渋谷教育学園渋谷中学校・令和3(2021)年度の過去問解説

渋渋国語・令和3年度過去問の心情記述と理由選択を解説

このページでは、渋谷教育学園渋谷中学校・令和3年度入試(国語)から、物語文の心情記述と説明文の理由選択を取り上げます。

大問一問五では、悟の考えが変化した理由を本文から読み取り、記述答案にまとめる方法を解説します。大問二問三では、傍線部と本文の内容を照合し、理由としてふさわしい選択肢を判断します。

  • 大問一 問五:心情の変化前・きっかけ・変化後を整理する
  • 大問二 問三:傍線部と本文根拠から理由選択を判断する
  • 復習:答案に不足した要素と、選択肢を判断した根拠を確認する

渋谷教育学園渋谷中学校の国語過去問解説イメージ

令和3年度の渋谷教育学園渋谷中学校の国語過去問から、心情記述と理由選択の復習ポイントを確認します。

すでに過去問を解いた方は、自分の答案と本文根拠を照らし合わせながら読み進めてください。まだ解いていない方は、先に問題に取り組んでから解説を確認することをおすすめします。

このページは令和3年度国語の代表2問を扱う解説記事です。全年度・全教科の問題を掲載するものではありません。

渋谷教育学園渋谷中学校・令和3年度 国語過去問解説動画

令和3年度入試の大問一問五と大問二問三について、本文の読み方と解答の考え方を動画でも確認できます。

動画を見る前に、自分が根拠にした本文箇所を確認しておくと、解説との違いを見つけやすくなります。

動画の前後で確認したいこと

  • 心情記述では、悟の考えが変わる前後の表現と、きっかけになった経験を確認する。
  • 理由選択では、傍線部を自分の言葉で言い換え、選択肢の根拠となる本文箇所を確認する。
  • 視聴後は、自分の答案に不足していた内容や、選択肢を外す根拠を見直す。

以下では、動画で扱う2問について、本文の表現と解答の組み立て方を順に説明します。

大問一 問五:心情の変化ときっかけを説明する問題

大問一問五は、線Aと線Bの間で、みなとの意見に対する悟の考えがどう変化したかを、悟自身の過去の経験を含めて71字以上80字以内で説明させる問題です。

この問題では、いきなり字数に合わせて書き始めるのではなく、答案に入れる内容を分けて確認します。心情変化の問題では、「どう変わったか」だけでなく、なぜ変わったのかまで本文から拾う必要があります。

答案に入れる内容

  • 変化前:悟はみなとの考えをどう見ていたか。
  • きっかけ:悟自身のどの経験を思い出したか。
  • 変化後:悟はみなとの考えをどう受け止めるようになったか。

変化前:みなとの考えをどう見ていたか

まず、悟が変化前にみなとの意見をどう受け止めていたかを本文から確認します。

「ライツィハーのために神様に祈ってあげるんだ。鳩の神様に」
「鳩の神様?」
ユリカもおれも素っ頓狂な声を上げた。
「うん、鳩の神様」
「そんなのいるはずねえだろう」

このやりとりから、悟は鳩の神様を信じるみなとの考えを、はじめは否定的に受け止めていたと読み取れます。

ここで大切なのは、悟の発言だけを見るのではなく、「ユリカもおれも素っ頓狂な声を上げた」という地の文も合わせて見ることです。人物の気持ちは、会話文だけでなく、反応や描写にも表れます。

きっかけ:悟自身の過去の経験

次に、悟の考えが変わるきっかけになった場面を確認します。

おれも祈ったんだ。猫の神様に~連れていかないでください
チビは天国に~大好きだった父ちゃんに。

ここでは、悟がかつて自分も飼い猫のチビを連れていかないでほしいと、猫の神様に祈った経験を思い出したことが分かります。

悟自身にも、大切な存在を思って神様に祈った経験がありました。その記憶が、みなとの「鳩の神様」という考えを受け止め直すきっかけになっています。

変化後:みなとの考えへの賛同

最後に、悟の変化後の様子を確認します。

「いるよ、鳩の神様」
気づくとおれは、みなとに向かってつぶやいていた。

この描写から、悟はみなとの考えに賛同するようになったと読み取れます。

「気づくと」という表現からは、悟が自然に言葉を発した様子も伝わります。はじめは鳩の神様の存在を否定していた悟が、自分自身の経験を思い出したことで、みなとの考えを受け入れるようになったと考えられます。

