中学受験 国語テキスト比較|新演習シリーズと予習シリーズの違いを国語専門塾が解説

中学受験の国語テキストは、どれか1冊が絶対に優れているというより、今どこでつまずいているかによって合う・合わないが変わります。
この記事では、代表的な塾教材であるSAPIX・四谷大塚「予習シリーズ」・「中学受験新演習」を、演習量・難度・採点のしやすさの3つの視点で比較します。最初に早見表で違いを確認し、その後で教材ごとの強み、注意点、家庭での補い方を詳しく見ていきます。
SAPIX・予習シリーズ・中学受験新演習の違い【早見表】

3教材の主な違いを整理すると、次のようになります。どれが正解というより、何を補うために使うかによって選び方が変わります。
| 教材 | 強み | 注意点 | 家庭での補い方 |
|---|---|---|---|
| SAPIX国語 | 知識と読解を分けて学びやすく、読解では記述問題に取り組む機会が多い。 | 授業で答案の確認や添削を行う場合、1回に扱える問題数が限られ、演習量が不足することがある。 | 授業で扱わなかった問題から、復習できる範囲を絞って演習量を補う。 |
| 予習シリーズ国語 | 解説が詳しく、良問や難度の高い問題に取り組める。 | 難しい問題まで全て進めようとすると、復習が追いつかず消化不良になりやすい。 | 今の実力で根拠を確認できる問題を優先し、難問は必要に応じて後に回す。 |
| 中学受験新演習 | 標準的な問題に取り組みやすく、学習を進めやすい。 | 学力や志望校によっては負荷が足りない場合がある。問題や版によっては、記述の採点基準を判断しにくいこともある。 | 必要に応じて高難度問題を加え、記述は採点要素が分かる教材や添削で補う。 |
最初に確認したいこと
演習量が足りないなら問題を増やす方法を、難しすぎるなら問題を絞る方法を、記述の採点が難しいなら答案の要素を確認する方法を考えます。教材名から選ぶのではなく、今の不足から選ぶことが大切です。
今のつまずきはどれ?教材を併用する目的を決める

「新演習と予習シリーズのどちらがよいか」「SAPIX以外の教材も追加した方がよいか」という疑問は、今の課題が量・難度・答案作成・採点のどこにあるかで答えが変わります。
当てはまる項目を確認する
- 読解の授業は受けているが、解く量が少なく定着している実感が薄い
- 記述問題には取り組んでいるが、演習や直しの回数が不足している
- 難しい問題に当たると手が進まず、積み残しが増えている
- 解説を読んでも、次に似た問題が出たときに解き方を再現できない
- 記述答案で、何を書けばよいのか分からない
- 記述の自己採点で、どの要素が点になるのか分からない
- 教材を増やした結果、復習が回らずどれも中途半端になっている
- 塾の宿題をこなしているのに、国語の成果を感じにくい
| 主な課題 | 先に考えること | この記事で確認する箇所 |
|---|---|---|
| 演習量が足りない | 軸の教材を変えず、どの問題を追加するかを限定する。 | SAPIX教材の注意点と家庭学習 |
| 難しすぎる | 全問を終えることより、本文根拠を確認できる問題を優先する。 | 予習シリーズの問題選び |
| 答案を書けない | 本文の根拠、設問の条件、必要な要素を順番に整理する。 | SAPIX・新演習の記述対策 |
| 自己採点できない | 模範解答との表現の違いだけでなく、必要な要素が入っているかを見る。 | 新演習の採点に関する説明 |
教材を増やす前に、国語全般の課題を整理したい場合
読解、記述、語彙、復習方法のどこに原因があるか分からない場合は、教材比較の前に国語が苦手になる理由を整理すると、次に取り組む内容を決めやすくなります。
SAPIX国語テキストの構成と家庭での使い方
SAPIX国語のA授業・B授業・aテキスト
SAPIX国語は、知識と読解を分けて学ぶ構成に特徴があります。学年、年度、校舎やクラスによって授業運用が異なる可能性があるため、家庭学習では実際に配付されている教材と指示を確認してください。
| 用語 | 主に取り組む内容 | 家庭学習での見方 |
|---|---|---|
| A授業 | 語句や文法などの知識 | 知識の抜けを確認し、短い時間でも繰り返す。 |
| B授業 | 読解や記述問題 | 本文の根拠、設問条件、答案の要素をつなげて考える。 |
| aテキスト | 知識や読解の演習 | 授業で扱わなかった問題を全て追加するのではなく、補う目的を決めて使う。 |
SAPIX国語の強み:読解と記述を段階的に考えやすい
SAPIX国語では、知識を扱う授業と読解を扱う授業が分かれています。読解教材では記述問題に取り組む機会が多く、授業が現在の理解度と合えば、本文の根拠を探し、条件に合わせて答案を作る練習を進めやすくなります。
記述問題を授業で扱う利点
