四谷大塚「予習シリーズ」国語の使い倒し方──宿題を“こなす”から“身につける”へ
読み時間目安:10〜15分
「予習シリーズの宿題をこなすだけで精一杯」「復習が追いつかない」──そんな悩みを、
「やりっぱなし」から「身につく」サイクルに変えるためのガイドです。
予習シリーズ国語のどの部分を深く・どこを薄くするかの方針を整理し、
授業前・授業中・授業後の役割分担を明確にしていきます。
家庭学習の回し方を整えたうえで、記述の添削や設問の根拠の取り方まで含めた国語対策の全体像を確認したい場合は、オンライン個別指導の全体像はこちらもあわせてご覧ください。
想定読者
- 四谷大塚に通う小4〜小6生
- 四谷準拠塾に通う小4〜小6生
- 保護者の方・家庭学習を支える大人
この記事で分かること
- 予習シリーズ国語の特徴と「伸びる子」が見ているポイント
- 授業前・授業中・授業後の「やること」と「やらなくてよいこと」
- 記述・語彙・文法それぞれの効果的な使い方
- テスト前に「どこを見返せばよいか」が分かるチェックリスト
- 予習シリーズだけに頼りすぎないための補助教材・読書とのつなぎ方
1. 予習シリーズ国語の特徴を整理する
まずは、予習シリーズ国語そのものの特徴を整理しておきましょう。
特徴を押さえることで、「全部を同じ濃さでやろうとして苦しくなる」状態から抜け出せます。
「量が多い=取捨選択が大事」と考え方を変えるところからスタート。
観点
分量
1回分の文章量・設問数ともに多め。特に上位クラスは負荷が高い。
意識したいこと
- 「全部完璧」は目指さない
- 重要問題を決めてメリハリをつける
観点
設問のバリエーション
選択問題・抜き出し・記述・語句・文法など、多様な形式が1冊に凝縮。
意識したいこと
- すべて同じ重みではない
- 「入試で頻出の形式」を優先して対策
観点
文章レベル
学年が上がるにつれ、内容・語彙ともに急に難しく感じる単元が出てくる。
意識したいこと
- 「分からない=才能不足」ではない
- 難しい単元は読み方のナビを重視する
こうした特徴をふまえると、予習シリーズ国語は、
「すべてを完璧にやる」テキストではなく、「取捨選択しながら使い倒す」テキスト
として付き合うのが現実的です。
2. 授業前・授業中・授業後の役割分担
「宿題をやりっぱなし」にしてしまう大きな原因は、授業前・授業中・授業後の役割が曖昧なことです。
ここでは、それぞれの時間帯に最低限やること・やらなくてよいことを整理します。
2-1. 予習:最低限ここだけはやる
本文を通して読む
内容
音読または黙読で1回。意味が分かりにくくても最後まで読む。
時間目安
10〜15分
ポイント
- 「全体の雰囲気」をつかむ
- 分からない語に印をつける
設問をざっと眺める
内容
どんな種類の問題があるかを確認(記述・抜き出し・選択など)。
時間目安
5分
ポイント
- 「どこが大事か」の目安になる
- 難しそうな問題に☆マーク
語句・漢字をチェック
内容
明らかに知らない語・読めない漢字にマーカーで印をつけておく。
時間目安
5〜10分
ポイント
- すべてを調べ切らなくてもOK
- 授業で聞く準備をしておく
特に記述問題は、授業で考え方の筋道を学ぶほうが効率的です。
2-2. 授業中:板書よりも意識したいポイント
授業中は、ノートをきれいに取ることよりも、「なぜそう考えるのか」という
思考の流れをつかむことを優先しましょう。
① 解説の「最初の一言」をメモする
先生が解説の冒頭で言う「ここがポイント」「この段落では〜」といった言葉は、
設問の方向性を示すヒントです。
② 根拠箇所に線・印をつける
解説で「ここが根拠」と示された部分には、二重線やマーカーを入れておき、
後で見返したときに一目で分かるようにします。
③ 自分の答えとの違いを書く
正答だけでなく、「自分の答えとどこが違うのか」を一言メモすることで、
次回の記述改善につながります。
2-3. 復習:もう一度見るべき問題・やらなくてよい復習
復習は「全部やり直す」必要はありません。
成績に効きやすい部分に絞って取り組みましょう。
| もう一度見るべき問題 | 理由 | やらなくてよい復習 |
|---|---|---|
| ×をもらった記述問題 | 書き方・根拠の取り方を改善しやすい。「伸びしろ」が大きい。 | すでに2〜3回正解している語句・漢字の機械的な反復 |
| 本文の読み違いがあった設問 | 本文の読み方そのものを修正できる。 | 細かい知識問題で、志望校の傾向と明らかに異なるもの |
| 本文の構造を問う設問(段落構成・要旨など) | 長文全体をつかむ力につながり、他の問題にも波及効果がある。 | 全く同じ形式が入試でほぼ出ない特殊な設問 |
3. 記述・語彙・文法それぞれの活かし方
