中学受験国語「模試の復習」完全ガイド──偏差値より先に見るべき3つのポイント

模試ごとに「偏差値」だけを見て一喜一憂していませんか。
本ページでは、国語の模試を「答案と問題文を読み直す教材」として最大限に活かすための復習法を、具体的な手順とチェックポイント付きで整理します。

国語テスト本番の「集中できない」「時間が足りない」対策の全体像はこちら:国語 集中できない・時間が足りない対策|解き順・10秒ルール・飛ばす判断・記述の部分点|中学受験

想定読者

  • 小4〜小6の受験生
  • 中学受験を控えた保護者の方

よくあるお悩み

  • 偏差値だけを見て落ち込んでしまう
  • 復習のやり方が分からない
  • 記述の直し方に自信がない

この記事で目指すゴール

  • 模試の位置づけを整理する
  • 国語の復習を5ステップで習慣化する
  • 「次の模試までに何を変えるか」を言語化する

偏差値より先に見るべき3つのポイント(全体マップ)
ポイント 見るもの チェックする観点
① 問題文理解 問題文・設問文 ・そもそも文章の大まかな流れをつかめていたか
・設問が何を聞いていたのかを勘違いしていないか
② 答案の書き方 子どもの答案・模範解答 ・「どの情報を抜き出すか」の選び方
・主語・述語・接続語など日本語表現の整い具合
③ 知識の穴 漢字・語句・知識問題 ・頻出漢字のとりこぼしはどこか
・語彙・言い回しの理解不足がどこで出ているか

ポイント

偏差値は「結果」だけを示す指標です。まずはこの3つの観点から、どこで点を落としたのかを具体的に見える化していきましょう。

1. 模試の目的を整理する──「判定」だけを見ると失敗する

まず確認したいのは、模試の本来の目的です。
多くのご家庭では、「偏差値」「志望校判定」ばかりに目が行きがちですが、模試は本来、
「現在地を知り、今後の学習を微調整するためのテスト」です。

「判定だけ模試」の典型パターン

  • 結果が返ってきたら偏差値と判定だけを見る
  • 点数が悪いと、答案をじっくり見ずに片づけてしまう
  • 次の模試まで、いつも通りの勉強に戻ってしまう

「学習につながる模試」のパターン

  • 点数より先に「どこをどう間違えたか」を確認する
  • 復習を通じて「文章の読み方」「答案の書き方」を見直す
  • 次の模試までに変える行動を、具体的に言葉にする

2. 国語の模試復習・5ステップ

ここでは、国語の模試を「もう一度授業としてやり直す」イメージで復習するための、5つのステップをご紹介します。
この5ステップは、先ほどの「①問題文理解」「②答案の書き方」「③知識の穴」の3ポイントを、順番にチェックできるように組んであります。