記述問題では、満点に必要な要素を一度に全て書かせるだけでなく、理解度に応じて一部をヒントとして示す方法があります。残りの要素を自分で考えさせることで、無理のない範囲から答案作成の練習を進められます。
SAPIX教材の注意点:答案確認に時間がかかり、演習量が不足することがある
記述問題は、答え合わせだけでなく、本文根拠や答案の要素を確認する必要があります。そのため、授業内で答案の確認や添削を丁寧に行うほど、1回の授業で扱える問題数は限られます。
授業内容を理解できていても、似た問題を解く回数が少ないと、解き方を自分で再現できないことがあります。家庭学習では、難しい問題を次々に増やすよりも、授業で学んだ考え方を使える問題を選んで補うことが大切です。
SAPIX国語の家庭学習:授業で扱わなかった問題を絞って使う
- 授業で扱った問題を、本文根拠まで含めて直す
- 授業で扱わなかった問題の中から、同じ考え方を使えるものを選ぶ
- 記述答案は、模範解答を書き写すだけでなく、足りなかった要素を確認する
- 問題を増やした結果、授業の復習ができなくならないようにする
SAPIXの記述問題で困っている場合
SAPIX教材に合わせた記述対策を確認したい場合と、教材を問わず答案の組み立て方を確認したい場合では、読む記事が異なります。
予習シリーズ国語は難しい?強みと消化不良を防ぐ使い方
予習シリーズの強み:詳しい解説と幅広い難度の問題
四谷大塚の「予習シリーズ」は、解説が詳しく、標準的な問題から難度の高い問題まで取り組めることが強みです。今の実力に合う問題を選び、解説を使って復習できれば、読解や記述の考え方を深めやすくなります。
予習シリーズの注意点:全てを進めると消化不良になりやすい
一方で、難しい問題まで同じ重さで進めようとすると、解くことに時間を使い、直しや復習が追いつかなくなることがあります。
- 難しい問題に時間をかけたものの、本文の根拠を確認できていない
- 解説を読んだだけで、次の問題では同じ考え方を使えない
- 宿題を終えることが目的になり、間違えた理由を整理できていない
このような状態では、問題数を増やすよりも、取り組む範囲を絞る方が効果的です。
予習シリーズが難しいときの問題選び
| 区分 | 判断の目安 | 取り組み方 |
|---|---|---|
| 今週優先する | 本文のどこが根拠かを確認でき、答えの理由を説明できそうな問題。 | 解く、根拠に戻る、間違えた理由を言葉にする。 |
| 余裕があれば扱う | 時間はかかるが、ヒントや解説があれば考え方を理解できる問題。 | 解説を読んだ後、同じ考え方を自分で説明する。 |
| いったん後に回す | 設問の意味や本文の根拠をつかめず、解説を読んでも再現が難しい問題。 | 深追いせず、授業内容と優先問題の復習に戻る。 |
問題を後に回すことは、学習を諦めることではありません。今の段階で理解できる問題を確実に復習し、考え方を身につけてから戻る方が、難問にも取り組みやすくなります。
予習シリーズの使い方:解いた量より、再現できる内容を増やす
- 授業で扱った考え方を使える問題を優先する
- 本文根拠に戻っても判断できない問題は、今週の中心にしない
- 解説を読んだ後、自分の言葉で解き方を説明する
- 教材を追加する前に、現在の宿題と復習が回っているか確認する
予習シリーズの宿題と復習を詳しく確認したい場合
問題の優先順位だけでなく、週ごとの宿題、解説の使い方、記述の直し方まで確認したい場合は、予習シリーズに絞った記事へ進めます。
中学受験新演習の強みと記述採点の注意点
新演習の強み:標準的な問題に取り組みやすい
「中学受験新演習」は、標準的な問題を中心に学習を進めたい場合に使いやすい教材です。難度の高い問題ばかりに時間を取られにくく、問題演習と復習の流れを作りやすい点が強みです。
特に、難しい教材で積み残しが増えている場合は、現在の理解度に合う問題で正解の根拠を確認することで、読解の手順を整えやすくなります。
新演習の注意点:学力によっては負荷が足りない場合がある
新演習が取り組みやすい一方で、国語が得意な受験生や難度の高い入試問題を目指す受験生には、問題の負荷が足りない場合があります。その場合も、すぐに別教材へ全面的に切り替えるのではなく、必要な分野や問題だけを追加する方法があります。
また、教材の版や問題によっては、解説から記述の採点要素を判断しにくかったり、部分点の考え方が分かりにくかったりすることがあります。
新演習の記述対策:答案作成と自己採点を分けて考える
記述問題で困っている場合は、次の2つを分けて考えると課題が明確になります。
- 答案を書けない:本文のどこを使い、どの順番で要素を組み立てるかを確認する
- 書いた答案を採点できない:必要な要素が入っているか、設問条件を満たしているかを確認する