予習シリーズ国語には、「長文問題」「語句・漢字」「文法・知識」など、さまざまな要素が詰まっています。
ここでは、特に成績に直結しやすい記述・語彙・文法の活かし方をまとめます。
3-1. 記述問題:答案の「型」を意識する
- 最初のうちは「自分の答案」より「模範解答の型」に注目する
- 「誰が」「何をして」「その結果どうなったか」を整理して書く
- 本文のどの言葉を使っているかに印をつけて、根拠と答案のつながりを確認する
1回分の記述でいいので、「もう一度、自力で書き直す」時間をとる。
「直しを書き写すだけ」で終わらせないことが、記述力アップの近道です。
3-2. 語彙・漢字:予習シリーズを「確認用」として使う
- 語彙・漢字ページを「覚える場所」ではなく「抜けを確認する場所」と考える
- 分からなかった語にはチェックマークをつけ、別ノートや単語カードに集約する
- テスト前は、チェックの入った語だけを重点的に見直す
3-3. 文法・知識:苦手なら「最低限ライン」を決める
- すべての文法事項を完璧にする必要はない
- まずは「主語・述語」「指示語」「接続語」「要旨」など、
読解に直結する分野を優先 - 苦手分野は、予習シリーズとは別に薄めの問題集で整理するのも有効
4. テスト前に「どこを見返すか」のチェックリスト
テスト前に「何を見返すか」が決まっていると、迷う時間が減り、集中して復習できます。
以下のチェックリストを参考に、「我が家のルール」を作ってみてください。
| ✔ | チェック項目 | 具体的な内容 |
|---|---|---|
| □ | 前回までに間違えた記述問題 | 自分の答案と模範解答を見比べ、「足りなかった情報」にマーカーを引く。 |
| □ | 本文の構造(段落ごとの役割) | 段落ごとに「何が書いてあるか」を一言メモしたノート・テキストを見返す。 |
| □ | チェックのついた語彙・漢字 | 予習シリーズの語句ページや単語カードで、×や△が付いている語だけを確認。 |
| □ | 指示語・接続語の問題 | 「これ・それ・しかし・だから」などが問われた設問を中心に復習する。 |
| □ | 苦手な設問パターン | 「心情の変化」「理由説明」など、自分が苦手なパターンに絞って見直す。 |
チェックリストをすべて埋めることが目的ではありません。
「今回はこの3つだけはやる」と決めて、確実に実行するほうが、結果的に力になります。
5. 予習シリーズだけに頼りすぎないための補助
予習シリーズは優れた教材ですが、これ1冊だけで「国語力のすべて」をまかなうことはできません。
特に、読書量・語彙量・入試問題への慣れは、別のルートから補っていく必要があります。
5-1. 読書:量よりも「ジャンルの幅」を意識
- 物語文だけでなく、エッセイ・説明文・評論調の読み物も混ぜる
- 予習シリーズで扱われるテーマ(家族・自然・科学・歴史など)に近い本を選ぶ
- 「面白かったところ」「よく分からなかったところ」を一言メモしておくと、読解に生きる
5-2. 語彙:日常会話と結びつける
- 予習シリーズで出てきた語を、日常会話やニュースの中で意識して使ってみる
- 「今日覚えた言葉」を家族で1つずつ発表する「語彙タイム」を作る
- 語彙帳・アプリを使う場合も、予習シリーズの語と連動させると定着が早い
5-3. 過去問とのつなぎ方
- 予習シリーズの文章と、志望校の過去問のジャンル・テーマを意識して比較する
- 過去問で出た設問パターン(心情・要旨・指示語など)を、予習シリーズ内で探して復習する
- 「予習シリーズで練習 → 過去問で本番に近い形で確認」という流れを作る
まとめ:宿題を「こなす」から「身につく」へ
予習シリーズ国語は、使い方さえ間違えなければ非常に強力な教材です。
大切なのは、「全部を完璧にやろう」とするのではなく、
「どこを深く・どこを薄く」扱うかを決めておくことです。
- 予習シリーズの特徴(分量・設問形式・文章レベル)を理解しておく
- 授業前・授業中・授業後で、「やること」と「やらなくてよいこと」を分ける
- 記述・語彙・文法は、それぞれ目的に応じて使い分ける
- テスト前に「どこを見返すか」のチェックリストを準備しておく
- 読書・語彙・過去問などで、予習シリーズだけでは届かない部分を補う
この記事を参考に、ぜひご家庭でも「我が家の予習シリーズルール」を作ってみてください。
宿題が「ただの作業」から、「合格に近づくためのトレーニング」に変わっていきます。
復習サイクルが回らないまま進むと、失点が固定化して合計点を削ります。
復習が「やりっぱなし」のままだと、減点理由が残って部分点を取り逃し続ける失点が固定化し、合計点に跳ね返って点数が伸びない状態が続きます。
原因は、判断軸の未固定です。


