「時間が足りない」問題への対処法を参考に、演習の進め方を見直してみてください。処理速度の観点から原因と鍛え方を整理したい場合は、時間が足りない原因は“読解力”ではない?処理速度の鍛え方もあわせて確認すると、日々の演習に生かしやすくなります。

出版

国語学習と受験対策のエキスパートからの知識と洞察に基づく貴重なリソースです。この書籍は、大学入試や受験に関連するさまざまなトピックに焦点を当て、国語力の向上から受験戦略までを包括的にカバーしています。