サピックス国語の成績が伸びないときの処方箋|語彙・記述・B問題の勉強法

サピックスの国語は、他塾と比べてもカリキュラムと教材の独自色が非常に強いことで知られています。特に記述問題への比重が大きく、御三家や難関校を目指す受験生にとっては強力な武器になり得ます。一方で、記号問題や抜き出し問題などの客観問題の基礎力をどう補うかが重要な課題にもなります。

このページでは、サピックス国語の教材・授業の特徴と弱点、志望校別の使い方、家庭で補うべきポイント、そして当塾で行っているサポートについて整理して解説します。

サピックス国語の教材と特徴

Aテキスト・Bテキストの役割

サピックスの国語の授業は、主に以下の2種類のテキストで構成されています。

  • Aテキスト:語彙数は他塾に比べてやや少なめ。
    知識問題・記号問題・選択問題・抜き出し問題がメインの構成。
  • Bテキスト:長文読解が中心。
    記述問題がメインで、記述量が非常に多い。

この2種類を組み合わせることで、語彙・知識のインプットと、長文記述のアウトプットを同時に鍛える設計になっています。

記述に特化したカリキュラムのメリット

サピックス国語の最大の特徴は、なんといっても「記述に特化している」点です。

  • テキスト全体として記述の分量が圧倒的に多い
  • テストでも記述字数の多い問題が頻出
  • 宿題も記述問題がメインで構成されている

これは、御三家や難関校が中学入試で記述を重視していることが背景にあります。実際、

  • 記述でどれだけ点数を取れるかが合否のカギを握っている学校が多い
  • サピックスはその対策に大きく時間とエネルギーを割いている

という構図になっており、「難関校志望の記述対策」という観点では非常に優れた教材と言えます。

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記述偏重による弱点と注意点

一方で、記述重視であるがゆえの弱点・注意点もはっきり存在します。

  • 記号・抜き出し・空欄補充などの客観問題を解く力が育ちにくい
  • 授業スピードが速く、応用レベルの演習がメインになりがち
  • 基礎を鍛え直す・見つめ直す時間がなかなか確保しづらい
  • 授業についていけないと、内容がほとんど理解できないまま終わってしまう危険もある

また、すべての問題を授業内で扱うわけではありません。そのため、

  • 家庭学習での復習が必須
  • A・B両テキストをバランスよく回す工夫が必要

といった点も、サピックス国語を使いこなすうえで重要なポイントになります。

志望校別・サピックス国語の使い方

1.記述重視の中学校を志望する場合

国語の学力が十分な場合

御三家や難関校など、国語で長めの記述・字数制限なしの記述が多く出題される学校を目指す場合は、Bテキストを徹底的に活用します。

  • Bテキストの宿題と、授業で扱った課題を1問ずつ丁寧にやり切る
  • 文章を読み、設問に答えるだけでなく、「なぜその答えになるのか」原因や根拠を論理的に説明できるようにする
  • 単に字数を埋めるのではなく、設問の要求に沿った正確な答えを書けているかを常に確認する

特に、難易度の高い学校では

  • 記述字数の多い問題
  • 字数制限のない自由記述

が出されることも多いため、サピックスのBテキストを通じて「長文記述に慣れる」ことが必須となります。

国語の学力が十分でない場合

現時点で国語があまり得意ではない場合、いきなりBテキストの重い記述から入るのは危険です。まずはAテキストを軸に、次の点を意識して基礎固めを行いましょう。

  • Aテキストの問題を確実に正解できるレベルまで仕上げる
  • 記述問題でも、抜き出し・条件付きの記述を通じて「本文中から探す力」を身につける
  • 学力停滞の大きな原因になりやすい語彙力不足を同時に補う

特に、

  • 語彙の学習(意味までしっかり理解する)
  • 短めの記述で要素を押さえる訓練

を意識することで、Bテキストの重い記述にも徐々に対応できる土台が整っていきます。

2.記述重視ではない中学校を志望する場合

女子学院・慶應普通部・早稲田中・早稲田実業など、選択問題中心の入試を行う学校を第一志望にしている場合は、サピックスの「記述偏重カリキュラム」とのギャップに注意が必要です。

