中学受験 国語の過去問はどう解く?──年数・順番・時間配分の考え方ガイド
中学入試の国語・過去問へのアプローチ
「過去問を何回やるべきか」「繰り返しの効果と限界」「類題演習との順番」まで含めた全体像は、過去問演習の全体像はこちらで整理しています。
過去問を始める時期
過去問は「早く始めれば安心」というより、基礎(読み方・解き方)が定着した状態で取り組むことが重要です。次の状態がそろってきたら、少しずつ過去問に入っていくのが進めやすいです。
- 文章を読んだあとに、設問の根拠(どこに書いてあるか)を言える
- 選択肢で判断に悩んだときに、本文に戻って確認する習慣がある
- 記述で「何となく」で書かず、本文の言葉を使う意識がある
これらが不安定なまま過去問だけを増やすと、点数の上下に振り回されやすくなります。必要に応じて、過去問と並行して基本の読み方・解法の練習も挟みながら進めましょう。
第一志望・第二志望のバランス(回し方)
第一志望だけに偏ると「他校の形式でミスをする」、第二志望以下に時間を割きすぎると「第一志望の得点力が伸びない」というズレが起こりやすくなります。基本は第一志望を軸に、第二志望以下は「形式に慣れる」「頻出テーマを押さえる」目的で回すのが整理しやすいです。
- 第一志望:実施→採点→分析→復習までを1セットとして、優先的に回す
- 第二志望:第一志望と形式が近い学校は回数を抑え、形式が違う学校は早めに触れておく
- 第三志望以下:出題形式の特徴(記述量・設問タイプ)を把握する目的で、必要分に絞る
「どの学校も同じように解く」のではなく、学校ごとの出題のクセに合わせて、時間の使い方と得点の取り方を変えるのが過去問の価値です。
1回分にかける時間と、時間配分の作り方
国語の過去問は、「時間内に終わった/終わらなかった」だけで評価しないことが大切です。まずは本番と同じ制限時間で取り組み、次に「どこでリズムが乱れたか」を確認して、配分を作っていきます。
- 最初の目的:制限時間内で、解く順番・戻り方(根拠確認)の基本を崩さない
- 時間が足りない場合:「本文を読む」「設問を処理する」「記述を書く」のどこで止まったかを特定する
- 見直し時間:最後に数分でも残す前提で、途中の「悩みすぎ」を減らす(誤字・抜けの防止)
時間配分は学校ごとに変わります。まずは自分がミスをしやすいパート(選択肢で判断に時間をかけすぎる/記述が遅い等)を把握し、そこを改善するように配分を調整していきましょう。
復習のコツ(次の1回につなげる)
過去問は「解く」よりも「復習」で伸びます。復習では、正誤だけで終えずに、次に同じミスをしないためのプロセスまで落とし込みましょう。
- 根拠確認:正解の根拠が本文のどこかを示し、線を引いて言葉で説明する
- ミスの原因の分類:読み違い/設問の条件見落とし/選択肢の比較不足/記述の要素不足 などに分ける
- 直し方を確立:「次はこう解く(こう戻る/こう抜き出す)」を一文でメモする
- 記述の復習:模範解答と見比べて、足りない要素(誰が・何を・なぜ)をチェックする
この復習の流れができると、点数が伸びるだけでなく、過去問演習が「場当たり」になりにくくなります。
取り組む順番
過去問に取り組む順番は、志望校順か難易度順、どちらも低いほうから取り組みます。
志望校順で解く場合は、志望度の低い順から解くことで、安定したモチベーションを保つことができます。
また、難易度順で解く場合は、難易度が低い問題から解くことで、学力の定着具合をはかることができます。
何年分解くべきか
過去問は、第一志望を5年分は解いておくべきです。第二志望も5~3年分は解いておきましょう。
国語の入試問は数年分解くと、頻出されている問題やテーマが分かったりします。
あまりさかのぼってしまうと、時代の流れや学校の教育方針が変わればテーマも変わってしまうため、余裕がある場合は解く、といったスタンスで取り組むと良いでしょう。
過去問を解く環境
過去問を解くときは、中学入試と同じ条件で取り組みましょう。国語のテストに臨むときの「効率的な時間の活用法」を参考に、解きましょう。また、長文問題に取り組む際には、長文読解でよく起こる「時間が足りない」問題への対処法を意識して取り組んでみましょう。
国語のテストを受けるときの3つの心構えにもあるように、タイマーや時計を使って入試と同じ時間で解くことで、時間配分を身につけることができます。また、テレビや音楽は消す、途中の飲食はしない、など受験と同じ環境に慣れることが必要です。仮にはやく問題が解き終わってしまった場合でも、時間ぎりぎりまで誤字がないか、不安な問題は見直してみたり…と入試本番と同じ状況で挑みましょう。
