小論文の書き方をマスターするためにまずは基本的な型を学ぼう

小論文の書き方|序論・本論・まとめで何を書くかを例文で確認する

小論文で最初に決めるのは、きれいな表現ではなく「何について、どちらの立場で、なぜそう考えるか」です。

小論文が書けないときは、文章力だけが原因とは限りません。多くの場合、序論で話題を広げすぎたり、本論で理由と具体例が不足したり、最後が同じ内容の言い換えだけになったりしています。

  • 序論では、テーマに対する自分の立場を短く示す
  • 本論では、理由・根拠・具体例を入れて説明する
  • まとめでは、新しい話を足さず、主張をもう一度はっきり示す

このページでは、小論文で「何を書けばよいか分からない」「書き始めると話が広がりすぎる」「例を入れたつもりでも説得力が弱い」と感じる生徒に向けて、序論・本論・まとめの役割を確認します。抽象的な説明だけで終わらせず、悪い例と直し例を見ながら、答案に使いやすい書き方を整理します。

大学受験の小論文まで見据える場合

小論文は、構成だけ覚えても、課題文の読み取りや資料の扱い、設問条件への答え方が弱いと答案になりにくい分野です。現代文と小論文をあわせて確認したい場合は、国語専門塾の大学受験オンライン個別|現代文小論文を1対1指導で、課題文読解から答案作成までの学び方を確認できます。

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たとえば、次のような書き方は小論文で弱くなりやすいです。

テーマ:学校でスマートフォンの使用を認めるべきか

弱い例:
スマートフォンは便利なので、学校でも使えるようにしたほうがよいと思います。調べものもできるし、連絡もできるからです。これからの時代には必要だと思います。

直し例:
私は、授業中以外の時間に限って、学校でスマートフォンの使用を認めるべきだと考えます。災害時や急な予定変更の連絡に役立つ一方で、授業中の使用は学習の妨げになるためです。使用できる時間と場所を決めれば、便利さを活かしながら学習環境への影響を小さくできます。

直し例では、「認めるべきか」という問いに対して、賛成・反対をぼかさず、条件・理由・具体場面を入れています。小論文では、このように考えの範囲を広げすぎず、理由を読める形にすることが大切です。

小論文の構成

小論文は、序論・本論・まとめの3つで組み立てると読みやすくなります。600字から800字程度の小論文であれば、次のような配分を目安にすると、本論が薄くなりにくくなります。

  1. 序論【全体の10~20%】 テーマに対する自分の立場を示します。ここで長く説明しすぎると、本論で理由を書く余裕がなくなります。
  2. 本論【全体の60~80%】 自分の考えを支える理由、具体例、資料の読み取り、反対の考えへの応答を書きます。小論文で最も厚くしたい部分です。
  3. まとめ【全体の10~20%】 本論で述べた内容を受けて、自分の主張をもう一度示します。ここで新しい理由や別の話題を足さないことが重要です。

書き分けの例

序論:私は、学校でのスマートフォン使用は、休み時間と緊急時に限って認めるべきだと考える。

本論:理由は、連絡手段としての利点がある一方で、授業中に自由に使えると集中を妨げるおそれがあるからだ。たとえば、災害時には家族との連絡や交通情報の確認に役立つ。しかし、授業中に通知が鳴ったり、学習と関係のない画面を見たりすれば、本人だけでなく周囲にも影響が出る。

まとめ:したがって、学校でのスマートフォン使用は全面的に認めるのではなく、時間と場面を限って認めることが望ましい。

論点をおさえる

小論文を書く前に確認したいのは、「何について答えるのか」です。たとえば、「学校でスマートフォンの使用を認めるべきか」というテーマなのに、「スマートフォンは便利だ」という話だけで終わると、問いへの答えが弱くなります。

テーマが求めているのは、便利かどうかだけではありません。「学校で」「使用を認めるべきか」という条件に対して、自分の立場を示す必要があります。そのため、書き始める前に、次のように考えると文章がまとまりやすくなります。

  • 何について答えるのか
  • 賛成なのか、反対なのか、条件付きで認めるのか
  • その理由は何か
  • 具体例として何を出せるか

この確認がないまま書き始めると、途中で便利さ、危険性、校則、家庭の話などが混ざり、読み手に主張が伝わりにくくなります。小論文では、話題を広げるよりも、問いに対して一貫して答えることが大切です。

論点が広がりすぎる場合

書いている途中で何を中心にすればよいか分からなくなる場合は、作文力だけでなく、問いの読み取りや記述答案の見直しが必要なことがあります。答案を自分で点検する観点は、記述模試の自己採点方法|国語の部分点と採点基準を確認するコツも参考になります。