記述のどの段階で困っているかに合わせて確認する
塾教材を併用するときの目的別の進め方
3教材には、それぞれ異なる強みと注意点があります。
- SAPIX:読解や記述に取り組みやすい一方、家庭での演習量が不足することがある
- 予習シリーズ:詳しい解説と難度の高い問題がある一方、全て進めると消化不良になりやすい
- 新演習:標準的な問題に取り組みやすい一方、学力によっては負荷や採点情報が足りない場合がある
基本:所属塾の教材を学習の軸にする
教材を併用するときは、最初に所属塾の教材を学習の軸にします。授業、宿題、復習が回っていない状態で別教材を増やすと、どの教材でも直しが不十分になりやすいためです。
追加する前に、次のどれを補いたいのかを1つに絞ります。
- 同じ考え方を使う問題の演習量
- 現在の実力に合うようにする難度調整
- 記述答案を作るための書き方
- 書いた答案を確認するための採点方法
演習量が足りないとき
授業で扱わなかった問題を全て追加するのではなく、授業で学んだ考え方を使える問題を選びます。問題数を増やすことより、解いた後に根拠と間違えた理由を確認できる量に収めることが大切です。
難しすぎて消化不良のとき
難問を最後まで解き切ることを優先せず、本文根拠を確認できる問題から取り組みます。現在の実力で理解できる問題を繰り返し、解き方を再現できる状態を作ってから難度を上げます。
易しすぎて物足りないとき
教材全体を変更する前に、志望校や苦手分野に関係する問題だけを追加します。記述では、単に長い答案を書くのではなく、必要な要素を過不足なく入れられているかを確認します。
宿題をしても成果を感じないとき
宿題を終えることが中心になっている場合は、教材を増やしても同じ状態が続く可能性があります。間違えた理由、本文根拠、次回の解き方まで整理できているかを先に確認します。
塾の宿題をこなしているのに国語が伸びない場合の見直し方を読む
よくある質問
Q. 予習シリーズは全部やるべきですか?
全ての問題を同じ重さで進める必要はありません。難問まで進めた結果、授業内容や間違えた問題の復習ができなくなる場合は、本文根拠を確認できる問題を優先します。余裕が出た段階で、後に回した問題へ戻る方法が現実的です。
Q. 新演習の記述を自己採点できないときは、どうすればよいですか?
模範解答と一字一句同じかどうかではなく、設問で求められた内容、本文の根拠、答案に必要な要素が入っているかを確認します。判断が難しい場合は、採点要素が示された教材や添削を利用する方法があります。
Q. SAPIX国語は授業だけで足りますか?
必要な演習量は、学年、授業内容、家庭での復習状況によって異なります。まずは授業で扱った問題の直しを優先し、それでも同じ考え方を使う練習が足りない場合に、授業で扱わなかった問題を追加します。
Q. 複数の塾教材を併用すると混乱しませんか?
目的が曖昧なまま増やすと混乱しやすくなります。「演習量を補う」「難度を調整する」「答案の書き方を確認する」「自己採点を補う」のうち、目的を1つに絞って併用してください。
Q. 家庭で記述の直しを見るときは、何を確認すればよいですか?
答案の表現だけでなく、本文の根拠に戻れているか、設問で問われた内容に答えているか、必要な要素が入っているかを確認します。答えを書き直して終わるのではなく、最初の答案に何が足りなかったかを言葉にすると、次の問題に生かしやすくなります。
まとめ:教材名ではなく、今の不足から選ぶ
SAPIX、予習シリーズ、中学受験新演習には、それぞれ異なる強みと注意点があります。
- SAPIXは、読解や記述の考え方を学びやすい一方、演習量が不足する場合がある
- 予習シリーズは、詳しい解説と幅広い問題がある一方、難問まで全て進めると消化不良になりやすい
- 新演習は、標準的な問題に取り組みやすい一方、学力によっては負荷や採点情報を補う必要がある
大切なのは、教材を増やすことではなく、演習量・難度・答案作成・自己採点のどこが不足しているかを整理することです。目的を1つに絞れば、現在の塾教材を生かしながら必要な部分だけを補いやすくなります。
次に確認する内容を課題別に選ぶ
| 現在の課題 | 次に確認するページ |
|---|---|
| 国語全般が苦手で、原因が分からない | 国語が苦手な理由と学習方法を確認する |
| 予習シリーズの宿題や復習を見直したい | 予習シリーズ国語の使い方を確認する |
| 記述答案の書き方が分からない | 国語記述の書き方を確認する |
| 書いた記述答案を自己採点できない | 国語記述の自己採点と部分点基準を確認する |
| 教材の選び方や家庭学習量を個別に相談したい | 中学受験国語の完全1対1個別指導を確認する |
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