保護者と一緒に
お子さん自身の読み物としてもOK
すべてを一気にやる必要はありません。「今日はステップ①だけ」など、分けて進めるイメージで大丈夫です。

ステップ① 問題文をもう一度「ゆっくり」読む

本番では時間に追われて読み飛ばしてしまった箇所があるかもしれません。復習では、
制限時間を外して、最初から最後まで丁寧に読み直すことが第一歩です。

  • 段落ごとに「何が書いてあるか」を一言でメモする
  • 登場人物の気持ちや、筆者の主張が変わるところに線を引く

ステップ② 解説で設問意図を確認する

解説は「正解を書いてある紙」ではなく、出題者の考えを教えてくれるメモだと考えましょう。

  • この設問は「どこを根拠に答えさせたい」のか
  • 「どういう言葉でまとめてほしい」のか

ステップ③ 自分の答案とのギャップを具体的に探す

模範解答と自分の答案を並べて、違いを「言葉」で説明できるようにすることが大切です。

  • 抜き出す場所が違うのか
  • 同じ場所でも、言葉の選び方・まとめ方が違うのか

ステップ④ 記述・選択肢の「間違え方」のパターン整理

1回の模試でも、いくつかの問題を並べて見ると、似たような「間違え方のクセ」が見えてきます。

  • 「根拠は近いのに、言葉が足りない」タイプ
  • 「設問の条件を読み落としている」タイプ
  • 「選択肢の消し方が甘い」タイプ など

ステップ⑤ 語句・漢字の穴を一気に埋める

最後に、語句・漢字・知識問題は「間違えたところを1枚のリストにまとめる」ことがおすすめです。

  • 模試1回ごとに「語句・漢字ミスリスト」を1枚作る
  • 次の模試まで、そのリストを何度も見返す

補強:模試復習が回る「チェックシート」と設問別の直し方

まずは15分で「落ち所」を特定するチェック

保存用

模試の復習が長引くと、結局やらなくなります。最初に「どこで落としたか」を短時間で確定させます。

観点 チェック項目 該当したら次にやること
問題文理解 □ 段落ごとの要点が言えない
□ 登場人物の関係が混乱した
□ 設問の条件(いつ/誰が/理由)を外した
Step①で「段落一言メモ」を追加し、設問の条件に下線を入れる
答案の書き方 □ 根拠は近いのに点が出ない
□ 主語・述語がねじれた
□ 理由が抜けている(心情だけ等)
「要素→並べ替え→一文化」を徹底し、不足要素を1語で追記してから清書
知識の穴 □ 漢字・語句で落とした
□ 選択肢の語彙が曖昧だった
「ミスリスト」を作り、次回まで毎日30秒で見返す

記述(理由つき)を直すテンプレ

  1. 設問条件に下線(誰/何/なぜ/いつ)
  2. 本文の根拠に戻る(該当箇所に線)
  3. 要素を箇条書きで並べる(心情+理由/説明+具体化 など)
  4. 30〜60秒で「一文」にする(まずは粗く)
  5. 主語・述語・接続語だけ整える(日本語の骨格を直す)
目安:清書の前に「要素の箇条書き」が作れていないと、同じミスが再発します。

選択肢(本文一致)を直すテンプレ

  1. 正解の根拠箇所を本文で特定(段落番号をメモ)
  2. 各選択肢を句読点で分解して短い塊にする
  3. 塊ごとに「本文にある/ない」を判定
  4. ×の理由を1語で書く(言い過ぎ/因果逆/主語違い 等)
「なんとなく違う」で消すと再発します。×理由のラベル付けが再現性になります。

保護者の声かけ例(模試後に荒れにくくする)

避けたい言い方 置き換え例(答案に視線を戻す)
なんでできなかったの この問題、どこを根拠にすればよかったか一緒に探そう
次はもっと頑張ろう 次までに変えるのは1つにしよう。どれが一番効きそう?
偏差値落ちたね 偏差値の前に、惜しかった問題を2つだけ選ぼう

FAQ:国語の模試復習でよくある質問

模試の復習はいつやるのがベスト?

理想は当日〜翌日に「15分チェック(落ち所の特定)」だけ先にやり、記述の書き直しは週内に回収します。遅れるほど「何が起きたか」の記憶が薄くなります。

全部の大問を復習する時間がありません

まずは失点が大きい2問に限定し、本文根拠→要素→一文化までやり切ります。「広く薄く」より「狭く深く」の方が次回に効きます。

記述の自己採点がブレます

点数よりも、要素がそろっているかで判定します。「心情+理由」「説明+具体化」など、設問が求める要素を先にチェックしてから◎○△×を付けるとブレが減ります。

選択肢がいつも2択で外れます

2択で迷うのは、選択肢を分解していないケースが多いです。句読点で区切り、部分ごとに本文一致を判定すると確定しやすくなります。

復習しても次の模試で同じミスをします

復習が「理解」で止まっていて、再現手順になっていない可能性があります。次回までに変える行動は1つに絞り、「いつ/どれを/何分」を決めて固定します。

 

3. 記述問題の復習:自己採点の具体例

記述問題は、「書きっぱなし」にすると力がつきません。
ここでは、◎/○/△/×を使った自己採点のイメージを、簡単な例でご紹介します。

※ スマートフォンでご覧の方は、表が横にスクロールできます。まずは「自分の答案がどの段階か」のイメージをつかむことを目標にしてください。

◎/○/△/× の基準例

記号 得点イメージ 判断の目安
満点〜ほぼ満点 模範解答と比べて、内容も表現も十分。減点するとしても1点程度。
合格点レベル 必要な要素はそろっているが、言葉の選び方や表現が少し弱い。
部分点レベル 大まかな方向性は合っているが、根拠が足りない・大事な言葉が抜けている。
× 0点〜ごくわずか 根拠となる部分がまるで違う/設問の条件を外している。

模範解答 vs 子どもの答案(イメージ例)

