■大学入試共通テストの大まかな傾向を把握しよう!【大学入試共通テスト(国語)考察①】
大学入試共通テスト国語の傾向と向き合い方
大学入試共通テスト国語では、現代文・古文・漢文のどれも、本文を読む力だけでなく、資料や設問を正確に扱う力が求められます。特に共通テスト移行後は、複数の文章や資料、会話文、設問条件を読み取りながら、限られた時間内で判断する場面が増えています。
このページでは、2023年実施回までの傾向をもとに、共通テスト国語でどのような点を意識すべきかを、現代文・古文・漢文に分けて整理します。動画の内容を文章でも確認できるようにし、受験生が学習方針を考える材料として使える形にまとめています。
対象は、共通テスト国語の形式に不安がある高校生、現代文・古文・漢文のどこを優先すべきか知りたい受験生、過去問演習を始める前に大まかな傾向を確認したい保護者の方です。
このページで確認できること
- 現代文:複数文章や資料が出ても、問われた内容に正確に答える考え方
- 古文:複数資料、和歌、文法問題で注意したい点
- 漢文:句法知識と本文理解を組み合わせる必要性
- 対策:難しい問題ばかりに時間を使わず、短時間で解ける問題を先に処理する意識
国公立大学向け現代文対策の全体像は、国公立大学への現代文対策で整理しています。
動画を見る前に、下の全体像を確認しておくと、現代文・古文・漢文それぞれで何が話題になっているかを追いやすくなります。
共通テスト国語で先に押さえたい全体像
共通テスト国語では、文章そのものの難しさだけでなく、設問の見方、資料の扱い方、時間配分が得点に影響します。現代文では追加資料や会話文が出ることがあり、古文では複数資料や和歌、文法知識の幅が問われやすくなっています。
| 分野 | 見ておきたい傾向 | 対策の方向 |
|---|---|---|
| 現代文 | 複数文章、資料、会話文が加わることがある | 資料の量に構えすぎず、設問ごとに本文根拠を確認する |
| 古文 | 複数資料、和歌、文法事項の幅広い確認が出やすい | 本文理解と文法知識を分けずに確認する |
| 漢文 | 句法知識だけでなく、本文の流れを使う問題が出る | 句法・語句・文脈を組み合わせて読む |
共通テスト国語の対策では、「文章が難しいかどうか」だけでなく、設問ごとに何を求められているかを見抜くことが重要です。特に、すぐに判断できる問題を確実に取ることが、時間のかかる問題へ向き合う余裕につながります。
現代文の出題傾向:短時間で解ける問題の処理が勝負を分ける
夏井(中学受験専門夏井算数塾代表):では、よろしくお願いします。今回は大学入試共通テストです。過去3回実施されたテストでデータも少しずつたまってきたところで、どのようなテストなのか、そしてどう向き合えばよいのかについてお話ししたいと思います。まずは現代文から、長島先生お願いします。
長島:2023年も、前年と同様に大問1で文章が二つ出てきました。これも昨年に続く傾向です。2年前までは大問2の問1で言葉の意味を問う問題が出ていましたが、昨年からその設問がなくなり、今年も同様でした。つまり、前年の内容を踏まえた出題だったというのが第一印象です。2年連続ですから、この傾向は今後も続く可能性があると見ています。
出題としては、大問1・大問2に時間がかかる問題が含まれている一方で、「これは短時間で解ける」と判断できる問題もあります。大切なのは、まずそのような問題を確実に取り切ることです。
時間がかかる問題は、ある程度出てくるものとして考える必要があります。だからこそ、すぐに判断できる設問を迷わず処理し、時間を使うべき問題に余力を残すことが重要です。
共通テストで「難しい問題に時間を取られすぎない」ための具体的な考え方は、難しい問題に時間を取られるのはとてもイヤだ!【大学入試共通テスト(国語)考察②】で続編として整理しています。
現代文で確認したいこと
- 文章が二つ出ても、まず目の前の本文を正確に読む
- 追加資料や会話文は、設問で必要になった範囲を確認する
- すぐ解ける設問を確実に処理し、時間がかかる問題へ余力を残す
- 主張だけでなく、設問が問う箇所へ戻って判断する
古文・漢文の出題傾向:複数資料の処理と文法知識の幅広さ
夏井:続いて、古文・漢文について岡部先生お願いします。
岡部(古典専門塾かきつばた代表):古文漢文は、共通テストになってからの大きな違いとして複数資料を扱う点があります。もう一点、古文の文法問題が変化しました。
以前は「ぬ/ね」など、同一事項の識別を複数箇所で問う形式が多く、敬語も含めてテーマは基本的に一つでした。ところが現在は、傍線部ごとに異なる文法事項を扱い、その説明が正しいかどうかを判定させる形式に変わっています。
つまり、文法事項を広く問う形に変わってきました。さらに、本文理解がないと正誤判断が難しい選択肢も含まれているため、文法問題の難度は上がっている印象です。文法は幅広く、手を抜かずに学ぶ必要があります。
前評判では「文法問題の比重が下がるのでは」と言われていましたが、実際はその逆で、文法全体を広く知っていなければならない傾向が明確です。
和歌を読まないままにしない
複数資料の処理については、長文が一つでも、和歌が多数並ぶケースがあります。私大では早稲田大学商学部のように、和歌の応酬だけで話が進む難問も出ています。
受験生は和歌を読み飛ばしがちですが、和歌も言語表現です。しかも物語中での和歌は、感動や心情の中心で示されることが多くあります。そこを読めないと、文章全体の理解にも影響します。ここ数年は、和歌学習の比重を高める必要があります。これは共通テストに限らず、私大・国公立でも同様です。
複数資料は共通点と相違点を見る
複数資料については、同じテーマを異なる出典で扱う場合が代表的です。どこが共通で、どこが異なるか、また、考え方や感想がどう違うかを見ながら読むことが重要です。
A・B両文の対応箇所を意識しながら読む必要があります。先に読んだ文章を頭に置きつつ、後から出る文章を読む力が求められます。英語を含む近年の大学入試全体の「複数資料処理」傾向に、古文も合致していると感じます。
古文・漢文で確認したいこと
- 文法問題は一つの単元だけでなく、幅広く問われる
- 本文理解を使って、文法説明の正誤を判断する必要がある
- 和歌は読み飛ばさず、心情や場面の中心として扱う
- 複数資料では、共通点と相違点を確認する
共通テスト国語の「難化」に対する見方
夏井:複数資料は現代文・古文に限らず増えている印象です。片方の内容を頭に置きながら他方を読み、対比していく。通常の単文より労力は増える気がします。これは単純に難化しているだけでしょうか。それとも文章自体は読みやすくなっているなどの調整がありますか?