また、制限時間を過ぎても解けなかった問題は、改めて時間外で解きます。このとき、たとえ正解していたとしても点数に入れてはいけません。あくまでも入試本番と同じ状態にしましょう。入試本番と同じ時間制限の中で過去問を解くことで、時間内に解くためにはどうしたら良いのか考えることもできます。解きっぱなしにせずに、復習も丁寧に行うようにしましょう。
過去問の復習で伸びを実感するための「チェックリスト」
復習を「○×確認」で終わらせないために、1回分ごとに次の項目をチェックしてから次の年度に進みましょう。
- 根拠:正解の根拠を本文中に1か所以上示せる(該当箇所に線)
- 設問条件:条件(「理由」「どのような」「なぜ」など)を本文に戻して満たしたか
- 選択肢:判断に悩んだ2択について「どこが違うか」を本文に沿って説明できる
- 記述:要素(誰が・何を・なぜ/どういうことか)が抜けていないか
- 時間:時間が足りなかった場所が「読む」「根拠探し」「記述」のどれか明確に言える
復習ノートのテンプレ(1問30秒で書ける形)
復習は長文の感想ではなく、「次に同じミスをしない流れ」に変換するのが目的です。次のテンプレで十分です。
【問題番号】( )
【間違いの種類】 読み違い/条件見落とし/根拠不足/比較不足/要素不足/時間超過
【根拠の場所】(段落: /行付近: )
【次はこうする】(例:条件を丸囲み→本文に戻る→該当段落で言い換えを探す)
記述の採点でブレない「3つの観点」
記述は「何となく良さそう」で丸をつけると伸びません。最低限、次の3観点でチェックすると採点が安定します。
- 要素:設問が求める内容が揃っている(理由+結果、心情+根拠、対比の両側など)
- 本文の言葉:本文の言葉(または同義の言い換え)を使っている
- 因果:「なぜ→だから」がつながっている(論理が飛躍していない)
「誰が・何を・なぜ」のどれかが欠けた答案は、点数を落とす原因になりやすいので最優先で修正対象にします。
時間が足りないときの切り分け(原因別の打ち手)
「時間が足りない」は原因が違うと対策も変わります。次の3つに分けて現状を把握してください。
- 読むのが遅い:段落ごとに「要点1行メモ」を書き、設問で戻る場所を絞る
- 根拠探しが遅い:設問のキーワードに印をつけ、本文で言い換えを探す練習を増やす
- 記述が遅い:基本の構成(要素→順番→接続)を確立し、下書きを短くする
よくある質問(FAQ)
- Q. 国語の過去問は何年分やれば十分ですか
- 第一志望は複数年で傾向と間違いのパターンを掴むのが目的です。年度を増やす前に「1年分の復習が丁寧に行えているか」を優先してください。
- Q. 同じ年度を何回も解くべきですか
- 再演習は有効ですが、目的は「点数を上げること」より「同じプロセスで解けること」です。2回目は時間短縮ではなく、根拠確認と解き方の再現性を見てください。
- Q. 併願校の過去問はいつ触れるべきですか
- 第一志望と形式が違う学校ほど早めに1年分だけ触れて、必要な形式(記述量・設問タイプ)を把握しておくと対応しやすくなります。
- Q. 採点は親が全部やる必要がありますか
- 最低限、記述だけは大人が観点(要素/本文の言葉/因果)でチェックするのが効果的です。選択肢は根拠説明ができれば本人採点でも復習になります。
ミニ練習:過去問の「復習」を10分で終える流れ
- 間違えた問題だけ番号を抜き出す(3分)
- 各問の根拠箇所に線を引き、1行で説明する(4分)
- 間違いの傾向を選び、「次はこうする」を一文で書く(3分)
この10分を積み上げると、年度を増やさなくても得点が安定しやすくなります。
採点
過去問は、大人が採点をしましょう。記述の場合、解いた本人が採点すると、本人にとって都合の良い採点になってしまったり、部分点がもらえる解答も、完璧に模範解答と一致していないとバツをつけてしまったりします。大人が細かい採点をすることで、より正確に判断することができるため、大人が採点するようにしましょう。
分析
過去問を解き終わった後は、不正解だった問題に対して、なぜ間違えてしまったのか理由を考え、間違えないようにするために何が必要かを考えることがとても大切です。なんとなくで答えが正解だった問題に対しても、同じく悩まずに解答を導き出すためにはどうしたら良いかを考えましょう。
また、分からない語彙があった場合は調べて覚えたり、知らない・書けない漢字が出てきた場合も同様に覚えましょう。そうすることで、過去問を解きながら中学入試に必要な読解力も高めることができます。
過去問は、本番を想定してきちんとした姿勢で取り組むことが非常に重要です。入試本番にリラックスしてきちんと問題に取り組むことができるように、日ごろから練習をしておくことが大切です。
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