客観的に分かりやすく

小論文では、自分の感想だけで書くのではなく、読み手が納得できる理由を示すことが必要です。「私はそう思う」で終わる文章は、意見文としては成り立っても、小論文としては根拠が弱くなります。

たとえば、次のような書き方は注意が必要です。

弱い例:
学校でスマートフォンを使えるほうがよいと思います。なぜなら便利だからです。今の時代はみんな使っているので、禁止するのはよくないと思います。

弱く見える理由:
「便利」「みんな使っている」という言い方だけでは、学校で認める理由として十分に説明されていません。読み手が納得できる場面や条件を入れる必要があります。

直し例:
学校でスマートフォンを使う場面を、休み時間や緊急時に限れば、連絡手段として役立つと考えます。たとえば、災害や交通機関の遅れが起きたとき、生徒が家族と連絡を取れることは安全面で意味があります。一方で、授業中の使用は学習への集中を妨げるため、時間と場所を決めて認める必要があります。

このように、理由だけでなく、具体場面と条件を入れると、小論文として読みやすくなります。

資料が示されている小論文では、資料の数字や説明をそのまま写すのではなく、自分の主張とどう関係するのかを示します。資料を使う目的は、知識を並べることではなく、自分の考えを支えることです。

賛成か反対かを示す

テーマに対して賛成か反対かを示すことは、小論文の基本です。ただし、実際の入試では、完全な賛成・完全な反対だけでなく、「条件付きで賛成」「一部は認めるが制限が必要」といった書き方が合う場合もあります。

大切なのは、読み手が「この人は何を主張しているのか」をすぐに理解できることです。たとえば、次の2つを比べると違いが分かります。

  • 弱い書き方:スマートフォンにはよい面も悪い面もあるので、よく考える必要がある。
  • よい書き方:スマートフォンは、休み時間と緊急時に限って学校での使用を認めるべきだ。

前者は無難に見えますが、自分の立場がはっきりしません。後者は、使用を認める範囲まで示しているため、その後に理由を書きやすくなります。

また、小論文では反対の考えに触れると説得力が増します。ただし、反対の考えを長く書きすぎると、自分の主張が弱く見えます。反対の考えは短く取り上げ、そのうえで自分の考えに戻すことが大切です。

反対の考えを入れる例:

たしかに、学校でスマートフォンを認めると、授業中に学習と関係のない使い方をする生徒が出る可能性があります。しかし、その問題は全面禁止でしか解決できないわけではありません。使用できる時間と場所を限り、授業中は預けるなどのルールを設ければ、安全面での利点を残しながら、学習への影響を抑えることができます。

自分の意見をまとめる

まとめでは、新しい話題を足さず、本文で述べた内容を受けて自分の意見を示します。最後で急に別の理由を出すと、文章全体のまとまりが弱くなります。

たとえば、本論で「災害時の連絡」と「授業中の集中」を扱ったなら、まとめでもその2つを受けて書きます。

まとめの例:

以上のことから、学校でのスマートフォン使用は、全面的に禁止するのではなく、休み時間や緊急時などに限って認めるべきだと考えます。安全面での利点を活かしつつ、授業中の使用を制限することで、学習環境への影響も抑えられます。

まとめは長く書く必要はありません。自分の立場、理由の要点、テーマへの答えが入っていれば十分です。小論文では、最後に飾った表現を入れるよりも、読み手が「何を主張した文章だったか」を確認できる形にすることが大切です。

当塾での取り組み

当塾では、受験国語対策を生徒一人ひとりに合わせて行っています。

小論文についても、志望校の出題傾向、課題文の読み取り、資料の扱い、答案の書き方に合わせて指導しています。小論文は、書く前の考え方と、書いた後の見直しで大きく変わります。自分では書けているつもりでも、問いへの答えが弱い、理由が短い、具体例が主張とつながっていないということは少なくありません。

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小論文を添削だけで終わらせないために

答案に赤を入れるだけでは、次の答案が変わりにくいことがあります。読解ラボ東京では、課題文の読み取り、論点の選び方、根拠と具体例の置き方、最後のまとめ方まで確認し、答案を作る前の考え方から見直します。

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まとめ

小論文を書くときは、まずテーマに対して自分が何を主張するのかを明らかにします。そのうえで、序論では立場を示し、本論では理由・根拠・具体例を入れ、まとめでは新しい話を足さずに主張を示します。

「何を書けばよいか分からない」と感じるときほど、表現を飾るよりも、問いへの答え、理由、具体例の関係を確認することが重要です。悪い例と直し例を比べながら、自分の答案で不足している部分を見つけていきましょう。

小論文は、読解力と表現力の両方が必要です。課題文を読み、問いに答え、理由と具体例で支える練習を積み重ねることで、答案は少しずつ変わっていきます。

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