古文:情報の対応づけと対比の比重が増えている
岡部:古文は文章自体が難化したとは特に感じません。分量もセンター試験末期から大きくは変わらず、全体で1500~1600字程度が目安です。
同じ内容を扱う二文であれば、筋が頭に入っている分、共通点・相違点に注意すれば、むしろ読みやすい面もあります。ただ本質的には、文章そのものにじっくり取り組むというより、情報処理、つまり対応づけや対比の比重がやや増えた、という感触です。
現代文:過度に構えず、問われたことに正確に答える
夏井:現代文はどうでしょう?
長島:文章の難易度はさほど変わっていないと思います。分量も全体では同程度です。現代文は最初の本文量は従来どおりですが、問6で資料や会話文を追加で読む年があり、その分だけ設問込みの全体量が増えることはあります。
昨年はB5一枚ほどの資料が追加され、今年は会話文で増えた量は小さめという感触です。
二つの文章を意識的に対比させる必要は、私はあまりないと思います。まず目の前の文章に集中して読む。別文が出てきたら、それにも集中して読む。確かに今年も問6の空欄3では二資料の比較が問われましたが、結局は消去法で解けます。
設問処理の観点では、複数資料の比較を過度に意識する必要は薄く、現代文における本質は「出てきたものを咀嚼し、問われたことに正確に答える」ことに尽きます。
文章が二つ出ること自体を大げさに構える必要はない、というのが正直な印象です。
共通テスト国語の対策で意識したいこと
共通テスト国語では、難しい問題をすべて完璧に解くことよりも、取れる問題を確実に処理し、時間のかかる問題に必要な余力を残すことが大切です。
現代文では、資料や会話文に驚かず、設問ごとに本文へ戻って判断します。古文・漢文では、文法や句法を単独の知識で終わらせず、本文理解と組み合わせて使えるようにしておく必要があります。
| 対策項目 | 見るべきこと |
|---|---|
| 時間配分 | 短時間で解ける問題を先に確実に取る意識を持つ |
| 現代文 | 資料や会話文よりも、設問が何を問うているかを優先する |
| 古文 | 文法・和歌・複数資料を本文の流れの中で読む |
| 漢文 | 句法や語句を、本文全体の意味と合わせて確認する |
よくある質問
共通テスト国語は複数資料が出るので、特別な読み方が必要ですか?
現代文では、複数資料を過度に意識しすぎるよりも、まず目の前の文章を正確に読み、設問が必要とする箇所に戻ることが大切です。古文では、共通点と相違点を確認しながら読む場面が増えています。
古文の文法問題は減ったと考えてよいですか?
むしろ、文法事項を幅広く問う形になっていると考えた方が安全です。助動詞や敬語などを単独で覚えるだけでなく、本文理解の中で判断できるようにしておく必要があります。
和歌はどこまで対策すべきですか?
和歌は読み飛ばさない方がよいです。物語中の和歌は、人物の心情や場面の中心に関わることがあります。意味を完全に取れなくても、誰が誰に向けて何を伝えているのかを考える練習が必要です。
現代文で資料や会話文が出たら、先に読むべきですか?
基本的には、設問で何が問われているかを確認し、必要な範囲を読むことが大切です。資料や会話文の量に構えすぎず、本文と設問の対応を見ながら判断します。
まとめ:共通テスト国語は、形式に振り回されず本質を確認する
共通テスト国語では、複数文章、資料、会話文、和歌、文法問題など、見るべき要素が多くなっています。しかし、どの分野でも大切なのは、問われた内容に対して本文や資料の根拠を使い、正確に答えることです。
- 現代文では、複数文章や資料に構えすぎず、設問ごとに本文へ戻る。
- 古文では、文法事項を幅広く確認し、本文理解と合わせて使う。
- 和歌や複数資料は、場面・心情・共通点・相違点を意識して読む。
- 時間配分では、短時間で解ける問題を確実に取る。
- 難しい問題に時間を使うためにも、取れる問題を落とさない意識が必要。
共通テスト国語の対策では、出題形式の変化に振り回されるのではなく、本文を読み、設問を確認し、根拠をもとに答えるという基本を保つことが重要です。そのうえで、資料や和歌、文法問題など、共通テストで問われやすい要素を一つずつ確認していくと、学習の方向が見えやすくなります。
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