答案イメージ

以上をまとめると、答案には次の内容を入れることになります。

答案の組み立て例(78字)

はじめは鳩の神様を信じるみなとの考えを否定していたが、かつて自分も飼い猫を連れていかないでほしいと猫の神様に祈った経験を思い出し、みなとの考えを受け入れた。

この答案例では、変化前・過去の経験・変化後の3要素を入れ、71字以上80字以内という条件に収めています。

特に、この設問では「悟自身の過去の経験を含める」という条件があるため、変化前と変化後だけで終わらせないことが重要です。

この問題でよくある不足答案

自分の答案を見直すときは、正解例だけでなく、何が抜けると説明として不十分になるのかも確認します。

不足しやすい答案 足りない要素 見直す本文根拠
みなとの考えに賛同した。 変化前ときっかけがない 悟がはじめにみなとの考えをどう受け止めていたか
猫の神様に祈ったことを思い出した。 変化前と変化後が弱い 思い出した結果、悟がどう受け止めたか
みなとの考えを否定していたが、考えが変わった。 過去の経験がない 悟自身が思い出した出来事

字数内に収めるときは、まず設問で求められている要素を落とさないことを優先します。この問題では、悟の変化だけでなく、悟自身の過去の経験を含める条件があるため、きっかけを削ってしまうと説明が弱くなります。

自分の答案で確認したいこと

  • 変化前の悟の見方を本文から説明できるか。
  • 悟が思い出した経験を答案に入れられているか。
  • 変化後の受け止め方を本文の表現に合わせて書けているか。
  • 自分の感想ではなく、本文根拠を使って説明できているか。

家庭で記述答案を採点するときは

記述問題は、模範解答と同じ表現でなくても、必要な要素が入っていれば評価できる場合があります。どの要素が入っていて、どこが不足しているかを確認したい場合は、中学受験国語の記述問題を自己採点する方法も参考にしてください。


大問二 問三:理由としてふさわしい選択肢を選ぶ問題

大問二問三は、傍線部に対して「そのように言える理由」として最もふさわしい選択肢を選ぶ問題です。

このタイプでは、先に傍線部の内容を確認し、本文中から理由にあたる内容を探します。選択肢の表現だけで判断するのではなく、本文の記述と対応しているかを確かめることが大切です。

理由選択で見ること

  • 傍線部は何を述べているのか。
  • その理由は本文のどこにあるのか。
  • 選択肢の説明が本文内容と対応しているか。
  • 本文にない内容や言い過ぎが含まれていないか。

傍線部の内容を分けて見る

まず、傍線1・傍線2の直前を確認して、筆者が何を述べているかを見ます。

  • 傍線1の直前:「まず、いま非常な~まず確実にいえることは、これらは…」より、インターネットなどは、私たちが欲したり待ち望んだりしたものではないという内容が分かります。
  • 傍線2の直前:「実はコンピュータ~開発されたものである。」より、軍事のために開発されたものであるという事実が述べられています。

ここで押さえたいのは、人々が待ち望んでいたものではないという説明と、軍事目的で開発されたという説明の2点です。

この2つは同じ意味ではありません。前者は人々が求めていたかどうか、後者は開発された目的について述べています。両方を区別したうえで、選択肢の内容を検討します。

選択肢の検討

上で確認した本文の内容と照らし合わせると、選択肢ウが理由としてふさわしいと考えられます。

選択肢ウ

「パソコンやインターネットなどは、元々われわれが日常生活の中で利用することを想定したものではなく、他の目的のために開発されたものであるから。」

この選択肢の「他の目的のために開発された」という部分は、本文中の「軍事のために開発された」という説明に対応しています。

一方、「日常生活の中で利用することを想定したものではなく」という部分と、本文の「欲したり待ち望んだりしたものではない」という内容は、厳密には同じ意味ではありません。

