女子学院中学校・令和3(2021)年度の過去問解説
女子学院中学校・令和3年度厳選解説動画
令和3年度 女子学院中学校の入試国語から、重要な設問をピックアップし、解き方の「型」とともに解説します。傍線部の内容をどのように言い換えればよいか、本文中のどこから根拠を拾えばよいかを丁寧に整理していますので、女子学院志望の受験生はもちろん、「記述・選択肢問題の読み解き方」を身につけたい方にも役立つ内容です。
令和3年度 女子学院中学校の入試より、厳選した問題とその解説をお届けします。
解説
大問一 問三「製氷を行う」の意味を説明する問題
傍線③「製氷を行う」について、その内容を説明させる問題です。ここでは、傍線部とイコールの内容を本文中から探し、適切な言い換え表現にまとめていきます。
・「~とはどういうことか」「~について説明せよ」と問われたら、
→ 傍線部分とイコールの内容を本文中から探して答える。
・本文の直前・直後にヒントがあることが多いので、まずそこを丁寧に確認する。
① 傍線部を記号化して整理する
まずは、傍線部を記号で置き換えて考えます。
- 「製氷を行う」をXと置く。
次に、「X=何か」という形で、本文中の対応箇所を探します。
- 本文より:
「製氷を行い~つるつるにしてくれる。」
ここから、
- X=「凹凸ができたリンクの表面を、氷上車でつるつるにすること。」
とわかります。したがって、
【答えのイメージ】
「製氷を行う」とは、凹凸ができたリンクの表面を、氷上車でつるつるにすることである。
という内容でまとめれば、設問の要求に沿った説明になります。
大問二 問七「二次的な風景」の具体例を選ぶ問題
傍線⑥「二次的な風景」の具体例として適切な選択肢を選ばせる問題です。ここでも、まずは傍線部とほぼイコールの内容を本文中から探し、そのうえで選択肢と照合していきます。
・「具体例を選べ」「具体的にはどういうことか」と問われたら、
→ 傍線部とほぼイコールの内容を先に本文から特定する。
・そのうえで、「本文の内容と同じことを言っている選択肢」を選ぶ。
・必要に応じて、三段論法(A=X、X=Y ⇒ A=Y)を使って論理的に整理する。
① 傍線⑥の意味を本文から特定する
- 傍線⑥の直前より:
「人が豊かな自然といって指差す~人間が作り出した二次的な風景で」
ここから、
- 傍線⑥「二次的な風景」= 人間が作った風景(X)
と整理できます。
② さらに具体的な例を本文から拾う
- 傍線㋐の前後「自然保護~考えていい。」
- 傍線㋒の前後「かつて~牧草地に変わり」
これらの記述から、
- 田畑・牧草地 = 人間が作り変えた風景(Y)
と分かります。
③ 三段論法で整理する
- 傍線⑥ = X(人間が作った風景)
- X とほぼ = Y(田畑・牧草地)
したがって、
- 傍線⑥「二次的な風景」とほぼイコールの具体例は田畑・牧草地となる。
よって、選択肢のうち、
- イ(田畑)
- エ(牧草地)
が答えとなります。
このように、
- 「傍線部(A)=本文中の言い換え(X)」
- 「X=選択肢の内容(Y)」
という形で整理し、A=Yと結びつけていく考え方を三段論法と呼びます。入試国語では定番の解き方なので、意識して使えるようにしておきましょう。
まとめ:女子学院中の記述・選択問題で押さえたいポイント
- 「説明せよ」と問われたら、傍線部とイコールの内容を本文から探す。
- 具体例を問われたら、まず傍線部とほぼ同じ意味の表現を本文で特定してから選択肢を絞る。
- 三段論法(A=X、X=Y ⇒ A=Y)を使うと、答えとのつながりがクリアになる。
- 女子学院レベルの問題でも、「傍線部の言い換え」「本文中の根拠探し」の型を身につければ、安定して得点を積み重ねることができる。
こうした解き方の「型」を普段の演習から意識して練習することで、本番の入試でも落ち着いて根拠を探し、論理的に答案を組み立てられるようになります。女子学院を目指す方はもちろん、難関校の記述問題対策として、ぜひ繰り返し復習してみてください。



