フェリス女学院中学校・令和３(2021)年度の過去問解説

このページでは、フェリス女学院中学校・令和３年度入試（国語）から厳選した問題について、動画とあわせて解説します。
実際の入試問題を通して、指示語「それ」が指す内容の特定の仕方や、「どういうことか」問題で使えるブロック分け・言い換えのテクニックを確認していきましょう。

フェリス女学院中学校・令和３年度厳選解説動画

令和３年度フェリス女学院中学校の入試問題から、厳選した問題とその解説をお届けします。
動画では、本文の読み方から「イコールの内容」の見つけ方まで、入試本番で役立つ考え方を丁寧に解説しています。

▶ 解説動画はこちら：
https://youtu.be/CJoYRu5PcGE

この問題は、傍線部「彼はそれが心配であった」の中の「それ」が、本文中のどの内容を指しているのかを答える設問です。
指示語問題では、「それ」＝直後で述べられる具体的な内容として扱われることが多く、本文の前後を丁寧に確認することが重要です。

設問文から、「それ」は「彼が心配していること」を指しているとわかります。そこで、「心配したこと」は何かを本文中から探していきます。

傍線部の直後にある文：
「三吉には～懸念が生じた。」という記述から、

→ 【それ＝河田師範のあだ名が、自分のつけた「にんにく」から、「チャンス」にかわってしまうこと】
と読み取ることができます。

したがって、答案としては次のようにまとめられます。

【それとは、河田師範のあだ名が、自分のつけた「にんにく」から「チャンス」にかわってしまうこと。】

このように、「それ」が何を指すかは、直後の説明文（懸念・心配の具体的な中身）に注目することで、自然と特定できるようになります。

大問二問三は、「傍線部とはどのようなことか」を説明させる問題です。
説明を求められている場合は、傍線部とイコールの内容を本文中から探し、必要に応じて言い換えて答えるのが基本です。

ここでは、傍線部の
前半：「自分の手持ちの材料から」と、
後半：「犯人捜しをやる」
にブロック分けをして、それぞれと同じ内容にあたる部分を探していきます。

傍線部の直前にある文：
「犯人、つまりわからない部分は自分で発見しなければなりません。」より、
→ 【犯人捜しをやる＝わからない部分を見つける】
と言い換えることができます。

こちらは、本文中で直接言い換えが示されていないため、文脈から自分で整理する必要があります。
「手持ちの材料」とは、自分が最初から持っている情報・知識・手がかりのことですから、

【自分の手持ちの材料から＝自分がすでに知っている情報から】

と解釈できます。

以上を組み合わせると、傍線部全体は、

【自分が知っている情報から、わからない部分を見つけること。】

と説明できます。これがそのまま答案になります。

このように、「本文に書いてある部分」と「自分で整理して言い換える部分」を組み合わせることで、傍線部の内容を過不足なく説明できるようになります。

指示語「それ」を問う問題では、「それ」＝直後に示される懸念・心配・内容として扱われることが多く、傍線部のすぐ後ろを丁寧に読むことが重要。
「どういうことか」「どのようなことか」を説明させる問題では、傍線部とイコールになる内容を本文中から探して答える。
傍線部が長い場合は、前半・後半などにブロック分けをし、それぞれについて本文中の対応箇所や言い換えを考えると整理しやすい。
本文に直接書かれていない部分は、文脈から自然な日本語に言い換えて補うことで、記述の精度を高めることができる。
令和３年度のフェリス女学院の問題は難度が高い箇所もありますが、前後をきちんと読み、「イコールの内容」を押さえる・ブロック分けで考えるという解法を身につければ、十分に対応可能です。

解法をしっかりと身につけ、自分が解ける問題を確実に正解できるようにしていきましょう。
動画とあわせて復習しながら、「なぜその答えになるのか」を自分で説明できる力を少しずつ養っていくことが、合格への近道です。