そのため、この2つの表現だけを単純な言い換えとして扱うのではなく、軍事目的で開発されたという記述も合わせて、選択肢全体が本文の説明に合っているかを判断します。

このように、選択肢ウは開発目的に関する本文の記述と対応しており、傍線部の理由としてふさわしいと考えられます。

誤答選択肢を外すときの確認ポイント

この問題では、「便利だから」「多くの人が使っているから」といった日常的な印象ではなく、開発目的について本文が述べている内容を確認する必要があります。

選択肢を比較するときは、次のような点に注意します。これらは実際の誤答選択肢を一つずつ分析したものではなく、理由選択問題で共通して使える確認観点です。

選択肢を外すときの確認観点

  • 本文にない内容:もっともらしい説明でも、本文に根拠がなければ選ばない。
  • 理由としてつながらない内容:本文の語句と似ていても、傍線部の理由になっているかを確認する。
  • 言い過ぎ:筆者が述べている範囲を超えた説明になっていないかを見る。
  • 説明箇所のずれ:本文の別の部分を説明しているだけで、設問への答えになっていない場合は外す。

正解した問題でも、ほかの選択肢を外した理由が説明できなければ、本文との照合が十分でなかった可能性があります。答え合わせでは、選んだ理由と外した理由の両方を確認しましょう。

二択まで絞れるのに、最後の判断が安定しない場合

選択肢問題では、もう一方を本文のどの表現を根拠に外せるかが重要です。二択から決めにくい場合は、選択肢を二択から外すときの理由と本文根拠の見方もあわせて確認してください。

渋渋国語の過去問を家庭で復習する方法

今回の2問を復習するときは、正解番号や模範解答を確認するだけでなく、自分がどの本文表現を根拠にしたかを振り返ります。

心情記述では答案に不足した要素を、理由選択では本文と選択肢の対応がずれていた箇所を確認すると、次の演習で注意する点を整理できます。

復習ノートに残すとよいこと

解説を読んだ後は、次に同じ形式の問題が出たときに何を確認するかを残しておくと復習しやすくなります。

復習ノートの項目例

  • 問題番号
  • 間違えた理由
  • 使うべきだった本文根拠
  • 記述答案に足りなかった要素、または選択肢の判断がずれた箇所
  • 次に同じ形式が出たときの確認観点

複数年度の過去問で同じような間違いが続く場合は、個々の問題の答えだけでなく、本文の読み方や根拠の拾い方を見直すことも必要です。

特に、心情の変化は読み取れても過去の経験を答案に入れられない場合や、二択まで絞れても本文を根拠に判断できない場合は、どの段階でつまずいているかを分けて確認するとよいでしょう。

次に確認する内容を、今の課題から選ぶ

渋渋の過去問を復習した後に何を見るべきかは、今回どこでつまずいたかによって変わります。すべてを順番に読む必要はありません。今の課題に近い解説から確認してください。

記述答案の作り方を確認したい

過去問演習全体の進め方を確認したい

国語で同じつまずきが続く原因を確認したい

別の過去問でも同じ読み方を試したい

学校別の過去問解説一覧から、他年度・他校の解説を探せます。

よくある質問

渋渋以外の学校の過去問にも、この復習方法は使えますか。

物語文の心情変化、説明文の理由選択、本文根拠の確認は、他校の過去問でも使える見方です。ただし、学校ごとに設問形式や字数条件は異なるため、それぞれの問題に合わせて確認する必要があります。

渋渋国語の過去問は、1年度分の復習だけで十分ですか。

1年度分の復習では、その問題でどのような読み方や答案の作り方が必要だったかを確認できます。ただし、同じ弱点が続いているかを判断するには、複数年度の過去問でも本文根拠の拾い方や答案の不足を確認することが大切です。

まとめ:心情記述と理由選択の考え方

令和3年度の渋渋国語の2問では、次の点を中心に確認しました。

  • 大問一問五:悟の考えの変化前・過去の経験・変化後を、会話文や地の文、回想を根拠にして説明する。
  • 大問二問三:傍線部と本文の内容を照合し、選択肢の説明が理由としてつながるかを判断する。

どちらも、答えを覚えることより、どの本文表現を使ってその答えに至ったかを説明できるようにすることが重要です。

今回の復習で見つかった課題を、次の過去問演習でも確認してみてください。

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