国語の学力が十分な場合

この場合でも、Bテキストの記述対策だけでなく、Aテキストを使った基礎~標準レベルの客観問題対策が不可欠です。

  • Aテキストの語句をほぼ完璧なレベルまで身につける
  • 選択問題について、「なぜその選択肢を選んだのか」根拠を言葉で説明できるようにする

選択問題は、記述問題と違い、

  • 部分点が存在しない
  • 答えは必ず一つに決まる

ため、紛らわしい選択肢の中から根拠をもって正答を選ぶ力が求められます。
特に、選択問題中心の学校を第一志望にする場合は、消去法だけで乗り切るのは非常に難しいため、Aテキストでの学習を軽視しないことが重要です。

国語の学力が十分でない場合

このケースでは、まず語彙力の底上げが最優先になります。

  • 漢字の読み書きだけでなく、意味を正確に覚える
  • 語彙問題を通して、言葉と意味を文脈の中で理解する

サピックスの国語は記述問題に重きを置いているため、

  • 国語の基礎(語彙・文法・言語知識)は家庭学習で補う必要がある
  • Bテキストばかりに時間をかけすぎず、Aテキストの内容をしっかり学習することが重要

国語に苦手意識が強い場合は、以下の記事も参考にして学習法の見直しを行いましょう。

あわせて、Aテキストの読解部分については、

  • ていねいに文章を読むことを意識する
  • 内容理解が甘いと感じたら、必ず復習して読み直す

といった地道な取り組みが、最終的な得点力の差になっていきます。

サピックス対策と当塾のサポート

サピックス国語で伸び悩む原因

前述の通り、サピックスでは記述重視のカリキュラムが徹底されています。そのため、

  • 記述や読解が苦手で、授業そのものについていけなくなる
  • 授業であまり扱われない選択問題中心の志望校に対し、Aテキスト学習が不十分なまま本番を迎えてしまう

といった状況が起こりやすくなります。ここで大切なのは、

「自分の国語力」と「志望校の出題形式」に合わせて、効率的な学習プランを組み立てること

です。

記述力アップの参考記事

記述問題に対する具体的な考え方や、得点力を上げるためのポイントについては、以下の記事で詳しく解説しています。

当塾の個別指導によるサポート

当塾では、サピックス生を含め、さまざまな塾のカリキュラムに通うお子様に対し、

  • 完全1対1の個別指導で、一人ひとりに合わせた指導が可能
  • 「普遍的な解法」を学び、定着させることで国語の読解力そのものを底上げする
  • サピックスのA・Bテキストのどこをどのように補えばよいかを一緒に整理

といったサポートを行っています。

また、当塾ではオンラインでの個別指導も実施しております。教室と同様の内容を自宅で受講することができますので、通塾の負担を減らしながら効果的な学習を進めたい方は、以下のページもご覧ください。

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まとめ:サピックス国語を「志望校仕様」にチューニングする

  • サピックス国語は記述特化・難関校志向の非常に優れた教材だが、そのままでは客観問題や基礎力が不足しがちになる
  • Aテキスト=語彙・知識・客観問題の基礎固めBテキスト=長文記述の実戦力養成と役割を分けて活用する
  • 記述重視校志望ならBテキスト中心+Aテキストで語彙補強を、選択問題中心校志望ならAテキストの徹底と根拠説明の訓練を重視
  • 国語が苦手な場合は、まず語彙・基礎読解・文法から立て直し、「本文中から根拠を探す力」を育てる
  • 志望校の出題形式と現在の実力に合わせて、テキストの使い方を意識的にチューニングすることが合格への近道

サピックスのカリキュラムはハイレベルだからこそ、「自分に合っている部分」と「補うべき部分」がはっきり分かれます。迷いが大きい場合は、外部の国語専門塾や個別指導も活用しながら、効率よく得点力を伸ばしていきましょう。

 

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