聖光学院中学校2021年入試国語|過去問解説と記述問題の攻略ポイント

 

このページでは、聖光学院中学校・令和3年度入試(国語)から厳選した問題について、動画とあわせて解説します。
実際の入試問題を通して、「理由の読み取り」や「イコール関係の見抜き方」といった、国語の得点力に直結するポイントを確認していきましょう。

聖光学院中学校・令和3年度 厳選解説動画

令和3年度 聖光学院中学校の入試問題から、厳選した問題とその解説をお届けします。
動画では、本文の読み解き方から答案のまとめ方まで、実戦的な視点で丁寧に解説しています。

▶︎ 解説動画はこちら:
https://youtu.be/C-UVlCiAvSc

解説

大問一 問八:傍線部の「理由」を文章中から組み立てる

この問題は、傍線部の理由を問う典型的な設問です。
理由を答える問題では、傍線部の直前・直後を中心に、「なぜそう考えたのか」を示す根拠を本文中から探すことが重要です。

本文の手がかり

  • 傍線の直前の一文:
    「商売っ気だけの連中には、いくら積まれても譲らんよ。」
    → 【商売っ気だけの連中に山小屋を譲りたくない】という理由が分かる。
  • さらに文章を読み進めると、傍線⑦の7行後に次の一文が現れる:
    「わたしのどこを~つとまらんからね」と。
    → 【ものを長く大事に使える「わたし」なら、山小屋の主人がつとまると考えた】ことが分かる。

これら二つの理由をあわせて考えると、答えは次のようにまとめられます。

【商売っ気だけの連中には山小屋を譲りたくないし、ものを大事に長く使える「わたし」なら山小屋の主人がつとまると考えたから。】

国語の記述問題では、人物の心情や考えの根拠は、必ず文章中に書かれています
「本文のどこに理由が書いてあるか」を探しにいく姿勢が何より大切です。

大問二 問六:「動物的である(X)」の具体例を選ぶ

この問題は、本文中に出てくる表現「動物的である(X)」の具体例を選ぶ設問です。
ポイントは、設問文・本文に戻って、(X)とほぼイコールになる内容を正確に読み取ることです。

設問文からXの意味をつかむ

設問中に、次の一文があります。

「同じことを繰り返して『面白さ』を感じるのは、どちらかというと動物的である」

この文から、

X =【同じことを繰り返して面白いと感じること】

と整理できます。つまり、「同じことを何度も繰り返し、それを面白いと感じる行動」が動物的である、という意味です。

選択肢の中から「ほぼイコール」を探す

あとは、選択肢の中からXとほぼ同じ内容のものを探します。

  • 選択肢ア:
    「初めて乗ったジェットコースターが気に入って、何度も乗りたくなる。」

これはまさに、「同じこと(ジェットコースターに乗ること)を繰り返して面白さを感じている」行動です。
したがって、正解は選択肢アとなります。

この問題は、「Xとほぼイコールの内容はどれか」を見抜く練習になっています。
・本文中の定義・説明をしっかり押さえる
・選択肢の中から同じ意味のものを対応させる
という読み取りの基本を確認しておきましょう。

まとめ:本文に戻り、「イコール関係」を丁寧にたどる

  • 理由を問う記述問題では、傍線部の直前直後+関連する周辺の文から、根拠となる文を必ず探す。
  • 人物の心情・考えは、本文中に書かれている情報を組み合わせて整理することが大切。
  • 「Xの具体例」「〜とはどういうことか」といった問題では、本文中でXがどう説明されているかを正確に押さえ、ほぼイコールの内容を選択肢から選ぶ。
  • 聖光学院のような難関校では、「なんとなくの印象」で解くのではなく、本文と設問の対応関係を論理的にたどる力が合否を分ける。

動画とあわせて問題を振り返ることで、「答えを写す」だけでなく、「なぜその答えになるのか」を自分で説明できる力を身につけていきましょう。

 

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