国語のテストで時間が足りないときの解き方|中学受験向け・効率的な時間配分のコツ
「国語のテストでいつも時間が足りない」「大事なテストほど焦って集中できない」――。
テスト本番での効率的な時間の使い方は、多くの受験生・保護者の共通の悩みです。
本ページでは、国語専門塾での指導内容とブログ記事をもとに、「急がないのに、結果として速く・正確に解く」ための時間術を整理してご紹介します。
「身も蓋もない言い方になりますが、時間配分を考えないのが一番効率的だと思っています。
無理に急ぐ必要はありません。自分にとって最も読みやすく、最も解きやすいスピードで進むことが大切です。」
テストでの効率的な時間の使い方:基本方針
時間配分を「考えすぎない」のがいちばん効率的
テストというと、「大問1に◯分、大問2に◯分……」と細かい時間配分を立てたくなりますが、まず押さえておきたいのは次の考え方です。
- 無理に急ぐ必要はない
- 自分にとって一番読みやすく、一番解きやすいスピードで進むことが大切
- 「この大問は◯分くらい」という大まかな目安を持つ程度ならOK
しかし、最も大事なのは、
「時間配分をあれこれ考えるより、とにかく1問ずつ前に進む。これが結局、一番早く、一番正確に解く方法です。」
という姿勢です。
頭の中を「時間配分の心配」ではなく「次の問題をどう解くか」に使うことが、結果的にもっとも効率の良い時間の使い方につながります。
集中力が欠けてしまうときの対処法
本番だけではなく、普段から「集中力を持たせる訓練」を
クラス分けテストや入試本番など、「ここだけは絶対に失敗したくない」という場面ほど、集中力が切れてしまうケースがよくあります。
そもそも、テスト中に他のことを考えていては時間を有効に使えません。特に長文読解では、
- 集中が切れる → 同じところを何度も読み直して時間ロス
- 集中していた部分は覚えているが、集中が途切れた部分だけ内容を思い出せず、設問でつまずく
といった問題が起こります。
そこで重要なのが、
普段の学習から、せめてテストと同じ時間だけは集中力を切らさず勉強する訓練をしておくことです。
「本番だけ集中する」は不可能です。
日頃から45分なら45分、60分なら60分と、テストと同じ長さだけ集中して学習することを目標にしましょう。
方法論は「無意識で処理できるレベル」まで落とし込む
「気持ちを考えるときにはこういう手順がある、説明しろと言われたらこう解く、というアプローチはたしかにあります。
ですが、それを試験の場で考えているようでは三流だよ、とよく言います。
無意識で処理しているのが大切です。」
テスト本番であれこれ考えている余裕はありません。
解き方の手順は、「考えてから使う」のではなく「自然に手が動く」レベルまで練習しておく必要があります。
- 普段の演習で、同じタイプの問題に同じ手順で取り組む(パターン化)
- 解き方を声に出して確認しながら、徐々に無意識でもできる状態にしていく
こうして無意識にできるアプローチの数が増えれば、
「集中できる・できない」の次元ではなく、自然と最速で駆け抜けることができるようになります。
1問に引っかかってしまう場合の時間の使い方
「抜き出し問題」は10秒考えてダメなら飛ばす
テスト中、1問だけにいつまでも引っかかってしまう受験生は少なくありません。多くの場合、それは抜き出し問題です。
「抜き出しの問題に関しては、10秒間考えてしんどかったら飛ばしなさいと話しています。」
抜き出し問題は、解けるときは一瞬で方向性が見えることが多いタイプです。逆に、
- 10秒考えても全く方向性が見えない
- どこを抜き出すべきかの当たりがつかない
という場合、その場では「今の自分にはうまく適用できなかった」と判断し、一旦飛ばす勇気が必要です。
分からない問題は「印をつけて」先へ進む
- 悩む問題には、星マークやチェックをして後から戻れるようにしておく
- 一度飛ばした問題は、全体を解き終えてから再挑戦する
- 2択で迷うときは、棒線部に戻り「どちらがよりフィットするか」という観点で絞り込む
「国語のテストを受けるときの3つの心構え」でも触れていますが、
一問に時間をかけすぎて全体を解き切れないのは、もっとも非効率な時間の使い方です。
分からない問題は飛ばすことも、大切な「時間術」です。
記述問題で時間を使いすぎてしまうとき
「満点を狙う」より、まずは部分点を確保する
逆に、記述問題に時間をかけすぎてしまうタイプもいます。
「記述の場合は幸い部分点がもらえますから、どうしても時間がないのであれば、
これは必ず答えに入るはずだという部分だけでも書いておくとよいと思います。」
- 100字の記述であっても、気持ちを問う問題なら「うれしい」だけで2点など、部分点が入ることもある