設問・模範解答・お子さんの答案を並べて比べると、「どの言葉が足りないか」「どの部分を根拠にすべきだったか」が見えやすくなります。

項目 内容 コメント
設問 「なぜ主人公は最後に笑顔になったのか、理由を30字以内で書きなさい。」 感情の変化と、その理由を聞いている設問。
模範解答 友だちの本当の気持ちを知り、自分も受け入れられていると気づいたから。 「本当の気持ち」「受け入れられている」の2点が、心情変化の核。
子どもの答案 友だちが笑ってくれてうれしくなったから。 表面上の行動(笑ってくれた)を書いているが、気持ちの変化の理由まで踏み込めていない。
この場合は「△〜○」の間と判断する。

4. 「次の模試までに何を変えるか」を決める方法

良い復習の最後には、必ず「次にどう活かすか」という一歩が入ります。
ここでは、曖昧な反省で終わらせないために、行動レベルの目標に落とし込む方法を整理します。

「反省」から「行動」に変える例

下の表では、ありがちな「反省の言葉」を、今日から実行できる行動レベルの目標に言い換えています。

ありがちな反省の言葉 行動レベルの目標にした例
「本文をよく読まなかった」 → 毎日、物語文を1題解くときに、段落ごとの要約を一言でメモする練習をする。
「記述がうまく書けなかった」 → 週3回、塾のテキストの記述問題を1問だけ選び、模範解答の言い回しを写して覚える
「漢字で落としてしまった」 → 模試で間違えた漢字をノート1ページにまとめ、寝る前に3回ずつ声に出して書く

簡単な1週間プランの例

模試から次の模試までの期間があまり長くない場合は、「1週間でできること」にしぼって計画を立てると、実行率が上がります。

※ すべてこなす必要はありません。まずは「できそうな3日分」から始めてみてください。

曜日 取り組み内容
模試の物語文を読み直し、段落ごとに一言要約を書く。
物語文の記述問題を1問選び、模範解答を写して音読する。
説明文の設問を2問選び、「何を聞いているか」を言葉で説明する練習。
模試の漢字・語句ミスリストを見直し、ノートに3回ずつ練習。
似たタイプの記述問題を塾テキストから1問解いてみる。
土・日 1週間の振り返り。「一番良くなったところ」「次に直したいところ」を親子で話す。

5. やりがちなNG復習

最後に、「頑張っているのに力になりにくい復習」のパターンを確認しておきましょう。
ここで挙げるNGを避けるだけでも、模試の復習効果は大きく変わります。

NG1

解説を眺めるだけ

解説冊子をざっと読むだけでは、自分の答案とのズレが見えてきません。

  • 必ず答案を横に置いて照らし合わせる
  • 「どの言葉の差で点が分かれたか」をチェックする

NG2

全文を読み直して満足してしまう

問題文を読み返すこと自体は良いのですが、設問とのつながりを見ないまま終わってしまうと、得点につながりません。

  • 「この設問の根拠はどこ?」を必ず確認する
  • 線を引いた箇所と設問をセットで見直す

NG3

「次こそ頑張ろう」で終わる だけ

気合いは大切ですが、行動に落とし込まれていない反省は、次の模試で同じ結果を生みがちです。

  • 「何を」「いつ」「どれくらい」やるかまで決める
  • 親子で1週間ごとの小さな目標を共有する

このページの「3行まとめ」

  • 偏差値より先に、「どこで点を落としたか」を3つの観点(問題文・答案・知識)で見える化する。
  • 模試1回を、5ステップで「もう一度授業」に変えることで、読み方と書き方の両方を鍛えられる。
  • 反省は必ず、「1週間で実行できる行動」に落とし込んで次の模試につなげる。

今日できる1アクション: 最新の模試1回分だけでかまいません。
「語句・漢字ミスリスト」をノート1ページ分だけ作るところからスタートしてみてください。

「家庭だけでは不安…」という方へ

ここまでの復習法を実行していただくだけでも、模試の活かし方は大きく変わります。ただ、
「答案の分析や記述の添削を、家庭だけで続けるのは大変」という声も少なくありません。

当塾では、模試の答案を一緒に振り返り、「次の模試までに何を変えるか」を具体的な1週間プランに落とし込む個別指導も行っています。

「うちの子の場合はどう復習したらいい?」とお悩みの方は、お気軽にご相談ください。


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