- 理想は全部書くことだが、テスト本番では「とりあえず核となる要素を書いて先に進む」選択も必要
部分点を稼ぐのも大切な戦略です。
記述問題に時間をかけすぎて他の問題を落とすより、まず核となる要素を書いて次へ進むことを意識しましょう。
文字数指定があるとき:理由かイコールの内容を足す
「嬉しい」という気持ちは分かったが、
残りの文字数をどう埋めればよいのか分からないという悩みもよく聞きます。
「記述の字数の増やし方としては、理由を加えるかイコールの内容を加えるかのどちらかです。」
- 理由を加える:「◯◯だから嬉しい」のように、「なぜそう感じたのか」を一文で添える
- イコールの内容を加える:「嬉しい=◯◯だと感じた」というように、気持ちを言い換える表現を足す
最低字数が決められている場合は、
少し無理やりでも理由かイコールの内容を引っ張ってきて形を整えるという「逃げ方」もありです。
一方で、実際の入試では「50字以上70字以内」といった厳密な指定がないことも多いため、
「全部埋めなければいけない」と思い込みすぎないことも大切です。
作文しない:本文からヒントを探して、部分点を取りにいく
記述だからといって、ゼロから自分の頭で作文しようとするのは時間の浪費です。
- 記述問題は、問われている内容に対する答えを本文から探すのが基本
- 「記述力を向上させる」読解ラボ流のポイントにもあるように、本文には必ずヒントが書かれている
- 該当箇所を見つけ、必要に応じて言い換え・要約・字数調整を行う
満点が取れなくても、部分点を確実に積み上げていくことで、
記述の配点の大きさを味方につけることができます。
部分点を稼いで全体の点数を上げていく意識を持ちましょう。
テスト前に身につけておきたい具体的な習慣
文章量と問題構成を最初に把握する
国語のテストで問題用紙と解答用紙が配られたら、まずは全体像の把握から始めましょう。
- 解答用紙で全体の問題数・記述問題の数をざっと確認する
- 文章をざっと眺めて、どれくらいの分量があるのかを把握する
これは、長文読解でよく起こる「時間が足りない」問題への対処法にも通じるポイントです。
全体の文章量が分かると、「どれぐらい考える時間があるのか」も見えてきます。
最初のほうの問題に時間をかけすぎないためにも、文章量と問題構成の把握を習慣にしましょう。
「集中する・考えすぎない・飛ばす」をセットで身につける
ここまでの内容をまとめると、国語のテストで時間を効率的に使うためには、次の3点がセットで必要になります。
- 集中する:テスト中はテストだけに意識を向ける。普段から集中時間を伸ばす練習をする。
- 考えすぎない:一問にこだわりすぎない。分からなければいったん手を離す。
- 飛ばす勇気:10秒考えて方向性が見えない抜き出し問題などは、一旦星マークをつけて先へ進む。
この3つが身についてくると、
「時間が足りない」=「実は同じところで立ち止まりすぎているだけ」という状態から、抜け出しやすくなります。
講座・個別指導で方法論を「無意識レベル」に
テストに効率的に挑むためには、まず、さまざまな問題に触れながら方法論をきちんと身につけることが必要です。
- 読解演習道場:さまざまな文章に触れ、国語の読解力を鍛える講座。
解き方の「型」を繰り返し練習し、無意識で使えるレベルを目指します。 - 完全1対1の個別指導:一人ひとりの弱点や性格に合わせ、最も効率的な授業で理解を深めることができます。
どんな問題に対しても安定して得点できるようになるために、
学習段階から「効率的な時間の活用法」を意識して取り組んでいきましょう。
まとめ:国語テスト時間術 チェックリスト
- 時間配分を細かく決めすぎず、自分にとって読みやすいスピードで1問ずつ前へ進む
- 集中力は本番だけでなく、普段の学習からテスト時間分の集中を訓練しておく
- 解き方の方法論は、無意識に処理できるレベルまでパターン化する
- 抜き出し問題などで10秒考えても方向性が見えなければ、一旦飛ばす
- 分からない問題には印をつけ、全体を解き終えてから再挑戦する
- 記述問題は満点よりも部分点を確保することを優先し、核となる要素だけでも書いて先へ進む
- 文字数を増やしたいときは、理由を加えるかイコールの内容を加える
- 記述は自分で作文しない。本文からヒントを探し、要約・言い換えで答える
- テスト開始時に文章量と設問構成をざっと把握し、全体像をつかんでから解き始める
- 日頃から多くの問題に触れ、時間の使い方も含めた「テストでの立ち回り」を練習しておく
「急げ!」と自分にプレッシャーをかけるのではなく、
「考えすぎず、先へ進む」という発想で時間を使えるようになれば、
国語のテストは今よりもっと戦いやすくなります。動画や各種講座も活用しながら、
自分なりの最速で最後まで駆け抜けられる力を育てていきましょう。



